千秋真一×野田恵
![]() やっと夜が明ける。 寝苦しくて、何回も目が醒めて、その度に見るのは、ベッドの反対ですやすや眠る、のだめの寝顔だ。 触りたいという考えを、押さえ付けるのに苦労する。 明日はこいつの初リサイタル。 きっちり休ませて、実力が出せるようにしてやらんでどうする。 だったらさっさと俺も、ソファにでも移動すればいいものを、昼間の長距離運転やら、海の緊張やらで、身体は疲れで、泥の様で動かせない。 眠りが浅く、変な夢ばかり見た。 あ…ちくしょう、アレがいこってる。朝だからって…。 うつ伏せになって、治まるのを待つ。 その内にもまた浅い眠りに落ち、金縛りまで起こした。 最低だ…。 ――――――――――――― ?…?…。 顔のまわりで何かが触れては離れている。 俺の口と鼻を何か柔らかい、湿ったものがつまんでいった。 頬にも、ちょん、ちょん、とそれは触れていき、俺は昔飼っていた子猫を思い出した。 朝が来ると、エサをせがんで俺を起こしにくる黒い子猫。 あ…なんだ、のだめか…。 のだめがキスを俺にくれているんだ。 どおりで気持ちがいい…。 がり。 あっ、耳まで噛みやがったコノ…。 「〜〜〜っのだめ」 いつの間にか金縛りが解けて、口が利くようになった。 が、まだ瞼が上がらない。 ぱっと身を引く気配がした。 やっぱりのだめか。(ちょっとキスは嬉しい) 返事はない。 待っていたが、また眠りに吸い込まれそうになった。 そこへ、ふわっと暖かい空気がせまって来たと思うと、のだめ(と思われる者)が俺の懐に入って、ぴったり身体を擦り付けてきた。 やっぱりのだめだ。 なんだ朝から、かわいい事するなあ! 俺の胸にじーんと甘酸っぱい感動が沸き上がった。 と同時に俺の股間にもその感動が伝わったのか、急に脈動をはじめて、少しあせった。 のだめは…じっとしている。 多分、俺がまだ寝ていると思っているんだろう。 せっかく夕べは我慢したのに、今も俺に全幅の信頼を寄せて横にはべるのだめに、すけべをいたしていいのだろうか…。 と、のだめに何か異変が起きた。 俺の状態を知ってか知らずか、足までぴったり寄りそって寝ていたのだめから、妙な振動が伝わってきた。 腰のあたりがもぞもぞと、何かかゆいかの様な動きをしている。 これは…もしや…。 これは…できるかな。 「のだめ」 もう一度呼びかけたが、返事はない。 妙な律動もやんだ。 俺は重い瞼をようやく開いた。 そこに、少し泣きそうな、いたずらが見つかったような瞳のだめの顔が、至近距離に在った。 かわいいなあ。 「やる?」 と短く呼びかけると、見る見るうちに赤く顔を染めるのだめ。 恥ずかしそうに、縮こまり、布団の中に隠れてしまった。 腕をひろげてのだめの背にまわすと、ぎゅっと俺の脇腹のあたりのシャツをにぎるのだめ。 やるぞ。 気が変わる前にやってやる。 こないだやったのいつだっけ。 こいつときたら、初夜の後こそ何回か連続してやれたけど、学校の課題が多くて疲れるからって、いっつも眠そうにしてる。 、実際メシ食わしたらすぐ寝るし、俺の演奏旅行の間は、うちに入りびたっていたくせしゃあがって。 最近俺の仕事がヒマになって、家にいる事が多くなったのに、コンセルの試験前だからと、練習でいつまでも帰ってこねーし。 どんなに凝ったメシ作ってやっても、喜ぶのはいいけど、またすぐ先に寝るし、とうとうこないだ寝込みを襲ってやったけど、終わる前にやっぱり寝ていて、空しいのは俺ばかり。 縮こまるようにして顔を見せないのだめに、俺も布団にもぐりこんで横抱きに抱く。胸が大きいわりに、背中が筋肉質で薄いのだめの身体は、抱きしめるときゅっと小さく感じる。 まだ恥ずかしそうに目を閉じているのだめを抱いたままで反転して寝台に押さえつけた。 やや、がっついた気分の俺は、襲うような性急さで、のだめの口を割って舌を吸い上げた。 のだめはすぐ応じてくる。 舌を回転させ、のだめのの舌と存分に交流する。 俺の唾液が舌を伝わりのだめの口角に泡を作った。 舌を延ばしたまま唇を重ね、のだめの口内も犯す。 のだめの喉が、二人の唾液を飲み込み上下した。 「ん…ん…」 のだめが甘い鳴き声を漏らしはじめたので唇を離した。 「んあ…あっ…」 薄いネグリジェを通して、のだめの乳首がとかって、その形が透かし見えた。 自ら存在を知らせるソレに布ごしにかぶりついた。 唾液でぬれて、はっきりと乳首の形が口の中で判る。 重ねている布越しに刺激をあたえる事に、何やら興奮を覚えて、乳首に湿り気を与えつつ、音を立てて吸い上げる。 反対の乳房も指でつまんだりねじったり。 「あ…はあ…」 気がつくと、のだめの両足がネグリジェをはだけ、俺の腰を挟んで捕らえていた。 乳首から口を離さないまま、右手でそのふとももをなであげ、股間まで這わせる。 そこはすでに沼地のごとく濡れそぼっていた。 (これはこれは…) 下着の端から中指人差指を進入させると、吸い込まれる様にたやすく、のだめの内部に入れた。 「あっあああ〜」 喉をのけぞらして反応する彼女の顔が、凄くせつなそうな、色気のある風情で、たまらない感じ。 「お前、朝からすごい事になってるじゃないか。どうしたんだ。」 それならそうと内側を叩くように指をスイングさせる。 「あっ…はじめ…そんな…つもりじゃ…はっ…はっ…。」 「俺の寝込みをねらうなんて、のだめをも進化したなあ。」 「あっ、あっ、あっ、あっ…」 いつの間にか、俺の肩から降りてきたのだめの両手が、自ら下着のリボン止めを解いた。とたんに指を動かしやすくなって、俺は指を3本に増やした。 激しく出し入れを繰り返すうちに、解けた下着は、たちまちくしゃくしゃになって、のだめの身体から離れて行った。 下着を外した後の、のだめの手は、次に自分の腰まわりに溜っていたネグリジェの裾をまとめて掴み、一気に身体から抜こうと持ち上げはじめた。 いつもなら服をぬがすのは俺の仕事だというのに、今日はなんて積極的な…(嬉) 俺の下でみるみるうちに素っ裸になっていくのだめだったが、首を抜こうとした時に、腕が延び切って頭だけが残ってしまった。 (いなり巻き…) 素っ裸の身体の上に、首と差し上げた腕が、くしゃくしゃのネグリジェにロックされて、なんとも奇妙な光景だった。 ぷるぷると二つの乳房が交互に震える 「〜〜っむきゃ〜〜っ」 じたばたするのだめ。その珍妙さに思わず吹き出した。 かわいい!バカすぎるぞのだめ! あられもないその姿にたまらなく愛しさを感じつつ、同時にからかいたくなり、むきだしの脇の下にキスをした。 「ひゃうっ!いやあーダメーっ」 「だって俺の目の前に見せるんだもん。」 こーしたくなっちゃうよ。ぺろり。 「イやめてーーっアッハハハ…」 くねくねと芋虫のように動くしかないのだめだった。 「ひい…ダメお願い…先輩も脱がしてあげマスカラ。首取るの手伝って…」 それもいいな。 俺は左手で、のだめのあごの所を掴むと、ネグリジェを一気に上へ引き抜いた。 「はフぅ…」 上気したのだめの顔が現れると、あらためて全身を眺めた。 すっかり夜が明け、朝日の中で白い躰が、それは美しかった。 腕から胸部にかけて浮き上がった細い上腕筋。 その胸には、大きめだがバランスよく張りきった二つの乳房が、熱い呼吸に上下していた。。 根を詰めてピアノを練習すると、すぐやつれて浮きでてくる肋骨。 その下方のウエスト。 くびれが無いなんて言った事があったか、今は腹筋が縦に現れ出てくっきりと女性らしいラインがあり、かなりイケている。 のだめはだまってりゃ、そのへんの女の子は太刀打ちできないほどかわいい。 言動が変態だから、あまり注目されなかったのは俺にとって幸か不幸か。 あの黒木くんが一目慕れしていた時は、俺が一番理解しかねたのだが、今ではすっかり虜になっているのは実は俺の方だった。 のだめは頭の上に掲げていた腕をけだるげに下ろすと、俺の腰から、寝巻きに来ていたTシャツの裾を、ゆっくりと引き上げはじめた。 俺も左腕を抜き、ネックをくぐり、Tシャツは右手の先まで来た所で止まった。 俺が今だにのだめから右手を抜いていなかったからだ。 ちょっと困ったような顔ののだめだが、うっとりと恍惚の表情にも見える。 のだめの膣壁がさっきからぴくんぴくんと痙攣して俺の指を軽く締めつける。 のだめの意思とは別の電気的反応であろうが、なんだか下の口でしゃぶられているような感触で、抜き出すのが名残おしかった。 さあどうするのだめ。 するとあっさりシャツから手を離したのだめは俺のズボンに手を延ばした。 子供の様に脱がされる事が、ここへきて急に軽く羞恥心が湧いた。 ゴムの前側にペニスの先が引っ掛かり、外れる時亀頭を刺激した。 「あ、先輩が出てきたネー。これじゃ寒かネ。あたためてあげるバイ」 のだめは急に脱がすのをやめて突然俺を両手で包んだ。 ズボンと下着が尻でとまったままでコレはちょっと恥ずかしい。仕返しか。 のだめの手が俺をしごきはじめた。 亀頭をにぎりながら手の平ですべらす様に刺激し、元の方も上下にしごく。 (げっ、このままだと負ける…) 気持ち良いぞー。 きゅっと俺の指が締めつけが強くなった。 のだめが片足をあげてたのだ。 足の指で脱げ掛けのパジャマを引っ掛けて足先まで引き降ろした。 これで俺も素っ裸になった。 のだめの指に翻弄されて、息が上がってくる俺。 全身に熱い 血がまわって、気が高ぶってきた。 のだめの体もピンク色に上気して、興奮を表している。 ついにのだめは俺をいじるのを止めて、俺の右手に手を乗せてきた。 「先輩…もうのだめ…」 言われなくても…! ぐちょっと音をたてて、のだめから手を引き抜いた。 「はうっ」 びくんと、のだめが震える。 抜き出した指は、粘液でふやけ、ゆでたように赤くぬらついていた。 手首に残っていたTシャツを、それを拭いながらはずし、ベッドの外に放り投げた。 のだめの頭の上の、いくつもある枕の下に手を入れてアレを捜す。 夕べ、のだめがネグリジェ姿でベッドで待っていたのを見た時から、当然の事と期待を持って忍ばせておいたモノだ。 あった! 焦ってやぶかない様に切口を開け、取り出して手早く被せる。 (…いつも思うけど男ってこの時まぬけだよな。しかたないけど…) 急いでのだめの上に戻ると、のだめも待ち焦がれたような顔をして、両腕を俺に広げていた。 首に巻きついて来てぎゅっとしがみついてくる。 俺はのだめの右足を かかえ上げると、一気に突進した。 「あ、あああ〜ッ」 内部に進入する圧力にのだめが一際高い声であえいだ。 俺にも内壁がねっとりと絡み付いてくる。 ぴっちりと締めつけてきて一体感を持った。 「のだめ、動くぞ」 言い終わらないうちに律動を始めた。 もうこうなると、体と意思はまったく別だ。 「ああっ、ああっ、あん、あん、あん、あん…」 のだめも良い声で啼き始めた。 俺の腰と、のだめの腿が当たる度、ぱん、ぱん、ぱん、ぱんと渇いた音が響きわたる。 「あ…イ…イイっ…しんいちくん…気持ちイイ…イイ…気持ちイイ」 その言葉に俺はますます奮起する。 「アアアアアアア…」 速度をますます速くすると、のだめの声がつながって意味の成さないものになり、だんだん大きくなってきた。 その口を口付けで塞ぐ。 振動にゆれるのだめの乳首の先が、俺の胸にもかする。 その快感も加わって、いやでも昇天したい感じが高まる。 のだめが両足で俺の腰に絡み付いてきた。 俺の押し上げがますます深くなっていく。 「しんいちくーーーん!」 「めぐみ!めぐみ!」 俺の終わりの時が近づいてきた。 頭がスパークする。 「めぐみっ!!」 ―――――――――― 事の終わった後、余韻に浸っていた時に、のだめが、俺の寝顔を見ていたと言った。 「何か夢見ていたデスカ?」 言えるかよバカ。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |