千秋真一×野田恵
![]() 「じゃあ、もういいよ」 言った後ですぐに後悔の波が襲ってきた。 のだめは俯いて泣いてるようにも見える。 傷付けたくないのに、なんでこんなことに… 事の起こりは今日の夕食時 いつものように、のだめは俺の部屋でたらふくカルボナーラを食って 食後のまったりした時間を過ごしていた時のことだった。 「お前、今度の課題曲何やるの?」 「えと、まだ迷ってるんですよ。のだめはハイドンやりたいんですけど 先生はモシェレスやってみたらって言うんですよー。 千秋先輩はどっちが好きですか〜?」 「モシェレス… お前みたいに、勢いで弾くタイプにはぴったりじゃないか? 先生が薦めるのもなんとなく分かるよ」 「えー…でも付き合ったことないデス…」 音楽院での、解釈授業の成果か、のだめとはその曲や音楽に対して 情緒的な話や、のだめなりの思いなども会話にできるようになってきた。 それは、以前の好きな曲を好きなように演奏していた時に比べ 音楽に正面から向き合えるようになってきたこいつの成長を感じさせて 千秋は少なからず好ましく思っていた。 「確かレコードあるような気がするけど…ちょっと待ってろ」 「はーい。あっ、アイス食べてもいいデスか?」 「んー………」 千秋が目当てのレコードを探し当て、居間に戻ると、のだめはカップアイスの蓋を取り 幸せそうにソファに腰掛けていた。 そんな彼女の姿を横目に、持ってきたレコードに針を落とす。 と、同時に荘厳で華やかなメロディが部屋に響き渡った。 「この人の作る曲は、結構緻密で、まぁ難易度は高いけど、ノッてしまえば…」 そう薀蓄を話しながらのだめの隣に腰を下ろす千秋。 しかし、のだめは一心不乱にアイスクリームに立ち向かっているのだった。 「な…お前人がせっかく…それに、俺の好きなチョコミントじゃねーか!!」 「だ、だってのだめも好きだし…あ、じゃあ一口あげますから〜はい、あーん」 そう言ってのだめは小さなスプーンにアイスを乗せ、千秋に近づけた。 (せっかく音楽のまともな話ができると思ったのに、全くこいつは…) そう考えながらも、のだめのそんな仕草につられて、誘いに乗り 顔を赤くしながらアイスを食べさせてもらうのだった。 他人から見たら典型的なバカップルだ。 でも、ここにはその他人はいないし、千秋を必要以上に王子様扱いする奴もいない。 (一応…俺たち付き合ってるんだし…ってことはこいつ俺の彼女になるのか… 見慣れてるとは言えこうして見ると可愛く…見えないこともない…か?) 口の中の爽やかな甘みを飲み込みながら、そんなことを漠然と考えていたが のだめの声で現実に引き戻される。 「いいダシ出てますかー」 「ぶっ、アホか…」 穏やかな時間が音楽と共に流れる。 ふと、うれしそうに笑うのだめの口角にアイスが付いてるのを見つけ 千秋はそっと舐め取った。 びっくりしているのだめに再度唇を重ねる。 逃げられないように右手で腰を抱き、左手で彼女の頭を支えてやると 後ろに傾いていた重心は唇を重点とし、千秋に寄ってくる。 そのまま、舌で口の中を味わっていると、息苦しそうに のだめは千秋から離れ、呼吸を再開した。 「もう……先輩、今のだめモシェレス聞いてんデスから、邪魔しないでください……」 「嘘付け、好みじゃないんだろ?」 吐息のかかる距離でそんな会話を交わし、千秋はまたキスをする。 舌をからませようとする千秋に対してのだめは少ない経験ながらも応えようとし それが千秋を興奮させるのだった。 その内に二人は唇を離し、舌だけをからませ、湿った音が音楽にかき消されながらも 大きくなっていく。 もう千秋はその気だった。 少しずつ、のだめの背中を支えながら、押し倒していくと、思ったより抵抗は無い。 (お、俺たち付き合ってるんだし、そろそろいいよな… もう3年近くヤッてないし…いやいや、もちろんこいつのこと好き……だし。 まぁ自覚したのは最近だけど、結構我慢した部類だよな…) のだめのことはいい面も悪い面も含め、愛している千秋も、 ‘あの’のだめを恋人と認め、抱くとなると、それなりの覚悟と言い訳が必要なのだった。 キスをしたままのだめの上半身ををソファに寝かせ、その腕を自分の首にからませる。 唇を離し、見詰め合う二人の荒い息に合わせ、曲も第二楽章のロマンティックな メロディへと調子を変えた。 のだめの頬に軽く三度キスをして今度はその唇を耳元にスライドさせる。 耳たぶを甘噛みし、わざと音を立てるようになめるとのだめは甘い声を出して反応する。 「は…あっ、だめ、先輩……あぁっ…」 今度は耳穴付近をくちゅくちゅと音を立てて執拗に舐めてやるとのだめは顔をずらし、逃げようとする。 「ちょ…だめ…先輩…」 「耳…弱いんだな…」 息のかかる距離でそうつぶやかれ、のだめの顔はみるみる赤くなっていく。 しかし、それがさらに千秋の支配欲を刺激していることなど、のだめは想像もしていない。 耳への愛撫はそのままに、今度は右手でワンピース越しにふくよかな 胸に触れ、その感触を味わう。 耳と胸を同時にせめられ、がっちりガードされ、逃げることもままならないのだめは 目をぎゅっとつぶり、歯を食いしばっていたが、鼻にかかった声は止めることは出来なかった。 「ん…んっ…ん…」 (エロいな……) もちろんそんなことをしているのはむしろ千秋の方だったが、おそらく処女であろうと 思われるのだめの新鮮な反応に、千秋は喜びを感じていた。 彩子の様に、もっともっとと千秋を鼓舞するのではなく、 あくまでも千秋の愛撫を受け入れ、純粋に感じてくれているのだめを 逆に滅茶苦茶にしてやりたくなる。 そんなことをぼんやりと考えていたその時、予想もしていなかった言葉を聞いた。 涙目で息も荒くなっているのだめは、ふと口に出して言ってしまったのだ。 「彩子さんにも…んん……同じようにしたんですか…?」 千秋の動きがぴったりと止んだ。 彩子と付き合っていたのはのだめと出会う前の事で、長く付き合う恋人なら当然のこと。 なにも後ろめたいことはないはずなのに、突然ののだめの言動につい動揺してしまう。 そして、今まさに初めてのセックスをしようというのに、昔の彼女の名前を 出され水を差されたことに不快感があったのも確かだった。 「…なにそれ」 「なにって…どなのかな…って」 「なんでそんな事聞く?」 「だ、だってのだめ初めてだし、初めてだからこれで合ってるのか分かんないし、 そ、それに先輩だってもっと上手な人の方がうれしいかなって…」 ため息をつきながら千秋は体を起こす。 「…むかつくよお前…」 「ご、ごめなさい……」 長い沈黙の後、じゃあもういいよ、と一言だけ言って千秋はキッチンに水を飲みに行った。 少し冷静になろうと思ったのだ。 しかし、再びのだめの元に向かうと、もうそこにのだめの姿は無かった_______ (もうだめかもしれないな…) スペインからの帰りの列車に乗りながら千秋は考えていた。 窓からは秋の日差しが刺し、遠くには近代的なビルの町並みが延々と広がり、都心に戻ってきたことを告げる。 あれから二日後、急なシュトレーゼマンの公演の付き人として スペインで2週間過ごした。 公演自体は大成功の内に終わったが、自分でも、そしてシュトレーゼマンの目にも 覇気が無いのは明らかで、何かを学び取れた実感もない。 「いい加減にしなさいヨ。」 それが最後に聞いた彼の言葉だった。 そして、最後に見たのは彼の後姿のみだった。 無理も無い。空いた時間は心ここにあらずと言った具合にただのだめのことだけ考えていたのだから。 (あいつが俺のこと信じねーからこんなことに… なんで、自信もってくれないんだ 確かに面と向かって好きだの言ったことは無いが分かってくれてたんじゃないのか? この俺がわざわざ欧州まで一緒に…くそっ) 怒りと切なさが相まって、ただ身の置き場も無くやり過ごすことしかできない。 相手を傷つけることしかできなかった自分のふがいなさも、ただただやりきれない。 そして、のだめとの不安定さが自分の音楽にまで影響を及ぼしたという事実 メンタルの弱さによってせっかくの師匠に与えられたチャンスをふいにしてしまった事も 千秋の落ち込みに拍車をかける。 (なんであいつ今さら彩子のことなんか…ずっと気にしてたのか? ……だとしたら……。 確かに彩子は顔はきれいだしスタイルも良かったけど、 俺はのだめぐらい健康的な方が実はこ、好みだし… いや、そういうことでなくて…今更だろ!? わざわざ口に出して言わなきゃ納得しないのか?) 「つか…もう嫌われてるかも…セックスできずに切れて…死…」 「う…ママァァ…」 ぐったりと影を背負いぶつぶつと独り言を言う千秋に怯え、正面に座っていた幼女はとうとう泣き出した。 とりあえず、フランスに戻ったらすぐに会いに行こう、お互いの気持ちを確認しようという 決意だけは心にあった。 それで終わるなら仕方ない。 「絶対謝らねーけどな。悪いのはあっちだし…」 そうつぶやきながらも、早く着け、と逸る気持ちは落ち着き無く彼をせめ立てた。 とりあえず、フランスに戻ったらすぐに会いに行こう、お互いの気持ちを確認しようという 決意だけは心にあった。 それで終わるなら仕方ない。 「絶対謝らねーけどな。悪いのはあっちだし…」 そうつぶやきながらも、早く着け、と逸る気持ちは落ち着き無く彼をせめ立てた。 ようやくアパルトメントに着き、深呼吸をしてのだめの部屋の前に立つ。 チャイムに手を伸ばし、手を引っ込めること五回。 勇気を出して、その指に力を込める。 ジリリリリ… ジリリリリ… …………… 部屋の主は出てくる気配は無い。 腕時計を見ると短針は13時を指していた。 (まだ学校かな…) そう思うが早いか、千秋は早足で、大学院へと歩き始めた。 慌しく行きかう多国籍の学生の波を縫い、レッスンスケジュールの張ってある掲示板を探し のだめの名前を探す。 「メグミノダ…メグミ…A18か…」 (め、めぐみ…) なぜか顔を赤くする千秋だった。 A棟に着き、目当ての18号室を探す…までもなく、すぐに分かった。 聞きなれたピアノ、以前のような作曲や音とびはないが、千秋にはすぐに分かった。 久しぶりののだめのピアノに壁に背を預け、瞳を閉じて耳を傾ける。 曲は……あの時のマシェレスだった…。 「あれ〜?チアキじゃな〜い!!」 「Nein, es ist nicht Chiaki. (いえ、僕はチアキではありません)」 見慣れた派手なロシア人から身を翻して逃げようとする千秋。 「ばればれの嘘つかないでよ…どうみてもドイツ人じゃないし… ノダメに会いに来たんでしょ〜?やっと解放してもらえるのね!!」 「どういう意味だ…?」 「やっぱり千秋じゃないの… ここのとこ、ノダメにアフター5拘束されてるのよ 自分のピアノ聴いてくれって。だめなとこはどんどん言えって言うんだけど 正直オクレール先生の生徒にアドバイスできる訳ないし… 別にそれなりに弾けてるのに『まだ何か足りないんデス』なんて言って一晩中… フランツかユンロンにでもバトンタッチしたかったわよ全く… まぁチアキがいるならもういいわよね!なんとかしてよあの子」 一方的にまくしたてるターニャの言葉を聞きながら、一方の耳で どこかがむしゃらなピアノの音色を聴く。 「完走してくれて助かったよ…ありがとな。 のだめの言う足りないところってのは…まぁ、なんとなく分かるから多分もう大丈夫…な気がする」 「何その発言!意味しーん。 じゃあ私もう行くわね。チアキ…あの、頑張ってね。色々と…」 同情の目を向けるターニャ。 「な…!どこまで聞いた!?」 「Auf Wiedersehen !」 (くそ…のだめの奴…ぺらぺらと…) そう考えながらも、もうすぐ会える喜びになぜか微笑んでしまう。 (俺の音楽も、あいつのピアノも、もうお互い無しではどこか欠けてしまうみたいだ… お互いに刺激し合って成長していけたら…!) ピアノの音が止む。 ごそごそと荷物をまとめて先生に挨拶する声の後、ドアが開き、待ち望んでいた姿が現れる。 「ほわぁぁ…先輩…どしたんですか急に… あ、ひょっとして道に迷ったとかデスか…」 「なわけねーだろ…いいから来い!」 「え…カズオの日?」 のだめの言葉を無視し、手を引いて屋外に連れ出す。 中庭、ひと際大きな木の生えた庭園、隅の方に人気の無い噴水を見つけると そこに来てはじめてのだめの手を解放する。 「なんなんですかいきなり…はぁ…求心ください…」 「体力無いなお前」 そう言いながら肩で息をするのだめを力強く抱きしめた。 「ひぎっ…もう、今日はびっくりすることばっかり…」 「少し黙れよ…」 遠くで、色々な楽器の演奏と鳥のさえずりがが交じり合って聞こえる。 そして、腕の中ではまだ息もつかずに動悸だけ弾ませてのだめは千秋に身を任せていた。 長い沈黙の後、千秋は口を開く。 「……ハイドンだったら、どうしようかと思った…」 「………だって……でも、のだめ全然ノレないですよ。先生には初めて褒められたけど…」 「うん…明日からは、多分大丈夫…」 「?どいう意味ですか?」 「俺は、怒られたよ。全然だめだって。でも、取り返せるから。」 「んん?ますます分かりませんヨ…。大体、千秋先輩怒られた事ないからそんな独裁者になったんだし」 「殺すぞ…。だから、つまり…」 ゆっくりとした動作で、千秋はのだめにくち付ける。 まわりの音は協奏曲にその姿を変えた。 そっと唇を離し、千秋は再びその腕にのだめを抱きしめて耳元でささやく。 「好きだから……つ、付き合ってください…」 のだめの返事は無い。 「おい…のだめ…聞いてるのか?…のだめ!?」 思わず赤い顔を隠すことも無く離れて表情を伺うと、のだめは声も立てずに泣いている。 「い、嫌なのか?ご、ごめん…」 「ちがっ…も…嫌われちゃったかと…もってたから…」 「いや、俺の方こそ…。昔のことは、まぁ彩子とは、その、色々あったけどさ… お前、もっと俺のこと知ろうとしろよ。 今はお前のことだけ大事にしたいと思ってるし…男だから…色々あるだろ普通!」 「支離滅裂デスよ…」 言いたいことが言えず、あたふたするだけの千秋だった。 「のだめ、彩子さんみたいに、ウエストくびれてないし…」 「だから!彩子のことは忘れろ!奴は架空の人物だ!」 「え…そだったんですか…?」 「そうだよ、鏡にうつってなかっただろ!?」 「ほわぁぁそういえば…」 「と、とにかく…………返事は聞かせてくれないのか…?」 ふいに、のだめが背伸びして、千秋の頬に口付ける。 「のだめ、ずっと前から先輩のこと大好きデスよ…」 目はまだ赤く、涙をたたえていたが、にっこりと笑顔でのだめはささやいた。 「のだめ…もっかい…」 「もう…恥ずかしいから…」 「痛かったか…?」 「少しだけ…でも平気ですよ…」 「じゃあもう一回…」 「もう…」 深いキスで言葉をさえぎり、正常位で再度挿入する。 のだめのそこは、まだ蜜をしたたらせ、千秋の二度目の侵入を拒むことは無かった。 「んん…あぁっ…あっ、だめ、せんぱ…ふ…んんっ…」 「くっ……」 (すごいな…こいつの……) 脳天まで突き抜けるような快感に、千秋は目の前が真っ白になってしまいそうだった。 さっき一回達したはずなのに、千秋自身はすぐ回復し、再度のだめを求めてしまうのだった。 一度目のその瞬間、のだめは痛みを訴え、千秋は労わりながらなんとか最後まで終えることが出来たが 二度目の今は、声の中に甘い響きを感じ、ただ無心に腰を動かしてしまう。 揺れる髪の間から見え隠れする上気した顔、打ち付けるたびに揺れる大きな胸は その大きさに釣り合わず小さな乳首を頂に持ち、ただ千秋を興奮の只中に誘うのだった。 動きを緩め、その乳首を口に含み、吸ったりなめたりを飽くことなく繰り返す。 同時に空いた手でもう片方をつまんでこねくり回すと、のだめは喉を仰け反らせ ひと際大きな声を出した。 「あ…あぁ…んっ…!!やっ……!」 「力抜いて…ふ…んっ…俺の事見ろよ…」 のだめがうっすらと目を開いて見下ろしてきたのを確認し、千秋は舌をのばし わざと見えるように舌先でちろちろと乳首をなめてやる。 「………!!んぅ……んん…あっ!あぁ…」 自分の体が最高にいやらしく弄ばれている姿を見て、はずかしそうに快感の声を出すのだめの 耳をぐちゅぐちゅと唾液をからませ舐め上げると、もう息も絶え絶えのようだった。 「せ、せんぱ…」 「…なんだ…」 「のだめとせんぱ…あぁっ!い、今、今セックスしてるんですよね…」 「!エロい事言うなよ…くっ…あんまり余裕ねーんだから…」 のだめの卑猥な言葉を機に、千秋は一気に頂点まで登りつめそうになる。 今度は挿入しながら千秋は仰向けになりその上にのだめを乗せようとするが 何をするのか想像もできないのだめはうまく動いてくれない。 仕方無く一度抜くが、その先端はどちらのもか分からない液体をとろとろと滴らせている。 千秋は仰向けになり、腕だけでのだめを上に乗せようと抱き寄せた。 「な、なにするんですか…」 「いいから…上に乗って…」 「え…怖いデス…」 「大丈夫…そう…そのまま…入れて……!くはっ…そう…腰…落として…」 「や…奥に当たるから…あ…あっ…!あん!ちょ…!」 先端が挿入されるや否や、千秋はのだめの腰を支え突き上げる。 すると、のだめは全身を反らせ、胸だけをつき出す格好になるのだった。 その眺めを見て、千秋は己の限界が近いことを悟る。 一気にたたみかけると、のだめの声に細かいビブラートがかかり始める。 そして、そのまま千秋の目の前は白い光に包まれた__________ 「ごめんな…なんか自分勝手で…」 のだめの顔に張り着いた髪を一房ずつ除きながら、千秋は語りかける。 「えへへ……可愛かったデスよ?」 「な…!…お前のが冷静だったのか…?」 「そんなことも無いデスけど、なんか変な感じ…こそばったい…」 頬を染めて笑うのだめを抱き寄せ、軽くキスをする。 「離れられなくなっちゃったな…」 「でも、先輩すぐツアーでしょ?」 「あぁ…うーん…次はツアーオブリベンジだな…」 「なんですかそれ?峰君英語…」 「俺のことより、お前、いい傾向なんじゃないか?」 「?何がですか?」 「ピアノ…褒められたんだろ?」 「でものだめ的にはあんまりでしたよ?」 「んー…なんていうかさ、俺と離れててもムラが出なかったっていうか 気分的なのがピアノに現れなくなったってのは、成長じゃないかな」 「な…!それじゃあ今まで千秋先輩に左右されてたみたいじゃないデスか!自惚れすぎデス!」 「だってほんとじゃん。ベーベちゃんなんだろ?」 くすくす笑いながら膨れたのだめの頬をなでる。 「違います!もう…大人に…なりましたよ?」 「そうだったな…ほら、もう寝るぞ。腕枕してやるから…」 「ほわぁ…幸せ…」 good night・・・・・・・・ ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |