千秋真一×野田恵
![]() 「あっ……はぅん。千秋先輩……黒くて、すごく大きいです……」 「そうだろ。それにすごく固いんだ。ほら、遠慮しないで上のほうも触ってみろよ」 「ふ、ふぉぉぉぉ。こっちはぷにぷにしてマス。オイシソぅ。あん。のだめ、 もう我慢できない、早く食べたいデス。じゅる」 「そう焦るな。すぐに食べさせてやるから」 正午。アパルトマン自室。――キッチン。 今朝早く、のだめ家から大量の椎茸が送られてきた。さっそく食べる事にした。 「洋子、グッジョー、デスね。先輩」 一番傘の立派な椎茸を興味深そうに弄くりながら、のだめが言った。 「あぁ。こっちじゃ、こんなに質の良い椎茸は珍しいからな。本当に有難いよ」 片手でフライパンを振るう。熱気。高温のステレンレス板の底で、 バターの甘く香ばしい香りとともに、肉感のある鱈の身が踊った。 「あっ……いやん。いまこのキノコぴくって震えましたよ。先輩ぃ」 「え、いまなんか言った?」 「……なんでもないDeath」 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |