おひげ
千秋真一×野田恵


「ただいまー、おなかヘリましたー」

今日は語学学校だけの日で、いつもより早く帰ってこれた。
私は自然に千秋先輩の部屋の鍵をあけ、自分の部屋の様に室内に入る。
ベッドの上に千秋先輩が楽譜まみれになってうつ伏せで眠っていた。

「ーーぁあと、お休みデシタカ…」

そうっと足音をしのばせて、ピアノの部屋に行って鞄を置いた。
またそおっともどって、ベッドの前のクローゼットを勝手に開けて上着をハンガーして、かわいい軽いキャミワンピとカーデガンを出
して、戸を閉じた。
バスルームに入って、外着から着替えて出ると、先輩はまだ同じ姿勢のままでベッドに横たわっていた。
近づいて、散乱する楽譜を丁寧に拾いあげる。
紙が擦れる音をあまりさせない様に、揃えて、パソコン机の上に置いた。


「また無精ひげ…」

ベッドの先輩の顔が見える側に回りこんで、立ち膝で寄りかかって寝顔を眺める。
顎に立ったひげに指を這わせて、ざらざらをなぞる。
あ、首すじにもけっこう生えるんだー。
うーん無精ひげの先輩もちぇくちーデス。

ちゅ。

先輩の唇をそうっと盗んだ。

「ん…」

あ、起きちゃった。

「ただいま先輩、おはようございマス」

ちゅ。

「帰ったか、のだめ…」

まだ眠いのか、されるがままの先輩。
頬の、ひげが生えてない所にも、ちゅっちゅっする。

「メシ…レンジに入ってるから…食え…」
「はーい」

ちゅ。

「おい、やめろよ」

やめろと言われるとからかいたくなる。
ちゅみっと耳たぶをくわえた。

「よせよ」

先輩は寝返りをうって腕を延ばしてきた。
すなおに絡めとられるつもりだったけど…。

「いたた、ダメっ先輩、ひげ痛いデス」
「んー」
「ジョリジョリしてヤデスもー」

私が嫌がって押し退けようとすると、わざと頬を擦り寄せてくる、どこのお父さん状態の先輩。
あれ?

「先輩匂いする」
「あっ」

とたんに身体を離そうとする先輩に、逆に私が取りついた。

「先輩のにおいーギャハ」
「やめろバカ変態」
「うそデス、匂いなんてしません先輩は」

にっと笑って首すじにちゅっ。

本当はかすかに匂いする。
柑橘系のメンズコロンの中にまじって汗の匂い。先輩は少し西瓜みたいな、ラムネみたいな匂いがする。

ひげ剃ってないくらいだから朝にお風呂はいらなかったのかな。
ひょっとして夕べから…。
先輩は赤い顔をして本当に恥ずかしがっている。うぷぷ。

「おい…風呂はいらせろ…」
「ダメデス。」

ちゅ

「本当は匂うんだろ」
「コロンの匂いしかしませんヨ」

ちゅ

先輩を起き上がらせないように、私は彼に馬乗りになってた。
いつもとすっかり逆でなんだか楽しい。
先輩の耳たぶ、首すじ、のど仏にキスの雨を降らせる。
先輩が何度も顔を起こして、私の態勢を逆転させようと顔を寄せて来ようとしたけど、

「おひげイヤデス」

と断った。
のどの丸い膨らみに舌をからめて唇でおおった。

「おい、変な事するなよ。ソノ気になるぞ」
「のだめはソノ気ですが何か?」

私は先輩のシャツの襟の合わせ目に鼻をつっこみながら、ボタンを一つずつ外した。
先輩の匂いを感じながら、ちろちろと舌を這わす。
先輩の乳首…。

ちゅぴ…

「おい…こ(ラ)…」

指でもう片方の乳首もこする。
たくましい胸筋がなだらかにカーブを描いて、その先に付いてる丸あるい乳首が、いつもよりほんのちょっと膨らんできた。
ぺろぺろなめたりするなんて初めてする事だ。
いつも先輩が私にしてる事。
してあげているのは私なのに、私の方もなんだかすごく興奮してくる。
自分の胸の先がなんだかジンジンして、キャミの布が当たって感じる。

「っ…く」

先輩の吐息が上から聞こえて、私は上目で先輩の顔を見た。
き…気持ち良い?気持ち良いの先輩?

「あっ…」

先輩が手を私の胸に手を延ばして来た。

は…反撃開始デスネ。
ムム…まけマセン。

先輩の手は最初はキャミの上からなでていたけど、そのうちカーディガンの襟から手が直に入って来てキャミの脇から進入してきた。
まっさきに私の乳首に触れられてっ…私も感じていたってバレちゃった。

「あ…んダメ…」
「触るのはイイだろ…」
「今日は、のだめが…したげようと思ったのに…」

ああ…ダメ…なんで負けちゃうんだろう…。

「ん…ん…ん…」

カーディガンが脱がされて、キャミの肩紐が両側とも下ろされた。
胸カップ付きのキャミだからブラジャーをしてなかったので、腰までぬがされて半分裸の私。
先輩の両手でもみもみされて、乳首も両側同時につまんだり擦られたりされる。
女の方が感じやすいなんてずるい。

「なあ…いっしょに風呂入るのはどうだ…?」
「あ…お風呂…なんか勿体無いです…」

私は先輩が逃げないように覆いかぶさった。ああ…先輩のニホイが…。

「くそっ、いやでも入りたくしてやる」
「え…あ…ッ」

先輩がスカートの裾を私の腰までまくり上げた。
両手でお尻をなであげて、そのまま腰のバンツの紐をほどいてしまった。

「やン…」

自由になった下着が、べたりと先輩のお腹のうえに落ちた。
その湿り気具合が恥ずかしくて、私はそれをすぐ拾い上げてベッドの外に投げとばした。
その私の隙を捉えて、先輩が私をギュッと抱き寄せると、ぐるんと身体を反転させて、私を組み敷いた。

「ぎゃぼっ先輩っ、ずーるーいーっっ」
「るさい、こうなりゃ力ずくだ」
「ヒゲカズオ!」
「うっせい!」
「あ…んンンンっ!」

言い争いをしているうちに、いつのまにか私の片足が先輩に抱え上げられ、突然それが突き刺さってきた。
いつもならもっともっと焦らされる時間が長いのに、こんなに性急なのもはじめてで…でもやっぱりいつもの通りに、呼吸が甘やかに
、速くなってしまう。先輩の動きに合わせて…。
先輩の顔が、少し苦しそうに、でも支配的なまなざしで私を見ている。
額に汗が、吹き出ていて、時々私の顔に降ってきた。
口の近くにその雫が落ちてきたのを、舌を延ばしてなめとる。
少しの塩味。先輩の汗の味。

「めぐみ…」
「む…ン」

上から降りてきた先輩に深くくちづけられる。
ひげが…結構きもちいい…。
私の両手で先輩の顔をはさんで、もっと深く、もっと深く舌をからませて、ああ…手の平までヘン…おひげのザラザラが気持ちいい…。
高ぶってくるリズム。
突き上げられて、はき出す甘い呼気。
もう苦しくてキスどころじゃなくなってきて、夢中で先輩の首にしがみついた。

「あっ・あっ・あっ・いやっ・いっちゃう・ううっ・せん・ぱい・ああああ…アアっっ!」
「めぐみ」


「ふーーー」
「ふにゃあ…」
「…風呂…入ろう…」
「おひげから剃ってくだサイ…」






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