言う前に言われてしまう千秋(非エロ)
千秋真一×野田恵


「どうかしたんですか? 上の空デスね……?」

のだめは重なっていた唇を外して、オレの顔を両手で挟んで覗き込んだ。

「いや、なんでもない……」
「んふん、のだめにしゅーちゅー、してくだサイ」
「バーカ……」

こういうタイミングで言えば、多分そんなに照れないでも言えるんじゃないだろうか。
さらっと自然に言えるんじゃないだろうか。
うん、そうだ。
言うならここだろ。

「……のだめ、……す」
「好きデス! ……真一くん」
「え、あ……うん」


《後日》─────────────

ふう、と溜息をついたのだめを今一度強く腕に抱きしめた。
こういう時にはオレに抗うことなく、素直に身を任せてくる。

今日は……言おうと思う。
言ってあげたっていいと思うし……というより、言いたいのかもしれない。
本当の事だと思うし。

ほら、こういう時だろ。
素直に口にすればいいんだ、きっと。
ピンク色に染まったのだめの耳に口を寄せた。

「……のだめ、……あい」
「愛してマス……はうん……」
「え、あ……」
「エヘ……」
「うん……」






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