千秋真一×野田恵
![]() オケに嫌われて、 思ったような演奏が出来なかった3次予選。 アニメパーティーかなんかがあって、 今日コンクールにやって来た自称オレの妻と、 久しぶりに一緒の夕食をとった。 まだウ゛ィエラ先生に会えないのかと思うと、 危うく落ち込みそうになって、 急いでワインを口に運ぶ。 店が閉店の時間になる…が、まだ飲み足りない。 「のだめ!帰って飲み直すぞ!」 いつもの光景?デジャウ゛ュ? それでも、のだめ相手に声を出していると、 ひとりでホテルにいた時とは違って、 気分が楽になってきた。 コンクールが始まって以来 初めて心が休まったかもしれない。何故だ? 「先輩飲みすぎ! のだめはもうフランクの家に帰らないと〜〜」 のだめが時計を気にしながら訴えている。 てか、おまえ今から帰る気か? 「バーカ、電車なんかもうねーんだよ!」 (わかんねーけど) 彼女の手を掴んで歩きだす。 ふおおお、 と奇声をあげながら引きずられるのだめ。 「あ……あのそれって、 先輩のヘヤに泊まってもいいってことでしょうか!?」 しばらく考えるオレ。 でも考えなんて何も浮かばない。 「うん。べつにいいんじゃない?もうどうでも」 そうだよな泊まればいいじゃん。 なにも問題ない。 投げやりな言葉で肯定する。 「でも…… のだめ、下着が上下バラバラですヨ!?」 「ふーん」 何も考えるな。考えてはダメだ。思考を手放す。 *** ホテルの部屋に戻っていくつかの事に気付いた。 コンクールの痛手を負っている事。 酒が入っている事。 ベッドがやたらと視界に入る事。 いくらなんでもヤバいんじゃないか? 泊めるとか。 いつもみたいにまとわりつかれたら、勢いで… ことにおよんでしまうかもしれない。 それは避けたい。 誰も咎めないだろうが、 この状況で手を出すのはなんか嫌だ。 フェアじゃない。 ここまで連れてきてしまったが、 断じて手は出さないぞ! でも念の為に、警告を出す事にした。 「のだめ…近寄ったら殺すぞ」 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |