深層心理
千秋真一×野田恵


「先輩っ!もう…許してくだサイ…」

のだめが涙声で訴えている。のだめは、目隠しをされたうえに後ろ手を縛られて、ただ顔を左右に降るだけだ。
何でこんなことになったのか…
千秋にははっきりと思い出せない。だが、目の前ののだめはいつもとは違うが…だからこそ、千秋の欲情をそそる。

千秋は、のだめの白い脚を強引に開き、のだめをあらわにする。

「やだっ!いやデス…!」

のだめが嫌がっている。なのに、千秋の動きは止まらない。目隠しをされ、千秋の動きが読めないのだめは、恐怖さえ感じてるいるようだ。
…その証拠に、いつもなら蜜が溢れている場所に潤いがない。
そう、いつもならこんな風にはしない。もっと優しく、労るように、のだめがより快感を得られるように、触れていくのだ。
けれど、今日は違った。
開いた場所が濡れていない事が分かっているのに、千秋はのだめに自身をあてがう。

のだめの身体がびくっと震えた。きっと、快感のためではないはずだ。
けれど、千秋は身を押し込んでいく。

「あぅ!いやっ…いや…デス…」

軋むような感覚がある。千秋はかまわず、動きを続ける。ただ、身体を左右に揺するしかないのだめの膝裏に腕をさし入れ、のだめの身体を折り畳んだ。

大きな手で、のだめの柔らかな乳房を激しくもみしだく…。

「あぅ、あっ、うう…」

のだめの声が苦痛だけを訴えているのか、快感をあらわしているのか。けれど、軋むようだったのだめの中が、少しずつ熱く潤って来ている気がする。

千秋は折り畳んだのだめの身体を、激しく突き上げていく。

「ぁあ!いやぁ…あ…」

千秋が深くのだめの奥をえぐるたび、のだめが悲鳴を上げる。

(なんでオレ、こんな事してるのに…)

千秋は、自分の快感を認めたくない…けれど…。

ガバッ!!

目覚めと同時に千秋は身体を起こした。
思わずまわりをみまわし、大きなため息をついた。

(夢か…)

ソファーのまわりには楽譜が散らばり、灰皿には煙草が山になっていた。
そして、千秋自身も…。
自分の身体が反応している事に気付き、千秋は顔をあからめる。

(確かに、最近…けど、あんな夢…)

千秋は再びため息をついた。

最近、のだめは課題だとか室内楽の試験だとかで、あまり千秋と過ごしていない。いや…食事はしているが泊まっていかない…。

(だからって…)

千秋は気分転換を兼ねてバスルームに向かい、熱いシャワーを浴びていた。
夢の中とはいえ、のだめをあんな風に扱うなんて。

(いや、でも。あれが深層心理か?…どんな心理だよ…)

千秋の頭の中はぐるぐるまわっている。それなのに、千秋自身は鎮まらない…。
再びため息をつき、千秋は自身に手をのばす。
自分でするのは久しぶりだ。あのノエル以降はほとんどなかった行為…。
…千秋の手がゆっくりと前後に動く、と同時に、脳裏にはのだめの肢体が浮かぶ。
夢の中で、身体を拘束され震えていたのだめを無理矢理突き上げていた自分を思い出した。
と、同時に自身がピクリと反応する。

(深層心理かよ…)

自己嫌悪と快感が交錯する、千秋の心とは裏腹に動きは加速していく。

その時。

「千秋先輩!」

玄関が開き、のだめの声がした。びくっとして、千秋は手をはなした。

「せんぱ〜い、いないんデスか?」

のだめが探している。

「あ〜、お風呂ですね〜」

(やばい!)

千秋は焦っていた。のだめは変態の森の住人だ。
風呂に入っていようがなんだろうが、いや…そんな展開こそ喜ぶのだ。そして、案の定…。

「ちあきせんぱい〜」

のだめが楽しそうにそっとドアを開けた。

「むはぁ〜昼風呂…?むきゃ!!」

ドアを開けたのだめは、千秋自身に目をとめ、真っ赤になっている。

「…先輩、のだめより自分の手がお気に入りですか?」

のだめは不本意そうにそう言った。

「はぁ?」
「だって、のだめは隣にいるのに…自分で…」
「バカ!おまえっ!」

予想外なのだめの反応に、千秋はとんでもない所を見られたという羞恥心が薄れていた。

「…じゃあ、おまえはどうなんだよ!」
「な、何がデスか」

バスルームに引き込まれ、のだめが慌てている。

「…自分でするコト、ないのかよ」
「そ、それは…」
「どうなんだよ」

言いながら、千秋はシャワーで濡れていくのだめのワンピースの上から、胸をまさぐる。

「のだめは…。で、でも、自分でしても…」
「自分でしても、何…?」

千秋が耳元で低く囁く。そして、耳たぶを甘がみし首筋を舌でなぞる。

「はぅぅ…!だって、自分で触っても…気持ち良く、ない、デス…」

途切れ途切れの震える声でのだめが言う。

「えっ?先輩!?はっ!ああ!」

千秋の指は濡れたワンピースの裾をまくり、のだめ自身に触れていた。

「濡れてる…」
「…やっ!だっ…て、先輩に触れられるの…ひさし…ぶ…ああっ!」

千秋の指が動くたび、のだめが甘い吐息をもらす。千秋は、それを確かめながら器用な指の動きを駆使して、のだめを追い詰めていく。

(…この方が、いいな)

夢の中ののだめを思い出し、あの時の行為を否定しながらも、今日の千秋は性急だった。
熱く蜜に溢れた場所から指をひきぬくと、ショーツを寄せ、のだめの方膝を上げさせた。

「っや!真一くん…まって…あぁ!」

のだめの訴えを聞かずに、千秋はぐいと自身を押し込んだ。

「はぁ!」

奥まで突き上げられ、のだめは身体をびくりと反らせる。

「こんな、ダメ…デ…ス」

のだめはワンピースをびしょ濡れにして、千秋の動きに翻弄されていた。
千秋の首に腕をまわし、細く高い悲鳴をあげている。千秋に濡れた衣服が絡み付き、もどかしい。

「はっ!あぁ!?」

千秋は自身をひきぬくと、今度はのだめを壁際に向かせ、ショーツを引き下げた。そして、腰を引き寄せると再び更に激しく突き上げる。

「っあ!はぁ!あぁん、ああ」

千秋の動きに合わせ、のだめの声も高く、激しくなっていく。
シャワーの音と、二人の結合部から起こる水音…のだめの甘い吐息がバスルームに響く。

「やっ!のだ…め、も…う…」

のだめがびくびくと震え、千秋をしめつける。痺れるような快感を感じながら、千秋は突き上げを強め、限界に達する直前で自身を引き抜いた。


「せんぱい、も、もういいデス」

バスタブにすわらされたのだめが顔を真っ赤にしている。
千秋のボディソープにまみれた手は、何度となくのだめ自身をさすり、時には指まで忍び込む。
その度に、のだめは息を荒くして快感に震えていた。

「…生だったし。よく洗っておかないと」
「そ、そうなんデスか…?はぅ!でも、もう…十分…あぁっ!」

(まぁ、のだめの周期から言って、まず大丈夫だろうな…)

千秋はそう思いつつも、すでに裸にしてしまったのだめを離しがたくて行為を続けていた。

(後で、大丈夫だって言っておかないとな…)

膨れっ面ののだめが思い浮かぶ。

(もう少し…)

千秋はバスタブに腰掛けているのだめの脚を開き、敏感な部分に舌を這わせていた。






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