千秋真一×野田恵
![]() ――年末。 この街も新たな年の幕開けに向け、どこかそわそわしている。 「年末特別警戒中!空き巣にはご注意を」 パトロール中の警官が呼び掛けていた。 千秋も年越しの買い物を終え、家に着いた。今日は夜中からのだめと一緒に初日の出を見にいく約束だ。のだめの希望(?)でもあった待ち合わせデート…めんどくさがる素振りを見せつつ、千秋も実は楽しみにしていた。 (…先にシャワーでもあびとくか) 千秋はシャツをその場で脱ぎ捨て、バスルームに入った。 ――ジャアアアアア―――――― (あいつとこんなとこで初日の出を見るなんてな…) 千秋は今年一年の、たくさんの出来事を振り返っていた、その時… ――ガタガタッ!ガターンッ!!!!― 「な、なな、なんだ!?」 (もしかして、空き巣!?…だとしたら俺、ヤバくない!?) 千秋の心拍数急上昇。 (あ〜もうここまできたら、やけくそだ!) ―バターンッ!!!――――― 千秋はバスルームのドアを勢い良く開け放った。 もちろん全裸で。 「……。」 そこに居たのは紛れもない、変体の森の住人… 「のだめ!何してんだーっ!!!」 ――バシィーッ!!!!―――― 「ギャぼーっ!!!」 のだめがひさしぶりに部屋の端から端まですっ飛ぶ。 「約束は夜の11:30だろ!今まだ昼だろが!勝手に人の部屋に入り込んで何してたんだっ?!」 「――だって、先輩が引っ越してから……」 潤んだ目でこちらを見つめるのだめ。 (どきっ…) 「…シャツを盗む機会が減ったんデスよ〜っ!」 「日本へ帰れーっ!!!」 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |