マミさん及びまどか触手陵辱SS
巴マミ×鹿目まどか


※閲覧注意。非常に人を選びます。
※苦手な方はNG及びスルーを。
※執筆したのが4話終了後。
※オリジナル要素あり。
※3話でのマミさん生存ルートでまどかが魔法少女に契約済み。
そのためさやかがまどかと共に深く考えずに契約したせいか上条君とさやかの関係が今のところ良好。
マミさんのまどか達への呼び方が変わるぐらい好感度が上がって関係が近くなった状態です。
※Badendです。

補足
・この話では魔法少女の願いで魔法少女をやめたら、魔法少女をやめた子の願いはリセットされない事にしています。よってさやかは願いを叶えたまま魔法少女をやめたことになります。
最も、それでさやかと上条君の関係が良いままでいられるかどうかを推測することは、原作が進まないとわかりませんが。
・マミが生存しているので杏子などの他の魔法少女によるテリトリーの襲撃が起こっていません。よってまどか達は魔法少女の凄惨な場面をこれまで見ていませんでした。


「まどかちゃん、さやかちゃんいる?帰りましょう」

その日の授業終了のチャイムが鳴り終わって数分後、まどか達の教室の後ろの方の入り口から声が響いた。
声の主の名は巴マミ。
鹿目まどかの学校の先輩で、魔法少女としての先輩でもある。

「あ、マミ先輩」
「マミ先輩!」

声の主に気が付いたまどかとさやかは笑顔でその呼びかけに答え、駆け足気味に歩み寄る。

「(魔女の)散策しようかなって思うんだけど、今日これから大丈夫?」
「私は大丈夫ですけど――」
「あーすいません、今日ちょっと都合悪いです。これから行くところあるんで」

さやかは頭をぽりぽりと描きながら、申し訳なさそうな視線をマミに向けた。
さやかがマミの誘いを断るような理由なんて殆ど無い。
故にマミは容易く想像がついた。

「上条君だっけ?さやかちゃんの彼氏の」
「ちょっ、彼氏とかそんなんじゃないですよ!ただ……その……――」
「それなら私達は二人の時間のお邪魔になると悪いからまどかちゃんと二人で魔女探しをすることにしようかしら」
「だから違いますって――」

もにょもにょと口ごもるさやか。
けれども彼氏という響きは満更でもない様子だ。

「あ〜もう、可愛い後輩をからかわないでくださいよー!からかって面白い可愛い後輩だったらまどかがいるじゃないですか!今日は私の分もまどかをからかってください!」
「えぇっ!?私!?何で!?」
「わかったわ。たっぷりとからかうわね」
「マミさんまで!?」

くすくすと笑うマミにケラケラ笑うさやかにとまどうまどか。そんなきゃいきゃいと騒がしい教室の一角を見つめる者が二人いた。
一人は暁美ほむら。
彼女は鋭い視線をまどかとさやかの背中越しにマミへと向け、それに気付いたマミは柔和に微笑んだ。

(貴方もいつでもこっちにいらっしゃい)

そう心の中で呟くマミに対し、ほむらはぷぃっと顔を背けてその場を後にした。
そしてもう一人。

「マミ先輩はあまり付き合いが良くないって上級生の間で噂だったのは年下好きだったからなのねぇぇ!てかあの三人昼休みも一緒にいるし!私色んな意味で最近ハブられてる気がするんですのぉっ!」

マミが放課後まどか達を誘うのは共に魔女探しを行う為。
故に一般人がその場にいると色々と行動が制限され、何よりも危険だ。
最近不憫な緑の子は、今日も一人で家に帰った。号泣しながら。



日が落ちて間もない頃、マミとまどかは今小奇麗な喫茶店の店内に向かい合って座っている。
魔女探しでの町の散策からしばらくして、日が若干傾きかけてきたときにマミが「まどかちゃん、日も暮れてきたし今日はもう終わりにしましょう。休憩も兼ねてこれからお茶でもしない?」と言い、まどかはそれに同意した。
キュうべぇは「魔女が見つかったときにさやか一人だと危ないからね」とさやかに付いて行ったので今日は二人きり。

「ところでまどかちゃん、願い事ってもう決めたの?」
「いえ……まだです」
「焦る必要は無いわ。よ〜く考えて決めてね。勢いに任せてケーキなんて頼んじゃ駄目よ」
「あの状況であんな言い方されたら本気にしちゃいますよ……」

まどかとさやかが魔法少女になったあの日、マミはお祝いにと大きなケーキを注文した。
魔法少女の願い事として食べきれないくらいの大きなケーキを頼む。
戦闘前に緊張をほぐす為の冗談だったとはいえ、流石に願い事をケーキで使うのはどうかとマミは思った。
けれども魔法少女として一人じゃなくなり、共に戦う仲間が出来たその日、マミはまどかとさやか二人を招いて大きな大きなホールケーキを注文した。
一人では食べきれないような、みんなで囲ってようやく食べきれるほどの大きなケーキ。
それはとてもとても美味しかった。

「うぅ……でも確かにケーキばかり食べていると太っちゃいますね」

そう言いながらまどかはマミのことをじ〜っと見つめ、そして羨ましそうな視線へと変化していく。

「そうだ、マミさんみたいなスタイルになりたいって願い事じゃ駄目ですかね?胸とか大きくなりたいですし……」

まどかは視線を胸元にやり、自らの幼児体型を嘆くように重いため息を吐いた。

「ん〜、大きくてもいいこと無いからやめた方がいいわよ。重いし肩こるし戦うときに邪魔だし。特にまどかちゃんは弓だから撃つときに当って痛いわよ」
「でもマミさんみたいになりたいんですよ……私背も低いし……」
「ふふっ、ありがとう。まどかちゃんはまだまだ成長期なんだから願い事なんかに使わなくても大丈夫よ。これから先いくらでも大きくなるわ」
「そんなこと言ったらマミさんだって私と一つしか違わないじゃないですか。私あと一年でそんな風になれるんですかね?」
「なれるわよ。それにもし身体が大きくならなくても、小さい方が今のまどかちゃんみたいに可愛い服が似合うじゃない。私はそれが羨ましく思うことって結構あるのよ」
「え、そうなんですか?」
「ええ」

マミはまどかのことを愛しげな視線で見つめながら微笑んだ。
焦ることは無い。
最近そのような意味の言葉をマミはまどかに対して口癖のように使う。
そんな台詞、昔の自分には想像もつかなかったと思い返す。
いつ死ぬかもわからない魔法少女。
故に願いは使えるときに使っていたほうがいい。
たった一人で魔女やその手下、縄張りを求めてきた魔法少女達と戦っていたときはずっとそう思っていた。
けれども今は違う。共に戦える仲間がいる。
だから大丈夫、みんな死なない。
彼女は自分と違い、よく考えて願いを決められる。

「あ、もうこんな時間ね」

時計を見るといい時間になっていた。
マミは後輩であり仲間であり友達でもある二人と離れたくないが為に、日が暮れそうになったら喫茶店やファーストフード店などに誘って一緒にいれる時間を出来る限り引き延ばす。
日によってはさやかがカラオケやゲームセンターなどに連れてきてくれることもある。
こんなこと事故が起こってからはずっとなかった。
最近では自分は魔女探しを建前にして後輩を連れまわしているのではないかとすら、マミは考えてしまっていた。

「そろそろ帰りましょう。まどかちゃん先に外に出ていいわよ」
「マミさん今日は私が払います。いつもお金出してもらってわるいですし……」
「いいのよ。誘ったのは私だし、こういうのは年上が払うものよ。お姉さんぶらせてちょうだい」
「うぅ……いつもすいません。本当にありがとうございます」

マミは申し訳なさそうに謝るまどかに対して柔らかい微笑を向ける。
毎回毎回律儀にお金を払おうとするなんて、普通だったらそのうち払ってくれて当たり前のものだと思うはずなのに、そうすることをしない。
本当に、この子は可愛いなぁ。
マミは心の底からそう思っていた。
まどかが魔法少女になってくれると言ってくれたあの日、言葉で言い表せないぐらい嬉しかった。
自分の生き方を憧れてくれる人がいて、共に苦しさも嬉しさも分け合ってくれる人が出来て、ずっと傍にいてくれる人が出来た。
嬉しさのあまり涙が出た。そんなこと生まれて初めてだった。
マミはまどかとさやかの歓迎会を終えて二人を見送った後、一晩中泣いた。



「そうだ、今度マミさんの家に遊びに行ってもいいですか?さやかちゃんがゲームとか持ってるので、そういうので遊びませんか?金曜日辺りに泊りがけで」

喫茶店から出て外を歩いているとき、まどかは不意にそのような提案を口にした。

「え――?」
「私達の歓迎会はしてもらいましたけど、マミさんを祝うようなことはしてなかったじゃないですか。ですから日頃の感謝も込めてそうしたいなーって」

きょとんと、マミは呆ける。

「…………いいの?」
「もちろんです!」

快活に笑って答えるまどかを、マミは思わず彼女を抱きしめてしまいそうになった。
友達が泊まりに来ることなんてなかった、いつも一人で広い部屋の中にいて、自分以外の音の無い部屋。
夜眠るときに寂しくなくなる。自分の家に人がいる。
マミは涙が出ないようにぐっと堪え、その代わりにくすっと優雅に笑う。

(あぁ、泣かないように笑うことってこんなときも出来るのね)

マミはよく笑うようになった。
以前もまどか達の前では笑っていたが、その意味合いが全く違う。
強がる為の、弱さを隠す為の笑顔じゃない。嬉しいから笑う。当たり前のこと。
父と母を事故で亡くし一人ぼっちになって以来、生きることがこんなに楽しいことなんて久しく忘れていた。
もう一人じゃない。
まどかの手を握る。ほわっと温かい。
赤くなって戸惑うまどかに対し、マミは正面からその綺麗な目で見据えて言った。

「ふふっ、楽しみにしてるわね。ところでまどかちゃん、好きな料理ってな――」

マミの言葉は最後まで続かなかった。
二人の目の前にあるのは魔女の結界。
楽しい時間は終わり。帰る前に一仕事が出来た。
これから魔女との生死を賭けた戦いの時間だった。


二人は念のためもう自宅に向かっているであろうさやかに携帯電話で連絡をして、魔女が目覚める前に魔法少女に変身して魔女の結界に飛び込んだ。



マミはまどかの手を引きながら魔女の結界の中を進む。

「まどかちゃん、いつものように私の傍を離れないようにね」
「は……はい!」

マミはまどかへのシールドと武具へのエンチャントを欠かさず加えていた。
マスケット銃を使うマミに対し、まどかは弓を使うようになった。
接近戦のような激しい運動は苦手なまどかには、遠距離から敵を攻撃できる弓は彼女にぴったりの装備だ。
このようなまどかへの強化魔法の重ねがけはマミの魔力の消費を激しくするが、万が一という事がある。
いくら魔法少女として強大な力を得ても、元の肉体は抱きしめれば壊れてしまいそうな10代の少女。
変身すればある程度の身体能力強化の魔法が付くとはいえ、何かあっては遅いのだ。
魔力を温存してまどかの身に何かあったらと思うと、マミは恐ろしくてたまらなくなる。

(でもそろそろグリーフシードを補給しないと。最近手下ばかり相手にしてたから……)



「まどかちゃん、いくわよ」
「はい、マミさん」

今回の魔女が魔力回復のためのグリーフシードを持っている事を祈りつつ、マミは魔女に続く扉を開けた。
瞬間、マミはマスケット銃をまどかの手を握っていない方の手に顕現し、撃つ。

「まどかちゃん後!」

狙いはまどかの後方。
ラジオに唐傘小僧の足がついたような形をした魔女の手下目掛けて、弾丸をぶち込んだ。
まさか扉を開けた瞬間を狙って不意打ちしてくるとは。

「不意打ちをするのなら物音を立てないようにね」
「マミさん!」

今度は振り向いたマミの後、扉の奥から攻撃が襲い掛かってくる。
それは髪の毛の生えた漫画本に蛸の足が付いたような形をした魔女の攻撃。
なるほどさっきの不意打ちは気をそらせるためだったわけねとマミは納得する。
けれどそんな小細工私達には通用しないとマミは不適に笑う。
何故ならば今、マミには守るべき大切な人であると共に、頼れる強い仲間がいる。

「ええいっ!」

その名は鹿目まどか。
彼女はマミの手を離して光の矢を番え、弓を引いて解き放った。
まどかより放たれた光の矢は拡散してマミへと迫る触手を次々と焼き払う。
まどかの持つ強大な魔力はマミのエンチャントで強化され、貫けぬものは何も無い。

(私達は絶対に負けない。仲間がいるから)

今、まどかはマミに守られるだけの存在ではない。
マミはまどかに助けられ、まどかもマミに助けられる。

「女の子に正面から話しかけられないような男の子は嫌われちゃうぞ!」

そう魔女に向かって担荷を切った。

瞬間、魔女の部屋に続く扉が物凄い速さで閉じた。

「!?まどかちゃん!?」
「マミさん!?」

閉じた扉の中にマミ、外にまどか。
魔女が狙っていたのはマミとまどかの分断。
手下は囮で、二人が手を離すのを狙っていたのだ。

「マミさん!今扉を壊します!」
「お願いまどきゃあっ!」

そう言ってまどかが扉をこわそうとしたその瞬間、魔女の部屋がぐぃんと音を立てて振り回され、マミはその場にへたりこんだ。

(魔女の部屋が動いている!?)

まるでエレベーターのように魔女の部屋が動いた。その速度は物凄く早い。
すなわちそれはまどかが魔女の扉を壊しても、マミと合流できなくなるということ。
結界内を弄ることによって迷宮化させる能力。この魔女は今の今までそれを隠していたようだ。

「一対一ってわけね……。いいわ、掛かってきなさい。先輩としてまどかちゃんにいいところを見せられないのは残念だけどね」

マミはそう言って眼前の魔女に向かって不敵に笑い、帽子を手に持って腕を振っていくつものマスケット銃を地面に突き立てるように顕現する。
けれどその数は明らかに魔力が残っている時に比べて少ない。
マミはそれでもマスケット銃を駆使して迫り来る魔女の触手を撃ち抜いていく。
けれどもそこにはいつものような余裕も優雅さも見られない、ただ目の前の的を早く打ち倒すことのみを考えた、彼女らしくない戦い方だった。

(早く倒さないとまどかちゃんが、まどかちゃんが)

まどかを一人にしておくことはマミにとって何よりもの恐怖。
まどかにはシールドを張っているとはいえ、それはどのような攻撃がどれだけ降り注がれようと防ぎ続けるような万能の盾ではない。
シールドの耐久力を超えるような強い攻撃を受ければ壊れるし、弱い攻撃でも受け続ければ削られる。
まどかは接近戦には不向きで、まだ実戦経験も乏しい。
魔女の手下とはいえ、多勢に無勢で数で押し切られたら――。

(そうなる前に決着をつける!)

マミはマスケット銃を乱射して魔女を拘束し、空高く飛び上がり巨大な銃を構える。

「ティロ・フィナーレ!」

マミの必殺の一撃が魔女目掛けて発射され、爆音が轟き土煙が上がる。

(やったの?)

マミが構えながら土煙に隠れた魔女を見据える。
手ごたえはあった。けれども何か嫌な予感がする。マミはマスケット銃をいくつも解き放って床目掛けて打ち抜いた。

するんっ。

「くっ!?」

マミの足元に魔女の粘液性の触手がいつの間にか絡み付いていた。
触手はマミの体を持ち上げ、壁にたたきつけた。
身体能力強化の魔法を使い耐久力が高まったマミでも、一瞬息が止まる。
土煙が晴れると、魔女は他の部屋“そのもの”を目の前に置いて盾にしていた。拘束弾は魔女の身体の動きを止めてはいるものの、その触手まで止めるには弾数が足りなかったようだ。

(でも、そうくると思ったわ)

触手に囚われて持ち上げられるようなことぐらいは何度もあった。
不意打ちを喰らったことも幾度となくある。そういったときは床を打った拘束性のある弾を解き放って魔女を撃つ。
マミが床に設置した拘束弾を解き放とうとしたその時だった。
するするするっ。
触手がマミの襟元とスカートの中から侵入し、マミの体をまさぐり始めた。

「きゃああっ!?」

マミは咄嗟の事に思わず胸元を押さえる。
けれど粘液に塗れた触手はマミの体をくちゃくちゃと撫で回し、まるで獲物を貪らんとするハイエナのように襲い掛かる。
このようなことをされた経験のない、純な生娘であるマミは咄嗟の反応が遅れた。
ビリリッ。

「やぁっ!?」

マミの服が前開きに破られ、淡雪のように白い肌が露になる。
白いブラジャーを触手によって放り捨てられた先にあるのはマミの中学三年生とは思えないほど豊満な胸。触手が触れるとふんわりと柔らかく形を変えるそれはまるでプリン。
子供が食べるようなプリンではない、大人がむしゃぶりつくことが出来るほどの大きな大きなプリン。
その中心には薄いピンク色をしたさくらんぼが乗せられている。
魔女はそれを行儀の悪い子供が食べ物で遊ぶかのように触手でつつきふよふよと揺らす。

「何この触手っ、離して!やだよ離してぇ!いやあああああああああっ!!」

歴戦の魔法少女とはいえ、命がけの戦いを幾度と無く越えてきたとはいえ、その正体は中学三年生の少女。
余裕ぶり年上の先輩ぶり経験豊富なお姉さんぶってはいるものの、マミはその非常に整った容姿を持っているにも関わらず、魔女退治に忙しかった為か男の人と付き合ったことすらない。
そんな彼女が性の玩具にされて、欲望の餌食にされて、平静でいられるはずが無かった。

「やだぁ!来ないでぇ!こっち来ないでぇっ!」

半狂乱になりながらマミはマスケット銃を乱射する。
けれども魔女にはまるで効果がなく、銃弾は魔女の前にある触手に吸収されるばかり。
お返しとばかりに二つの触手がかぱぁと先端を開き、マミの豊満な乳房にむしゃぶりついた。

「ひゃあああああああん!?」

マミの右胸の触手はマミから出るはずの無い母乳を吸う赤子のようにちゅうちゅうと吸い、左胸の触手は大口を開けてマミの胸をたぷたぷと揉むように乳房を食んでいた。

「ひぅっ!んああっ!やめっ!」

マミはその整った長い睫毛をした垂れ目に一杯の涙を浮かべ、羞恥と嫌悪感のあまり顔を真っ赤にさせながら触手に抗うも、まるで意味がなかった。

「くぅっ、うううっ!」
(そうだ、拘束弾を、拘束弾を発動させなきゃ……)

あまりの出来事にパニックになっていたが、拘束弾はまだ生きている。
マミは床に撃ち付けた拘束弾を発動させ、魔女の体を締め付ける――ことはなかった。
拘束弾もいつものように魔女をギリギリと押さえつけるほどの力もなく、弛んだロープのようになってしまい、するりと魔女に抜けられる。

「おかしいっ、おかしいよぉっ……」

力が入らない。
マミはくたぁっと脱力し、触手のなすがままに嬲られる。
触手は柔らかく張りのある乳房を弄び、まるでマミの精気を吸い尽くす淫魔のよう。
吸い尽くす。そのことにマミが気付いた瞬間、全てが合致した。

(魔力が――吸われている!?)

この魔女の持つ能力、魔法少女から魔力の吸収。
それならばと得心を得た。これまで多くの魔法少女を食い物にして魔力を蓄えていたのだ。
つまり魔力があればあるほど天敵となる、恐ろしい魔女。

「マミさん!助けに来ました!」
「まどかちゃん!?」

そんな中、マミの耳に聞こえてくるのは愛しい後輩の声。まどかの声。
彼女は汗だくになってぜぇぜぇと息を切らせながら、マミの前に立っていた。
どうやら片っ端から扉をぶち抜き、通路を壊し続け、力づくでこの部屋にやってきたらしい。
可愛い後輩が助けにきてくれたことに、これほどまで全力で助けに来てくれたことに普段だったら涙を浮かべていたかもしれない。
けど――

「あれ?えっ?マミ……さん?」
「来ちゃ駄目ぇ!」

憧れの先輩を助けに駆けつけたまどかの目の前に広がるのは、そんな先輩があられもない姿を晒し陵辱されている姿。
まどかの脳裏には先ほど大人らしくまどかをエスコートしていたマミと、人前に出せないような姿で子供のように泣きじゃくるマミの姿が重ならない。
いつものマミ先輩じゃない。いつも優雅な姿を崩さないマミさんがなんで。
中学二年生の少女が、憧れの先輩が無慈悲な陵辱を受けている場面に遭遇して平静でいられるわけが無い。
そしてまどかにとってマミはそれ以上の存在。
希望を振りまくのが魔法少女。
まどかにとってその生ける象徴、巴マミ。
それが為すすべも無く敗北し、犯されて、子供のように泣きじゃくっている。
まどかは混乱し、目の前が真っ白になる。

「まどか……ちゃん……見ないで……こんな姿見ないで……ひぅぅっ!いや……いやぁ…………」

ビクビクビクン。
その粘液には催淫の効果があるのか、マミは今まで感じたことの無い快楽をその肉体に感じていた。
だがそれに堕ちるようなことはない。何故ならばそれ以上の嫌悪感が、快楽を感じてしまうことへの嫌悪感が彼女には広がっていた。
何よりも、自分のこんな姿をまどかちゃんには見られたくない。愛する後輩の目の前でかっこ悪いところは見せられない。
マミはそう思いながら無理矢理涙を拭い、まどかの前では必死に強がろうといつものような余裕ある笑顔に戻るものの、その溢れる涙は止まらず、ぷるぷると唇が震える。
更に身体の方はというと触手によってまどかの目の前で両脚を広げられて開脚させられ、薄い毛が生えてキラキラと愛液によって光るその秘所をまざまざと見せ付けられていた。

「あ……あ…………」

まどかの数秒目の前の現実を理解出来なかった頭が働いたときにようやく思い浮かんだのは、「マミさん綺麗だなぁ……」と、その状況ではあまりにも不適切かつ暢気なことだった。

「あ、マミ……さん、今、助けます、から。たす、たすけ」
「待って、まどかちゃん待ってへ……平気よこれくらい……」

ショックを受けながらもようやく頭が回転し始めて事態が飲みこめてきたまどか。
そしてよろよろと一歩踏み出すまどかに対し、マミは制止を促す。
まどかのような魔力の強い魔法少女にとってこの魔女は天敵だ。

「まどかちゃん、この魔女は、危険よ……。早く逃げ、て助けを呼んできて……あぁっ!さやかちゃ、ちゃん達と合流して……」
「でも……マミさんが……」

いくら怖くても、まどかは目の前で傷ついている人を見捨てられるような子ではなかった。
そしてそれ以上に、まどかのことを気にかけてくれ、優しく導いてくれるマミは日々の積み重ねにより今やまどかの魔法少女としての生活だけではなく、まどかの日常に無くてはならない大切な人となっていた。
そう、もしもマミが命を落としたとしたら、たった一度しか使えない願い事で、彼女が生き返ることを願うであろう程に。
けれどあくまでも見捨てられずにいるだけで、助けに突き進むような勇気の皮をかぶった無謀さは無い。
優しい故に、臆病故に、それが仇になる。

「私なら平気。いいから早く……だから、まどかちゃんだけっ、でも……逃げて」
「マミさんは……マミさんはどうなっちゃうんです?」

もしもこの場で自分が逃げたら、マミさんはどうなるんだろうと、まどかは不安だった。
まどかが一度逃げて、そして戻ってきて、その時にマミが無事である保障は無い。
大好きな先輩が死んじゃうかもしれない。そう思うと彼女は撤退することを選べなくなる。
まどかはマミさんだったら絶対に大丈夫だと彼女を信じる気持ちがある一方で、そんな彼女が今慰み者にされている姿を見て、揺らぐ。
十数秒程経って、まどかは決めた。
今ここで魔女を倒し、マミを救出する。
そう思い、弓を構えようとする――が。

(あれ?おかしいな、何で私のからだ、うまく、うごかないの?)

まどかは身体が震え、足が竦み、上手く弓を構えることが出来ない。
それもそのはずで、彼女が今目の前にしているのは何が何でも余裕と優雅な姿を崩さない、後輩想いの大好きな先輩の、痴態。
まどかにとってそれを目にすることは彼女の持っていたマミの虚像を破壊し、死なせたようなもの。
大好きな人間が死んで咄嗟に動こうにも、ついこの間まで普通に平和な日常を歩んできた少女にそれは難しい話であった。
そんなまどか目掛けて、触手達がしゅるんっと襲い掛かった。
ガン、ガン、ガン。
まどかに群がる触手がマミの張ったシールドに阻まれる。
今もマミを、尊敬している人を、犯している、少女の体を、おぞましい触手達が。

「ひぃぃぃっ!!?」

まどかの悲鳴。
声が出た途端、まどかは腰を抜かして尻餅をつく。
魔法少女の戦いは命がけとは言うものの、マミの手によって守られ続けたそれは命がけの殺し合いとは程遠かった。
温室の中で育てられた小娘が、欲望に晒されて陵辱されんと迫られ、歴戦の勇者のように考える前に身体が動くようなこと、あるわけがなかった。
魔力を吸い取る触手は、より魔力が強いまどかを狙う。

「あああああっ!助けて!誰かっ!誰かたすけてぇっ!ほむらちゃんさやかちゃんキュうべぇ!誰でもいいから助けにきてぇっ!」

ガン、ガン、ガン、ガンガンガンガンガンガンガンガンガン。
まどかはへたり込んで絶叫し、自分の情けなさを嫌悪するも身体が震えて動かない。

「まどか……ちゃ…ひぅっ……ん…………」

シュゥゥ。
マミの魔力が吸われ、そのシールドを維持することが出来なくなった。
遮るものの無くなった触手はまどかの足に絡み付く。

「あ……あ…………」

まどかの小さな体をにゅるにゅると触手が巻きつき、彼女の子供そのものの肢体を性の欲望の吐け口にせんというかのように絡む。
小さく可愛らしいハムスターが大蛇に絡み付けられ、舐めまわされ、そして捕食されんとするような光景。
粘液に塗れた細めの触手が一本、まどかの目の前に現れると、ねっとりと生温かい粘液が彼女の幼い顔を汚す。
まどかは顔を背けながらカチカチと奥歯を鳴らして震える。

「うっ、うぁぁ……」

ちょろちょろ……。
まどかの細い足を黄色い液体が伝って床を濡らしてく。
そんな恐怖に怯える少女に対し、触手はそのぷにぷにとした唇に触れ、マシュマロのような頬を舐めまわした後、その小さな口内目掛けて無慈悲にも突っ込まれた。

「んぐぅぅぅっ!?」

まどかの口内に触手がずりゅずりゅと滑り込む。
キスもしたことも無い初めてを夢見る純情な乙女の唇は、愛情の欠片も無い、欲望でしか動かないような触手によって汚される。

「んぶぇっ!んげぇっ!んぐうぅぅっ!」
「まどかちゃんんっ!お願いやめてぇっ!」

ビリィッ、ビリビリビリィッ。
彼女がノートに描いていて考えていたフリルのついた可愛らしい衣装の、胸と秘所を初めとしたありとあらゆる場所が無慈悲にも破り捨てられる。
未発達な薄い乳房をブラシのような繊毛のたくさん付いた触手によって嬲られ、桜色の乳首がストローのような触手にちゅうちゅうと吸われる。
更にまどかはスカートを捲られて現れた縞々のパンツをするりと脱がされ、毛の一本も生えていないすじに対し、巨大な触手が侵入する場所を探して擦り付けられる。

「お願い……まどかちゃんにはもう何もしないで……」

自分だったらいくらでも酷い目にあわせてもいい。けれどまどかちゃんにはもう何もしないで。
そんな今時三文芝居でも聞かれないような陳腐な自己犠牲の言葉は、紛れも無いマミの本心だった。
まどか達が魔法少女になってから、一人で辛く怖い戦いを続けることが無くなった。
怖さも辛さも、楽しさも温かさも、全部みんなで分け合えるようになった。
それもこれもあの日、まどかが魔法少女になってくれると、傍にいてくれると言ってくれたからだった。
まどかにとってマミが希望を振りまく魔法少女の象徴だとしたら、マミにとってまどかはもう一人じゃない希望の象徴だった。

「私の、私の大切な人に酷いことしないでよ…………やだぁ……もうやめてよぉ……まどかちゃんにひどいことしないでぇ…………。なんで、なんで私だけ……好きな、人、が酷い目にあうの…………」」

マミは仲間が出来たあの時はもう何も怖くないと思っていたが、今にしてみるとそんなことはなかった。
大事な人が失うことが――怖くなった。

「やだああああっ……やめてぇぇ……」

けれど魔女はマミのそのような懇願を無視し、さらなる陵辱が続けられる。
にゅぽんと、まどかの口を塞いでいた触手が抜き取られ、ぜぇぜぇと息を荒げながらその甘露な唾液をだらしなくたれながすまどか。
彼女に対してその大人の握りこぶしほどの太さのある触手が、その秘所に向かってぴとっと当る。

「あ……むり…………やめ……て…………」


252 :マミさん及びまどか触手陵辱SS:2011/02/05(土) 17:53:15 ID:CZynJPIG
まどかの言葉は魔女には理解できなかったかのように無視される。
くっと、その先端がまどかの腟に向かって押し付けられ、そして無慈悲にも挿入された。
ぶちぶちぶちぃっ、ぐちゅ、ぐちゅちゅうっ!

「んぎゃあああっ!あ゛ー!あ゛あ゛あ゛っー!!」

まるで串刺しにでもあったかのよう。
普段の可愛らしい声とは程遠い、汚らしい悲鳴を上げながらまどかの子宮目掛けて触手がまどかの腟の中を進みゆく。
まどかの乙女が散らされ、その血がぽたぽたと垂れ堕ちる。

「い゛だい゛い゛っ!マミざんいだいよ゛ぉっ!マミざんだずげでぇっ!ん゛っ!ん゛ん゛ん゛!や゛あ゛あ゛あ゛あ゛――!!」
「まどか……ちゃん…………」

マミは目を閉じた。絶対に見たくない。見ることすら放棄した。けれどもまどかの悲鳴はあまりにも鮮明で、耳に残って、ガンガンと頭を殴りつけるような衝撃を加える。
守ろうと決めたのに、何が何でも守りきると誓ったのに。
マミは自分の大切な人が目の前で汚されていることに塩辛い涙を溢れんばかりに流し続けて泣きじゃくった。
両親を失い一人だけ助かった時と同じように。



そこにはもはや歴戦の魔法少女巴マミと新進気鋭の魔法少女鹿目まどかの姿は無く、陵辱を受けて泣き喚く二人の少女がいるだけだった。

「ごめんね……ごめんね、まどか……ちゃん……私の、私のせい……私が魔法少女にさそ、ったから…………」



「こんな奴に襲われるなんて…………本来ありえない展開だったわ…………知っていたら迷わずにすんだのに…………」
「まどか!まどかしっかりしてよ!まどかぁっ!」

結局魔女を葬りまどか達を助けたのは、駆けつけたさやかとほむらだった。
まどかのところに向かっている際に二人は合流し、敵対している暇は無いと共に結界内を進んだはいいものの、迷路状になっている結界の中は非常に入り組んでいて、到着するまで時間がかかった。
もうすっかり暗くなり、人気の無くなったビルの中にて一行はまるで葬式のような雰囲気を漂わせていた。
さやかは大声で泣きじゃくりながら、ほむらは壁に目を向けて誰にも表情がわからないような位置取りで呻くような声を上げていた。

「でも殺されなくってよかったじゃないか」
「キュゥべえ!!」

さやかはキュゥべえをきっと睨みつけ、キュゥべえは無表情のまま平然とした様子で黙る。
そんな問題ではない。殺されなくても、心に受けた傷は癒えない。
犯され続けたまどかは倒れこんで虚空を見上げたまま動かず、覗き込んで声をかけ続けるさやか。
そして両手で胸元を押さえ、へたり込むマミ。
一行のすぐ傍にはグリーフシードがあった。
魔法少女達の魔力を吸い続けていたためだろう。だが誰もそれを手に取ろうとはしない。


彼女達はこんな目にあっても、これから先魔女との戦いはやめられない。
陵辱され傷ついて折られても、逃げることは許されない。
逃げることはすなわち死。それをマミは忘れていた。
恐怖によって戦えなくなり、死んでいった魔法少女達を何人も見てきた事を。
自殺したくなるほどの自責の念に囚われながらも、マミは考える。
まどかをこれ以上傷つけない方法。まどかをこれ以上戦わせなくて済む方法。
まどかの惨状を見て魔法少女の現実を見て、もう戦えないであろうさやかを救う方法。
幸いなことに、それはすぐに思いついた。何故ならばまどかはどんな願いでも叶える事ができるのだから。
ピクリとも反応しないまどか。
今だったら判断力も低下しているはずだとマミは考える。
そう、事故に遭ってしまい、自らの命が助かる事のみを咄嗟に願い、父や母の命を救うことすら思いつかなかった自分と同じ。
あぁそうだ、あの時お父さんとお母さんを見殺しにした自分が幸せを願う事自体間違いだったんだもう間違えない。

「……まどかちゃん、よく聞いてね。これから私がいう事を願い事にするのよ」



意識の朦朧としているまどかをマミは言葉巧みに誘導し、まどかの願いが決まった。


それは鹿目まどかと美樹さやかが魔法少女だった頃の記憶と傷を無くし、普通の女の子として生きること。


まどかを身勝手にも魔法少女に勧誘したのは自分だと言うのに、何ていう自分勝手だろうとマミは自嘲する。
良心の呵責に従うべきだった。自分に憧れる少女に対し、魔法少女は甘いものじゃないと突き放すべきだった。
あんな状況になって、初めてそれに気がついた。

「でさ〜、昨日うちのお母さんがね〜――」
「まどかのところのお母さん、本当にバリバリだよね〜――」

学校の廊下を歩いているまどかとさやか。
彼女はマミに一言の挨拶もせずに通り過ぎた。
そもそもマミとまどか達はあれから一度も口を交わしたことはない。マミからもまどかの教室を訪ねることは無くなった。
それも当然で、魔法少女であったことに関係する記憶を無くしていた今のまどか達にとってマミは話したことも無い、見知らぬ上級生だ。
魔法少女だった頃の記憶は、偽りの記憶で補完してそれを埋める。
そこにマミのことは一つも無い。
魔法少女に関わることすべてを忘れた故に、マミのことも記憶に残らない。
唯一記憶を残しているほむらには、廊下ですれ違うと怒りと悲しみの色をごちゃごちゃと交えたような目で睨まれるようになり、マミはほむらとあれから会話を交えたことは無い。

(まどかちゃんを魔法少女にしなかったら、あんな目に合わせなくて済んだものね。彼女からしてみれば私が許せないでしょうね)

そうだ、許さなくていい。自分も自分の事を許せない。死んで済むのならそうしたい。けれど自分が死んだら誰がこの町を魔女の手から守るのだろうか。その命を絶つことすら許されないのだとマミは知っている。


そうして、マミはまた独りぼっちになった。
仲間のいる、一人じゃないことの幸せを知ってしまったのに、マミの周りには再び誰もいなくなった。
だからあんな幸せな日々は夢で、自分がお父さんお母さんと暮らしていた頃と同じ都合のいい夢で、自分は一人で生きていくのが当たり前で、これまでもこれからもずっとそうだと、
事故にあってからすごした一人きりの日々こそが本当の自分のあるべき姿だとマミは自らに言い聞かせる。

今日もマミは一人で家に帰り、あの日手に入れたグリーフシードによって回復した魔力で魔女と敵対する魔法少女を撃つ。
いつまでも、彼女という存在が摩耗するその日まで。






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