やきも千秋リレー
千秋真一×野田恵


先輩、誤解デス。これは違うんデス。

突然のことに声を発することすら忘れて、のだめは固まった。
たったいま開いたドアから入ってきたのは、この部屋の主、千秋真一。
彼は「ただいま」という言葉をのみこんで、目を見開いた。目の前の光景に。

部屋のテーブルのそばに、抱き合って倒れている二人の影。
下になっているほうは、彼の最愛の人。
上にのしかかっているのは---フランク!?
真っ赤な顔をしたのだめと、目が合う。

「せ、せんぱ・・・これはちがっ」

瞬間、千秋は頭が真っ白になった。

■□■

---時をさかのぼること、3時間前。
のだめは、いつものように千秋の部屋で、帰らぬ夫をまっていた。

今日はオケの仲間と帰りに飲むから遅くなるっていってましたケド、
先輩のことだから飲みすぎてグデグデになるにきまってマス。
酔った夫を介抱するのも良妻の役目デス!

のだめはそんな事を思いながら、
―実は最近忙しく、すれちがいがちな千秋の顔をゆっくり見たいのもあって―
プリごろ太のコミックスを片手に、千秋の帰りを待っていたのだった。

時計の針が、11時を告げる頃、玄関ドアの外で、ドタンと人が座り込むような音がした。
あれ?先輩は0時をまわるっていってたのに。おかしいデスね。。。
漫画を読む手を止め、玄関のドアをあける。するとそこに座り込んでいたのは、千秋ではなく。

「フランク!?どしたんデスか!?」

おなじアパルトマンの住人にして、オタク仲間のフランクが赤い顔をしてへたりこんでいる。

「フランク、お酒くっさいデス!!」
「ごめんーノダメー・・・あれー?ここ僕の部屋だよねー?」
「何言ってるんデスか!!ここは千秋先輩の部屋デスよ!」

フランクは完全に酔っぱらって部屋を間違えてしまったのだ。

「アハハハーごめん・・・おやすみ、ノダメ」
「フランク大丈夫デスか??フランクが悪酔いしてるトコなんて、のだめはじめて見まシタ!
・・・あれ、フランク、なんか元気無いデスね・・?」

のだめがそういうと、とたんにフランクは顔をゆがませた。

「そうなんだ・・・やっぱ僕にはピアノの才能なんてないんだよー・・・うぅっ」

そういうが、泣き出してしまったフランク。どうして良いのかわからずに戸惑うのだめ。

「と、とりあえず入ってくだサイ!」

聞けば、今日のピアノのレッスンで、先生にめちゃくちゃに言われたのだという。
フランクは最近体調を崩していたりして、ピアノにあまり触れていなく、
課題が練習不足だったらしい。

「そんな事もありますヨー。元気出してくだサイ!

あ、実家から送ってきた日本酒があるんで、飲んでみますカ?」

「日本酒?ボク飲んだこと無いよ」
「のだめも飲むの久しぶりデス!さぁさぁ、パーッと飲みなおしまショ!」
「そういえばチアキは?」
「先輩は今日帰ってくるの遅いんデス。でも先輩も帰ってきたら一緒にのんでくれマスよ!」
「ノダメ・・・ありがとう。」
「プリごろ太の仲じゃないデスか!!」

フランクとのだめは、美しい友情の元に酒をのみはじめた。

3時間後。すっかりできあがってしまった二人がいた。

「あひーーのだめもうダメデス〜。」
「ノダメーこのお酒つよいねーアハハ」

のだめの実家から送られてきた日本酒は、かなり強いものだったのだ。
そんなことを知るよしもなく、酔いの回った二人は、ごろ太の主題歌を熱唱したり、
カズオのモノマネをして爆笑したりと、大騒ぎをしていた。

「ノダメー僕もう眠いよー。」
「ここで寝たら風邪ひきますヨー・・・・って、あ、フランク!」

フランクはすでにのだめにもたれていびきをかいている。

「仕方ないデスねー」

のだめはフラフラした頭でフランクをソファーまで引きづろうと、立ち上がりかけた。
しかし、のだめが考えるよりも酔いが体にまわっていたようで、よろけてしまった。
グラッ、のだめが床に仰向けに倒れ、フランクがその上にかぶさった。

「ちょっとフランクー起きてくだサイよー。重いデス!」

フランクをどかそうとしても、
酔った上に寝ていて体の重たくなった大の男はなかなか退けられない。
そのとき、カチャリとドアノブが回る音がした。
ぼんやりした頭でドアのほうを見ると、千秋がたっていた。
あれー?先輩が帰ってきたー。・・・あ、今の状況マズいデスかね?
千秋と目が合う。そのめには驚愕が浮かび、傷ついたような色が宿っていた。
すっと酔いがさめたのだめは慌てて叫ぶ

「せ、せんぱ・・・これはちがっ」

しかし一瞬遅かった。

■□■

オケの話をしていたら、盛り上がったものの、そんなに沢山飲むことは無く、
まっすぐな足取りで千秋はアパルトマンに帰ってきた。
自分の部屋の電気がついている。

(あいつ、起きて待っててくれたんだ。)

あったかい、なんともいえない気持ちが自分の中に湧き上がってくる。
最近帰りが遅くて朝は早く、のだめが寝ているときに帰宅して、家を出る生活が続いていた。
帰ったらひさしぶりに・・・
千秋はのだめを驚かせようと、小さな音でカギを開け、
寝室を抜けた。明かりが漏れている、
奥の部屋のドアをあければ、可愛い恋人が満面の笑顔を浮かべてくれる。
そんな想像と共にノブを回した。

そして冒頭に戻る。

■□■

鈍い衝撃音のあと、のだめは自分に乗っていた重みが軽くなったのを感じた。

「ふ、フランク!!」

フランクはほっぺを真っ赤に腫らして横たわっている。
それでも起きずにイビキを掻いているフランクであった。
だが、千秋はフランクが寝ていることなど気付かない。
のだめの手を引っ張り、寝室へつれていく。

「ちょっと先輩・・・!痛いデス!」

千秋は無言でのだめをベットに押し倒す。
そして有無を言わさずのだめのワンピースを押し上げて、白い裸体を月光の下にさらしたのだった。

「先輩!?・・・」

千秋はのだめの全身をくまなく見ていった。まるで何かを探すように。
ひととおり見て、のだめの体に自分以外の男の痕跡が無いのを認めて、
千秋はほっと息をついた。

「・・・何してたんだよ。」

ぎゃぼ・・・、先輩、機嫌悪い・・・?

「あの、えっと、かくかくしかじかで・・・。」
「かくかくしかじかで分かるかー!!」
「ぎゃぼ―――!!!」

      ******

さっきまでの出来事をきちんと説明すると、千秋はひとまず
安心してくれたようだった。

「はー・・・。」
「先輩?お疲れデスね。」
「誰のせいだと思ってんだー!!」

のだめは千秋の攻撃を側にあった枕で受け止めた。

「うきゅきゅ♪先輩ってば、やきもちやき屋さんデスねっ。
・・・ぎゃぼ・・・?!」

二度目の千秋の攻撃をよけきれなかったのだめは、
そのあと一時間ほど説教を受けることになる。

         ******

「とにかくだな、おまえはあまりにもスキがありすぎる!
いくらフランクだからって、こんな時間に部屋に入れるなんて
どーゆー神経してるんだ!」
「束縛なカズオもしゅてき・・・はぁはぁ。」
「・・・・・。」

怒る気力を無くした千秋はキッチンにワインを取りにいきグラスに注ぐ。
フランクは相変わらずリビングで大いびきをかいているので
寝室に戻り、一息つく。

「せーんぱい?」

のだめはかわいらしく首をかしげ、千秋にすり寄っていく。

「のだめは先輩が一番大好きですよ。あっ、でもゴロ太とどっちが
スキって言われたら・・ごにょごにょ・・・。
と、とにかく!何があっても心配しないでくだサイね。」

にこにこ笑って言うのだめに、ついつい眉が下がりそうな千秋は、
そんな表情をごまかすかのようにのだめの唇をふさぎ、
そのままゆっくりとベッドに押し倒した。

「せ、先輩?フランクが隣の部屋にいるんデスよ?」
「おまえが悪い。」

千秋はにやりと笑みを浮かべた。

千秋はもう一度ゆっくりと、のだめに口付けた。
どうやらフランクのことが気にかかりそれどころではない様子ののだめを尻目に、手っ取り早くワンピースを脱がす。

「ちょっ…センパ…」
「騒いでるとそこにいる酔っぱらいにお前の裸見られるぞ」

ぴたっとおとなしく固まるのだめ。


――従順な子猫だな…


可愛いと思わずにはいられない。
ふっと笑みがこぼれる。
そんなのだめに触発されたかのように、千秋は迷わず秘穴へと指を伸ばした。


「…っ!!」

のだめはフランクが起きないように声を押し殺す。

「っ・・・ぁ・・・・。」

くちゅくちゅという水音だけが部屋に響き渡る。

「すご・・・、いつもより濡れてるぞ?」

いったん声を出してしまったら止まりそうにないのだめは
口を手で押さえて必死にこらえている。

千秋はそんな姿を見下ろしながら、
更に手元を激しくさせる。

くちゅ ぐちゅ ちゅく

「ほら、こんなに音してる…
隣に聞こえるぞ…」

もう駄目デス…!声出ちゃう…!!

「う…はぁあっ!!あぁっん…んん…!!」

…ぴちゃ…

大いびきがぴたり止まった。

千秋もさっきまでの動きにブレーキがかかり、
同時にのだめの秘部から奏でられる音も静けさの中に消えてゆく。1秒にも満たないほどの沈黙。

すると隣から再びガァッといびきが聞こえ出した。

のだめと千秋は一瞬蒼ざめた顔を見合わせ、ほっと胸をなでおろす。

「声出すなって言っただろ。」
「先輩がそんなにするから・・・っ」

のだめは涙目で訴えたが、構わず千秋は首筋から胸元に唇を落とし、
舌で乳首を転がす。

「ん・・・はぁっ・・・。」

十分に胸を揉みしだいた後、おへそのほうに顔を下ろし、のだめの足を大きく開く。

「ちょ、先輩!それだけはやめてクダサイ!のだめ我慢できそうにないデスよ・・・?」
「声出そうになったら枕に顔をうずめて。」

そういって千秋はのだめの秘部に舌を這わせる。

「!!!」

のだめはじんじんと突き刺さる快感に眉をひそめた。

(千秋先輩には恥ずかしくて言えないけど、舐めてもらうのが一番スキ。)

しかし千秋はそんなこと知っている。いつもいっそう声が高くなるから。

声が出ないように枕を顔の前で抱きしめているのだめに安心して、
千秋はのだめの花びらを指で開き、舌を奥まで入れる。

「ゃぁっ・・・!」

のだめの秘部からとろりと蜜が溢れる。

「すごい・・・ここ、こんなになってるぞ?」

のだめはやだやだと頭をふる。

(かわいい・・・。もっとめちゃくちゃにしてやりたい。)

「も・・・はぁっ・・入れてくだサイっ・・・先輩の・・・!」
「まだダメだ。」

意地悪そうにいうと、のだめの芽に指をあてて強く擦る。
その瞬間、のだめは大きくのけぞり、あごを突き上げる。

千秋は芽をいじりながらも2本の指をぐちゅ、と音を立てて入れると、
激しく中をかき乱した。
秘部からはとめどなく蜜が溢れ、指の動きとともにシーツに飛び散る。

「のだめ、いやらしいな、腰振ってる・・・。そんなによがって、どうしてほしい?」

声を我慢するので精いっぱいののだめは、首を大きく横に振るしかできなかった。
声の代わりに目から涙がこぼれおちる。

「や・・・!欲し・・・いっ・・・!!」

喋ると大声で喘いでしまいそうで。
のだめは震える声で懇願する。

紅潮する頬を涙が伝う。
髪の毛を乱して、潤んだ眼で自分を見つめるのだめは
たまらなく淫らだ・・・。

っぷ・・・

千秋は愛液にまみれたその指をゆっくりと
焦らすように引き抜くと、のだめに覆いかぶさり意地悪く聞いてやる。

「欲しい?のだめ。」

のだめは肩で息をしながら大きく頷いた。
その合図を確認すると、千秋はのだめの耳元で囁いた。

「・・・声、我慢できないくらいにしてやる・・・」

「お前が欲しいのはコレだろ?」

千秋は指を3本に増やして再びのだめの中に侵入する。
のだめの眼がその瞬間は安堵から悲痛へと色を変えた。

「違い…マス…っはぁ…っ!!」

首を左右に振って訴えた。
濡れそぼるそこはもう我慢できないとばかりに脈打っている。

「何?まだ物足りない?」
「せ・・・んぱい、お願い・・・入れて・・・?
っはぁっ・・のだめもう、限界・・・デス・・・!」

「・・・入れるぞ?」

蜜で溢れたのだめの秘部は、ぬぷんと音を立てて千秋のものを一気にくわえ込んだ。

「っああん・・・!」

もう声を我慢する余裕などなくなっていた。

「せんぱい・・・のだめ、もう何も考えられまセン・・・、もっと、もっと・・・!!」

千秋はのだめの内壁をこねるようにゆっくりと動かす。

「・・・っ、すご・・・。お前の中、締め付けてくる・・・。」
「やんっ、恥ずかしい・・・っ!」

のだめはたまらず千秋の頭を抱きしめた。

ぐちゅぐちゅと卑猥な音が部屋に響き渡る。
千秋はだんだん腰の動きを早くしていく。
ぱんぱんと、お互いの肌が激しくぶつかり合う。

「あんっ!はあっ!あ・・・気持ちい・・っのだめ、もう・・・・!!」

のだめが絶頂を迎えようとしたそのとき、千秋は自分のものを引き抜いた。

「??!」

のだめは予想外の事に目を丸くして千秋の方を見た。

(がぼん・・・もうちょっとだったのに・・・!)

ビックリしているのだめに意地悪そうに微笑む千秋。

「乗って、のだめ。」

「先輩の意地悪〜!!」

そう言いながらも言われたとうりに千秋の上に乗り太ももまで蜜が垂れている
自分の泉を、そそり立つ千秋のそれにあてがう。

ゆっくりと体重をかけた瞬間、千秋は腰を突き上げた。

「!!っ!ああっ!!」

のだめは思わず腰をのけぞらせた。

「先輩・・・!気持いい・・っすご、奥まで・・・ああん!」
「はぁ・・・のだめ・・・っ!」

激しく突き上げられ、振り落とされないように千秋の胸の上に両手をついた。
少し前かがみになったのだめの胸は惜しげもなく上下に揺らされる。
思わず千秋はその胸をなでまわした。

たわわな乳房を掌におさめ、人差し指を尖りきった先端にあてがって震わせると、
千秋をくわえている部分は強く収縮してより飲み込もうと動く。
腹筋に力を入れ、千秋は迫る射精感をやり過ごした。

いつもなら遠慮がちに上に乗るのだめだが、今日は違っていた。
膝を天に向けている状態で大きく足を開き、突き上げる千秋の動きに合わせて
自分も腰をまわし、ゆらしている。

この格好だと、千秋からは……。

「のだめ……見えるぞ、繋がってるとこ」
「え……っ、いやっ、みな、いで……!」

のだめは足を閉じようとするが、千秋は胸から手を外し、膝を押さえつける。
更に開かれたその部分。
激しい抜き差しに雫は泡立っている。
その中で、先ほど散々嬲った肉芽がぽっちりと赤く光っていた。

「やらしい……オレのくわえて、こんなに濡らして」
「あん、や、ぁ……いっちゃだめで……ああん」

いやいや、と首を振った視界の端で、のだめは千秋がゆっくりと上唇を舐めるのを見た。
赤く触れた千秋の唇と舌。
薄い闇の中でやけに目立って、それが何故だかのだめのどこかに火をつける。
背筋をぞくぞくと快感の震えが駆け上がっていく。

「せんぱい、すき、です……う、ぁん」
「……知ってる……よ……」
「ほんとに、しんいちくん、あっ、あん……だけ……」

ぎゅっと閉じたのだめの目の端に、涙の粒が生まれるのが見えた。
千秋は激しかった腰の動きを緩やかにして、押さえつけていた膝の手を緩める。
そんな事はわかっているはずなのに。
十分、日常で感じている事だけれど。
信用していないわけではないが、とてもむかつく……誰にも触れさせたくないと思う。

……誰にも。

「あっ……ふっ、う……んんっ、はん、はぁん」
「のだめ……もう、いきそうなんだろ?」

痙攣にも似たざわめきが、千秋を包み込む。
何度も味わって知っているのだめの体の癖……。
坂道の頂点に届く一歩手前の部分にのだめがいる事を、自分の体自身で感じ、
千秋もまた、同じ場所へ向けて登りつめようとしている。
腰を固定し、奥を突いてやると、のだめはこくこくと頷いた。

「のだめ、どうして欲しい……? どうやっていきたい……?」
「だっこして……あっ、ぎゅっ、てしてください……ん」
「……おいで」

千秋は腕を広げ、倒れ込む様に飛び込んできたのだめの体をぎゅっと抱きしめた。

千秋は体を起こしお互い向かい合って座る形になった。
一度動きを止め、甘いキスを交わす。ねっとりと、絡みつくように。

唇を離すと同時に千秋は勢い良く突き上げた。何度も、何度も。

「ひぁあっっ!!あん!あん!っはあぁ・・・!」
「はぁっ・・・のだめ・・・っ!」
「あっあっ!しんいちく・・・いく・・・ッいっちゃうっ!」
「のだめ・・・ッ俺も・・はっ・・・一緒に・・・!」
「はあああぁんっ・・・!」

その瞬間、のだめの体がぶるっと震え、痙攣する内壁が千秋を強く締め付けた。

「すご・・・気持い・・・はあっ!!」

そして千秋も登りつめた。

-*--*--*--*--

「・・・ごめんな」

腕の中で、まだ意識を手放したままの、閉じた瞼に呟く。
いつもなら、壊れ物のように大事に扱うのに、今日は自分の感情のままに抱いてしまった。
自分の中に渦巻く激しい感情を抑えられなかったんだ。
のだめを誰にも触れさせたくないという、激しい独占欲。
一瞬、失ってしまったかもしれないと思った絶望感。
自分じゃないほかの誰かの下で、目を潤ませて、真っ赤な顔をしているのだめ
(酒に酔っているだけだったのだが。)を見たときの、焼け付くような痛み。
あの光景を見たときに感じたのは、「裏切り」でも「怒り」でもない。
あれはただの、「恐怖」だった。怖くてしかたなかったのだ。
フラッシュバックする父の背中。愛している人に捨てられるショック。
そんな気持ちをぬぐいさるために、のだめを執拗に抱いた。
何度も試した。

「そんなによがって、どうしてほしい?」

「欲しい?のだめ。」

「何?まだ物足りない?」

「のだめ、どうして欲しい……? 」

----お前には、俺が必要だっていってくれ。

馬鹿だな、自嘲気味に笑った。
そのとき、のだめが目をさました。

「・・・はぅん・・先輩?・・・すっごい気持ちよかったデス・・・。
先輩、今日はいつもより激しかったデスね・・・。意地悪ばっかして・・・。
のだめはSな先輩も好きデスケド・・・。しんいちくん、ヤキモチ焼きデスねvvvうきゅきゅっ♪」
「・・・うるせぇ」

のだめを小突く。

「ぎゃぼっ・・・。
・・・先輩?泣いてる?」
「泣いてねーよ。」
「泣いてないけど・・・目が子犬デスよ?」
「なんだよそれ・・・」
「いいこいいこ、デス。のだめは先輩のことを捨てたりしませんヨ。
のだめはいつまでも、真一君のものデス!ギャハvv」

こいつに出会うまで。
俺だってそれなりに恋愛をしてきた。
けれど、たとえ終わりがきたとしても、こんなに取り乱したり、自分の感情に歯止めがきかなくなることなんてなかった。なのにこいつは・・・いつも新しい感情をうませてくれる。
こんな風に、あったかい感情で包んでくれるのも、こいつだけだ。

--*--*--*--*--

(なんか背中が痛い・・・。)

フランクが床の硬い感触に目を覚ますと、そこは見なれた寝室ではなかった。

(あれ?ここは・・・チアキの部屋?なんでこんなところに・・・。)

床に散らばる一升瓶。散乱したお菓子の袋。なんだか少し頭が痛い。

(昨日ここで飲んだんだっけ?頭が痛いのは二日酔いかな・・・。
それにしても、チアキは・・・?)

寝ぼけ眼で、自分のはめていた腕時計を見ると、時刻はAM4時すぎ。
彼の場合、酒を大量に飲んだ翌日は、早く目が覚めることがあるのだ。
とりあえず、散らかしたゴミを片付けておこうと、立ち上がると、
寝室へ続くドアがあいているのが見えた。

(チアキのヤツ、自分だけベットで寝てるんだろうか・・・。)

フランクはドアをあけて、寝室をのぞきこむ。


Σ(゜Д゜*)


--*--*--*--*--

慌てて自室に戻ったフランクが鏡を見て、自分の腫れたほっぺに
二度目の衝撃をうけた事を、殴った本人が知るのはまたあとのはなし。。。






SS一覧に戻る
メインページに戻る

各作品の著作権は執筆者に属します。
エロパロ&文章創作板まとめモバイル
花よりエロパロ