甘い疼き 続き
秋山深一×神崎直


催淫剤とは…実にやっかいなシロモノだ。
一度、衝動が治まっても数時間後に再度身体に
変化をもたらす場合がまれにある。

直の場合もそうだった。

布団が一組しかなく直に譲ろうとした秋山を
無理矢理…それは泣き脅しのように、強引に一緒に寝るよう説得した。
今は自分に背中を向け眠る秋山を起こさないように
…直はそっと布団から出た。

また…身体が疼いている。

最初みたいに…熱く焼け切るような激しいものではない。
だが…燻るような熱さはゆっくりと直の身体を支配していた。

どうなっちゃうんだろ…私の身体…。
ずっとこのままなのかな…と不安が過ぎる。
どうしようも出来ず両手で身体を抱え込み
俯いたまま座り込んだ。

「…どうした?」

秋山が起きてしまったようだ。
直は…秋山に話すか悩んだが解決には聞いてもらうしか
方法は…無かった。

「秋山さん…私…。」

知らずと潤んだ瞳を浮かべて秋山を見つめる。
それだけで事態を察知した秋山は溜息を漏らした。

「まだ…薬が消えないのか?」

秋山の言葉に頷く直。

「私…どうしたら…」

そう言ってまた泣きそうになる。

布団に横になったままの秋山は手だけを差し延べ、おいで…と直を促す。
そして近付いた直を自分の元へ引き寄せた。

「あっ…」

秋山の胸に倒れ込む直。
頭を上げると間近に秋山の顔があった。

どちらが…という訳でもなく自然に口付ける。
互いの舌を絡み合わせながら抱擁した。

秋山は頭を少し上げて直の首筋に舌を這わせた。
そして直の着ている自分のTシャツをそっと捲くり上げると
直の胸がぷるんと現れる。

「ん…っ」

下から持ち上げるようにそっと胸を掴むと
直は思わず顔を上げて甘い吐息を漏らした。

秋山はふと…何かを思い付き、直に触れていた手を止めた。

「ナオ…頼みがあるんだけど…。」
「何…ですか?」
「…俺のも…触ってくれない?」

驚いた表情を浮かべ、自分を見つめる直の頭を撫でながら、
少し意地悪ぎみに言葉を続ける。

「嫌なら…もう止めて寝るけど?」
「え…。」

ちょっと、それは…困る。

僅かに触れられ、口付けられただけで…燻っていた
欲望の炎が燃えはじめているのだ。
もう…押さえようが無い。

顔を赤らめながら、わかりました…と小さく呟き、
ぎこちなく秋山自身をズボンの上からそっと触れる。

硬くそそり立つ男性器に初めて触れる事にドキドキしながらも
慈しむように優しく撫でた。

戸惑いながら己自身を触る直を見つめながら秋山は苦笑いをした。

「焦らしてるのか?」
「えっ?…あの…」

意味がわからず焦る直に秋山は耳元まで顔を近付け囁いた。

「…直接触ってくれないと…ね。」

直の全身が熱くなり耳元まで真っ赤になってしまった。
予想通りの直の反応に、秋山は笑いながら直の頭を撫でる。

秋山の掌で弄ばれている悔しさから逆らいたくて直は
秋山のズボンと下着を脱がせて…直接触れて撫で付けた。

「ん…。」

自分の反撃に反応する秋山に愛しさを募らせた直は
今度は顔を近づけ、そっと舌を這わせる。

想定外の直の反撃に苦笑する秋山。

「…頑張るねぇ…。そんなにコレが欲しい?」

秋山の問いに直の動きが止まり…小さく頷いた。

「わかった。じゃあ今度は俺の番だな。」

そういって身体を起こし、代わりに直を横たわらせる。
そして身体を重ねるように直の上に乗り…口付けた。

直は秋山の首元に両手を絡ませ、息苦しくなるほど舌を…互いに求めた。
秋山はそっと直の下半身へ手を伸ばし下着を下ろす。
そして密かに息づく直の秘部へ指を滑り込ませた。

「んんっ…。」

口付けたまま…歓喜の声を漏らす直。

その姿が愛おしくて秋山は頬や首筋を啄むように口付けていく。
そして胸の突起を指先で弄びながら、口に含み舌先で擦りながら軽く吸う。

「あっ…ん」

求め焦がれていた刺激が与えられて直の身体が小さく震える。
胸と秘部への愛撫に腰がうねり自然と股間の蜜が溢れていた。

散々弄んだ胸が名残惜しいように舌先をギリギリまで乳首に絡めながら
そっと顔を上げた。
そして身体を下にずらし直の秘部へ視線を落とす。

「やぁっ…見ないで…。」

視姦される恥ずかしさから脚を閉じようとする直を両手で押さえる。

「相変わらず…凄い量だな…ナオは。」
「いやっ…。」
「本当に薬のせいか?」

意地悪く、そう言って直の割れ目に添って舌を差し込む。
そして溢れていた蜜を掬い上げるように舌で舐め上げた。

「あああ…や…んっ」

ビクン、と直の全身が硬直した。

秋山は指先で割れ目を左右に拡げ、
直の最も敏感な肉の突起へ舌を何度も絡ませた。

「やあぁ、だっ…めえぇ…ああんっ!」

直の身体が弓なりにのけ反り…軽く達してしまった。

「はぁはぁ…。」
「イッたのか?」

息が上がり、一瞬で意識が真っ白になった直はすぐに答えられない。

その姿が可愛くて堪らず秋山の欲望が膨らんだ。
早く…直の中に己自身を埋めたくて直の秘部へ宛がう。

「ナオ…いい?」

覗き込むように直の顔へ近付くと直は小さく頷いた。

潤みきった直の秘部へ秋山自身を滑り込ませる。
それだけでイキそうになる快感を抑え、
直の肉壁をえぐる様に何度も擦り上げる。

「ああっ…うぅんっ…い…い…」

甘美な快楽の波が直を包み込む。

全身で受け入れるように両手を秋山の首に絡ませて
引き寄せるように身体を反らせた。

「あっ…い…ああんっ」

二人の結合がより深くなりグチャグチャと淫靡な音を繰り返す。

「くっ…いいよ…ナオ。」

とろける様な甘い刺激と締め付けが秋山を襲う。
ヒクヒクと脈打つ肉壁は秋山を捕らえて離さない。
それに負けまいと激しく動かすとより刺激が増して果てそうになる。

「ああっ…も…もう…。」
「…イキそう?」

秋山の問いに直は快感に震えながら小さく頷く。

「いいよ。じゃあ、一緒に…な。」

ぐいっ…と直の片脚を持ち上げ、少し横向きになるように
直の身体を動かす。
身体がクロスするように結合し、そのまま突き上げると
より直の狭い奥へと侵入していった。

「あああっ…!」

若干の体勢の変化で直への刺激が変わる。
もう何も考えられず、秋山の肉棒の動きに合わせるだけで精一杯になった。
迫りくる絶頂に我を忘れた直は秋山に腕を伸ばし全身を強く波立たせる。

「ダメ…もう…秋やま…さん…イッちゃうっ!」

その言葉に秋山の動きがより激しさを増し直を絶頂へ誘った。

「ああああっ…!」

最高潮の快感が二人に駆け巡る。
秋山は己自身を直から抜き横たわる直の身体の上で果てた。

直はシャワーを浴びて、さっき着ていたTシャツも含めて
着替えを置いたままだった事に気付く。
慌ててバスタオルを身体に巻き付け秋山の居る部屋に戻った。

「すみません、着替えを忘れてました。」

恥ずかしげにそう言う直に秋山は笑って

「そのまま居れば?」

と答えた。

「また薬の効果が来るかもしれないし。」

からかい半分で何気なく言った秋山の言葉に…直の表情が凍り付く。

「秋山さん…私、どうなっちゃうんでしょう?」

直の真剣な表情に秋山は言葉を失う。

「ずっと…このまま…なのかな…?」

そう言って俯き、泣きだしそうになる。

やれやれ…といった感じで秋山は直の側まで行きそっと両手を肩に乗せた。

「大丈夫だ。こんなモノは一時的な事だ。」

でも…といった表情で顔を上げ、潤んだ瞳で秋山を見つめる。

「…仮にそうなっても…俺が居るだろう?」
「秋山…さん…。」

直は喜びのあまり秋山にぎゅっと抱きつき…そっとキスをした。






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