秋山深一×神崎直 今日は母の命日だった。 あの忌まわしい出来事もこの日から始まったものだった。 あの時の憎しみ、悲しみ、深い絶望が ぶり返してくる。 封印したはずなのに――。 墓参りのあと彼女がやってきた。 いつものようにたわいないおしゃべりに付き合う。 そろそろ彼女に帰るように促す。 今日の俺はギリギリだった。 「じゃ、また。」 玄関先で見送る。 しかし、彼女は、自分の顔をじっと見ると 「私、帰りません」と言ってのけた。 いつもなら、置いておくこともできたが 彼女を傷つけそうで怖かった。 「今日は冷静で居られる自信がない」 「・・それでもいいです」 彼女はまっすぐ俺を見据える。 「・・いいのか?」 彼に勢いよく壁際に押し付けられ荒々しくキスされる。 本当なら帰ることもできた。 けれども私は見てしまったのだ。 彼のどこか冷たい、人やすべてのものを拒絶した表情に。 そんな彼を一人にしておきたくなかった。 舌を絡みとり追いかけられ 息ができない。 自分からは唇を離すことができず 彼の腕をたたく。 ようやく離れた唇から息を吸い込もうとしているうちに また再び深く口付けられる。 「ん・・・っ・・」 そのままの状態で勢いよく服が剥がされていく。 ブラウスがはだけ床に落ちていく。 強く押し付けられた背中が痛い。 ブラも外され胸の頂を指で転がされる。 それだけで子宮がきゅうんと収縮してくる。 口付けが止まらないまま、私はくぐもった声しかでない。 胸は、頂と膨らみを弄ばれ それだけでだんだんと立ってるのが辛くなる。 ようやく口付けから解放されて 彼の唇が首筋から鎖骨、胸に降りてくる。 「あ・・っ・・・っ」 舌で頂を転がされる感覚は、指とはまったく異なるもので それだけで気が変になりそうになる。 崩れそうになる体を 膝の間に足を挟まれ 無理に立たされる。 「秋山さん・・ベッドへ・・」と懇願するものの 彼は移動するそぶりを見せない。 立ったまま、彼の手がスカートに伸びる。 スカートをたくし上げ彼の指がショーツに触れる。 「へぇ・・」 恥ずかしくて顔がさらに赤くなる。 どうなってるかなんて自分がよくわかってる。 すっかり染みを作ったショーツの上から 彼は、指を這わせる。 布越しの感触は、もどかしさで逆にたまらなくさせる。 「あ・・きやまさん・・」 「・・何?」 「あの・・」 うまくいえない。 直接触って欲しいなんて。 でも、私の場所は、確実に彼に触れてもらいたがっている。 「どうしてほしいの?」 「・・いえ・・」 「ふーん・・」 そのままショーツをたどる指が 撤退してしまった。 「え?」 「別にいいんだろ?」 くやしい・・ でも、体の疼きは止まらない。 「触って・・ください・・」 「触るだけでいいの?」 彼は、ショーツの脇から指を入れてきた。 彼の指をすんなり受け入れてしまう自分が居る。 「すごいね・・ちょっと触ってただけなのに」 ショーツを下ろすと 指で中をかき回される。 待ち望んでいたことだけど 気持ちイイと同時にふわりと浮かされるような 感覚に襲われる。 「あ・・っ・・や・・っ・・」 ぐちゅぐちゅと中で愛液があふれ出す音がする。 私はその音と的確に攻めてくる彼の指に 足がガクガク震えてくる。 「・・も・・う・・立てません・・」 「駄目」 愛液は、太ももから、膝と伝う。 彼の指は止まらない。 「だめです・・もう・・・イッ・・ちゃう・・・!」 体が彼の指から逃れるようにようにビクビク痙攣して跳ねる。 彼がそんなあたしの腰をぐっと支える。 彼に抱きつくような形で私は全体重をかけてうなだれる。 もう立っていられなかった。 朦朧とする意識の中で、彼が私を抱きかかえたまま 寝室に移動したのがわかった。 ベッドに寝かされると、衣擦れの音が聞こえてきて 彼が服を脱いでいるのがわかった。 いつもと違う愛撫に戸惑いつつ 私は、恐る恐る 「今日はどうしたんですか?」と聞いてみる。 彼は「・・どうもしない」と 再び私を抱き始める。 前髪が隠れて彼の表情が見えない。 再び胸を舌で転がされ 指は下肢に伸びていく。 太ももをそっとなでられ秘所へ。 「すごい濡れてるよな」 そうつぶやくと彼が視界から消える え?と思うと 指とは違う感覚が体の中心を襲ってくる 膝の間に潜った顔は、ざらついた舌で 液で溢れた入り口をぺちょぺちょ 舐め取られる。 「や・・っ・・あきやまさん?!」 体をねじろうとしてもしっかりつかまれ動けない 恥ずかしさとそれ以上の気持ちよさで声が上がってしまう。 「は・・ぁ・・っ・・ あ・・っ・・ん・・っ・・」 ますます愛液があふれてくる。 彼は、時折ずずっとその液を吸い上げる。 もう音だけで頭がおかしくなりそうだ。 また先ほどの感覚が襲ってくる。 腰が浮きそうになりそのたびに押し付けられ 「もうだめです・・」と訴える。 彼は私の足を抱えあげる。 中に突き刺したのと同時に 私の中でも波がやってくる。 「あ・・っ・・・・」 彼がその波にあわせるように動く ぐちゅぐちゅ彼のと私のが混ざり合う中で 快感に上り詰めていく。 「あぁ・・っ・・・!」 奥にズンズン突かれ、また違った快感が襲ってくる。 「あ・・っ・・あ・・っ・・・っ・・!」 彼をがむしゃらに受け入れる。 体の奥が痺れ何も考えられなくなっていた。 珍しく私が先に目を覚まし 隣の彼の寝顔を見つめる。 さらさらの髪で、鼻筋が通っていて 実はまつげが長くて・・ そんな彼の寝顔を見つめていると 愛しさでいっぱいになる。 やっぱり帰らなくてよかった。 私を必要としてくれた感じがしたから。 ほんとうは何かあったのかもしれない。 理由なんて教えてくれないかもしれないけど 傍にいたい。 私はまだ眠る彼の体に腕を回し そっと抱きしめた。 SS一覧に戻る メインページに戻る |