ヨコヤァァァァァァァァッ 「秋山さん 秋山さんみんなでトランプしましょ♪」 俺は直の手に握られているかわいいキャラクターが描かれたトランプを見る。 「別にいいけど?」 「ほんとですか? やった!」 俺の返事を聞いた直は顔いっぱいの笑顔を浮かべながら俺の手をとって歩き出す。 直が足を止めた先には フクナガ アソウ オオノが地べたに座りながら談笑していた。 「お〜秋山!早くババ抜きやろうぜ〜!」 お前らも直に誘われたのか… 二人きりになれなくて少しガッカリしたが気にせずその場に座る。チラッと横を見ると直が俺の隣でチョンと座りニコニコしている。 フクナガがみんなにカードを配ろうとしたとき――― 「面白そうですねェ…。私も混ぜてくださいよ…」 憎きアイツ…ヨコヤが現れた。 ヨコヤがふらりふらりとコチラに歩みよる。 「ヨコヤさんも一緒にトランプやりましょ!」 直が元気よく言った。 俺は慌てて耳打ちする。 「バカ!こんな奴誘っちゃ駄目だ!」 「え…でも仲間外れは駄目ですよ。仲間外れにしちゃヨコヤさん可愛そうです。」 「そうだよ!仲間外れってイジメじゃん!イジメカッコ悪い!イジメカッコ悪い!」 フクナガたちが俺を非難する…。 なんなんだ この状況は…。 俺は溜め息をつく 「いいか、今回だけは特別だからな!おかしなマネしたら許さないからな!」 「ええ…勿論です♪」 ニタリと笑いヨコヤは直の左隣に座る。 「んじゃ、ただババ抜きやるだけじゃつまんないから負けた人は罰ゲームをやること!紙とペン渡すから罰ゲーム書いてね。 あんまり難しい罰は駄目だから簡単な罰にすること!」 フクナガは参加者に紙とペンを渡し促す。 取り合えず俺は《モノマネをする》と書き、折り畳んでビニール袋に入れた。 ババ抜きをやりはじめてから数分後… 「私あがりました!」 「アタシあ〜がり!」 「クソ〜 ドブスめオレより先にあがりやがって…オレもあ〜がり」 「僕もあがりましたー!」 次々とあがりが出ていく中俺とヨコヤが残りジョーカーが俺とヨコヤの手札に何度も何度も回っている。 コイツにだけは絶対に負けたくない!俺の持っているジョーカーをいかなる手を使ってでもヨコヤに引かせてあがらなければ…! 俺は二枚のカードを目にも止まらぬ速さでシュバババババッとシャッフルする。 「………ふふふ…見えた、見えたぁぁ……」 ヨコヤが不気味な笑い声をあげるそして―――― 「コレだ!」 素早く俺の手札からカードを抜き去る。その手に持ったカードの絵柄は……ハートのクイーンだった。 まっ…負けた!悔しい!悔しい!!しかし俺は大人だ!たかがトランプで負けたくらいで…… 「ふふふ…あがりです。秋山くん君の負けです。さあ罰ゲームを選んでください!」 俺の眼前にビニール袋をつきつける。恐る恐る袋に手を入れ 紙を一枚とる。 ゆっくりと紙を開くと恐ろしいことが書いてあった…! 《カンザキナオにスカートめくりをする》 こんなことを書くのは一人しかいない!俺はヨコヤを見る。 ヨコヤはニタァァっと笑った。 「ヨコヤアアアアアァァァ!!」 ハッ!! 目を開けると俺はソファーに横たわっている。どうやら寝ていたようだ。 「ゆ、夢か……。良かった……」 体中汗がビッショリで気持悪い…シャワーでも浴びてビール飲んで忘れよう…。 俺はシャワールームへと向かっていった。 SS一覧に戻る メインページに戻る |