千秋真一×野田恵
![]() RRRRRRRRRRR---------- [アロー?] [オレだけど] [ムキャ、千秋先輩!どしたんデスか?] [定期演奏会の話で、テオとコンマスにつかまった] [あ・・・じゃあ今日は] [悪い、やっぱ帰り遅くなると思う] [そデスか・・・。了解デス、頑張って下さいね] [・・・・・・お前今、金多めにある?] [え?ありマスけど?] [オレ晩飯食えなさそうだから、サンタルチアでピザ買っといて] [・・・!マルガリータとシュリンプですよね?] [うん、9時頃には帰れるから。用意して待ってて] [待って・・・アヘ〜] [じゃ] 通話を終えた千秋は、ため息をついた。 ここ最近演奏会のリハが押していて、帰るのはいつも遅い時間。 (でも今日はリハもスムーズで、早く帰れそうだったから、つい・・・) つい、メールをしてしまった。 二人でゆっくり会うことが、もう随分となかったから。 のだめは忙しい自分を理解してくれるから、すねたりはしない。 大事な時だとわかっているから、余計な干渉もしてこない。でも。 (メールの返事は嬉しそうだった・・・) 遅くなることを告げたのだめの声は、隠そうとはしていたけれど 明らかに落胆していた。楽しみに待っていたのだろう、自分の帰りを。 しばらくしたら、学校も始まってしまう。 今以上に、すれ違うことが多くなるだろう。 (絶対9時までに帰ってやる、あのクソコンマス!) 電話を握りしめると、千秋は二人の待つ事務所へ向かった。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |