二人で……
千秋真一×野田恵


「は……んっ……」

先輩がパリを不在にして10日。
寂しくて……寂しくて……。
ベッドには、大好きな先輩の匂いが染みついていて、だから……。

「っふ……ぁん」

何だかもう我慢できなくて、そっと胸をまさぐって、みた。
いつも先輩がするみたいに、揉んで、てっぺんを突いて、転がして。
目を閉じて先輩がすぐそこにいるみたいに想像すると、私の胸はどんどん感じ始めてきた。
ちゅってして欲しいな……。
赤ちゃんがするみたいに、ちゅーって、右も左も。

「あっ……せん……ぱぁい」

もじもじ足をすり寄せると、自分がちゃんと濡れているのがわかる。
……こんなこと、しちゃいけない……、のに。
でも、とまらなくて。
自分に触れるとそこはもう溢れていて、私は自分を恥ずかしく思った。

「あん……あんっ……やぁ……」

静かな部屋に、私のエッチな音が響く。
きもち、いい……。どうしよう、のだめ、気持ち、いいデス……せんぱい……。

私の、敏感な小さなボタン。
先輩だったらこんな風に……。
先輩の舌だったら……唇だったら……。

「やっ、やあっ……しんいち、くんっ」

名前を呼んだら、余計に恥ずかしくなった。
自分の顔が真っ赤になっているのがわかる。
それから、自分のあそこも……。
指で辿るとひくひくとうごめいて、きゅんっとすると溢れてしまうのを感じる。
あ……。
ほしい……。ここに、欲しい……。

指はあいだまで濡れていて、私は躊躇いながらも自分の中に進入させた。
先輩が入ってくる、その瞬間を想像しながら。

「はぅ……あぁーーん……」

熱い、中。それから、なんか動いてる……?
先輩がいつもそう言うけれど、それってほんとだったんだ。
ゆっくり出し入れしながら、中で指を折り曲げてみたり、ざらざらしているところを強く撫でたり。

「あっあ……や、だめ……ぇ」

じゅぶじゅぶと音がしてる。指が、とまらない……。
胸、胸も……。
あいた手を胸の上に這わせて、先輩がしているみたいに動かす。
指を唾液で濡らして、尖った乳首を摘んで、弾いて……。

息を吸うと、先輩の匂いがする。
すぐそばに……そこにいるみたいに感じる。
だけど……。

……この指が先輩だったらいいのに。
もっと長い、先輩の指だったら……。
ううん、先輩の……だったなら。
私の中へ押し入って、中をいっぱいに満たして、奥の奥の方まで届いて、私を強く揺さぶって……。

「し……んいち、くんっ……あんっ、いっちゃ……う……!!」


先輩……のだめ……。
さみしい……デス…………。


───────────────


「……っう、ああっ、のだめ……!!」

のだめに覆い被さるような体勢でベッドに伏し、何枚も敷き重ねたティッシュの上に吐き出した。
どく、どく、と波打つ快感と共に精液が吹き出すのを自分で見ている。

いつも感じるが……むなしい……よな。
さっさと後始末を済ませて、ベッドへ仰向けに転がった。

離れている間に何度こんな事しただろう。
申し訳ないような気持ちでいながらも、体の反応には逆らえない。
だから……。
夜な夜な、のだめの体を、のだめとのセックスを思い出しては、こんな行為をしてしまう。
想像するのがよくないんだろうけど、ベッドに入るとどうしてもちらついてしまう。

白く滑らかな肌。
ふんわりとしていて、抱き心地がよくて。
あの体を、柔らかな体を隅々までさぐって、許しを請うまで焦らして焦らして……。
そして、あの熱いのだめの中を味わいたい。

「のだめ……」

元気にしているかな、あいつ。
早く帰りたい。
早く会いたい……そして、抱きたい……。

今日はもうこれ以上変な気持ちにならないようにと、のだめのピアノの音を思い出しながら目を閉じた。






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