お出かけちあのだ
千秋真一×野田恵


前回:手を出してこない(黒木泰則×ターニャ)

空を夜の帳が包み、パリの街は柔らかい光を発する集合体になる。
閉店した後もライトアップされるショウウインドウには宝石が並び、待ち行く人々を彩っていた。
通称宝石通りを歩く千秋たち二人も、先までの芸術鑑賞に心を躍らせながらまた、歩いていた。

「はう〜良かったでデスね〜くるみ割り人形・・・」
「足伸ばしてよかっただろ。」

最初は黒木とターニャに気を使って無理矢理オペラ座まで足を伸ばした千秋だが、
結果のだめも喜んでいる様子に、軽い安堵を覚えた。
実をいうとまだ時間は早いし、アパルトマンに帰ろうと思えば帰れる時間では、ある。

「センパイ、ホテルこの近くって言ってましたケド・・・・どれデスか?」

無邪気に小首を傾げるのだめに、千秋は胸中の下心が湧き上がるのを感じた。
口ではああいったものの、こんな悶々とした気持ちでアパルトマンに帰るのでは、
気持ちが治まらない。

(クソ、あいつら上手くいってなかったら許さねー・・・)

「ん、ココ。」

自分の下心で振り回してしまっているのだめに申し訳なさを「手を握る」という行為で
整理し、慣れた足取りでホテルのドアを潜る。

ココ、と手を引かれてはいったホテルは歴史と高級感を感じさせ、多少の威圧と多大な感動をのだめに与えていた。

「ふあおお・・・・なんか、お城みたいデス!!・・・の、のだめお金無いデスよ・・・・?」

実に庶民的な小声でのつぶやきに、呆れた苦笑で

「お前な・・・俺が連れてきたんだからそこは気にするな」

と返した。

ロビーの大きな一人掛けの椅子にのだめを座らせると、千秋は手馴れた様子でフロントで手続きを行っている。
広いロビーは吹き抜けで作られており、壁のアンティークな象牙色が歴史を感じさせる。

「おおうー・・・・」

隅にはアップライトピアノが置かれており、雇われ奏者であろう初老の紳士が音色を奏でていた。
暖かい雰囲気に包まれ、賞賛の溜息で口が塞がらなくなっているのだめに呆れながら

「口ぐらい閉じろ。ほら、部屋行くぞ」

と、促した。

客室もまた、のだめの口を塞がらなくさせるには十分な豪華さで本日の主を出迎えた。

「むきゃあお姫様ベッドです!!しゅてき・・・のだめシヤワセでス〜はううん・・・・」

クイーンサイズのダブルベッドには上からシフォンのカーテンが垂れ、サイドに留められている。
いわゆる、天蓋付きのベッドだ。

「・・・おまえ、こういうの好きだろ。城とか」

目を輝かせて天蓋ベッドに飛び込むのだめの喜び様に、内心嬉しく思いながらも
ぶっきらぼうに答える。

「も〜ほんとにシュペルでス!!トレビアン!!」

千秋は窮屈なジャケットを脱ぎ、シャツのカフスボタンを外して寛げ、のだめの隣へと腰を降ろした。

「・・・・黒木くんとターニャ、上手くいきましたかネ?」
「・・・・そこまで責任持てるか。・・・・まああの2人なら大丈夫だろ。」

ベッドサイズに比べると多少手狭(といっても十分広くはあるが)な部屋は、年代物のライトが暖かい光で照らしている。
他愛ない会話が、ゆっくりと流れてゆっくり時間が流れている気がした。

「のだめ、先に風呂入るぞ」

休息の一服を終え、千秋がバスルームへと向かおうとすると

「え、・・・・い、一緒に入っちゃダメでスか?」

と、のだめの指がカッターシャツの裾を掴んだ。

千秋はふ、と驚いた様に動きを一瞬止めてから、不適な笑みで「別にいいぞ」と返す。

下心は、お互い様なのかも、知れない。

バスルームはフランス人のサイズに合わせてか心持ち広く作ってあった。
バスタブにお湯を溜めながら、脱衣所で衣服を脱ぐ。
お互い何度も体を見ているというのに、気恥ずかしいのか千秋が入れる状態になっても
まだのだめはもたもたとワンピースのボタンを外していた。

「お前脱ぐの遅いよな。ほら、手あげろ」
「うう、センパイが早すぎるんデスよ!!いいから先行ってて下サイ!!」
「ハイハイ。」

いつもこんな雰囲気になった時、のだめは普通だと考えらないくらい照れる。
通常であれば千秋のシャワーを覗くくらいの変態っぷりを発揮するのに、と千秋は少し微笑ましく思った。
バスルームに入り、シャワーで一先ず体を流す。
髪を洗っていると後ろのドアが開き、のだめが入ってきたのを雰囲気で感じた。

「こら、体流してから入れって」

まだ溜めている途中の浴槽にそろ、と入ろうとするのだめの項を掴み自分の方を向かせる。

「むきゃ!千秋センパイまだ髪洗ってるじゃないデスか」
「もう終わったよ、ほらこっち座って」

備え付けられている座椅子に座らせて、千秋は後ろに立ち、熱めのシャワーを振り掛ける。

「ぎゃぼ!あっついデス!!」
「消毒だ消毒。」

手早く髪を洗い、そのままボディシャンプーを手に取ると肩から腕へ、手で馴染ませていった。

「ちょ、センパイ・・・体は自分で洗いマス!!」
「いいから黙って洗われてろ」

ぬめりのあるボディシャンプーを少し強い力で伸ばし、体の隅々まで洗っていく。

「・・・ッ、・・・」

千秋の手が腕から体に移り、腹や胸の位置に近づいていく。

「・・・また育ったな。」
「うう、その発言オヤジ臭いで、ス・・・っ」

あくまで、体を洗う手つきでその掌にあまる質量を撫で洗う。
そこを指が這う度にのだめの体はふる、と一瞬息を呑み、その振動はダイレクトに千秋に伝わっていた。
あえて弄る事はせずに洗うだけ。
もどかしくて、いやらしい。

「ん・・・ッ・・・」

千秋の手は腕に戻り、後ろから両手でのだめの手を握るように包み込み、ゆっくりと洗う。
てのひら、手の甲、指、そして指の股をなぞる様に千秋の指は動き、その度に、のだめは体を揺らした。

「やあ・・・そ、そこくすぐったいデス・・・」
「ん?どこが?」
「うう・・・っ、センパイ今日はカズオどころじゃナイ・・・」

千秋はそしらぬ顔で、また手を体へと戻す。

「ほら、こっち向け」

くるり、と体を反転させて、次は足を洗う。爪先からふくらはぎに上り、滑らかな太ももへと指は這い上がる。
足の間に体を滑り込ませて、足を薄く割り開くと、指はふとももから秘部へと滑っていく。

「ア、っ・・・センパ・・・ぃ・・・・ッ」

ソープとは違う内側からのぬめりを指先に感じて、それを纏ったまま過敏になっている場所を撫ぜた。

「ひ、んッ」

鼻から抜けるような甘い声が漏れて、浴室にこだまする。
ぷちゅ、ぷちゅと湿った音と、荒い息の空間。

もう自分の力で体の支えられないのだめは、千秋の方を抱く様に前にもたれた。

「や、あ・・・センパイ、そこばっかり・・・ッ・・・ダメでス・・・っ」

快感がのだめの背を走り抜ける度にびくびくと体が震える。

「気持ちいい?」

千秋の分かりきった問いに頭を軽く振って答えると

「のだめばっかり、や、デス・・・っ」

と、潤んだ視線を千秋に飛ばした。

「っ、馬鹿」

撫ぜる速度と力を加えて、千秋はのだめを追い詰める。

「!ゃ・・・あ・・・やあぁ・・ダメで、す・・・・はぅ、ん!!」

回した手に一瞬力が篭り、不意に力が抜ける。
荒い息で、くったりとするのだめにキスを落とし体に纏わり付いた泡を流した。


もうすでに浴槽には湯が溢れてしまっていたけれどもそんな事は些細な問題だった。

二人で入れる位に大きな浴槽に、身を沈める。

「今日のセンパイはなんか・・・ハブの様デス・・・・」

ぽちゃりと、足で湯を蹴り上げる。

「・・・うるせーよ」

図星なのか赤面する千秋のものは、もうすでにしっかり固まっていて、のだめの腰に当たっていた。
手は自然に体を這い、たわわな胸部を遊ぶように刺激する。
指は突起を弾くように上下し、偶に爪が尖端を引っかいてまた転がしていく。

「・・・ッん、センパイ・・・」

のだめの秘部はすでに液体を多分に含んで、それが進入するのを待っていて。

「・・・・名前、呼んで。」

のだめは振り返るとすこし高い位置にある千秋の唇に、ちゅう、と口付けて

「・・・・しんいち、くん」

と、照れた声音で呟いた。

それを合図にか、ゆっくりと、狭い入り口を分けて熱い体内へと進入を始める。
纏わり付く湯が感覚を鋭敏にさせていって

「んん、・・・っセンパイの、熱い、デス・・・」

根元まで、押し進めて納めると、待ちかねたかの様に抜き差しを始めた。

「は、あ・・・ッ、あ、あ、ん〜・・・・ッ」

落とされた腰の、体内を抉るように突き上げる。
突き上げに合わせて浴槽の湯が揺れ、弾けて、また肌を濡らした。

「は、あ、ん・・・んん、ッ」

何度も繋げた体は快感を得る場所を覚えていて、そこばかり執拗に突き上げる。

上り詰める射精感を抑えて、千秋は目の前で揺れる柔らかな胸に口付けた。

「ひゃ、あ、ん」

走る快感に硬くなった尖端をちゅ、と吸い、唇で甘噛むようにして、その柔らかさを堪能する。

快感に歪む顔が、震える体が、自分のものであると思うと堪らなくて千秋はのだめに口付けると

「おまえ、かわいい。」

と、囁いた。
きゅう、と瞬間内部が収縮して、また解ける。
濡れた髪が額に落ちるのも気にせずに千秋はのだめを掻き抱いた。

「やあ、っ、んん・・・センパ、イ・・・っ・・好きデス・・・だいすき・・・・っ」

速度が徐々に上がり、せりあがる感覚はもうそこまで頂点が来ていて・・・。

「は、うぅ・・・のだめ、も、ダメ、だめ、でス・・・・ぅ・・・っやああ!」

内部がぶる、と震え、ぎゅう、と千秋を締め付ける。
その絞られる感覚と、快感に歪んだ恍惚の表情に、我慢なんてできる訳が無い。

「・・・う・・・ん、くう・・・っ」

千秋も限界まで来ていたそれを手早く引き抜き、湯の中に放った。

白濁した液体が温くなった湯に浮かび、上下する千秋の胸にのだめは持たれて、うっとりと目を細めた。

「・・・こら寝るな」
「むきゃ、・・・のだめ、のぼせまシタ・・・・」

溜息混じりに千秋は立ち上がるとのだめを持ち上げバスルームを後にする。

あとはゆっくり寝るだけ、だ。


後日談

「なあ・・・俺って小さいのか?」
「むきゃ・・・なんなら・・・は、測ってみます・・・・?(ハァハァ)」
「測るか!!・・・・お前に聞いた俺が馬鹿だった」

「センパイ・・・・そういうのは大きさじゃなくて愛デスよ!愛!!ぎゃはあ!!」
「・・・・・(溜息)。」






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