制服プレイ
千秋真一×野田恵


パリのアパルトマンにて。
千秋の部屋のドアが激しくノックされた。開けなきゃ蹴破るぞ、という勢いだ。

「ギャハー、センパ〜イ、開けてくだサーイ!!」

千秋は、ハアッとため息をつくと、かけていたCDを停止する。
そしてツカツカとドアに歩み寄ると、渾身の力を込めて開け放った。
バンッという小気味いい音と、「もがっ」という短い悲鳴が聞こえた。
千秋は会心の手ごたえを感じながら、廊下に横たわったのだめを見下ろす。

「オレは新しい曲の勉強中なんだが、何か…?」

怒りをこめて言葉を吐き出した千秋だったが…
のだめの姿を見た途端、その衝撃に怒りを忘れた。

「…!!おまえ…!なんだその格好はーーーー!?」
「見ればわかるでしょうよ…」

のだめは身をおこし、千秋の顔を見あげた。

「セ〜ラ〜服デスよ」

のだめの額には紅いたんこぶが出来ていて、いつものアホ毛とともに
間抜けなかわいらしさをかもし出していた。

「パ、パリでも仮装か?それとも何かの罰ゲームか?」
「違いマス。ヨーコが送ってきたんデスよ、片付けしてたら
中学時代の制服が出てきたから送りますって」

のだめはまだむくれた顔をしながら、説明した。

「ぜひ真一くんに見てもらえってヨーコが言うんですよー」

(あの母…)

千秋は思わず頭痛を感じながら、叫んだ。

「オレにはそんなので喜ぶ妙な趣味はない!」

しかし、そこはムッツリの若きマエストロ・千秋真一である。

(…本当はちょっと新鮮かも…)

思わず考え直して、のだめのセーラー服姿を上から下まで観察してみる。

(胸… パンパンだな…)

なにしろ中学時代のサイズで作られた制服である。肩から胸にかけて、
のだめの体にぴったりとはりついているから、ブラの柄も浮き出していた。
胸のふくらみにひっぱられた脇の部分には、太い横シワがいくつかできている。

(そういやオレは昔、このセーラー服の胸元のシワが好きだったっけ…
な、何を思い出しているんだ…)

千秋は、制服が「ヘソ出し」になっていることにも気がついた。
ただでさえ夏服ではそういうことがあるが、この場合、明らかに丈が足りてない。
その先には紺色のスカートが盛り上がり、その曲線は、スカートから伸びる
しなやかな脚、白いひざ裏、ふくらはぎへと続いていく。終点は黒のローファーだ。

(……結構、いいんじゃねーか…でも…)

ヘタに誉めたら絶対こいつは調子にのる。千秋はグッと劣情を押さえ込んだ。

「…大体、お前、トシ考えろよ。アダルトビデオみたいになってるぞ…」
「ぎゃぼ、トシ!?」

のだめが意外そうな顔をする。

「のだめ、若いデスよ」
「少なくとも、23歳が着るものじゃないだろ?」

「ムキャッ」

のだめは顔を真っ赤にして立ち上がった。

「まだまだ若いですよーー!!のだめ、由衣子ちゃんとだって友達だし!」

(それは若いんじゃなくて、幼いんだろ…)

千秋はうつむいた。

「ほらっ、センパイ、見て見て!」

のだめはクルッと1回転して、スカートのすそをひるがえしてみせると、
胸の前で両手を組み、上目遣いの乙女っぽい(?)ポーズをとってみせた。

「…見えてきまセンか?中学生になった由衣子ちゃんってこんなかな、なんて…」

突如、千秋の顔面が陰に覆われた。

「お前みたいな変態と由衣子を一緒にするなーーーー!!」
「ぎゃぼっ……!!」

千秋がのだめを絞めあげていると、廊下にギャルとオタクの声が響いた。

「のだめ!!なにその格好、カワイイー!!」
「あっ!セーラー戦士のピンチだ!妖魔めっ!!」

(誰が妖魔だ…)

アホがふたりも加勢してきた。千秋は思わず脱力した。
のだめはそのスキに乗じて、さっと千秋の腕から逃れると、
ターニャとフランクに駆け寄った。

「ターニャ!フランク!カワイイですよねー?これ…」
「うん、とっても似合ってるよ…ついにコスプレも始めたんだね…最高だよ」
「はぁ?(このオタク男が…)何がコスプレよ、マリンルックじゃないのー?
ん、でもよく見ると意外と地味ね!? コレ」
「うん、のだめのガッコの制服だったデスよ」
「ああ、本物の日本の制服かあ…ある意味、コスプレより貴重だなあ…」

フランクは頬を赤らめながら、満足げに笑った。

「制服ってそれ、いくつの時のよ…
なんかパンパンだったりハミ出してたり、マニアックねー。
清純なんだか、ヨゴレてんだか…」
「ぎゃぼっ、どっか汚れてマスか?センパイが乱暴するからー」
「そういう意味じゃなくてね…」ターニャもちょっと呆れ気味だ。
「だいたい、なんでそんなカッコしてんのよ?」
「それはヨーコが……でも、いいんデス。」

のだめは口をとがらせた。

「センパイはちっとも可愛くないって!もうトシだって言うんデスよ!」

(いや、可愛くないとは言ってない…)

しかし、千秋はつっこめなかった。

「それはヒドいなー!!全然かわいいよーー!!」

フランクはここぞとばかりに強調した。

「音楽院のみんなにも見せたいくらいだよ……」
「本当デスかーー??」

のだめの顔が急に明るくなった。

「あ、それイイじゃなーい?面白そう!!」

ターニャもノってくる。

「じゃあさ、今からみんなで行こうよ!」
「行こう行こう」

「コラ待てーーーーーー!!」

千秋が3人の前に立ちふさがった。

「のだめ!お前、その格好で街を出歩く気か!?軽く犯罪だぞ!」
「…いけまセンか?」

のだめが反抗的に応える。

「個人の自由デスよ」
「それに…襲われでもしたらどうするんだ!」
「レイプサレマシタ、なら学習済みデスよ」
「大丈夫よー旦那さん、ワタシたちもついてるしぃー」
「そうそう、僕がナイトになって責任もって守るヨ!」

(お前らが煽ってるんだろうが…!)

千秋の苛立ちは頂点に達した。

「じゃあ、お前ら…コンセルヴァトワールに入りたくても入れなかった、
学生たちのことを思え」
「は!?」

三人はタイミングぴったりに合いの手を入れた。

「真剣に音楽を志していても、入れずに涙をのんだ奴が大勢いるんだぞ!
そんな変態行為で学校を汚していいのか!」
「でも、ワタシたちは受かってるしィー…」
「これもガッコの制服デスから。イヤらしい目で見ないでくだサイ。」

三人の白けた表情に、千秋は説得をあきらめた。

「いや…もういい。」

消沈した千秋の横を、胸パンパンのヘソ出しセーラー服が通りすぎていった。

(くそ…勉強が手につかない)

千秋は頭をかきむしった。
「若き芸術家の苦悩」という図だったが、苦悩の中身はセーラー服である。

(全然帰ってこないじゃねーか…あいつらどこまで行ったんだ…)

出て行ったのは昼すぎだったのに、窓の外は薄く暮れかかっていた。

(こんなに気になるなら、オレも一緒に行けばよかった…)

千秋がソファにつっぷしていると、窓の外が騒がしくなった。

「皆サンさよならー!さよならデス!! ここから先は立ち入り禁止デス…」
「家までついてこないでよねー…まったく。何も出ないんだから!」
「撮影会は終了!あ、キミ、後ろからレイヤーさんを撮らないで!!」

「のだめ…!」

千秋は急いで窓の外を見て… 階下に見える光景に絶句した。
のだめたち三人をフランスオヤジやフランスオタクども十数人がとり囲み、
カメラを構え、フラッシュを浴びせている…

(あいつら…何やってんだ!!)

千秋は部屋を飛び出し、外に向かった。

「おい!! お前ら…この連中は何だ!?」
「あ、チアキ!!見てよ、のだめの制服、大好評よー!?」
「よく考えたら学校は休みだったんだけど…
街を歩いてたら、あちこちから(マニアックな)人が集まってきたんだ!!
思わず街を練り歩いちゃって…
あ、そこの貴方、ちょっとローアングル過ぎますよ…!」

二人の能天気さに千秋が肩を落としていると、のだめの呼ぶ声が聞こえた。

「センパイ…このヒトたち、ちょっと怖いデス…(たすけて…)」

(のだめ…!)

千秋は走ってのだめの前に立つと、群集の好色な視線から隠した。

「…すみません。この子、怖がってますから、やめてもらえますか…?」

黒王子モードの千秋の強い目線に気おされて、群集はたじろいだ。
そして愛想笑いや舌打ち、ブーイングを残して、散らばっていった。

「オ、オ〜ウ…」

ターニャとフランクも千秋の眼力に感心する。
安堵のため息をもらした千秋に、群集の一人が声をかけてきた。

「や、やあ、千秋くん…」
「黒木くん!?」

千秋は白目になった。

「キ、キミもいたの!?」
「あ…僕、学校のそばのカフェにいて、恵ちゃんが通るのが見えて…その…
セーラー服だし…か…可愛いし。」

黒木は言葉が出なくなり、どこか寂しげに千秋たちに背を向けた。

「ゴメンね…」

歩み去る黒木を見ながら、千秋はもうひとつため息をついた。

(なぜ謝る…)

「センパイ…(はぁと)」

のだめが背中から千秋に抱きついた。

「やっぱりセンパイは格好いいデス…」

千秋は精一杯、怒った声を作った。

「…だから、言っただろ!」

「途中まで、ちょっと気分よかったんデスけどね…」
「バーカ…」

千秋はのだめに向き直り、頭をこづいた。ふたりは微笑みあった。

「オレの本音を聞かせてやるから…部屋に来いよ」
「え…」

のだめは千秋の顔を見上げた。みるみるうちに笑みが大きくなる。

「はぎゃーっ!! 行きマスーーーーー!!」

(なんだかね…)

フランスオタクとロシアンギャルの二名は、
呆然と二人の甘い世界を見つめていた。
千秋とセーラー服ののだめは、仲良く千秋の部屋へと消えていった。

「センパイ… さあ、本音とやらを聞かせてくだサイ」

部屋に入ったのだめは、ドアを後ろ手に閉めた途端、千秋に答えを迫った。

「あ、ああ、そうだな…」

千秋は目を泳がせながら、部屋の中をぶらついている。照れていた。

「その…最初から部屋に入れればよかったかなって…」

のだめは一瞬キョトンとしたが、すぐに頬を赤らめた。

「それって…のだめを独り占めしたかったコトですか…?」
「ん…ま、まあな」

(さっきまでの惨状に比べれば、そのほうがいいだろ…)

「センパイ…ごめんなさいっ!」

のだめは勢いよくお辞儀をした。

「のだめ、センパイの気持ちわかんなくって…
でも、本当はムラムラのモンモンだったんですねっ!!」

のだめは、わーーっと千秋の胸に飛び込んできた。
千秋はのだめの腰に手を回した。いつもののだめの匂いを感じた。
制服のスカートの少しごわついた感触は、いつもと違うけれど。

「よかったデス…のだめ、魅力がなくなったのかと思って…
さっきはもう半分ヤケっぱちだったんですヨー。」

千秋はのだめの頭をなでてやりながら、思った。

(魅力か…)
(いつも思うことだけど…こいつのこの自信はどこから来るんだろう?)
(考えてもムダか…事実、オレも否定できない)
(たしかに、こいつには特別な魅力がある…)

千秋は(オレが惚れてるだけ)という心の声を無視して、のだめを強く抱いた。
そして千秋は、のだめの涙で濡れた頬に手をあてると、そっとキスをした。
キスをしながら、ちょっと可笑しいな、と千秋は思う。
いつもの自分の目の前に、セーラー服ののだめがいる。

(これって誰か傍から見てたら、完全にオレのほうが変態じゃないか…?)

千秋はそんなことを考えながらも、徐々に強く、深くキスを繰り返す。
そして、ベッドのほうへとのだめを導いた。

(まあ…誰も見てないし、いいよな?)

千秋はさりげなく身をかがめると、のだめの脚を抱え上げた。
のだめが首にかじりつくと、いわゆる王子様だっこの格好になった。

「アヘー…せ、センパイ、これはー…噂に聞くアレですか…」

間抜けな声を出しているのだめを、千秋はそっとベッドに下ろした。
のだめは、本物のうぶな女子学生のように頬を染めて、シーツの上で丸まる。
千秋も自分の頬が熱くなっているのを感じた。

(やっちゃったな…)

千秋は、目の前に横たわる、セーラー服の女の子をじっと見つめる。
この図は、彼の想像以上に千秋を昂ぶらせた。

「の…のだめ……。」

千秋が覆いかぶさろうとすると、

「はぎゃっ、そだ!!」

素っ頓狂な声を出して、のだめが勢いよく起き上がった。

「な、何だよ!急に!」
「忘れ物デス! ごめんなさいセンパイ! しばらくそのままでお待ちくだサイっ」

のだめは、ダダダと音を立てて走り、部屋を飛び出していった。
千秋は、言われたままに[一時停止]状態で待っている。
1分経過。また騒々しい音を立てて、のだめが帰ってきた。忘れ物を持って。

「センパイ!学ランどぞ〜〜〜!!!」

のだめは両手でビシィと学ランを広げて見せた。

「ズボンは黒だから、そのままでいーですよネ?」
「が、学ラン??そんなの一体、どこから…」
「よっくんのデス! 高校のだから、センパイにも合うと思いマスよ〜
ヨーコがぜひ千秋君に着てもらえって一緒に送ってくれたんですヨー」

のだめはニヤニヤ笑った。

「このさい、気分出していきましょうヨ☆」

(ほんと、こいつ相手にいいムードって作れねえ…)
(結局、変態につきあわされることになるんだ!)

が、千秋もひとかどのマニア…。いろいろ自分に言い訳をしながらも、
しっかり学ランを受け取ったのだった。

結局、学ランの丈は千秋に合っていなかった。

「これ、袖が足りないぞ…」
「プププ…クールビズって感じデスね」

滅多に見れない千秋の仮装を、のだめが面白がる。

「前、全部開けたらどですか?袖もまくったりして」
「ん…これなら、まだマシかもな…」

千秋もいつの間にか協力的だ。
千秋・学生バージョンがここに完成した。

「わーー!! なんか爽やかデスよ! ギャハーういういしいーー!」
「そ、そうか?」

千秋は、まんざらでもない様子だ。

「千秋先輩…(はぁと)」

のだめは千秋に近づく。

「この格好だとホント、"先輩"って感じですー☆」
「何だそりゃ…普段も先輩は先輩だろ?」
「だって部活みたいでー。そだ、千秋先輩も"野田"って呼んでくだサイ」
「えっ、"野田"?」

ただの苗字だというのに、普段あだ名で呼ぶときよりも、
なぜだか千秋にとっては恥ずかしかった。

「の、野田…」
「ハイっ、千秋先輩! 何でショー?」

のだめが明るく応える。

「えっ、その先があるのか…?なんて言えば…」

うろたえる千秋を見て、のだめは微笑んだ。

「チューでいいですよー☆」

少し首をかしげ、軽く手を合わせながら、いつもののだめが笑っている。
千秋は胸の鼓動を感じながら、のだめを見つめた。中学生男子のように。

(この際、忘れよう…)

千秋は心に決めた。

(俺たちがとっくに成人しているってことは…)

千秋はのだめを抱き寄せると、目を閉じてキスをした。
のだめもまた目を閉じていた。

(ほわお……どきどきする…)

しばらく互いのかすかな鼻息を感じていたが、先に千秋が動き、
のだめの頬から首すじへとキスをしていく。千秋の目が胸元に止まった。

「これ、取っていいか?」

千秋が胸当てを指さすと、のだめはこくんとうなずいた。
千秋は襟の中に手を入れて、胸当てを外す方法を模索する。

(あ…これ、マジックテープで付いてるのか?)

千秋は無駄な知識を得ながら、マジックテープとスナップで止められた
胸当てを取り外し、ひきずり出した。ついでに、襟のスナップも一段外す。
セーラー服の胸元がはだけ、のだめの柔らかそうなふくらみが現れた。

(あ、谷間が…)

千秋は興奮しながら、襟の中に手を入れ、
ブラごとのだめの胸を揉みほぐしはじめた。

「野田…お前、けっこう成長したな…」

ノってきたのか、千秋が小芝居する。

「ん…千秋先輩…んん…」

激しく揉みしだかれて、のだめは息を荒げながら、千秋に頭をあずけた。
しかし千秋は優しくのだめを起こすと、のだめの背中にまわった。
そしてセーラーの脇のジッパーを上げる。
のだめは、脱がされていく感触に反応して、すこし首をすくめた。
千秋は服の下から両手をつっこんで、のだめの両胸をまさぐる。
ただでさえパンパンだったセーラー服は、今や破けそうなほど張っていた。

「あ…あああ…うぎゅっ…うぐ…」

のだめはうつむきながら喘ぐ。
千秋はのだめの頭越しに、自分が揉むたびに揺れる襟とスカーフを
見おろしていた。

(ああ…野田…)

千秋はいつの間にか、すっかり中学の先輩になりきっていた。

千秋はセーラー服の下で、ブラジャーの中に指を入れ、乳首に触れた。

「ふぎっ、千秋先輩…きもちイイ……はうううう」

のだめは徐々に立っていられなくなり、ひざまずいた。
千秋は、のだめの後ろから執拗に乳房を攻めつづける。
乳房はとっくにブラからはみだした。セーラー服の胸元からブラがのぞく。
のだめの背中を通して体温が伝わってくる。汗の匂い…
千秋はとうとう、のだめが座りこんでしまうまで、胸から離れなかった。

「先輩… のだめ、おっぱい痛いデス…」

あ、ごめん、と千秋が手を止める。夢中になっていた。
のだめが千秋をふりかえり、呆れたような目で笑う。

「ハァハァ…センパイ、ホントに中学生男子みたいですよ…」
「だって俺たち、そうだろ?」

千秋は当たり前のように言った。

「野田」

のだめは、じっと千秋の顔を見つめた。

「…そですね、千秋先輩☆」

のだめは上気した顔をほころばせると、両手でベッドを指さした。

「中学生だけど、あっち行きませんか?」

千秋が笑う。

「そうだな…さっきの(抱っこ)やってやろうか?」
「あ、あれは私たちには早いワ…中学生だから、一緒にいく…」

のだめのよく分からない演技指導で、千秋とのだめは手をつなぎ、
いっしょにベッドに上った。

千秋ものだめも膝立ちで歩み寄り、正面から抱き合った。
幾度かキスをしながら、千秋は、のだめのスカートの中に手を入れる。

「はうん…んん…」

汗もあるだろうが、のだめの下着はすでにぐっしょりと濡れていた。
千秋が下着の上から指で、のだめの敏感なところを探ると、のだめは
千秋の首に両手を回して、大きく喘いだ。

「はあっ、うぎゅ……ふあっ」

千秋は二本の指を縦にのだめに挿しいれ、くるくると動かした。

「…んっ! はァッ、ほわぁあああああ…」

指を回すたび、のだめの体がはね上がり、熱い息が千秋の顔にかかる。
千秋はのだめを抱きよせ、耳元でささやいた。

「…野田、もう挿れていいか…?」
「はあはあ…先輩、お願いしマス…」

のだめは何度もうなずいた。
千秋は、速やかにズボンを膝下まで下ろしながら、姿勢を変え、
長い脚を投げ出す形でベッドに座った。

「来いよ。」

のだめはスカートをまくりあげ、ひもパンをとろうとするが、

「そのままでいい」

…千秋に静止された。

「え?そのまま…?」

千秋は座ったまま、のだめに両手をのばした。のだめが手をとると、
千秋はのだめを向かい合わせに座るように誘った。
のだめが中腰で、止まった。

「このままだと、入りませんケド…」

千秋は紺のスカートの中に手を入れながら、

「腰、落として…」

のだめが言う通りにすると、スカートの中の手がパンツをズラすのを感じた。

(…ぎゃぼ!!)

次の瞬間、千秋が、のだめを貫いた。

「…!!ほわぁ、ふあああああっ」

のだめは顔を真っ赤にして、千秋にしがみついた。
千秋はスカートから手を抜くと、のだめを強く抱きしめた。
紺のスカートが二人のつながっている部分を覆い隠すと、まるで普通に
抱き合っているように見える。ベッドの上で、二人とも制服だが…

「あぁぁ、ふわぁぁ… ほわぁああ…」

のだめが声を抑えきれない。

(服…着てるのに、ぱんつ…脱いでないのに…こんな…ほわあああああ)

千秋も陶然とした表情を浮かべていた。

(すご……こいつの中…あったかい…熱い…)

栗色の髪をふり乱しながら、のだめが叫ぶ。

「はあはあ…センパイ…センパイってやっぱりヘンタイ…!」

千秋も、細かい刻みで呼吸しながら、言葉をしぼりだす。

「お前だけには言われたくねー…」

「はうううう…なんで脱がさないんデスかーー?はあああ…!!
中学生らしくないですヨ!…不健全ですヨ!」

(こいつ、まだこんな演技する余裕があるのか?)

千秋は、少し呆れながら微笑んだ。
そして、のだめの言葉には応えず、のだめを揺さぶりはじめた。

「ふわっ…………!!!!」

セーラー服の、衣擦れの音が大きくなる。
のだめは上下に揺らされながら、目をしっかり閉じ、歯をくいしばっている。
その手は千秋の背中にしがみついて離れない。爪が学ランに食い込んで…

「…だめっ、センパ……」

のだめが千秋にかぶりつく。
千秋はのだめの髪をつかんで、顔を上げさせると、力いっぱい口づけた。
歯が当たった音がした。ふたりの舌が、熱い唾液とともにからみあう。
その瞬間、千秋から噴き出した熱が、のだめの中へと広がった。

「(ふぎゅっ!!…)」

のだめの喉が鳴った。
千秋は固くつむっていた目を開ける。のだめはまだ目を閉じていた。
千秋は優しくのだめの髪をなでながら、ゆっくりと唇を離した。
のだめの目は涙にうるみ、唇には血がにじんでいた。

「野田…じゃない、のだめ…大丈夫か?」
「…じゃないデス」

のだめはうつろな表情でかぶりをふった。

「…のだめも、とんだセンパイをもったもんデスよ」

のだめは少し頬にこぼれた涙をぬぐった。

「こんなの始めたのは、お前のほうだろ…」

千秋は学ランを指さした。

「ちょっと乱暴にしたのは…謝るけど」
「ううん」

のだめは大きく笑った。

「すっごいキモチよかったデス」

でも…と、のだめは言葉をついだ。

「千秋先輩みたいなヘンタイさんには、かなわないなあって思って☆」

千秋はのだめの頭をなでながら、ゆったりと笑って、言った。

「…お互い様だ」


その晩、千秋はCDを聴きながら、ソファにもたれ、のだめの制服姿を思い出していた。

(もし、オレたちが本当に中学生のころ出会っていたら)
(こんな風になれたんだろうか?)

他愛もない空想ではある。でも…

(今に感謝しなくちゃな)

と千秋は思うのだった。


その晩、のだめは…小さい灯りのもと、実家の母にあてた手紙を書いていた。

「はいけい野田ヨーコ様。」
「あの制服、さっそく着ました。着てもらいました。」

えーと、その先は…のだめは鼻にペンをのせて、宙をにらんだ。

「やらしか……書けんばい」

のだめはレターセットを放り投げ、ベッドに飛び込んだ。

「センパイ、おやすみなサイ」






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