卵酒
千秋真一×野田恵


「先輩…あたし死ぬんデスカぁ・・・?」

鼻声の辛そうなのだめの声が聴こえる、が、

「あほ、ただの風邪だ!」

俺のベッドでのだめが寝ているのは汚い部屋で朝死に掛けだった
のだめを保護したからだ。
最初発見したときはごみのなかにうつ伏せになっていたから死んだのかと
思ったが寝ていたらしい。(本人談)
すぐに俺の部屋に来ればいいものをオーディションが終わったばかりの
オーケストラで忙しそうだった俺を気遣ったらしく…
しかし倒れて夜もうちに来ないなんてそっちのほうが
余計気になるんだが。
いや、気になるという言い方は若干違う。心配でかわいくて仕方がない。
好きなら素直に、俺がピアノを弾いていても勉強していても頼って欲しいのが本音だ。

だいぶ熱は下がったが震えたり熱特有のなみだ目になっているのだめを
見ていると俺に与えられた使命よりも
のだめを優先してしまう。
日本にいたときの俺がみたらなんと言うだろう。

風邪だろうと思い、作っていた全粥がなべから噴いていて
のだめから目を離し火を止めさらに移す。
お盆にのせのだめのいるベッドに持っていくが
すでに遅く、あいつは寝息をたてている。
こんな風な日常を今は幸せに思う自分がいて、微笑む自分に気づき赤面する。
吹っ切るように自分のいますべきことのために机に向かった。

夜中、汗をかいたりベッドから落ちていないかを確認するために近づくと
足音に気づいたのかこっちを見るのだめがいた。

「お、おい、さっき作ったおかy」
「せんぱい〜、のだめ玉子酒がのみたいデス〜」

…俺が最後まで言わないうちに、俺の言葉が聞こえなかったのか
自分の要求をいうのだめ。
いつもそうだ。
人のことを知らずに暴走する。
しかしそれを拒めず言いなりになるのはもちろん嫌いではないからだ。

「…わかった。そこで待ってろ…ったく」

俺は不機嫌そうに、しかし不意打ちのように可愛かったのだめのねだる顔に赤面していた。
本当はさっきから顔の赤いのだめの息遣いや涙目になっている瞳に上目遣いをされると

ひそかに興奮し赤面していた。
そんなことを頭から消すべく日本酒を火にかける。
なめらかで濃厚な玉子酒を作るために卵黄だけを使い砂糖、しょうがの絞り汁を加え、たまごをとく。
火にかけておいた日本酒のなかに少しずつたまごを入れる。

完成したたまござけをのだめにもっていく。

「おい、飲めるか?」
「はぃ〜ダイジョブです!

ふわぁぁぁっ。凄いおいしいデス!」

「当たり前だろ。誰が作ったと思ってる」
「ゴホッ。うぅ〜。すみません。あんまり近づかないほうが良いデスよ。
うつりますカラ。」
「人の部屋のベッドで寝てるくせに何をいまさら…。
むせてたけど大丈夫か?
はぁ…仕方ないな…。」
「へ?ちょっセンパ」
「少し黙れ」

のだめの言葉を玉子酒とくちで遮る。
ようするに口移しだ。
長い沈黙だった。
のだめは俺の目を見つめ口の端からこぼれる玉子酒など少しも気にすることも出来ず
突然のこの状況を理解しようとしている。
のだめが全て飲み込むと一気に顔を真っ赤にし叫ぶ。

「ぎゃぼーーーーっ!何してるんデスカせんぱい!
かぜ本当にうつりまスよ!明日だってオケストラの練習が」
「いいから黙ってろ」

じょじょにのだめの体から力が抜けていくのが分かった。
俺が背中に手をまわしゆっくりベッドに体を倒す。

「うつせばお前は治るんじゃないか?」
「だ、だめですよぉ…。せんぱい…。」

のだめの上気した体が、声が、意識はきっと、
今俺が服を脱がせていることなどどこか遠い出来事のように感じているに違いなかった。
とめようとしてなのか俺の手を握るのだめだったが力が入らず
俺は脱がせる手を止めず続けていく。

「はうぅっ…先輩…っ …ぁっ」

のだめの熱い胸にさわり、ふくらみを口でなぞりながら
徐々に下にさがっていく。
その間も高い声ですがるように叫んでは俺を欲情させていた。
いつも以上の熱気が俺の意識も朦朧とさせる。
こいつの下はもう溶けるほどに濡れていた。

「だめっ・・ですよぉ…センパイ…ぁ「だめっ・・ですよぉ…センパイ…ぁっ・・・!」
「もう駄目だな。俺もお前も…いくぞっ」

そのときのだめの声を聞いてからの記憶がない。
気がついた時にはもう頭も痛くベッドから起き上がれそうにない状態だった。
俺は。

「何でお前はもうそんなに…」
「ナニ言ってるんデスカァ!千秋センパイが治してくれたんじゃないデスカ!

今度は私が治してあげる番デスよ!」
自分の言ってる意味が分かってるのか分かってないのかのだめは無邪気なままだ。
俺はそんなのだめを見てイラつき押し倒す。

「じゃぁ治して貰おうかぁ…」
「へ?ちょっと!先輩ぃぃ!ぴぎゃぁぁぁぁぁ」






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