おいで
千秋真一×野田恵


「おいで」

一緒にゴムをつける作業を終えて、横たわろうとする のだめの腕を取った。
逆にオレが仰向けになり、のだめを上に乗せようと誘ってみる。

「こういうの……どう?」

のだめから見下ろされる……騎乗位は初めてだ。
ずっと受け身でいたのだめも、この頃はオレの下で自ら腰を揺らがせている。
だから、上にしたらどんな風になるのか見てみたい。

「はっ、うっ……、でもセンパイっ……」

のだめは頬をカッと染めて、目を逸らす。
強ばる様に手が握られたのが見えた。

「大丈夫だから……ほら」

優しく手を引き、腰に掌を這わすと、観念したのかこくんと頷いた。
戸惑った表情ののだめがおそるおそるオレをまたぐ。
そのままのだめの体が重なり、キスをする。
上から押しつけられる胸の感触が新鮮だ。

「のだめ、入れたい……」

耳元で囁くと、のだめはそっと体を起こし、自分の秘部をオレにあわせる様に腰をくねらせた。
だけど……当然ながら、それだけで入るわけがない。

「はやく……」
「でも…、なんか怖いっ……」

のだめの腰が前後に揺れる。
とろとろに溶けて熱いのだめの襞や、ぷっくりと膨らんだ突起が、オレの裏側を撫でていく。
やばい……これだけで、十分な刺激だ。

「おい、それやばいから……いきそう」
「センパイっ……、終わっちゃいやデス……」
「じゃあ自分で入れてみろよ……はやく」

意を決したのか、のだめは腰を浮かせて間に手を滑り込ませた。
のだめのこすりつけた愛液でぬるぬるになったオレを掴み、自分の窪へ導く。
先端と入り口が触れあったとき、オレものだめも溜息をつきながら身震いをした。
そして……魅惑のみちみちた中に埋められていく。

「あ、は……入って……!」
「ん、あっ、きつっ」

はあはあと肩で息をするのだめはオレの腹に手をつき、苦悶とも快楽ともつかない表情を浮かべて少しずつ体を動かし始めた。
慣れないながらも腰をくねらせ、体の位置を少しずつ変える。
それは、自分で快楽を探している様に見えて、とても淫靡だ。
薄暗がりの中、すっと背筋を伸ばしたのだめが白くぼんやりと浮き出ていて、神々しいほどに美しい。
堪らない衝動に駆られて、のだめの腰が下がるのにあわせて少し突き上げてみた。

「あっ、あっ、奥あたって……、きゃぁん……」

のだめはぷるぷると首を振り、一際高い声をあげた。
知ってる。
奥が一番感じるのは。
ここを突くと、のだめがどんなにかわいい女になるのかを、オレだけが知っている。

「奥がいいんだ? じゃ、こっちは?」
「いやっ、そこダメぇ……」

そしてもう一箇所……淡いピンクの、胸の突起。
指の腹でなじる様に摘むと、締め付けが一段ときつくなった。
吸い込まれる感覚と、肉の粒がまとわりつく感じ……。

「は……う、くっ」
「あ、あーん、だめ、だめぇーー」

強く強く突き上げると、のだめはその衝撃で絶頂を向かえた。

「はぁ……はぁ……あぁん……」

かくん、と後ろに倒れそうになるのだめを、立てた膝と掴んだ腕で支え、しばらくゆっくりと息を吐いた。
ぴくぴくと震えるのだめの中で、まだ硬度を保っているオレ。
まだまだ……もっとのだめが欲しい。
瞼が開き、とろんと快楽に浸った瞳が、こちらに向く。
手のひらの中の力無いのだめの指をそっと握ると、握りかえしてきた。

……まだ、いけるだろ?

「膝、立てて……おまえのいやらしいところ全部見てやる……」
「えっ……?やぁ……、センパイちょっと待って……」

ぺたりと座っている状態ののだめの膝を掴み、ひっくり返す様に促した。
抵抗も出来ないのだめは、オレのするままに開脚のポーズをとる。

「だめ。待たない……すげ、丸見え」
「え……?やぁ……、うそ、嘘……」

微かに毛の生えている恥丘の下に、 繋がった部分が露わになった。
摩擦で泡立ったのか、白くなったのだめの愛液が、襞を縁取っているのが丸見えだ。
のだめは恥ずかしさのあまり膝を閉じようとするが、絶頂による震えでそれは叶わない。

「入ってる、おまえの中に、オレのが……ぬれて、光ってる」
「そんなことっ……、言わないでくだサイ……」

まだ時折ひくっ、と痙攣するのが見えるのだめの秘部に、オレが入り込んでいる。
飲み込まれている、といった方が正しいかもしれない。

「やらしい、のだめ。まだひくひくしてる」
「やん、やあん……」

ヤダ、と言いながら、中はまたきつくなる。

「見ろよ、自分でも。どんなにやらしいことしてるか……オレたちが」
「センパイッ……、ひゃっ、そんなっ、発言がエッチすぎます……」

体を起こし、向かい合う座位の形を取った。
涙のにじむ目尻にキスをして、それを吸い取ってやる。

「見ろよ……何してる?オレ達」
「……いえ、ません……っ」

のだめはぎゅっと目をつむり、下を見ないでいる。

「じゃ、やめるか?」
「え?やっ、ダメぇ……」

だろ……?
おまえのここは、新しい快感を求めて、オレをこんなに締め付けてきてるんだから。

「見ろよ」

おそるおそるのだめが視線を落とす。

「言って、どうなってる?」
「あ……せんぱい、のが、入って、のだめに……」
「うん」
「や、ん、くちゅくちゅ、って」

耳まで顔を赤くして、潤んだ目と、絶え間なく吐かれる甘い吐息。
堪らない気持ちに、なる。

「しんいちくんと、えっちなこと……してま……ぁん」
「やらしいな?」
「ん……でも、でもぉ……」
「でも、なに?」
「……きもち、いい……えっち、するの」

恥ずかしそうにそう呟いて、ちゅっとキスをされた。

……もう、無理だ

のだめを組み伏し、膝を押さえ込み、のだめ熱く熟れた中心部に腰を突き入れた。
激しく抜き差しし、内壁をこすり立てていく。

「あっあっ、しんい、ちく……はげ、し……あん!」

のだめの体はオレの下で前後に揺れ、押し出される様な喘ぎを絶え間なくこぼす。
切なそうに掠れた、甘い甘い吐息。
涙声でオレの名前を呼ぶ。

「好き?これ……」
「やっ、あー、おくぅ……だめぇ」

奥へ奥へとノックし、ぐりぐりと押しつけてゆらすと、のだめは体を反らせて軽く痙攣した。
リズミカルに中が締まる……いった?
それでも、オレは動くのをやめない。
こめかみから流れる汗が顎を伝い、のだめの真っ白でふるふると揺れる胸に降りかかる。
畳み込む様な突き上げに堪えきれず、のだめは身をよじり上げて、快感を体いっぱいに表す。
いやらしい、けれどとても愛しい。
ピンク色に染まった扇情的な体つき、声も悩ましい表情も……なにもかもが。

「……セックス、するの、好き?」

薄く開かれた目が、なんて事を聞くのだという目をしている。
でも、こんな風に言葉で責められるの、嫌いじゃないはずだ。
さっきと同じで、その都度きつくなっていくから……。

「きもちいいこと、好きなんだろ?……答えて」
「……すき、デス……えっち、あぁん」
「オレじゃなくても?」
「なっ、ちがっ、しんいちくんが、好き、だから……」

ふわっと浮く様な感覚が背筋に走る。
のだめの中が、からみつき、オレを締め上げる……。

「しんいちくんが、好き、だから……しんいちくんと、えっちするのが、すき……!」

のだめの体を抱きしめて、貪る様に唇を求めた。
密着した体は大きな動きは出来ないが、互いに腰を動かしあい、快感を深めていく。
のだめを求めるオレ。
オレを求めるのだめ。
思いは同じで、だから体を繋ぐ。
愛しいという感情をただ伝えたくて、そのために。

オレも一緒だから……。
そう耳元で囁くと、のだめの顔が緩み、笑顔になった。

「やっ、あ、いく、いっちゃいま……は、あぁ!!」
「ふ……、う、あ、のだめ……!」

全身に回る快楽……。
ここちよい倦怠感……。
あわせた胸の間の早鐘の様な鼓動……。
いつも思う。
一つになるってこういう事なのだ。
今抱き合っているお互いの体は、どこまでも二人一つで、二人だけのものだ。

「は……あん……しんいちくん……」
「のだめ……のだめ……」


**************************


「今日はなんだかイジワルでしたね」
「いやだった?」
「……」
「いやじゃないくせに」
「やーん、くすぐったいいーきゃはははは」

後ろから抱きしめて耳の後ろに軽く歯を当てると、のだめは体をよじって逃げようとする。
本気じゃないから、それを簡単に阻止して、振り返ったところでキスを落とした。
のだめの手のひらが首筋にかかり、襟足を通って髪をかきまぜていく。
目を開けると、満足そうに微笑むのだめの顔が目の前にあり、それはそれは幸せそうで……。
つられて、オレも唇の端が緩んだ。

「寝ましょう?」
「……うん」

またあした、ともう一度キスをしあって目を閉じた。






SS一覧に戻る
メインページに戻る

各作品の著作権は執筆者に属します。
エロパロ&文章創作板まとめモバイル
花よりエロパロ