寝ぼけてる
千秋真一×野田恵


青白い月の光が、ガラス越しに部屋を染める。
いつもならそんなことないのに、私は夜中に目が覚めて、ぼんやり月を眺めている。
きれいな満月が垂れ込めていた。

ふと隣を見ると、先輩が猫みたいに寝息を立てて眠っている。
最近は仕事が増えてきて、夜したあとは、いつもこんな感じ。
秋の空気が漂う部屋は、少し肌寒い。
私は再び、布団に潜り込んで先輩の寝顔を覗き込む。
普段の顔は端正でかっこいいけど、この時だけは、子供みたいに無防備。

起きてる時の姿からは想像できないけど、先輩は寝相が悪い。
もそもそと、私からそっぽ向いて布団から出て行こうとしている。

(風邪引きマスよ・・・)

私が布団をかけ直してあげると、先輩はこっちに向き直った。
私はその様子が堪らなく愛しくなって、頭を抱きしめる。
ふんわり、先輩の匂いがする。

「ん・・・」

(あ、起こしちゃったかな。)

私は腕の力を少し緩める。

「先輩、起きちゃいましたカ?」
「ん〜・・・」

そう言いながら、先輩は私の胸に顔を埋め、再び寝息を立てだした。

(よかった、起きてなかったカナ?)

一安心して寝ようとすると、先輩の手がもぞもぞと私の胸をまさぐりだした。

「せ、先輩、寝てたんじゃないんデスか!?」

私が問いかけても、先輩はその動きをやめない。

「あっ・・・ちょ、ちょっ・・ヤダ・・センパイ・・・?」
「・・・」

寝てる。さっきと同じ息づかいで、私の胸を揉み続けている。
手の動きはエスカレートし、私の胸の突き出てるところをパジャマ越しにつまんでもてあそぶ。

「あっ・・やんっ・・んっ・・・・んもぅ・・」

いつの間にか、胸に埋めていた顔が、私の鎖骨を舐め始めている。
私は、もう気持ちよくなって何がなんだか分からなくなってきて、
先輩が寝ぼけてるのも忘れて、快感に身を任せていた。
湿った先輩の舌が、私の突起を口に含んで舐め回す。
息が荒くなって、朦朧としてくる。
そして、ふとあることに気付く。

(もし、いま先輩が起きちゃったらどうしよう・・・)

先輩が寝ぼけてるのを良いことに、自分だけ気持ちよくなっちゃって、
先輩が起きちゃったら、怒られないかな・・・・

初めて自慰をした時のような、
そんな少し後ろめたい気持ちも頭をよぎるけれど、
でももう、止められなくなっていた。
体が、止めることなんて許してくれなかった。

「あっ、んん・・あ・・はうぅ・・し、シンイチくぅん・・・」

思いっきり、先輩の頭を掻きむしって、抱きしめた。
すると、足が触れた先輩の彼処が勃起しているのに気付いた。
ビクッと先輩の体が反応した。

「えっ・・・」

私がハッとして下を覗くと、気まずそうに息をひそめている。

「せっ先輩、寝てたんじゃなかったんデスか〜!?」

起き上がって腕で先輩を押しのけると、顔が一気に赤くなるのが分かった。

「寝てたんだよ。なのにお前があんまりやらしい声出すから・・・」
「い、い、いつからっっっ!ていうか、なんで知らんぷりしてたんデスかーーー!!」

恥ずかしさも相俟って、私はわめき散らした。

「止められなかったんだよ!」

先輩の腕が、私をきつく抱き寄せる。
唇が口を塞ぐように覆いかぶさって、激しく求める。

「だって・・・お前、俺が寝ぼけてると思って、思いっきりよがっちゃってさ」

(バレてます・・・!!)

「ずるいよな。あんなに乱れちゃって・・・気持ちよかったんだろ?」
「そ、そんなことないデスよ!全然、気持ちよくなんか・・・」

思わず、目を逸らしてしまった。

「そうか?体はそうは思ってないみたいだけど」

そういいながら、先輩の指がふしだらに濡れたあそこをなぞる。

「っっ・・・・・・!!!」
「なんだ?気持ちよくないんじゃなかったのか?」
「ふぁ・・あっあうう・・・センパイ、ずるいぃ・・・」

ぴちゃぴちゃと淫らな音をたててもてあそばれ、私のあそこはこれまでにないくらい溢れかえって、パジャマにシミを作っている。
もう、限界。

「シ、シンイチくん・・・・」
「なに・・・」
「あ、あの・・・」

言葉が出ない。泣きそう・・・

「俺のが欲しくなった?」
「は、はう・・・はい・・・」

乱暴にパジャマのズボンとパンティがはぎ取られ、大きく足を開かされた。
鼓動が高鳴って息が詰まる。
ゴムを付けて、先輩がねじるように私の中に入ってきた。

「っっっ・・・・・!!!!あああああ!!!!」

背中にさざ波が起こる。
先輩が激しく腰を打ち付けて、私の中の奥をこすりつける。

「あっあっ・・ダメ・・!シンイチく・・いっちゃう・・・!!」

ちぎれそうな意識の中、先輩の吐息だけが聞こえる。

「いいよ、イケよ・・・!!」

さっきより一段と激しく先輩が律動を繰り返す。
そうすると、私は一気に頂点に登り詰めて、そのまま気を失ってしまった。

目が覚めると、太陽が高く上っていた。
真っ昼間みたいだった。
部屋には美味しそうなにおいが充満していた。

(お昼ご飯は何デスかね?)

そんなことを考えながら、ふと下に目をやると、
無数のキスマークが・・・・

「ムキー!!先輩、人が寝てる間に何やってるんデスかー!!!」

先輩には「何のこと?」と、とぼけられてしまったけど、
久しぶりの呪文料理は美味しかったので、いつの間にか忘れてしまいました。






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