マイブーム
千秋真一×野田恵


情事のあとのしあわせなおしゃべりの最中、あいつがまたすっとんきょうなことを言いだした…。

「ねぇ、センパイ?」
「…んー?」
「先輩はのだめのどこが好きデスか?」
「ぶっ!…なんだよいきなり」
「あ、先輩がのだめのこと愛しちゃってるのはよ〜くわかってるんデス!妻ですから。
それはわかってるんデスけどぉ、なんて言ったらいいのかなぁ…
つまり、先輩の、のだめマイブームはなにかって聞いてンですよ!」
「はぁーー?なんだよそれ!」
「のだめの千秋先輩マイブームはぁ、…センパイね、ぐっすり寝てても、
ときどきのだめにキスしてるんデス!知ってました?」
「…それ、オレ起きてるときじゃないの?」
「いーえ、先輩熟睡してンですよ!しんいちクンって呼んでも、ほっぺつんつんしても
全然起きないのに、のだめのおでことかほっぺにちゅぅ〜ってするんです!」
「そ、そーなのか……」
「それでね、必ずセットでギュッてしてくれるんですよ?
そのときの先輩ね、ニッコリしててすごくかわいいんです!…あれ?センパイ顔赤いですよ?」
「うるさい!…それはあれだ、そのときたまたま夢でも見てたんだろ!」
「それがぁ〜、最近、先輩お疲れ気味だからのだめより先に寝ちゃうことが多いじゃないデスか?
そしたら、寝入りっぱな、毎晩ですヨ!?」
「……(////)!!!」
「もしかしたら、いっつもしてくれてたのかもしれないですけど、
のだめが気づいたのが最近だから…だから先輩のぐっすりチューがのだめのマイブームなんデス!
先輩は?のだめマイブームはなんですか?」
「マイブームなんて…んなもんねーよ!」
「えぇ〜〜なんか新鮮じゃないデス〜!なんかないんデスかぁ〜〜?
…ちょっとショックですーー…夫のくせに…ぅぅ……」
「ばっ!なーに落ちこんでんだよ」
「だってぇ、のだめ、センパイとはいつもフレッシュな関係でいたいから…」
「なんだよフレッシュって……」


…実を言えば、その、マイブームとやらが無いわけではない。
最近…初めて体がつながってからしばらくたち、いろんな体位も試すようになった訳で。
最初はあいつに無理もさせたくないし、なんといってもあいつの全部を味わいつくすことのできる
正常位がダントツで気に入っていた。
もちろん今でも最後は正常位でイクのがオレは好きだ。
あいつの、最高に気持ちいい顔、ふたつの大きなふくらみ、吐息、可愛い啼き声…
全部がオレのために向かってきてくれるようだから。
ただこの間初めて試した、いわゆる騎乗位が…その…今までの、どの女よりもヨかった訳で…。
オレの胸に両手をつき、それによって寄せ集められたあいつの胸は、
普段の大きさをより強調して…なんというか、グッときた。視覚的に、もう最高だった。
昔、大学時代にお色気作戦デスなんていって、あいつが俗に言う「だっちゅーのポーズ」を
してきたこともあったが(…古いな)、そのときとはまったく別物の官能がそこにあった。
もともとあいつの胸はキライではない、むしろ…大好物な訳で…。
それがぎゅうぎゅうと苦しそうにオレの目の前でひしめき合ってるなんてたまらない。
その胸の向こう側にある、あいつの鎖骨や、のけぞる首筋、快感に眉をひそめる顔がまた…たまらない。
ここ数日、実は今日のセックスでも、オレはできるだけ違和感がないように、
あいつがオレの上にくるようにコトを運んだ。

「……こーやって、のだめの体は飽きられていくんデスね……」
「バーカ!なに言ってんだよ、そんな簡単に飽きてたまるか!今度言ったら怒るぞ!」
「…う〜…ゴメンナサイ…でもぉ、ほんとにないんですか?のだめマイブーム…?」
「…しつこいヤツだなぁ…まぁ……ないこと、もないけど」

こんなときだけ、あいつの勘はすこぶるいい……。

「あー!センパイもしかして最近毎回ヤッてる、アレ!アレですか!?」
「…ヤッてるって、おまえ…」
「きっとそうです!なんだー、わかっちゃいましたよ!!アレですねぇ!のだめが上になるヤツ!!」

…ビ、ビンゴ……。

「そんでもって腰くねくねですよねぇ!なんだぁ、早く言ってくだサイよ!!」
「えっ!?いや!ちがう!オレはどっちかってーと胸の方が…!!(////)」
「え?おっぱい??」
「ん!?あ、いや…」
「……そっかぁ、やっぱり先輩おっぱい星人ですね!のだめも寄せた甲斐があったってモンです!」
「なっ!?おまえ、あれ意識してやってんの?」
「そですよー、当たり前じゃないですかぁ!センパイおっぱい大好きだから
だっちゅーのは絶対好きだと思ってたんです!
前にやってみたときは、のだめのセクシービームもまだまだ未熟で効きが弱かったみたいですけど、
今ののだめは官能クイーンですからね!今ならセンパイ絶対喜んでくれると思ったんデス!
よかったぁ〜!なんだぁ〜作戦成功だったんだぁ〜!ウキュゥ〜」

…なんだよ、てことは、オレはまんまとのだめの手のひらの上で転がってたってことなのかー!?
(実際はのだめの下で大の字になってるんだが…って、オヤジみたいだな…オレ)

いや…最初は恥ずかしがってばかりだったこいつが、積極的に新しいプレイを模索してるってことは
いいことなんじゃないか…。結果オレも喜んでるんだし。

それから、オレたちは今後のプレイについて話し合った。
あとから考えると、なんだこの会話?と首をかしげる様な内容だが、
トークに勢いがついたのだめを止めることは、このオレ様でもむずかしい。
それにオレもまんざらではなかったし。
ときどき頬を染めながら、一生懸命話すのだめを「変態」と言いつつも、
かわいいと思ってしまったのも事実な訳だから。


 ――――――――――


「じゃあ明日の夜は、のだめが上でイッてみましょ?何事も挑戦あるのみデス!」
「お、おぅ」
「やだー、センパイやけに素直ですねぇ!かわいー!」
「うるさい!もう寝るぞ!!」
「はーいっ。オヤスミナサイ、しんいちくん…」
「ん、おやすみ」

オレはのだめをギュッと抱きしめ、おでこに、ほっぺに…そしてかわいい唇にキスを落とした。
のだめの「オレマイブーム」……意識なくやるのはもったいねーじゃねぇか。
まぁ、寝入りっぱなに、またしっかりしちまうかもしれないけど…。

「ふふっ…大好きです」

のだめの言葉がうれしくて、オレは目を閉じながら満面の笑みとなったまま、
ゆったりと眠りに落ちていった……。

……翌朝……


「センパイ、ゆうべはのだめのおっぱいコリコリしながら熟睡してましたよ。
なんかグレードアップしてません!?」
「…む、無意識だよ……」
「んもぅ!のだめがその気になっちゃったら、何時だろうと叩き起こして責任取ってもらいマスからね!
のだめだって寝なきゃイケナイのに…気持ちいいんだから……」
「ん?気持ちよかったの?」
「シリマセンー!!」
「……じゃあ、今責任取るよ」
「きゃぁ!センパイ、よる!夜するって約束したじゃないデスか!」
「夜、も する」
「もぉ〜〜〜(////)!!!」


マイブーム、か。
ゆうべの答えも嘘じゃないけど、よくよく考えてみれば、
オレにとってはおまえの存在自体がマイブームなのかもしれないな。
どんなニュースより、いつもおまえの言動、行動に驚かされ、振り回されっぱなしなんだ。
そんなおまえから目が離せない、いつもおまえのことばかり考えてるんだ。
…これって、マイブームってことだろ?

ま、いいか。

とりあえず今は、水蜜のようなおまえを味わうことに集中しよう………。






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