甘い疼き
秋山深一×神崎直


それを手に入れたのは…ほんの偶然。
仕事先の奴から、ふざけて渡されたものだった。
捨て忘れて置いてあったモノ。
これが事のはじまり。

「遅いな…秋山さん。」

普段のお礼を兼ねてご馳走します!と言うと秋山から手料理が食べたいと言われた。
早くに母を亡くしている直は料理は得意な方なので喜んで引き受けた。
合い鍵を渡され、なるべく早く帰るからと言って秋山は仕事に出かけていった。

時間は…午後8時過ぎ。もうそろそろ帰ってくるかな?

「くしゅんっ」

小さくくしゃみが出た。…ちょっと風邪気味かも…。

そんな事を考えながら待っていると直の携帯が鳴り出した。

「…あ、秋山さん。今どこですか?」
『悪い、仕事が長引いた。もうすぐ帰るよ。』
「わかりました。私、待ってま…くしゅんっ!」
『どうした?風邪か?』
「う…ん…引きはじめみたいです…。」
『寒ければ家にあるモノでも適当に着てな。あと、薬もあったはずだから飲めばいい。』
「え…でも…。」
『いいから。すぐ戻る。』

そういって秋山の携帯が切れた。

う〜ん…酷くなって秋山さんにうつしても悪いなぁ…。
そう思い、申し訳ないが薬を分けて貰うことにした。

「これ…かな?」

一つの薬袋を取り出す。
ちょっと効能の部分が擦れていて読みにくいが、
服用後に熱がどうの…的な事が書いてあるようだ。
取り出すとピンクのカプセルが一つ入っていた。
水とともに一気に飲み干す。

「ふぅ〜…。」

これで一安心…そう思っていた。

「ただいま。」

数分後に秋山が戻ってきた。

「おかえりなさい。」

出迎えようと立ち上がろうとした直だったが
…何故かうまく立てない。

あれ…?熱が…上がってる?
身体全体が熱くなってきたようだ。

「どうした?しんどいのか?」

秋山が心配そうに直に近づき覗き込む。

「だ…大丈夫です。ちょっと、ぼーっとしちゃって…すみません。
 あ…それより、せっかく作ったので食べて下さい!」

秋山から溜息が漏れる。無理しなくてもいいのにコイツは…。

「わかった。後で送ってやるから…そこででも寝てろ。」

そう言って食卓の方へ行った。

直は自分の身体の変化に戸惑っていた。
体中が熱くなり、頭がぼーっとしている。
…薬を飲むのが…遅かったのかな…。
また秋山に迷惑をかけてしまうかも…と思うと申し訳ない気持ちになる。
しかし…身体は更に変化をもたらした。

「あっ…。」

自分の子宮口がきゅっ、と締まるのがわかった。
触れてもいないのに、いつの間にか秘部からは蜜が流れ、
下着を通り越して太腿まで伝い始めていた。

…やだ…何これ…。
隣に秋山が居るというのに呼吸も荒くなっていく。

どう…しよう…。
自分の身体が言う事をきかない。
乳房も、どくんくんと鼓動にあわるように
勝手に乳首がしこり立ちはじめてしまう。

今や身体全体に甘い疼きが掛け廻り、快楽を求めていた。

早々に食事を終えた秋山は直の様子が気になり隣室へ向かう。
すると…顔を赤らめ呼吸も荒くなっている直が俯いて座っていた。

「おい…大丈夫か?」

秋山の声ではっ、となる直。
潤んだ瞳が秋山の視線と重なってしまった。

ダメ…気付かれる!
直はフラフラとなりながらも、トイレを借りますとだけ呟いて
…秋山の側を離れた。

「…何なんだ?」

あまりに様子がおかしすぎる。
しかも…一瞬見せたあの潤んだ瞳は普段の直にはない
色っぽさが漂っていた。

ふと…ごみ箱に目をやると見慣れない薬袋が捨てられていた。
何気なしに拾い上げ見てみる。

「…ん?…これは…。」

すっかり忘れていた…。
ふざけた仕事先の奴から渡された催淫剤だ。
捨ててしまうつもりだったのだが…どうやら忘れていたようだ。
よりにもよって直が飲んでしまうとは…。

「あいつ…今頃…。」

どうしようか?と悩みつつ直の居るトイレへ向かった。

直は…個室となったトイレで耐え切れない欲を鎮めるために…
下着を下ろし自分の割れ目にそっと指を入れていた。
すでに愛液でべとべとになりながら熱く求める子宮の入口まで
指を奥へ突っ込む。

「ああっ…んんぅ…。」

秋山が居る為、出来るだけ声を出さないようにしたいのだが
…快楽でどうしても洩れてしまう。

いや…側に秋山さんが居るのに…
どうして止まらないの…?

指の動きは直の意志に反して勝手に激しく動きだし意識が朦朧してくる。

突然、ドアからコンコンと叩く音が聞こえた。
直はびくっ、となって動きを止める。

「…ナオ?」

ドア越しに秋山の声が聞こえる。
どっ…どうしよう…。
直は冷静な判断が出来ないでいた。

まだまだ身体は肉欲を求め狂おしい程疼いていて
何も秋山に答えられない。

「…ナオ、そのままでいいから聞くんだ。」

秋山は出来るだけ冷静に…直に状況を伝えた。

「さ…催…淫剤…?」
「そう。お前が飲んだのは催淫剤だ。
 …性的欲求が強まり快楽を求める。」

そ…そんな…。
知らなかったとはいえ…一体、どうすれば…。

「俺が何とかするから…出てこい。」
「えっ…でっ…でも…。」
「とにかく…出てこいって。」

秋山に強く説得され…そっと小さくドアが開く。

顔が赤くなり吐息が熱くもれ、瞳も潤みきった直が
ドアにもたれるように立っていた。

「大丈夫か?」
「秋山…さん…私…。」
「わかってる。辛いんだろ?」

こくん、と直が頷く。

「私…ドジばっかりで…。」

泣きそうになりながら直は俯いた。

「いや、これはお前のせいじゃなく、俺が悪い。だから泣くな。」

そう言って秋山は直をドアから離し、両腕で支えた。
びくんっ、と直の身体が反応する。
体中の全神経が研ぎ澄まされているようだ。

「どうして欲しい?」

秋山は直を座らせて問い掛けるが恥ずかしくて言えないのか
息は荒いまま黙っている。

「…薬のせいだから気にするな。」
「…でも…。」
「身体が求めるままに言えばいい…その方が楽になる。」

そう…秋山に促されて直は恥ずかしそうに
小さく…下を…触って下さいと頼んだ。

秋山は直の要求通りに片方の手を直のスカートへ潜り込ませ
べとべとになった下着を脱がせる。
そして…すっかり感覚が研ぎ澄まされてしまった
直の割れ目にゆっくりと指を埋めた。

「ああっ…!」

わずかな刺激ですら…直には強い快感となって駆け巡る。
しかし、すぐそれはより深い欲望となって…身体が求めた。
もっと…奥まで…。
身体がそう求める。
だが恥ずかしくて言葉には出来ずに腰をくねくねと動かしてしまう。

「…もっと奥?」

直の動きで察した秋山が問い掛ける。

「ああ…はっ……んっ」

秋山はぐいっ…と指を奥まで突っ込み、掻き分けるように動かした。
そして直の首筋に口付けしながら服越しに胸を触り突起を摘みあげた。

「やああぁ…んんぅ…。」

秋山に触れられる全てが熱い。
今や快楽に支配されつつある直は秋山から与えられる
愛撫だけが総てになっていた。

薬のせいとはいえ、普段の直からは信じられない妖艶さだった。
正直…直にこんな面が隠されていたなんて驚いてしまう。

秋山の雄としての性が直を今すぐ犯し、めちゃくちゃにしたいと
狂おしい程に求めているが、彼女を楽にする為だけに…
と必死に押さえ込む。

片手で秘部を弄りながら器用に直の服を脱がせていく。

「はあ…ああっ…。」

無意識に直も腰を浮かせて手伝い、全裸になって横たわった。

そして秋山は直に覆いかぶさるように身体を重ね口付けを交わす。
求めるように直の口内に舌を忍び込ませると、直も激しく舌を求めてきた。
くちゅくちゅ…と絡み合う二人の舌の音。
直の口許から混ざり合った唾液がつぅ、と一筋落ちた。

秋山はそのまま首筋から胸、乳首までゆっくりと
舌を這わせて直の肌を味わっていく。

「ああんっ…やぁ…」

片手で乳房を揉みしだきながら、もう片方の手は敏感な
下の突起を捉えていた。

「ひぃ…ああん…いやぁ…。」

小さく震えるように直が反応する。

しかし直の身体は際限なく
…もっともっと…と気持ち良くなりたがっていた。

秋山さんが…欲しい。

身体がそう求めている。
もう…薬のせいなのが自分が求めているのかもわからないけど…。

「あき…やまさん…。」
「…なんだ?」
「私に…入れて…下さい。」

恥ずかしさで顔は赤らみ甘く呼吸を乱し
泣そうになりながら秋山に懇願した。

「…いいのか?」
「お願い…我慢…できないんです。」

直の懇願に秋山は自分のTシャツを脱ぎベルトを外し
下着ごとズボンを脱ぎ捨てた。
そして直の両脚を拡げ、己自身を愛液で溢れた
直の秘所へ宛がう。
一気に押し入りたい衝動を抑え、浅く埋めて
直の割れ目に上下に添わせた。

「あっ…ああ…」

焦らされて思わず直の腰が動いてしまう。
それでも秋山は直の中に入れずに囁いた。

「…後悔しないか?」

薬のせいで…こんな事になってしまって…。

しかし直は首を左右に振り否定した。

「私…秋山さんが…好きです。…だから…」

秋山さんとなら後悔しない…本気でそう思っていた。

直の言葉に意を決した秋山は濡れて息づいている
直の秘部の奥まで貫く様に押し入った。

「あっ…あああっ…!」

熱い肉棒が直の中をえぐり取るように掻き回し快楽の刺激を与える。
求め願った感覚に直の身体が歓喜していた。

二人の結合部からぐちゅぐちゅと音を奏でる。

「ああっん…いっ…。」
「気持ち…いい?」

秋山の問いに直はコクンと小さく頷いて答える。

その可愛い仕種に刺激され、より激しさを増した
秋山の動きに直は必死についていった。

「あっ…あき…やま…さん…私…もうっ…」
「イキそう?」
「あ…は…い…んんっ」
「わかった。」

秋山はより深く繋がるよう直の両脚を持ち上げ、
己を奥へ奥へと突き上げた。

「あああっ…もう…ダメぇぇ…!」

絶頂が全身を駆け巡り、直の子宮口は強く秋山を締め付けたが…
何とか射精の衝動を押さえ秘部から己を抜いて直の腹部に果てた。

直は…その後の事はハッキリと覚えていなかった。
遠い意識の中、秋山に支えられてシャワーを浴びた所までは
何となく覚えているが…気がつくと秋山のTシャツを借りて寝ていたようだ。

「ようやく起きたか。」

煙草を口にくわえながら秋山が側に座っていた。

「あ…秋山さん、私…。」

さっきまでの事を思い出し恥ずかしくて俯いてしまう。

そんな直を見て秋山が意地悪げに言い放つ。

「大変だったぞ。」

直は意味がわからず…はい?と問い直す。

「掃除。誰かさんの大洪水のお陰で。」

か〜っと顔が真っ赤になるのがわかる。

「すっ…すみません!」

慌てて謝る直を見て秋山が笑った。

「冗談だよ。それより体調は?」
「えっ…あっ…多分、大丈夫…だと思います。」
「無理はしない方がいい。時間も時間だし、今日はこのまま泊まれば?」

時計を見ると午後11時58分…随分しっかりと寝ていたらしい。

「いいんですか?」
「君さえ良ければね。俺も眠いし。」

…そういえば秋山さんは今日、仕事だった…。
疲れていても無理ない。

「じゃあ…お言葉に甘えて。あっ…私、明日の朝食作りますね。」
「ああ。」

吹かしていた煙草を消しながら秋山は答えた。






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