千秋真一×野田恵
![]() 「では、今夜もよろしくお願いします」 ゲネプロが終わり千秋が舞台袖に戻ると、暗がりの中にのだめが立っていた。 「先輩、お疲れ様デス。今日も頑張って下さいネ」 「ああ、メルシー」 差し出されたミネラルウォーターを受け取りながら2人で楽屋へと足を向ける。 今日は、千秋真一初の日本ツアー最終日。 札幌、金沢、大津、福岡と公演して今日の東京で最後になる。 福岡でも公演すると聞いたのだめは、バカンスを利用して帰国、 一旦実家に帰り、福岡から東京まで一緒についてきたのだ。 …飛行機嫌いの千秋がのだめに一緒に乗って欲しかったのもあるのだが。 「今日のプログラムはどっちですカ?」 のだめが楽屋の丸椅子に腰を下ろしながら尋ねる。 (珍しく化粧してんじゃねーか…) 「Aプロだよ」 「そですかー。じゃあバルトーク聴けますネ」 何日にもわたる公演の場合、幾つかの違うプログラムを用意しておく事があるのだ。 「アンコルは何ですか?」 「ハチャトゥリアンの仮面舞踏会」 「舞踏会ーダンスですネ〜」「おい、回るなって」 丸椅子に座ったままくるくると回るのだめの腕を千秋が掴むと、 のだめはそのままふわり、と胸元に飛び込んできた。 「演奏が成功するように、充電してあげマス」 背中に手を回すと、のだめの大きな膨らみが自分の胸元に触れる。 「ありがとう…」 少しだけその感覚に浸ると、千秋は気分をかき消すように体を離し、 のだめの頭をくしゃくしゃにしてみる。 「な、なにすんデスカー!」 「あと1時間半か…」 時計に目をやると、17時半を少し過ぎた所だ。 もう1時間もすれば開場する。ここは、自分が学生時代を過ごした街、東京。 これまで幾度となく公演をこなしてきた千秋だったが、 留学後初めての東京公演で、いつもとは違う緊張感を感じていた。 「峰くん達もみんな、聴きに来ますよ。楽しみですネ。あ、そうそう、峰くんパパから差し入れです」 懐かしい裏軒のサンドイッチで軽い夕食を終えると、のだめが衣裳掛けから千秋の燕尾服を取ろうと立ち上がった。 「妻だから取る…」 「バーカ。でも、まだ着替えにはちょっと早いかな…」 千秋はそう呟くとのだめの手を引き楽屋の入口まで行くと、カシャと鍵をかけた。 振り向きざま、千秋はのだめを抱きすくめる。 「…どしたんですか?」 「ん…もうちょっと充電…」 髪を撫でると、つるんとした感触とともに鼻先に甘い香りが広がる。 千秋は顔を上げると、のだめの唇に自分のそれをまっすぐ落とした。 そのまま、そばのテーブルの上にのだめを座らせ、また、唇を落とす。 「…んっ」 千秋が軽く舌を入れると、のだめもぎこちないながらも舌を絡ませてくる。 キスをしながら千秋はのだめの左胸に右手を乗せていく。 親指で服の上から突起の頂きをまさぐると、そこは既に存在を主張し始めていて。 「あ…」 のだめの囁きとともに千秋は唇を離し、ワンピースのチャックを下ろすと のだめの腰の辺りまでそれを下ろした。 「のだめ、こんな所て恥ずかしいデスよ…」 「今日も頑張れるように充電させてくれるんだろ…?」 しんとした部屋の中、千秋は下着の上からのだめの2つの膨らみを揉み始める。 扉の向こうでは廊下を歩く音、楽団員が煙草を吸いながら雑談している声が かすかに聞こえて、のだめは小さな声を上げながら千秋の唇を求める。 「う…ん。あ…」 キスをしながら千秋は、膨らみを隠す布を少し急ぐようにはずす。 「のだめ。見て」 千秋に言われたのだめの顔は真っ赤になっていく。 ここは楽屋。部屋には鏡が張り巡らされているのだ。 白熱灯のオレンジ色の光がのだめの白い肌をより美しく魅せている。 千秋はそっと、白く豊かな膨らみに手を乗せた。 「あ…ん、あ」 「あんまり声、出すなよ…」 千秋の大きな右手の指で両方の頂きをなぞると、のだめは目をつむり顔を逸らした。 そんなのだめの様子を楽しむかのように千秋はその片方の頂きに唇を寄せる。 「はぁ…んん」 のだめの頂きの舌触りと指の感触、抑えた声が千秋をより煽らせた。 「おっぱい気持ちいいか?」 「もう…イヤ…先輩…」 「そーかイヤか」 千秋はテーブルの上にのだめの上半身を倒すと、頂きを吸い上げながら 右手を下からワンピースの中に這わせていく。 その時。 コンコン。 ドアをノックする音と同時に「チアキ、10分前だから舞台袖へ」 という声が聞こえ、千秋が慌てて着替えてドアの外に出てみると。 シュトレーゼマンがニヤニヤしながら立っていた。 「チアキ、まだ30分前よ。みんなこれから音出し。自分だけ楽しんでちゃダメヨ」 「まったく、まだ若造のクセに、師匠の真似するなんて10年早いですヨ」 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |