千秋真一×野田恵
![]() ・・・まじかよ・・・ 空箱を持ったまま俺は途方に暮れていた。 「ごめん!のだめ」 ベッドの上、あられもない姿態で挿入を待っていたのだめは、意味がわからないと目を瞬かせている。 「だからごめん!」 ただひたすらに両手を合わせて謝るしか今の俺には出来なかった。 はあー俺様としたことが・・・ 「先輩意味がワカリマセンケド?」 起き上がり小首をかしげる。 「えっと・・・今日はこれ以上出来ないんだ・・・」 「な、なんですト?の、のだめなんかしましたか?」 「いや、お前は悪くない・・・悪いのは俺」 うなだれて要領を得ない俺を唇を尖らせて覗きこむ。 「先輩、わけわかりませんよぅー」 その視線を避けるようになんとか口の中で言葉を転がす 「・・・コンドーム・・・が無かった・・・」 「へ?コンドーさん?」 「・・・さんを付けるな・・・だから…ゴムが無いんだよ、後一つあると思ってたのに・・・悪い」 「あららら〜使い過ぎですかね?」 ・・・返す言葉がない。 「じゃあ、どうしましょうカ?」 俺の激しく自己主張している下半身に向かって話しかける悪魔。 「馬鹿野郎〜話しかけんな」 悪いのは俺だけどそれはわかっているけど、お約束の如くのだめの頭を叩いた。 カズオ・・・と零し、叩かれた頭を擦りながら 「だってぇ〜どう見ても止められそうにないですよ?」 と、のたまった。 ・・・痛い所を突いて来やがる・・・ 「でもこのまま続けるわけには行かないだろ・・・」 「・・・ですかねぇ、やっぱり・・・」 ベッドの下に脱ぎ捨てられたのだめの下着とパジャマを拾い、俺はボクサーパンツに足を通した。 「仕方ない。中途半端で悪いけどお前もパジャマ着ろ」 手渡した下着とパジャマをのだめは受け取らず 「のだめ口でしますよ。うきゅ」 思いもよらない言提案に俺は言葉を無くす。 正直嬉しい。 出来ることなら甘えたい気持ちもある。 でもプライドが・・・ 「いや、いい」 「でもぉ。カレ辛そうですよ」 ボクサーパンツの中で未だ自己主張するそれをつんつんとつついて悪戯っぽく笑った。 「いや、我慢する。俺だけイクわけにいかないし・・・」 なんとか残っている男としてのプライドを総動員して漸く言うことが出来た。 「え〜。いいじゃないですか。のだめ先輩の指で何回もイキましたよ。だからたまには、ネ」 かわいいこと言うじゃねえか、のだめの癖に。 それでも、揺らぎそうになる気持ちを押さえてもう一度丁重に断った。 さあ、さっさと服着て寝よう。 眠れるわけは無いけど… 横ではまだ下着も着けて無いのだめがぶつぶつ言っている。 「ほおぉぉ〜」 響き渡る奇声。 「な、なんだ!?」 「先輩ちょっと待っててクダサイ!あ、それ貸して下さいね」 手に持っていたシャツをひったくるとガバッと着込み、手早く紐パンを結び一目散に部屋を飛び出して行った。 まさか! あの格好で買いに行くってことはないよな。真夜中だし・・・ じゃあどこに? わけがわからないまま待つこと10分程でのだめが騒々しく帰って来た。 そして、今、手に持った何かを水戸黄門の印籠の如く俺の前に突き出している。 「じゃじゃじゃじゃ〜ん!これ何だと思います?」 「はあ?」 「なんと!女性用コンドームなんデス。えっへん!」 別に威張ることないと思うがなあ・・・って 「え?女性用コンドーム?なんでお前がそんなの持ってんの?」 「ふふふ〜ん、この前地下鉄に乗った時、自動販売機で売ってるの見つけたんですヨ。で、面白そうだったから買っちゃったんです!」 「はあ?で、お前これどうするつもりだったんだ?」 こいつの事だ絶対なにか企んでたはずだ。 案の定目を逸らす。 「まあ、そんな事いいじゃないですか・・・それより続きを」 「さあ、吐け」 首根っこを掴むと仕方なくのだめは口を割った。 「峰君に送るつもりだったんですよ、フランスの文化を知ってもらおうと思って」 ・・・やっぱりこいつ変態で馬鹿だ。 でも、いい。 今日はもういい。 そんなことより続きだ。 のだめから女性用コンドームを取り上げ説明を読む。 ふ〜ん、慣れるまではちょっと難しいかもな・・・。 「のだめ横になって」 「はい?」 素直に寝転がるのだめの股を割って濡れ具合を確かめる。 だいぶと時間がたったからさすがにそこは乾き始めていた。 割った股に入り込みショーツの上から醒めかけた熱を煽るようにわざと音を立てながら舐めあげる。 鼻に掛かる喘ぎが聞こえてきたのを合図にショーツの紐を解きそっと秘所を開いた。 いい具合に濡れてきている。 手早く袋を破りさっき読んだ説明書の通りにのだめの膣に装着してゆく。 時折声を掛け痛みがないか確認した。 その度 「大丈夫デスよ」 明るく返してくれるのだめがやけに愛おしい。 萎え掛けていた下半身も、そういったのだめの態度や俺の奪われたシャツの中で蠢く華奢な肢体に刺激され再び気力を取り戻していた。 ・・・出来た。 これで漸く・・・ 長かった・・・ 情けない気持ちと初めて自身に装着せずに挿入する興奮とが俺の中で綯い交ぜになっている。 それでも、躰は正直なもので・・・ 「のだめ、入れるぞ」 「ほおぉぉぉぉぉぉ〜。今日の先輩凄かったですね。コレそんなに良かったんですかねぇ。また、買ってきますかネ。いっしっしっしっし」 眠りに落ちる寸前でのだめが悪魔のように笑ったのが目の端に映ったような気がする・・・。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |