千秋真一×野田恵
![]() のだめのピアノを聴いたあと、千秋は心が落ち着いてくるのを感じた。 こいつのピアノはやはりうまいと思う。 ・・・だが、弾くのが少し違うじゃねえか!。 あいかわらずのだめは作曲癖が直っていねえ、こいつはぁ!。 「こうだろ、こう!」 千秋は、横から手を出して弾いた。 のだめはハッとした顔をした。 千秋の弾いた音が、少し変なのだ。指の動きがおかしい。 「千秋センパイ、指、怪我してマスよ」 千秋はハッとした。 そうだ、石畳に手をついたとき、すりむいたんだ。 固い石の路上だ、激しく手を突いたから、怪我したんだ。 「そんなことより、のだめ、ちょっと来い!」 千秋は、いきなりのだめを後ろから羽交い締めにした。 そして、のだめを立ち上がらせると、すぐさまベッドの方にひきずって行った。 すごい力だった。 「セ、センパイ、ナニするんデスか?!」 千秋は、抱き寄せていたのだめを、ベッドの上に素早く横にした。 のだめは、ベッドにうつぶせの姿勢になった。 のだめはあわてて見上げて、千秋の顔を見た。 千秋が上から見下ろしている。 その表情は、ニコリともしない。 のだめは、期待とともに恐怖を感じた。 千秋は、はっきりした声で言った。 「お前、服、脱げよ」 「ほげっ!、恋のABCは、腹ごしらえの後からデスヨッ!」 のだめは手足をばたつかせた。 千秋は無視して、両手を上から降ろしてきて、ワンピースのすそをまくりあげた。 すごい力だった。 のだめの太ももが見えた。 さらに、さらに上の、のだめのヒモパンが丸見えになった。 「モギャ!、のだめ、まだお風呂入ってまセン!」 「ちょっとお前、うるさい」 千秋は片足をベッドの上にのせるやいなや、のだめの両足を上から押さえて動けなくした。 千秋は、ヒモパンに手をかけた。 ぐっと力を入れて、パンツを引き降ろした。 のだめの尻が見えた。 千秋は、のだめの腰から尻にかけての部分をじっと見つめた。 少し赤く腫れてる。 石畳の上だった。ワラの畳とは違う。 さすがに無謀な技をかけてしまったと思う。 皮膚が少し赤くなっているが、用心のため湿布をしっかり張っておかねば。 千秋は思った。 のだめは、ベッドの上でうつぶせになったまま、パンツをずり下げられた姿で、おとなしくなっていた。 泣いているのかもしれない。 が、千秋にとってはケガの具合の方が気になることだった。 千秋の手はパンツにかかったままだった。 千秋は、パンツから手をそっと離した。 のだめは、足をバタバタさせたときの態勢で足が半開きのままだったので、のだめの尻の穴がチラッと見えた。 千秋は、目をさりげなくのだめの背中の方にうつした。 すると、のだめの服のひじの部分がやぶけているのが見えた。 よくみると服の背中部分も、体落としの技のせいで服の生地が擦れてる。 ひじの服の穴から、皮膚に少し血が滲んで固まっているのが見えた。 千秋は、のだめを半ケツの姿のままベッドの上に置いたまま、家庭用医薬品の箱をとりにいった。 たしかあったはずだが、幸いなことに箱はすぐ見つかった。 千秋は箱の中を見ながら考えた。 「湿布薬と、傷薬だな・・・。」 見慣れない小箱が入っていた。 買った覚えがないが、その箱を開けてみると、コンドームが入っていた。 「センパイ、早くしてクダサイ・・・。のだめ、それ買っておきまシタ・・・」 千秋の手がブルブル震えていた。 1分経過 「むきゃあー」 のだめの体に、薬やら湿布やら塗って張って、のだめはうつぶせのままうっとりして言った。 「とても気持ちよかったデス、あふーん」 千秋は「変な声だすな!」と、プンプンしていった。 千秋は、湿布の薬が手の傷にしみて軽い痛みを感じた。 水道で手を洗いつつ、傷をよく観察した。 手の傷は、皮膚の表面だけだし、指の関節を傷めたわけでもない。 傷薬を塗っておけば、大したことはなさそうだ。 千秋は、自分の手をじっと見つめた。 「ああっ!」 のだめが急に大きな声を出した。 千秋はびっくりして振り向いた。 「めだめ、センパイにも薬塗ってあげマス!」 のだめは急にむっくりと起き上がって、ヒモパンをひっぱりあげつつ、薬箱にむかって走った。 「センパイ、コレっ」 ニコニコしながら、のだめが手にとった薬品を見ると、フランス語で「歯磨き粉」と書いてあった。 はあ〜、千秋はため息をついた。 「おまえな〜!」 こういうのところも、理解の範疇を超えてる・・・ 千秋は苦笑いしながら、ノエルの夕食の準備に取り掛かった。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |