千秋真一×野田恵
![]() 「・・事故!?」 のだめが事故!? マルレの事務所で俺はターニャからの電話を手に呆然と立ち尽くした。 「で、病院はどこ!?」 「え、えっと、救急車で運ばれて、それから・・」 ターニャも動揺してるらしく、あたふたしている。 「だから病院は!?」 俺の怒鳴り声を聞いてテオが事務所に飛び込んできた。 「千秋、何かあったの!?」 「あとはパート練習で、頼む!」 「千秋!」 テオの声を背中で聞きながら、俺はタクシーを拾うために道路に飛び出た。 くっそー あのバカ いつもふらふら歩いてるから! 悪い想像が頭を駆け巡る。どうか無事に… 病院に着くと、タクシーの運転手に札を投げつけ、 病室に走った。 病室には涙ぐんでいるターニャと頭に包帯を巻かれ目を閉じているのだめ。 「!」 その光景に俺は脚が震えた。 「のだめ!?」 のだめの手をとると、暖かいのにぐったりしてる。 まさか、手遅れ・・? 「のだめ!おいっ 起きろ!」 体を揺すっても動かない。 「おいっメシだぞ!のだめっ」 頬を激しく叩くが動かない。 心臓の鼓動が早くなる。まさか・・? 嘘だろ・・ 「のだめ、起きろって!」 「ち、千秋!落ち着いて」 俺をおさえようとするターニャの腕を振り切った。 「のだめ!」 俺は、お前に、まだ言わなきゃいけない、言ってないことがあったのに。 「…のだめ、なんで?」 大事な言葉をまだ言ってなかったのに。 足の力が抜け、熱いものが一気にこみ上げてきた。 動かないのだめに突っ伏して、俺は呟いた。 「のだめ・・愛してる・・」 「…のだめもデスよ。先輩」 「…………」 のだめが目を開けてにっこり微笑んでいた。 呆然とした俺から目をそらすように、ターニャが言った。 「千秋ったら! のだめ、食あたりで階段から転げ落ちただけなのに。 すごい勢いで飛び込んできたから、言えなかったじゃない・・」 嘘だろ… 「先輩もう一回言ってくだサイ。愛の告白」 「二度と言うか!アホらしいっ 俺は帰る!!」 「むきゃー 先輩〜」 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |