見えない世界
秋山深一×神崎直


「ちょっとしたゲームでもしようか?」

突然、秋山にそう言われて直は何となく、はいと答えた。
秋山はガラスコップに入った飲み物とストローと長いタオルを二つずつ用意した。

「何をするんですか?」
「このコップの下にラインをつけて目隠しして飲むだけ。ラインに近い方が勝ちってヤツ。」
「面白そうですね、やってみます。」

直は自分で目隠しをしようとするが、秋山に取り上げられてしまう。

「これは不正がないか、対戦相手がやらないとダメだろ。」
「あ…それもそうですね。」

おとなしく眼を閉じて待っている直に秋山がタオルを巻きつけた。

「これで見えない?」

秋山が確認すると、直が頷く。

「じゃあ、本当かどうか確認するから。」

そういって:秋山が離れた気配がした気がした。
見えない状況とは意外と不安感を引き起こす。
確認って、何をするんだろう…。
とにかくおとなしく待つしかないと思い、秋山を待つ。

すると…突然、首元にそっと息を吹きかけられた。

「ひゃっ…な、何?」

全く見えない直は何をされたのか分からず、より不安が増す。

「あ、あの…秋山さん?」

秋山に問いかけるが、返事はない。
手を伸ばして秋山の気配を探るが、わからなかった。
もう目隠しを取ろうとした時、手を掴まれてしまった。

「確認してるのに、取ってどうするんだ?」
「で…でも…。」
「俺がいいって言うまで外すなよ。」

そう言われてしまい、おとなしく手を下ろした。

真っ暗な、何も見えない世界。
いつもより緊張していて、不安が身体の感覚を鋭くしていく。
どうしたらいいのかわからず、モジモジし始めた直に
秋山はそっと腕を伸ばし太腿から秘部にむかって手を滑らせた。

「えっ、や…っ。」

ピクンッと反応する直。
今度は指先が胸に触れ、突起を探るように円を描きながら離れた。
秋山が何処にいるかもわからず、突然襲ってくる甘い感覚に戸惑ってしまう。

ドキドキと不安と混乱が頭の中でグルグル廻っていた直の肩が突然掴まれた。
そして…秋山に押し倒されてしまう。

「いやっ…秋山さん!」

ようやく何をされるかがわかった直が焦りだし、抵抗しようと手を伸ばす。
秋山はその手を掴み、もう一つのタオルで両手を縛り上げた。

「あっ…秋山さん!やだ、コレ外して下さい!」

返事が無いまま、ブラウスのボタンが外されブラが露わになってしまった感覚だけがわかる。

「いやぁ…!」

恥ずかしさが直に湧き上がり抵抗しようともがくが、秋山の居場所がわからない
この状況では、縛られた手が虚しく空を切る。
秋山は直の手を掻い潜りながらブラをそっとずらし、胸を露わにする。
先程触れたからなのか…不安からか、直のピンク色の乳首はピンと尖っていた。
抵抗する直の手を頭の上にして、何かを両腕の間に差し入れた。

暴れる度に、まるで誘うように揺れる胸に秋山は顔を埋めた。
舌先で乳首を転がし唇にそっと含む。

「ああっ…だめぇっ…」

湧き上がる官能の渦が、直を惑わすように包み込む。
太腿からゆっくりとスカートが捲り上げられる音がして、下着越しに指が秘部に触れた。
割れ目に沿うように指先が上下する。

「…はぁっ…ああんっ…や、だぁ…!」

与えられる官能の波によって…もう考える事が出来なくなっていった。
快楽が徐々に直を支配し、抵抗より快感が上回ってくる。

突然、甘く狂わせるように触れていた手や指が離れた。
聞こえる足音で秋山が自分から離れた事だけが直にはわかった。

「秋…山さん…?」

状況を確認しようと身体を起こした瞬間…
えっ…!?
両手の間を何かで押さえられているようで途中までしか起き上がれない。
何となくの感覚でテーブルの脚が腕の間にあるようである。
テーブルを押し上げて逃れようにも両手を縛られていては無理である。

「そ…そんな…っ」

為す術もなくこのままで横たわるしか直には出来なかった。

ヤバイな…。

ふぅ…と深呼吸をしながら秋山は思う。
このままでは直を本能のまま蹂躙してしまいそうだった。
ほんの悪戯心でやった事から、いつの間にか本気になってしまっていた。
冷静になる為に直から離れたが…よく考えれば酷い状態で直を置いたままである。
もう戻らないと…と思い、直のそばへいくと直が小さく震えていた。

タオルで眼を隠しているからハッキリとはわからないが、多分泣いているのだろう。

「悪い、今外すから。」

そう言ってテーブルの脚を引き抜き、直の身体をそっと起こした。
両手を縛っていたタオルを外すと直が胸元に飛び込んできた。

「直…」
「どうして離れたんですか!?」
「え…?」
「私…ものすごく不安で…怖かったんですよ!」

縋るように必死に秋山に抱きつく。

「悪かった。」

落ち着かせるように抱きしめながらそっと髪を撫でる。
目隠しをしていたタオルを外してやると直は秋山の肩に顔を埋めた。

「…離れないで下さい…。」
「すまなかった。…本気で襲いそうになったから冷静になりたかったんだ。」

秋山の言葉に直が顔を上げた。
やはり泣いている。
指で涙を拭おうと伸ばした秋山の手を掴み、直は自分の頬にそっとあてた。

「何もわからない状態で…一人置いておかれた方がイヤです。」
「だが、俺は…」
「秋山さんなら…私、何をされてもいいです。でも、お願いですから…一人にしないで。」

直は秋山の首元に腕を回し、ぎゅっと抱きついた。






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