秋山深一×神崎直 ![]() 秋山視点…Side.A 直 視 点 …Side.N Side.A-1 「…はい、大丈夫ですから…心配しないで下さい。じゃあ…」 喫茶店の店内で、俺の向かい側の神崎直が携帯で話をしていた。 話の感じから…LIAR GAMEの参加者だろう。 にこやかに話す姿に…少し妬いてしまう。 「誰からの電話だ?」 らしくないと思いながらも、つい聞いてしまった。 「あ…江藤さんです。敗者復活戦の後も…気にしてくれてるみたいで、よく連絡をくれるんです。」 よく…という言葉に引っ掛かりを感じている自分にイライラする。 気にする事は無い…ごく普通の事だ。 自分を救ってくれた相手を気にかける事ぐらいは…。 そう言い聞かせつつ…つい疑問を洩らしてしまう。 「いつの間に携帯番号を交換したんだ?」 えっ?といった表情をしながら直は考え込んでいた。 「いつだったかなぁ…?あっ、敗者復活戦の直後です。」 そう言って直は手元のアイスティーをストローでかき混ぜた。 「役に立つかわからないけど、何かあったら連絡してくれって言ってくれて。」 「ふ〜ん…」 俺も手元のコーヒーを口に付けた。 口に広がるほろ苦さが…俺に落ち着きを取り戻してくれるだろうか? 決して、嫉妬なんてものじゃないんだ…と。 Side.A-2 「お前さ…もうちょっと、よく考えろな。」 「…はい?」 「敗者復活戦の時といい…万人にいいカッコしても意味無いだろ?」 もう少し直自身の事を考えて欲しくて、俺がそう言うと…直は頬を少し膨らませた。 「そんなつもり…ありません。私はただ…みんなが良くなるようにと思ってるだけです。」 現実は…そう甘くは無いから、お前は騙されるんだと強く言いたい。 俺が、あの会場に行かなければどうなってたか…もう忘れてるのか? 「俺は…そんな事の為に助けに行ったんじゃない…。」 お前の為に…駆け付けたのに…。 「…すみません。巻き込んじゃった上に…迷惑ばかりかけて…。」 直は俺が怒っていると思ったらしく、頭を下げたまま…俯いている。 「本当にそう思ってるなら馬鹿な真似ばかりするなよ。」 イラついたまま…話してしまって口調が強くなってしまった。 さすがに直もムッときたらしく、珍しく俺に反論してきた。 「…そんな言い方…ないんじゃないですか、秋山さん。」 「何が?今までの事を考えたら明らかだろ?」 「確かに…私はドジで…失敗ばかりしてますけど…だからって私なりに考えて行動してるんです!」 「それが…あの行動か。聖人君子にでもなったつもりか?」 「だから…そんなつもりはないです!…もう…いい加減にして下さい!」 直はテーブルに手をつき、立ち上がった。 「おい、まだ話は…」 俺の言葉をもう聴きたくないと、両手で耳を塞いだまま…直は逃げるように店を出てしまった。 一人残された俺は…深い溜息と共に後悔が伸し掛かる。 売り言葉に買い言葉とはいえ…もっと上手く、冷静に対処が出来なかったのか? 天才詐欺師が…聞いて呆れる。 それとも…素直に本音を言えば良かったのだろうか? 多分…それが正解だろう。 直の前では…つい本音を漏らしそうになる。 それを抑える為に虚栄をはったに過ぎないが…その結果がこのザマだ。 もう冷えてしまったコーヒーを口に含みながら…どうすればいいのか答えを探していた。 Side.N-1 「ふぇ…」 涙が…止まらない。 どうして…あんな話になっちゃったんだろう…。 ずっと私の中にあった…不安。 (いつか秋山さんに愛想をつかされて捨てられてしまう) これが…ついに、現実になっちゃうのかな…。 …嫌われてても…何とかそばにだけは…居たいのに…。 それが辛くて…怖くて…聞きたくないから…私は逃げ出してしまった。 これからどうなるのか、不安で不安で…たまらない。 街は人で溢れ出ているのに私の中は孤独感でいっぱいになっていた。 誰かに縋りたくて…携帯をみる。 アドレスを見たけど…そんな相談が出来そうな相手がいない。 ますます辛くなって近くにあったベンチに座り込んでしまった。 不意に手に持っていた携帯の着信音が鳴った。 名前を見ると…秋山さんだった。 「あき…やまさん…」 今は…名前を見るだけで哀しくなる。 これまでは誰よりも頼れて安心できて…他愛も無い事でもちゃんと話を聞いてくれてた。 声を聞くだけでも…側に居るだけでもドキドキして…嬉しくなっていたのに…。 一瞬…出ようかと思い、携帯を開けたけれど…さっきの不安がまた押し寄せてきた。 ダメ…それだけは嫌! 私はそのまま携帯の電源を切ってしまった。 そして…ベンチの側にあった柱の影で…声を殺して泣いていた。 Side.A-3 「あいつ…!」 普段ならしつこいぐらい掛けて来たりするのに…今回は携帯にも出ない。 自宅に戻ったかも…と思い、急いで来てみたが …まだ帰宅してないようだった。 一体、どこに居るんだ? こんな事になるなら…すぐに追いかければ良かった。 また後悔の念が浮かび上がる。 「くそ…っ」 俺は来た道を走って戻りながら、直を探し続けた。 時間をかけながら、直と別れた店の周辺や街中を隈なく探し歩く。 人通りの多いこの時間では人一人探すのは困難だが…それでも俺は必死に探していた。 もしかしたら…このまま会えなくなるんだろうか? 避けられて…逃げられて…もう二度と…。 そんな、いらない不安が俺を襲ってくる。 振り払うように神経を集中させて…周囲を見渡すが…それらしき姿は見当たらない。 こうなったら…家の前で待つか? そう思い直し、直の自宅の方へ脚を向けた。 Side.N-2 ようやく…少し落ち着いた私は家路についていた。 正直、なにもする気が起こらない。 このまま…帰って寝てしまおうと思いながら…とぼとぼと歩いていた。 もう少しで家に着くって所で…突然、肩を掴まれた。 「…見つけた!」 息を切らせながら秋山さんが立っていた。 私は突然で焦ってしまったのと…さっきまでの不安がまた甦ってきて 肩に乗せられた手を振り払って走り出した。 「おい、待てって…」 秋山さんが声をかけながら追いかけて来る。 何とか家まで逃げ切ろうとしたけど…私の部屋の扉の前で捕まってしまった。 「はっ…放して下さい!」 私は秋山さんと反対側に身体を引き、逃れようとしたけれど…秋山さんは放してくれない。 それどころか、私の腕を引き寄せてきて…私は秋山さんの胸元に倒れこんでしまった。 そのまま…ぎゅっと抱きしめられる。 な…なんで…? 私は何が起こったのか一瞬、理解出来なかった。 そのままの状態で秋山さんが静かに言葉を紡いだ。 「頼むから…落ち着けって。」 こ…こんな状況じゃ…落ち着けないですよっ 抱きしめられた秋山さんの胸から聞こえる鼓動に合わせるように…私の心臓も早くなり高鳴っていった。 Side.A-4 ようやく見つけた直を抱きしめながら…俺は会えた事に本気で安心していた。 だから…だろう。 いつもと違って、自分でも驚くほど素直に自分の気持ちが出てくる。 「…悪かった。さっきの店で、言い過ぎた。」 俺の言葉に驚いたように顔を上げて直が見詰めている。 「お前が…あまりにもみんなにいい子だったからな…妬いてただけだ。」 「えっ…?」 唖然とした表情の直に、つい苦笑いをしてしまう。 「俺はお前を救いたかったのに、自分を犠牲にするから嫌なんだ…この意味がわかるか?」 直は首をフルフルと左右に振る。 「それはな…」 話を続けようとした時、外から人が近づいてくる音がした。 ハッとなって…慌てて抱きしめていた手を離す。 直は顔が真っ赤になりながら鞄からゴソゴソと自宅の鍵を取り出し、部屋の扉を開けた。 「ちらかってますけど…どうぞ。」 そう言って俺を部屋へ招き入れてくれた。 「その辺に…適当に座ってて下さい。今、お茶でも入れますから。」 そう言って台所の方へ直は移動した。 俺はそのまま直の後を追いかける。 そして背後からそっと抱きしめて…このまま離したくなかった。 Side.N-3 「あっ…秋山さん…」 背後から伝わる暖かさや首元に回された大きな手にドキドキして焦ってしまう。 「お茶なんていい。…続きを話していいか?」 耳元で囁かれて…わーっと頭に血が上るほど自分で顔が赤くなっていくのがわかる。 「わっ、わかりましたから…その…手を、離して下さい!」 私がそう言うと…秋山さんは深く溜息をひとつ、ついた。 そして何も言わずに私を解放してくれた。 秋山さんが壁際にある勉強机の椅子に座ったので私は側にあるベットの上に座った。 何となく…落ち着かない。 「あの…やっぱり私、お茶入れてきます!」 ちょっと逃げたい気持ちになって立ち上がった私の腕を秋山さんが捕まえた。 「いいから…座れって。」 そう言われて、またベットに腰を下ろす。 見つめられている視線に…どうしたらいいのかわからなくて、ただ俯いていた。 「…さっきの言葉の意味…の話だな。」 そう…”お前を救いたかったのに自分を犠牲にするから”…この言葉の意味。 私を救いたいと思ってくれている秋山さんの優しい気持ちは嬉しい。 でも、自分を犠牲にするから嫌だ…そう言われても…。 私としては出来るだけみんなを救いたかったから…これが嫌だって事? 秋山さん…他のみんなの事が嫌なのかな…? それなら救いたくも無いのに勝手に私が救った事に怒るのもわかる。 そういう事…なのかな? Side.N-4 「秋山さん…他のみんなが嫌いなんですか?」 「はぁ!?」 秋山さんの呆れたような表情がわかる。 違う…の? 秋山さんは、また溜息をついていた。 「はぁ…どうすれば、そういう結果が出てくるんだよ…お前は。」 うぅ〜っ…また怒られるのかなぁ…。 そう思っていたら、どうやら顔に出ていたらしく…秋山さんが椅子を近付けて 少し笑いながら頭を撫でてくれた。 「そんな顔するなよ。」 「ご…ごめんなさい。」 「謝るな。」 「はい、ごめんなさい…あっ」 謝っちゃいけないって言われたのに…すぐ謝っちゃった。 秋山さんはそんな私を見て笑っていた。 「まったく…俺はなんで、こんなのが好きなんだろ?」 聞き逃しそうになる程、小さな声で秋山さんが呟いた。 …好きって…何が…? 言葉の意味が理解できなくて固まってしまった私を見て 秋山さんが苦笑いを浮かべていた。 「聞こえなかったのか?…他の奴が嫌いなんじゃない、お前が好きなんだ。」 「ええーっ!」 そんな事…全く想像出来てなかった。 「…そんなに驚く事かよ…。」 「あっ…いえ、そうじゃなくて。 私、秋山さんにはむしろ嫌われてると…ずっと思ってたから…。」 今度は秋山さんが驚いた表情になる。 「なんで?」 「だって…最初が最初ですし…迷惑ばっかりかけてて…いつか…秋山さんに 愛想をつかされて捨てられちゃうって思ってたんです…だから…。」 あれ…?どうしよう、嬉しいのに…涙が出てくる… さっきまで泣いてたから…涙腺が弱くなってるのかも… 私は溢れる涙を止める事が出来ず、ただ俯いてしまった。 Side.A-5 俺の目の前で直が俯いて泣いていた。 そんなつもりは無かったのだが、どうやら誤解させていたらしい。 俺は立ち上がって直の側まで行き、ベットの上に座りながら 直の頭を自分の胸元へそっと引き寄せた。 「…ごめんな…さい…。…哀しくないのに…涙が…」 「いや、色々と誤解させてたみたいだな…。」 だからだろう…安心して、流す涙もある。 それだけ俺は…彼女に不安を与えていたって事だ。 「…悪かったな。」 そういって髪を撫でながら抱きしめる。 俺の腕の中で…直が小さく首を左右に振っていた。 涙を拭いてやりたくて…そっと直の頬に手をあてて顔を上げさせた。 頬に伝う涙を指で拭う。 素直に従って眼を閉じたまま泣いている直を見つめていたら 急に俺の中の本能といえる感情が湧き上がってきた。 …気がつくと俺は直に口付けていた。 「んんっ!」 柔らかな唇の間に舌を滑り込ませる。 直が驚いて俺の胸元に手を置き、引き離そうと抵抗するが より顔を引き寄せて舌を深く潜入させ…直の口内を蹂躙した。 抵抗する力が少し弱まった時に…ようやく彼女の唇を解放した。 どうやらうまく呼吸が出来なかったらしく、はぁ…という溜息が直から漏れる。 「あ…秋山さん、何してるんですか!」 「何って…キス。…もっと他にもしたいけど…いい?」 「いいって…何を?」 真っ赤になりながら焦ってる直に追い討ちをかけるように 耳元で…セックス、と囁いた。 「な…何言ってるんですか!?」 「…嫌なのか?」 「嫌…じゃないですけど…そういう問題じゃなくて、こう…普通はもっと時間をかけて…」 「俺には、そんな余裕は無いな。」 「…はい?」 「お前の周りを見てみろ。野郎が多い中…お前自身も簡単に携帯の番号交換して いつの間にか連絡を取り合ってるし…そんな状況で余裕なんかあると思うか?」 俺がそう答えると直は、うっ…と言葉を詰まらせていた。 Side.N-5 どうしよう…そんな事、急に言われても…。 「嫌じゃ…ないんだろ?」 そう言われたら…頷くしかない。 もちろん、秋山さんの事は…嫌いじゃない、むしろ…すごく好き。 だけど…そういう関係になるのは…少し早い気がする。 「で…でも…心の準備というか…もうちょっと日にちが経ってからに…」 「だから、余裕が無いって。いつかしてくれるなら、今しても同じだろ?」 それは…そうだけど…。 そう考え込みかけた時、秋山さんが私をベットに押し倒した。 そのまま重なるように私の上に秋山さんが伸し掛かかってくる。 考える暇も無く、再び唇を奪われて服の上から胸を触られていた。 何か今日は色んな事があり過ぎて…私の頭の中はごちゃごちゃしていたのに …この甘い感覚は、そんな私の思考を真っ白に打ち消していった。 頬に伝った乾いた涙の痕をそっと舌で拭われながら、ツインニットの服を 上に捲り上げられて…ピンクのレースラインのブラが露わになる。 「いやぁ…っ」 恥ずかしくて元に戻そうとした私の手が秋山さんに捕らえられて そのまま頭の上で私の両手は重ねられ…片手で押さえつけられてしまう。 そして私のブラに手をかけて上にあげるようにずらされて 私の胸が秋山さんの視線の前に晒されてしまった。 私は恥ずかしさのあまりに…思わず顔を背けた。 頭がぼ〜っとするほど全身が熱くなり…そして多分、真っ赤になっていた。 秋山さんは指や舌先で弾いたり、吸い上げたりして私の胸の突起を弄んでいく。 その度に唇に含まれた胸の突起の感覚と、そっと触れられた指先の動きが 私の中で甘い痺れとなって駆け巡っていった。 「ああっ…ん…あっ!」 そして…私はいつの間にか、自分でも驚くほど…甘い声を漏らしていた。 Side.A-6 直の抵抗する力が…快感によって弱くなっていくのがわかる。 俺は直の両手を押さえていた手を放し…太腿からスカートを捲り上げるように ゆっくりと滑らせていった。 ショーツを露わにし、その上から指先でゆっくりと直の割れ目に沿うようになぞる。 「あっ…いや…ぁ…んっ…」 ピクンッと直の身体が弾ける様に反応する。 もっと感じさせたくて…少し押し込むようにしながら何度も指を秘部に這わせた。 身体を起こし…直の下半身へ眼を向ける。 最後の砦の…ブラとお揃いのピンクのショーツに指をかけて一気に引き下ろした。 「やだあぁっ!」 恥ずかしがって、直が脚を閉じようとする。 それを阻止するべく…俺は自分の両手で直の脚を捕まえ、拡げるように押さえた。 俺の目の前で直の秘部がいやらしく…ヒクヒクと蜜を溢れ出している。 ゆっくりと顔を近付けてそっと舌を差し込みながら割れ目に沿わせた。 「あああっ!」 直の喘ぎ声が、なお一層高まった。 もっと乱れさせて…夢中にさせたくて舌を奥へと突き刺しながら、最も敏感な肉芽を 指先で転がすように弄ると…全身をうねらせる様に震えていた。 十分に濡れきった秘部を確認し、さらにもっと秘部が露わになるように脚を持ち上げて 直の太腿を自分の脚で軽く押さえ込む。 そして自分のベルトを外してズボンのチャックを下げて、下着と共に脱ぎ下ろす。 露わになった俺自身は直の中に早く入りたくて熱り立っていた。 「やだっ…ダメですって…秋山さん!」 「ここまでして…それは無理、…諦めな。」 「そ…そんな…っ」 直の言葉を無視して割れ目から溢れる蜜を俺の肉棒に擦り付けるように這わせる。 このまま快楽に落としてしまおうと俺自身で直の肉芽を突っつくように擦り付けた。 「あっ…ああんっ…やぁん…っ!」 直は、襲い来る快感に抵抗するように頭を左右に振っている。 俺はそのまま直の膣口に自身を宛がい、ゆっくりと差し入れていった。 熱い直の肉壁の抵抗を掻き分けながら、少しづつ奥へと挿入していく。 「あっ…ああっ!」 直の両手が赤い掛け布団を強く掴み…直を中心に放射線状に皺が少しづつ広がっていく。 そして…俺自身は直の秘部の中へ完全に侵入を果たした。 Side.N-6 私を貫くように中に入ってきた秋山さん自身が脈打っているのがわかる。 秋山さんが私に顔を近付けて耳元で囁いた。 「…動かすから…力を抜いとけ。じゃないと痛くなるぞ。」 「ち…力を抜くって…どうやって…?」 「深く考えるな。何も考えずに…な。」 何も…考えずに…? 訳もよくわからないまま、いくぞ…と小さく呟かれて私の中を秋山さんがゆっくりと掻き出してきた。 快感の波が私を包み込みながら…感覚だけが秋山さんと繋がった部分に集中していく。 快楽に支配されている…のかな? 私は求めるように秋山さんの首元へ手を伸ばし…気がついたら頭を引き寄せ口付けていた。 荒々しいほど舌を絡ませながら、私の中を秋山さん自身が突き上げてくる。 「ああ…はぁ…んんッ…あっ…」 自然と秋山さんの動きに合わせるように私も腰をうねらせていた。 私の蜜が快感で溢れる度に、ぐちゅ、ぐちゅっと…結合部分からの水音も激しさを増していく。 それが…いやらしい自分を曝け出しているんだよって言われている気がして…堪らなく恥ずかしい。 でも…どうする事も出来ず、されるがままになるしかなかった。 秋山さんの動きが少し止まる。 どうしたんだろう?と思っていると秋山さんは私の片脚を持ち上げた。 私は下半身だけが横向きになった格好で、再び腰を打ち付けられた。 「ああっ…やあぁ…ん!」 さっきより結合が深くなり…秋山さんが私の奥深くまでも貫いていく。 与えられる快感が、より激しくなり、他にはもう…何も考えられなくなった。 手放しそうになる意識を必死で捕まえてはいるけど…もう…無理…。 「…秋…やま…さぁ…んっ、私…もう…」 「もう少し…我慢しろ」 そんな…もぉ…むり…です…って…! 「あああっ…もぉ…だめぇ…っ!」 恍惚の波が奔流となって全身を駆け巡り、私は…力尽きてしまった。 私の胸元に…秋山さんの熱い…情熱の液を降り注がれながら…。 Side.A-7 俺の白濁の液に汚されながら、直は力尽きていた。 その姿がまるで、強引に…直を手に入れた証のようで、俺を苛む。 どうして俺はこう…余裕が無いんだろう。 直の気持ちがちゃんと育ち上がるまで待ってやる事が出来なかった。 申し訳ないという気持ちで…横たわる直の髪をそっと撫でる。 すると直はゆっくりと眼を開けた。 「…大丈夫か?」 直はぼーっとしたまま、ゆっくり身体を起こしたが…何も答えない。 「…直?」 不安になって顔を覗き込むと…直が突然、キスをしてきた。 思わず驚いて後退ると…直が悪戯っぽく笑いながら、仕返しですと言ってきた。 …なんて…たちが悪いんだ…。 もしかして…俺が直を捉えたのじゃなくて、俺が捉われたのか? そういえば…最初からそうだったような気がする。 まぁ…どちらにせよ…手放す気は全く無いけどな…。 そう思いながら、そっと直を引き寄せて抱きしめた。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |