千秋真一×野田恵
![]() 3日後、 「突撃近所の晩御飯!第一話!」 「もう来たのか…俺もう飯食っ…」 「今日食べるのはそっちのご飯じゃないです」 「はぁ?」 「今日先輩が食べるのは〜」 「?」 「の・だ・め・ですヨ♪」 「…」沈黙続く 「…とりあえず、入れよ。」 「はい…。」 カチッとドアが閉まると、のだめは千秋を見上げた。 「部屋の外で大きな声で言うなバカ!」 「ぎゃぼー」 千秋の見事な脳天チョップをくらい、のだめはしゃがみこむ。 「だって〜のだめは妻デスよ?みんな公認なのに〜」 「場所をわきまえろ、と言ってるんだ」 ぴしゃりと言い放つと、千秋は奥の部屋へ行った。 「大丈夫デスよー日本語みんなわかんないデスよ」 呑気な口調で、のだめが唇を尖らせてついてくる。 …もちろん、のだめが来てくれるのは嬉しいことで。 隣の部屋だった今までとは違う、ある意味「新鮮な」状況なのだが… 「先輩、やっぱりとりあえず晩御飯恵んでください!」 「やっぱりそれかよ。」 「熊肉フレークは嫌デスよ」 …なんで冷蔵庫に入ってること知ってるんだ? とりあえず、俺はのだめに恵んでやる食事の支度に取り掛かった。 引っ越してから3日。たったそれだけ離れただけなのに 随分と久しぶりに会う気がするのはなぜだろう。 (オレ、のだめ欠乏症なのかもな・・・) ふと思い、耳が熱くなる。 (ガキじゃあるまいし、初恋かっつーの。) 心の中で否定しつつ、のだめを振り返った。 「のだめ、冷蔵庫から白ワインとゴルゴンゾーラ出して」 室内を見てまわっていたのだめは、はーいと返事をした。 「先輩?のだめ今日来ちゃマズかったですか……?」 食事の用意を始めた俺の後ろから、少し遠慮がちなのだめの声が聞こえた。 オレ自身がまだ新居に慣れたわけではない。けれど、以前より小さなこの空間にのだめと 二人きりでいると、よりいっそう落ち着かない空気が部屋一杯に満ちていくのを感じる。 数日前に会ったばかりののだめの声も、どこか新鮮に響く。 「別に…。次のリハまではまだ時間あるし……」 “それなら、よかったです”と言って、羽織っていたコートを脱ぐ仕草さえ、目新しく感じる。 「のだめも明日学校お休みなので、今日はお泊まりしようかと思って。一応準備はしてきたんですけど……」 「あ、泊まるの?」 「ハイ!ダメですか……?」 「別に…。構わないけど……」 「ふふっ、先輩、さっきから同じようなことばっかり言ってますねー」 「うるせー」 部屋の空気がまた重くなる 先に口を開いたのは、のだめだった。 「引っ越したんだし、今日はのだめが左側で…」 「おい、何の話をしている。」 俺は即座にツッコミを入れた。 「だから〜、わかりませんか?先輩、」 「わかるか。」 「ベットの位置、デスヨ」 カチャーン 手に持っていたフォークを落とす俺がいた。 「・・・おまえなんで今日そんな気合い入ってんの?」 動揺して落としてしまったフォークを拾い、シンクの中に置く。 「え〜、だって・・・先輩はこんなのだめイヤですか?」 ゴルゴンゾーラソースのかかったペンネを突きながら のだめ上目遣いにこちらの様子を伺う。 「いや、別に・・・」 こんなに積極的なのだめは見たことがない。 (むしろ、すげー嬉しいかも) つい表情が緩んでしまいそうになるのをなんとかうまく誤魔化して、上目遣いのままののだめを見る。 「…のだめ」 「はい?」 「ソースついてる」 「ぎゃぼっ、どこデスか〜?」 俺はのだめにそっと顔を近付けると、唇の端についていたソースをペロッと軽く舐めた。 「むっ…ムキャーっせんぱい!」 真っ赤な顔をしてビックリするのだめを見て、つい噴き出してしまった。 「さっきやたら積極的なこと言ってたのは誰だよ」 「せ、積極的なこと? ……全然違いますヨ! 先輩の解釈がエロイだけデス。のだめはいたって真面目デス! 自分の体で今すぐ証明してみせます。 ……ふぉおぉおー!」 いつものように奇声、いやのだめのおたけびが嬌声にきこえるのは、 俺の気のせいだろうかと千秋は思った。 「おい、お前まだ飯食ってる途中だろ!」 完璧主義の千秋には食べかけの夕食が 目に付いて仕方なかった、 「だってー今誘ったのは先輩じゃないですか!」 「そうさせたのはどこの誰だ!」 「のだめですが、何か?」 この自信家が、わかってやってるんじゃねーか。くそっ! 「…もういい、わかった。 シャワー浴びてくるからその間に食うモン食って準備しとけ。」 「準備って、先輩えっちデスーーー!」 「エロいのはお前の頭の中だろ!ナニ考えてんだ!」 「先輩のせいでえっちになっちゃったんデス!」 なんやらかんやらしてる間に、時間はコツコツと過ぎていく、 また無駄に時間を使ってしまった… そう思い、千秋は体の方向を変え、シャワールームに向かった。 「先輩、ちょっとまって!」 そういって、のだめが呼び止めた。 「なんだ…(よ)」 千秋が振り向くと、のだめは千秋の唇に今日2回目のキスをした。 「準備して、待ってます…」 「…うん。」 …可愛いじゃねーかよ! シャワーを浴びているのについつい口元が緩んでしまう。 別にそんなつもりじゃないのにと…邪念を振り払おうとするが、 余計気持ちを増長させてしまう。 ま…キスの余韻が唇にある限りは無理だろう… 風呂をあがると机の上がきれいになっていた。 のだめもご飯を食べ終えたみたいだ。 で…あいつはどこに行った?もうベッドに…? タオルで頭を拭きながらベッドルームを探しに行く。 ベッドルームは真っ暗で一瞬いないかと思った…が 布団がふるふると震えているのが分かった。 こんな時にかくれんぼとは… ホントこいつは色気がないというか、なんというか。 「のだめ」 返事がない。 「バレバレだ、隠れるならもっと分かりにくいところにしろ」 そういいながら、オレも布団の中に入りのだめを後ろから抱きしめた。 後ろからのだめの顔を覗き込むと 「ちょ、おまえその顔…」 なぜかのだめの顔は真っ赤だった。 「あ、いや違うんデス、急に抱きしめるからびっくりしちゃって。あははなんか照れちゃいました」 もう付き合って何ヶ月だよ…といいそうになったが 何も言わずもう一度抱きしめた。 …のだめの顔が赤くなっちゃったの、何でわかったんデスかね。部屋暗いのに。 先輩は何もかもお見通しみたいで、のだめはちょっと悔しいデスよ。いつも。 「…のだめ」 名前を呼んでくれる声はとても優しくて。 やっぱり照れてしまうから、つい色気のない顔をしてしまいます。「せんぱい…髪いいニオイ…あへー」 「…またニオイかよ」 呆れた顔。でもこの表情も好き。 先輩のまだ濡れてる髪をなでなですると、先輩の顔がゆっくり近付く… 「んっ…」 目を閉じた瞬間、唇が重なった。 この唇の感触も…大好き。 のだめは俺の胸元に耳を当て俺の鼓動を聞いていた。 「先輩・・ドキドキ鳴っている・・・。」 俺はのだめの頭をそっとなでる。 最近は風呂に入っているみたいだな・・・。 のだめの頭、少しいいにおいになったかな・・・。こいつのにおい少し落ち着く・・・。 本当にヤバイよな…すっかり俺も『変態の森』の住人だ。 「せんぱい?」 少しマヌケな声で、でもかわいらしい表情でのだめが俺の顔を見つめている。 また髪を撫でて、そして、再び唇を重ねる。 のだめの手がゆっくり俺の背中を這う。 一度唇を離し、見つめ合って、またくちづける。 今度は深く。 「…っん」 今までに何度キスをしたのか、もうわからないけど のだめは相変わらずその度にピクンと反応する。 それがまた可愛くて仕方ないのだけど… 「…せんぱ…い、お隣の部屋…じゃなくなって、さみし…い?」 「…キスをしながら話すのもお前らしいよな」 「がぼん…話をそらしましたね…。」 「おまえは…?さみしいのか?」 「…時々は。」 「時々かよ!」 これ以上そんな口が叩けなくするかのようにのだめの唇をふさいだ。 激しく、執拗に口内をむさぼる。息も出来ないほどに、激しく。 さみしいなんて、この俺が思うはずがない。だけど、いつも感じていた。 何かが足りないと…。4年間も、のだめが側にいることが当たり前になっていたんだ。 「ん…ッ…はあっ…」 服の上から胸の膨らみに手を当てると、小さな声が漏れる。 やっとの事で唇を解放されたのだめは、魔法でもかけられているかのように 目がとろんとして、体の力が抜けてぐったりとしている。 なんだかんだといいながら、いつもこうだ。 そしてそんなのだめがたまらなく愛しくて…。 頭に血が上りかけていると まだなにかのだめが話そうとしている。 こいつしつこい… 「ちょっと…黙って…な?」 "寂しいよ"なんて恥ずかしいことを言いたくないぞ…オレは。 ごまかす様にまた胸に触れた…さっきよりも強く、オレの欲望を表すように… 「はぁー…んんー」 のだめから気持ちよさそうなため息が漏れた。 顔を上げてみると目をギュッと閉じている。 オレは頭に血が上りそうなのを必死でおさえながら… いや、実際抑えられていなかったんだろう。 「寂しいよ」 つい言ってしまった。 のだめはギョっとして最初なんのことだ?という顔をしたが、 さっきの話の続きだと分かると 「そうだと思ってましたヨ」 と得意げにいった。 のだめのテレ隠しと分かるとそれが嬉しかった。 「先輩はさみしがりなとこあるから」 額にかかったオレの髪をかきあげながら、のだめはにっこり笑った。 「オレは子供かっての」 そう言ってみけれど、否定は出来なかった。 おまえと会えないのがこんなに淋しいとは思わなかったんだよ。 言葉に出せない分が、体で出てしまう。 胸の桃色の突起はまだ柔らかく、口に含むと甘い香がする。 まぁ予想通りの展開というかなんと言うか… この甘い香りにいつもオレは理性を失うんだ。 いくら理性を失っても気持ちよくなってほしいという気持ちは変わらないから そこが濡れていると少し安心し、そこからさらに気持ちが森の奥へ。 小さな突起を触れ、わざとくちゅくちゅと音を鳴らす。 これはのだめが興奮すると分かっているから。 くちゅくちゅ… 「あああ…先輩…」 「はぁ…はぁ…」 いつもよりオレが興奮してるのが分かるんだろう。 いつもより声が大きいな。のだめ。 気持ち良いか? そう、もっと気持ちよくなってやらしい声をもっとだせ… それがオレの一番の快感だから。 (やばい、オレ今日止まんないかも) 血の上った頭で、ぼんやりとそう思う。 「のだめ、今日ほんとに泊まれる?」 「あっ・・・はん、泊ま・・・やぁっ」 のだめは後ろから胸を揉みしだかれ、首を縦にふるだけで精一杯だ。 (じゃ、まぁいいか) 左手はそのままに、右手をゆっくりと下の方へ這わせていく。 脇腹をなで、太ももの付け根をさすり、じらすように。 「ふぁ・・・はぁ・・・」 切ないため息は、少しずつ千秋の理性を鈍らせる。 俺はそっとのだめに指を一本入れる のだめの中はこれを待っていたかのようにギュっとしまり 指を受け入れる。 早く自分を入れたい衝動に駆られながらも 指を動かした。いつもよりもずっと遅いスピードで。 「はぁはぁ…先輩…」 「ん…?どうした…?」 できるだけ優しくささやく。 こんなときだからこそのだめが不安にならないように。 「はぁ…んん…あぁぁ…」 いやらしい声を出しながらなんでもないとのだめが首を振る。 ま、俺も分かってて焦らしているのだが。 「のだめ…?」 のだめはずっと首を振りながら、どんどん俺の指をぬらしていく。 こいつ、今日すごい感じてるな。 やっぱりたまには焦らすのも良いかも。 俺も興奮…するし。 でも… 「ああああああぁっぁんっ」 のだめの声がさらに大きくなる。 そう、俺は我慢の限界だった。 この声が俺を興奮させ、めちゃくちゃにしたい気持ちでいっぱいになる。 指を二本をおもむろに入れると本能のまま動かす。 「ああぁぁっ…ああぁ…」 ぐしゅぐしゅというが部屋中に響く音が 俺だけではなくのだめも掻き立てている。 本能のままになっても素直に答えてくれるこの身体が愛しくてたまらない。 早く一緒になりたい。その思いだけが俺を支配していく。 「はぁはぁ……せ、先輩っ! これがクリスマスプレゼントですか? のだめはもうちょっとロマンチックに、ピンクのモーツァルトで攻めたかったデス!」 「……モーツァルト? それって俺により変態になれってことか!?」 「そうともいいマス。……あっ、ソコは…………」 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |