千秋真一×野田恵
![]() なんだかんだ言って 千秋のリクエストどおり、バッハを弾いている のだめ。 久しぶりに聴く、のだめのピアノに酔う、千秋。 曲も終わりに近づいて、千秋は、のだめに近寄っていく。 のだめはその気配を感じて、振り返る。 大好きな人にだけ見せる、鮮やかな花がパッと咲いたような、のだめの笑顔。 千秋は、思わず両手をのだめの方へと ーーーーー 『ピンポン!ピンポーン!』 誰だ、今頃・・。ムッシュ長田か? ワインの残り、返しに来たのか? 「のだめーー!!」 と、ごきげんで のだめに飛びつく小さな客人。 「リュカ・・!?・・・と、くろ木くん!?」 「な、なんで黒木くん・・・」 「だって、やっぱり のだめとノエルしたいんだもん!!」 「ゴメン、恵ちゃん、千秋くん・・・。止めたんだけど、きかなくて・・・。」 青ざめた顔の黒木。 「これ、ノエルのごちそう、ママがのだめに、って! プレゼントもあるんだよ!」 リュカは、黒木に持たせていた大きくてかなり重たそうな包みを指さす。 「・・・って、このヒト、だれ?」 と千秋に向かって、おもいっきりメンチを切るリュカ。 「千秋真一くん。のだめのカレ デス(ハァト)」 「えぇーーー!!」(白目) 「先輩、ガコの友達のリュカ デス。のだめの先生。」 「あぁ。Bonsoir、リュカ。千秋です」 「muー・・・・・」 リュカは口をとがらせて、膨れっ面。 千秋は料理を受け取ると、エプロンをして、手早く温めなおし、美しく盛りつけている。 のだめは、小さい方のクリスマスツリーに飾りモールを巻き付ける。 リュカは大きなツリーに釘付け。 「すっごいデッカいツリーだね!てっぺんが曲がっちゃってる・・・。この星☆、いいなー。 ・・・あ、コレもオーナメント?」 「どれ? 綺麗だね。ルビーのネックレス・・・?」 「アッ、・・・それは」 「くろ木くん、何デスか? それ ・・。・・・あ、もしかして、センパイ、のだめに!?」 「ち、ちがう!!」 「エー、だってこんなオーナメントなかったデスよー・・・ じゃあ、酒屋のデュランさん?」 「ちがうって!!!」 「ぷぷ・・・」 黒木は吹き出した。 千秋は なべつかみをした手でネックレスをのだめの手からもぎとると、 赤い顔で即座にエプロンのポケットにしまってしまった。 「(汗)し、シャポン、できたぞ!! テーブルの用意できてんのか!?」 「できたよ、千秋くん。あとはキャンドル灯して。」 「ムー・・・・・・・」 のだめは口をとがらせて、膨れっ面。 その夜は遅くなったので 千秋がリュカの家に電話して、黒木とリュカは千秋の部屋に泊まることになった。 黒木は、ハードな馬役の疲れと酔いで、もうすでにダウン。リュカもさすがに眠そう。 隣室に帰ろうとするのだめを、千秋は玄関に送りに来た。 「今日は大変だったな、馬。 あと、K-1も・・・(恥)。ゆっくり休めよ」 「・・・せんぱい? 今日ののだめに何か忘れもの、してまセンか?」 話しながら、ふたりは千秋の部屋から廊下に出る。 「ん? チーズとニシンの酢漬け、旨かったろ?」 「そーじゃなくてぇーー、アレですヨー。ポッケの中のぉ」 「う・・・、アレは・・・・・。 おまえが試験にちゃんと合格したら、そのときやる。」 「エェーーー」 「じゃぁな、早く寝ろ!! 」 「チアキざまーー!!(涙)」 千秋は、ふわっと のだめの頭を抱き寄せて、囁きながら髪にキスをした。 「Joyeux Noe¨l ! 」 (・・・のだめ、放心) 「おやすみ」 真っ赤な顔の のだめを廊下に残し、千秋の部屋のドアが閉まった。 ー fin ー <あとがき> そしてのだめの試験合格後、やっとネックレス贈呈式、と。 でも、キスの後でさえ、 つきとばされたり 昇天してたり あへー だったり、どこまでいっても甘くなりきれない二人...。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |