黒直
秋山深一×神崎直


細く薄い爪を彼の筋肉質な胸板に食い込ませる。


「っ……」


少し眉間に皺を寄せる表情が、堪らなく私の支配感を満たす。


「痛い…?」


いつもの彼女のふわりとした笑いより、ニヤリとという方が、今の彼女の笑い方には相応しく思える。

「何が、したい」


そう聞いても彼女は笑うだけ、


秋山は体を動かそうとするが、手首を縛る紐を余計食い込ませるだけで。

そんな状態の秋山に跨る直。
いつもと様子が違うのは明らかだ。


「何のつもりだ。答え、」

そこまで言いかけた所で直が自分の唇で秋山の唇を塞ぐ。


秋山の頭を掴んで口内の奥まで、その小さな舌を差し入れる直。
透明な滴が顎を伝うが気にしない。


ちゅっ、 とリップ音を立てて唇を離す直。

その意図が、秋山には全く理解出来なかった。






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