秋山深一×神崎直 ![]() 「私、秋山さんが、好きです」 ・・・またこの子は唐突に、何を、 いや、どうせまた深く考えずに言ってるんだろうけど。 「・・・君、そんなこと簡単に男に言わないほうが良いよ」 彼女と視線を合わせないようにして俺は言った。 そう言って、軽く流そうとした。が、 「簡単じゃありません!」 意外にも彼女からすぐに返事が返ってきた。 しかも、よく見たら緊張した面持ちで、 ・・・いつもとは、違う。 なんだ、どうしたんだこいつは。 「・・・君が俺にすごく感謝してるのはわかってる、 お礼とかなら・・・別に良いから」 「そんなんじゃないんですってば!」 心なしか、彼女の目が潤んでる、かもしれない。 やばい、なんだこれ。 「私、秋山さんが好きです。 秋山さんとずっと一緒にいたいんです」 ・・・は? 頭が真っ白になりそうだった 「・・・何言ってんだ」 「秋山さんが私を好きじゃなくても良いんです。 ただ、ゲームが終わったらもう会えないなんて、嫌なんです。 隣を歩かせて下さいなんて言いません。 後ろからついて歩かせて下さい。」 ・・・それじゃ、ストーカーじゃないか、 「本当にバカだな、君は」 「バカじゃありません!」 「俺が犯罪者だってわかって言ってんの?」 「元、じゃないですか。 秋山さんは、いい人です」 彼女はまっすぐ俺を見て言い放った。 やばい、俺今、どんな顔してるんだ? 「私・・・何か秋山さんの役に立てませんか? 私にできることがあるなら何でもします。だから・・・」 彼女の目から涙がこぼれた。 でもその先を俺は見ていない。 彼女は今、俺の腕の中、だから、 「あ、秋山、さん・・・?」 「1つだけあるよ、君にしかできないお願い。」 腕を緩ませてささやくようにそう言ってやった。 「! なんですか!?」 彼女は目を輝かせて俺を見た。 「・・・俺の、隣にいて。 後ろじゃなくて、隣に、ずっといて。」 彼女は驚いた顔を見せた、 そして、すぐ満面の笑顔になった。 「います!ずっといます! だって、私秋山さんが大好きですから!」 彼女があまりに一生懸命なもんだから、 思わず俺も笑みがこぼれてしまう。 「すごく、好きです。すごくすごく大好きです!」 「うん、ありがとう」 そう言って彼女をまた強く抱きしめた。 「・・・秋山さんも、私のこと好」 彼女が言葉を言い終わる前に、 俺は彼女の唇を奪った 「あ、きやま、さ・・・」 目の前には真っ赤になった愛しい彼女 「なぁ、良い事教えてやろうか」 「なんですか?」 「たぶん俺のほうが君より前から好き、だったよ」 「・・・やっぱり秋山さんには勝てない、ですね」 そう言って彼女は涙を流しながら微笑んだ ああ、もう逃がしてやれないな、 俺はこれから自分との戦いだ 幸せなため息をついて、 もう1度彼女の唇に触れた ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |