夏の夜の君
秋山深一×神崎直


直が「お祭りに行きましょう秋山さん!」と
誘ってきた。
正直人ごみは苦手だし、なんとか断る理由を考えていると
「・・だめですか・・・?」と
悲しげな声が聞こえてくる。
仕方なくため息を零しながら、
「で、どこに行けばいいの?」などと
結局約束をしてしまう自分だった。

神社の入り口で待ち合わせていたのだが
直は黄色地にピンク色の花があしらわれた
浴衣姿で現れた。
「似合います?」と微笑む直。
髪もきちんと結い上げ
直の浴衣姿に見惚れてしまう。

「・・ああ・・」

こういうとき気の効いた一言でもでてくればいいのだが
直はこの一言で
「よかった」と喜んでいた。

想像してたようにかなりの人ごみで
直の手前、歩調をゆっくりに歩いていたのだが
気がつくといない。
後ろを見てみると変なナンパに引っかかっていた。

「俺らと一緒に行こうよ」
「でも・・私一人じゃないんで」

懸命に言い訳をしている直だが
そんなことでひるむ相手ではない。

「悪いんだけど俺のツレだから」

と直の腕を引っ張る。

「なに?!」

男ににらまれたがぐんぐん直を引いて歩いていく。

「秋山さん・・痛いです・・」

ようやく立ち止まると
「君さ・・ほんとに気をつけなよ」と呆れる。
しかし直はそんなこと気にもせず

「ありがとうございます!秋山さん!」

なんて笑顔で返してくる。

結局照れ隠しに
「行くぞ」と再び直の手を取って歩き出した。

休憩がてら、りんご飴を食べている直。
ちょっと歩き方がおかしいことに気づく。

「おい、大丈夫か?」
「・・はい。下駄履き慣れてないだけで」と
ぎこちなく笑うが
鼻緒には血がにじんでいる。

「こっからならうちのほうが近いな」と
秋山は、直を連れてゆっくりと歩き出した。

俺の部屋に入ると、手早く
直の足の手当てをする。

「ありがとうございます。
秋山さんって優しいですね」と
相変わらず自分を信じて疑わない直に
ふと嗜虐心が沸いてくる。

「優しければ誰でもいいのか?」
「え?」

浴衣の直にじりじりと近寄ってみる。

「あ・・秋山さん?!」

素っ頓狂な声を上げる直。
俺は、直がきれいに結い上げたかんざしを外し
髪を解いていく。

「俺は優しくなんか、ない」
「秋山さん?!」反射的に後ろに逃げる直
壁際にぶつかり捕獲。
直に逃げ場所はない。
俺は、直に顔を近づける。

「あ・・・・秋山さん!」
「・・なに・・」
「あの・・っ・・浴衣が皺になりますっっ」

俺が直の浴衣に触れようとしたのと
同時だった。

「だったら、脱いじゃったほうが早いんじゃないの?」
「私一人じゃ着られません・・っっ!」
「へぇ・・」
「あのっ・・だから秋山さん?!」
「手伝ってやるよ」

俺はにやりと笑って直の浴衣に手をかけた。

襟足からのぞいた首筋に強く吸い付き、いつもより
赤い烙印を押し付けていく。
白い肌がだんだんとピンク色に色づいてくる。
こんなにも抱きたいと思うなんて俺はイカれてるのだろうか。
恋とか愛とかいう“レンアイカンジョウ”は、
とうの昔に置いてきたように思うが、
ただ、直のことを求めてやまない自分がいる。

「あのっあのっ・・」

パクパク混乱する直
もういい加減慣れてくれたらいいのに・・と
ため息を零すと

「なんかしゃべってないと心臓がバクバクして・・」
「じゃ、しゃべれないようにしてやる」

直の唇を口付けで封じ込めた。

口内を味わうように
逃げる直の舌を絡みとり吸いあげていく。
形のいい胸をもみ始めると
直からも声が上がり始める。
どこをどう触れたらそんな声が上がるのか
わかってるつもりだが、まだまだこんな直のことだ
未知数のはず。
顔を赤らめ俺を感じている姿は、やはりなまめかしい。
そして、もっともっと声を聞いてみたくなる。

胸の蕾をいじりだすと
直から違う声が上がる。

「あの・・っ・・」
「ん?」

まだしゃべる余裕あるのか?と
直の顔を覗き込むと

「あ・・あきやまさんは気持ちいいんですか?」

と聞いてきた。
この時点で聞かれるのは、初めてだったが

「・・これからその予定だけど」

と答えた。

「よかった・・なんか私ばっかり・・」と
顔を赤らめる。

「もうちょっとしてから楽しませてもらう。
まずは君から」と
そっと直に口付けて愛撫を開始する。
どうやら余計な心配をさせてしまったようだ。

太ももの間に手を差し入れ秘部へ。
潤い始めているそこに指を差し入れ
その液をスライドさせ花弁にそっと触れる。

「や・・っ・・」

びくんと直が跳ね上がる。
まだイクのに抵抗があるらしい。

「気持ちイイ?」

真っ赤になりながらうなづく直。
花弁と中を同時に攻めていると
直の手が邪魔をしてくる。

「あの・・もうだめです・・ほんとに・・っっ!」
「気持ちイイんだろ?」
「でも・・っ・・」

首をブンブン振る。

「そのまま素直に感じればいいんじゃない?
俺はそのほうがうれしいけど」
「!!」

直は、観念したように手をどかす。
俺の指の動きと快感の波に飲み込まれていくように
直が嬌声を上げながら達していった。

「あの・・秋山さん・・?」

直の意識が戻る。

「ああ・・」
「私、優しいから誰でもいいんじゃないんですよ」
「ん?」
「秋山さんだから好きなんです。」

まっすぐ自分を見つめてくる。
自分をこんな風に求めてもらえることが
不覚にもうれしくて
直への想いが満ちてくるようだった。

「俺もかな・・」
「え?」
「俺も君だから好きなのかも」

お互い自然と顔が近づき
深い口付けをかわす。

直と体を重ね一緒に上りつめていく。
お互いのことだけを考えて
こんなにも幸せなことなどないのかもしれない。

床に散らばる鮮やかな浴衣・・。
先に目を覚ました俺は、その浴衣を見つめながら
タバコをふかしていた。

「秋山さん?」

直が目を覚ましたようだ。

「なに?」
「あの・・このままじゃここから出られません・・」

直は真っ赤になりながら

「服を貸してください」と懇願した。

適当に自分のTシャツとズボンを渡すが
案の定かなりダブダブで
なんだかとてもかわいかった。

ぶっ・・と笑うと
「誰のせいだと思ってるんですかー!」と
直のふくれっつらが返ってくる。

「浴衣手伝ってくれるんですよね?」
「は?」
「言いましたよ」
「そんなこと言ったっけ?俺浴衣なんて着せたことないよ?」
「私、この格好で帰れっていうんですか?」

直は自分のダボダボの服を見て

「これじゃまるで朝帰り・・」と
赤面しながらつぶやく。

「タクシー呼んで送ってやるよ。
今度は、ちゃんと着方覚えておけよ」
「はいっ!それなら今度私が
秋山さんに着せてあげられますね。
きっと似合うだろうな〜」と
喜ぶ直。

おい・・今度は俺も着るのかよ・・と
唖然としつつも、それも悪くないかなと思う秋山だった。






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