千秋真一×野田恵
![]() 「ただいまデス〜♪」 シッポでもふりそうな様子でのだめが帰ってきた。 「センパイ、じゅうでーん☆」 子供みたいに無邪気に抱きついてくるけど。 その姿は呆れるくらい可愛いけど。 こっちは気が気じゃない。 明日は水曜だから学校は休みだよな… 俺の仕事も午後からだし… まあ少し夜更かししても…と欲望丸出しの事を考えてしまう。 「のだめ」 「ふあ?」 顔をあげたのだめをソファに押し倒しながら 唇にキスをする。 身体が熱い、頭が働かなくなる。 唇を離すと、 今度はくすぐったがる首すじにまた唇を這わせた。 柔らかな肌の感触にめまいがする。 ほんとは毎晩でもこうしたい…。 って何考えてるんだ俺は。 そんな事出来ないし、口にも出せない。 こいつはまだ学生なんだから。 留学資金だって援助してもらってるのに 色恋にかまけてていいわけがない… わかっているのに。 右手がワンピースの背中のファスナーを下ろす。 なんでこんな簡単に理性が働かなくなってしまうんだろう。 パリデビューのあと彼女を抱いてから、 会う度に求めずにいられなくなってしまった。 本能、と言ってしまえばそれまでだけど、 少し罪悪感を感じる。 でも彼女を独占したいという欲求に、勝てない。 だいたいコイツの周りには男が多すぎる。 「そういえばのだめ、最近モテるんですよね」 「え?」 ワンピースを脱がしながら聞き返した。 白くて豊かなデコルテがあらわになる。 そこに光るルビーのネックレス。 「まあ、アムールの国だから気にしてなかったんですけど、 最近はやたら多くて…なんなんでしょうネ?」 まったくわからないといった様子。 そういえば最近ほんとにキレイになったな…本人はわかってないと思うけど。 …やっぱ女になったから? そう考えて顔が熱くなった。 「俺の前で他の男の話なんていい度胸だな」 「違…」 言いかけた唇をまた唇で塞いで、今度は自分のシャツのボタンを外す。 のだめがその様子をじっと見つめる。 「…好きなんデス」 「ん?」 「センパイがシャツを脱ぐところ。色気が…」 「変態」 そう言いながらもそれ以上は強く言えない。 最近は自分の方が 間違いなくやらしい事を考えてる…気がする。 のだめのやつ、意外と淡白というか、切り替えが早くて、 抱き合っても起きたらすぐにピアノだ。 そうゆうとこはしっかりしてるよな。 ピアノに本気で向き合うようになったのはいい事だけど。 なったらなったでちょっと悔しかったり。 馬鹿げてる。 でもこうしてふたりで抱き合うと、 今まで自分のかかえてきた孤独が癒えていく気がした。 オレ達はきっと 音楽がなければ生きていけない者同士だから。 俺はずっとそんな相手と一緒に生きていきたいと思いながら、諦めていた。 その相手はこんな近くにいたのに。 やっぱソファじゃせまいか、と思って、のだめを抱き抱えると、寝室に運んだ。 ベッドにどさっと落として、またのしかかる。 「長い腕…」 そう言ってのだめの指がオレの腕をなぞった。 「センパイってきっと完璧に作ってもらえたんですネ、神様に」 のだめがため息をつく。 「目も鼻も唇も、完璧だし」 つぶやきながらのだめの指先が その場所をたどる。 「なのに音楽の才能まで」 「おまえこそ…」 おれは大袈裟な称賛が恥ずかしくてボソボソと喋る。 「完璧に…オレを惑わしてる、よ」 顔が赤くなってるに違いない。 「ハイ、よく言えました」 のだめがいたずらっ子の顔でくすりと笑う。 「あんまり、翻弄するんじゃねえ…」 そう言って俺は彼女にくちづけ、ブラを外した。 長い事望んでいた同類。やっと手にいれた運命の相手。 失ってたまるか。絶対に離したりしない。 「あ…」 柔らかな胸に舌を這わせてその頂を口にすると、 のだめがかすかな声をあげた。 なんでこんなかわいいんだろう。 もっと狂わせたくなってしまう。 空いた方の胸に片手で触れてその柔らかさを味わう。 くわえたものを舌で執拗に愛撫し、軽く吸う。 「んっ…」 のだめはこれが好きみたいだ。 こいつのクセはだんだんわかってきた。 そういえば…コイツのピアノのクセを覚えたころは、こんな関係になるなんて思ってもな かったな。 懐かしい光景が目に浮かんで、ちょっと笑った。 〜のだめ Side 〜 胸の頂きを優しく舐められて、小さな突起を軽く吸われると、 心地よさに体がビクンと震えた。 「んっ…」 自然に声がこぼれてしまう。 こんな事だれかにされるなんて、考えたことなかった。 セックスって、キスして入れるだけだと思ってた。 初めてセンパイと結ばれてから知らないことの連続だ。 でも不思議と体が受け入れてしまう。 すでに昇天しそうなくらい気持ちよくなってて、なのに。 「次は背中」 センパイの声が楽しんでいる。 もうのだめ限界ですヨ…。 されるがままうつ伏せになる。 視界からセンパイが消えて身構えたけど、 ふいに背中に落とされた刺激はやっぱり気持ちよくて。 どうすればいいのかわからない。 背中に舌の感触を受けるのは、生まれて初めてだ。 センパイのなめらかな舌が、背中の筋肉をゆっくりなぞっていく。 大きくて、力強くて、女の人とは違う、男の人の舌。 センパイが自分と違う生き物なんだって感じてドキドキする。 熱い息がかかる。 センパイでも興奮するのかな…? こんなセンパイを、自分だけが知ることができて嬉しい。 でも疲れるんじゃないかな…?のだめは気持ちいいけど… それに。 「あの…センパイ」 忘れてたけど言わなきゃ。でも言いづらい。 「のだめ、実は今日生理でして…」 申し訳ない気持ちになる。 センパイはちょっと残念そうな顔をしたけど 「ん、わかった」 と笑った。 それが嬉しくて。 それに何かさっきのお返しがしたくて。 した事ないけど、センパイの下着に手をかけると、 大きくなってるものを取り出した。 少し手で触ってから舌先で少し舐めてみる。 センパイがちょっと驚きながらも切ない声をあげた。 だから合ってるんだと思って、口の中に入れてみた。 こうゆうの、ネットで見たことがある。 それを思い出しながら唇を上下させてみる。 センパイはしばらくじっとしていたけど、いつもより余裕のない顔。 そして突然、 「…だめだ、やっぱ入れたい」 そう言ってあっとゆうまにのだめを組み敷いた。 センパイらしくない言葉にちょっと驚いたけど、 気持ちよかったのかな、と思ってちょっと嬉しかった。 それに、のだめもセンパイが欲しかったし。 「あ、じゃあタオルとか敷かないと…」 「んー…」 センパイはちょっと部屋を見渡して、 バスタオルを敷くと、その上にのだめを乗せた。 今日は一度も下の方には触れてないけど、センパイはすぐに入れようとした。 ゴムをつけないのも初めてだったけど。 「あ…」 「あ…」 声が重なる。 「どうしよう、すごい気持ちいい」 普段冷静なセンパイがそんな事言うとドキドキする。 「のだめも…デス」 朦朧とする意識でつぶやく。 センパイを飲みこんで、奥の方まで達すると、 快感がそこから頭まで伝わった。 クチュクチュという微かな水音に、頭までかきまわされそうで。 「ん…もうだめです、センパイ…」 そう言うけど、センパイは止めてくれない。 一番奥まで入れると、少し抜いて、今度は回りながら入ってくる。 「あぁっ…」 思わず声をあげてしまう。 「もうだめですってば」 おかしくなっちゃいますヨ… なぜか涙がにじむ。 けどセンパイは許してくれない。 「もうだめ…」 「いいよ」 そう言って、両耳をふさがれた。自分の体の中の音が頭に響く。 センパイはますます激しく打ち付ける。 そしてやってくる強い快感の波。 すぐにセンパイも続いた。 *** のだめが果てたのを見届けて、自分もすぐに限界になった。 生でしてしまったからのだめの上で果てた。 髪をなで、ティッシュで体を拭いてやると、彼女は下着を身に付けた。 タオルに少し血のあとがみえる。 あ、オレ…。 ようやく現実に戻ってきた。 生理中なのについ止められなくて… 大丈夫かな? そりゃ気持ちよかったけど… やっぱ良くないよな… そんな事を考えながら彼女の横に寝そべると、彼女がすでに眠りに落ちていた。 幸せそうな彼女を見つめて温かな気持ちになる。 のだめ、学校始まってから痩せちゃったな…。明日はちゃんと食わせてやらなきゃ… そして自分もいつのまにか眠りにおちた。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |