ひとつに
秋山深一×神崎直


直は、戦いの途中、秋山に言われた事を考えていた。

「お前に俺のなにが分かる・・・」

演技だったとはいえ、確かに自分は秋山さんの事を何も知らない。
いつも助けてもらってばかりで私は何も・・・直は落ち込んでいた。

「何悩んでんのよ?」

後ろから声をかけられ、直が振り向く

「麻生さん・・・!」

声の主は麻生だった。直は麻生に泣きそうな顔で、悩みを打ち明けた。

「ふぅん・・・。つまりアンタは、秋山が好きだから、秋山のことが知りたいってことでいいんだね?」

「すっ!好きだなんて!ち、違います!」

直が顔を真っ赤にして答える。

「違うの?」

「好きっていうか・・・その、秋山さんは優しくていつも助けてくれて・・・」

「そういうのが好きってことだろ?もう〜アンタは自分の気持ちにまで鈍感なんだね。」

麻生は呆れながら言う。

「あの、私もっと秋山さんのことが知りたいんです。それでもっと心を繋げれたらいいなって。」

直の真剣な眼差しは、すごく力強く、多分秋山も、その眼差しには勝てないんだろうな
そんなことを思いながら、麻生が口を開く。

「そのまま伝えなよ。秋山と、繋がりたいって言ったらいいんじゃないの?
心をひとつにしたいってことだろ?」

「そうなんです!ひとつにしたいんです。ありがとうございます麻生さん!
私、頑張ります!」

そう言って、ガッツポーズを作る。
麻生は大丈夫かな?といった顔つきで直を見送り、小声で「頑張んなよ。」とつぶやいた。

直は秋山の部屋の前で、立ち尽くしていた。
さっき頑張ると決意したものの、いざとなると緊張する。

・・・大丈夫!なにも告白するわけじゃないんだし。
でも、告白のようなもんだよね・・・
やっぱやめとこうかな。でも麻生さんと約束したし・・・

そんなことを考えながら、部屋の前を行ったり来たりしていた。

「何してるんだ?」

後ろから声が聞こえて、硬直する。

「あ、秋山さんっ!ど、どうして後ろから!?」

秋山は部屋ではなく、廊下から現れ、直は目をまるくする。

「君こそ、さっきから何してるんだ?」

見られてたと思うと急に恥ずかしくなり、止まってしまう。

「入りなよ。」

秋山はいつものトーンで直を部屋に呼び入れる。
まだ立ち尽くしてる直に自分の隣に座るよう指示すると、
直は黙って従った。

「あの、秋山さん。私、話があって!」

まだパニクっているのか、変な言葉遣いで直が声をかけた。

「何?」

冷静な秋山の声は直を余計にパニックにさせる。

頭をフル回転させ、直が先ほど麻生と約束した台詞を口にする。

「あの!私、秋山さんと繋がりたいんです!」

「・・・は?」

秋山のポーカーフェイスが崩れる

「だから、秋山さんとひとつになりたいんです!」

言い終わった後に、直は大変な言い間違えに気づいたが、
もう遅かった。

「・・・どういう意味か、分かって言ってんのか?」

秋山は直の腕を掴み、顔を近付ける
直の大きな目がますます大きくなる。

「あのっ、違うんです。いや違わないけど、違うんです!」

言い訳もむなしく、その場に押し倒されてしまった。
ドキドキしすぎて声もでない。
そんな直を見て、秋山がクスッと笑った。

「君はほんとに、かわいいな。」

「えっ!?秋山さん今なんて?」

直が聞き返すと、秋山が照れた表情で何もないと言う。

「秋山さん照れてます? ・・・可愛いw」

「・・・君は本当に何もわかっていないな。今どういう状況なのか。
本当は許してあげようと思ってたけど、ちょっと意地悪したくなった。」

秋山は、掴んでいた直の両手を、頭の上にもっていき、片手で掴みなおした。

「えっ!? ちょっと秋山さん!?」

秋山は、空いた右手を直のワンピースの裾から差し入れた。

「ちょっ、ちょっ、ちょっと待ってください! 秋山さん!」

直は、足をばたばたさせながら抵抗するが、秋山の体が上に乗っていて動けない。
秋山が直の内股に手を這わすと、直の体がビクッと反応した。

「秋山さん!嫌ですっ!」

「・・・ほんとに嫌か?」

また顔を近づける。

「嫌です!」

直は強い眼差しを秋山に向ける。
そして続けた。

「私は、秋山さんのことが知りたいんです。私は・・・秋山さんが好きなんです!
本当の秋山さんが知りたい。だからこんなのは嫌です。」

「・・・ごめん。」

秋山は掴んでいた直の腕を放し、やさしく抱き上げた。

「秋山さん・・・?」

「今日のこと、気にしてたのか? ・・・今のが本当の俺だよ。
君を見てると・・・かわいくて、意地悪したくなる。」

「それって、秋山さんも私が好きってことですか?」

「好きに解釈しろよ。」

秋山の照れた表情は、肯定を意味していると、直にもわかった。

「はい!」

直は、秋山に満面の笑みを向ける。
秋山が顔を近づけ、直にそっと口付けた。
そしてそのまま押し倒して耳元でそっとささやいた。

「意地悪、してもいいか・・・?」

「はい・・・。」






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