千秋真一×野田恵
![]() 明日は学校が休みだと言うので、のだめは今晩俺の家に泊まることになった。 引っ越してから暫くはお互い忙しく、 こうしてゆっくり会うのは久しぶりだ。 冬だというのにやけに露出の高いワンピースを着ているのだめを、何となく直視できない。 そんな俺の気持ちを知ってか知らずか のだめはソファに横になり、無防備にあしをパタパタさせている。 「おい、珍獣。食べてすぐ横になると牛になるぞ」 「ぎゃぼ!珍獣とはなんデスか! …牛…しゃぶしゃぶが食べたくなってきました…」 「おまえあんだけ食べといてまだ食うきかよ」 「アハハ〜冗談ですよ。 確かにのだめ食べ過ぎちゃったかもデス… 久々の呪文料理だったから…つい」 呪文料理といっても、軽めにサーモンのクリームパスタを作っただけだ。 大目につくって正解だった。3杯もおかわりしたのはさすがにひいたけど。 やっぱりこいつが美味しそうに食べてくれるのは嬉しい。 口のまわりにクリームをいっぱいつけて、子供みたいに、ほんとに美味そうに食べるのだ。 俺はふと、引っ越したての頃に 夕食を大量につくってしまったことを思い出した。 もう二人分つくる必要なんて無いのに。 今にもドアをあけて、ごはんクダサーイなんてひょっこり顔を出すんじゃないかと考えて、 馬鹿らしい、と自嘲ぎみに笑った。 そういえば、あれからあまりキッチンにたったおぼえがない。 だめだな…美しい音楽は美しい生活からだ。体力をつけるためにも自炊しなければ…。 そんなことをぼんやり考えていたら、いつのまにかのだめはソファにきちんと座り直し、 何だか泣きそうな表情でこちらを見ていた。 「どうした?」 「先輩…のだめと別居したからって愛が冷めたりしないデスよね…?」 「はぁ?(別居って…)なにいってんだ」 「だって、さっきから先輩黙りこんでたし… それに、今日ターニャに言われたんデス!」 「なんて?」 のだめによれば、ターニャが 「あんたたち、大丈夫なの〜?のだめ、ちゃんと会いに行かなきゃだめよ。 男はハンターなんだから!つねに獲物をおってるのよ。 ちゃんと見張ってないと別の女に夢中になっちゃうわよ!」 だいたいこんな意味の事をいったという。 「ハンターって…」 俺の獲物はお前だけなんだけど。 今だって早く腕の中で抱き締めたいし…とは口が裂けてもいわないオレだった。 そんなことを考えて、また黙りこんだ俺をみて、のだめは不安そうに瞳をチラつかせた。 やめろよ、その上目使い…俺の理性を試してるのか? 食後のピアノを聞くまでは我慢しようと思ってたのに。 メラメラと燃えあがる加虐心に煽られて、俺はのだめの肩に手をかけ… ようとして肩すかしをくらった。 一瞬早くのだめがソファから立ち上がったからだ。 「そだ!ターニャで思い出しました!今日ターニャに飴もらったんですヨ! 残念ながら先輩の分は無いですが…うきゅきゅ〜♪」 そういって部屋のすみに置いた、鍵盤バッグのもとへ飛んでゆくのだめ。 すぐに戻ってきた、その手の平には、コロンとまるい飴玉がのっている。 透明な包み紙からすけてみえるそれは、ちょっと毒々しいピンク色だ。 「すげー色…体に悪そうな飴だな」 「何でも今パリではやってるらしいデスよ? めずらしいから先輩にも見せてから食べたら?っていってマシタ」 流行ってるのにめずらしいってどういうことだよ… そんな矛盾に気付いてないのだめは、大きな口を開けて飴玉をほおりこんだ。 ******* そのころターニャは… (ふふ、のだめ今頃舐めてるかしら? あの即効性と噂の媚薬、ほんとかどうか試してみたかったのよね〜 悪友のジェシーにもらったけど、アタシが試しても相手がいないし…。 千秋をからかうのが楽しみだわ〜) ******* 「あ、桃の味です! 美味しい♪ …ふぉ?なんか、体があつくなってきたような」 「え?」 「…はぅ?…なんか、おかしいデス…」 「…の、のだめ?」 何か変だ。 トロ…ンとした目が宙をさまよっている。 熱いという言葉どおり、こんなに薄着なのに頬は赤く染まっていて… ふと、目が合う。 潤んだ瞳、蒸気した肌、少し開いた艶やかな唇…。 「のだめ…お前…」 何か変といいかけると同時に、お互いが腕を伸ばす。 指を絡ませて、少し安心したようにのだめが微笑む。 「よかった…せんぱい…ふふ…」 そう言うとゆったりした動作で、俺に体を預ける。 ふと、先ほどの飴の匂いが鼻につく。 …すげー甘い匂いだけど、これ何か違うんじゃ…? 「せんぱい…のだめ、なんだかクラクラ…します…」 「ん…」 俺はのだめを抱え上げて、ベッドへ運ぶ。 ゆっくりとのだめを下ろし、体を離そうとした俺の首にのだめが腕をまわしてきた。 「…せんぱい…はうん」 「…どうした?」 「…とても気持ちいい…デス」 「先輩…」 「どうした?」 千秋はいつもと違うのだめにとまどっていた。 「なんだか、変デス…体が…熱いデス」 のだめは身体にまわした腕に力をこめ、自ら千秋に口づけ、唇を吸う。 ぴったりと千秋に密着したのだめの身体は、確かに熱く、そして柔らかだ。 (ターニャに一体、何をもらってきたんだ…) 酔っ払っている時よりも大胆なのだめに、千秋はまだとまどっていて、自分からのだめに触れられずにいた。 「…のだめ、ガマンできまセン」 のだめはそう言うと、千秋のベルトに手をかけた。 「ま、待てっ」 のだめの手を止めようとしたが、ふと、このままどうなるんだろう、という好奇心が湧いて、 抗わずに身をまかせることにした。 ベルトを外し、ズボンを脱がせようとするのだめ。 俺にさんざん愛撫された後にやっと見せるような、熱っぽく潤んだ目をしている。 ボクサーショーツに手をかけ、ついに俺の分身をむき出しにしてしまった。 のだめに脱がされて興奮しているのか、俺自身は既に硬直を始めてしまっている。 思わずごくり、と喉が鳴る。 とろんとした目でそれを眺めると、のだめは頭を沈めて…、 ぱくっ、と先端を咥えた。 「うっ…何する…」 思わず呻き声を漏らしてしまう。 のだめは俺自身を含んだまま、先端やカリの裏側に舌を這わせ、 そうしながら、自分のワンピースのボタンを外し始めた。 「脱がせてやるから…」 この体勢では全部脱がすことはできない。それを口実に一旦のだめの舌による愛撫を 逃れようとしたのだが、のだめは首を振って、自分の衣服を脱ぎ続け、 すでにブラジャーのホックを外そうと背中に手をまわしている。 「一体どうしたっていうんだ?」 「だめデスか?」 俺自身を咥えたまま、のだめが上目遣いで聞いてくる。 「だ、ダメじゃないけど」 「じゃ、ブラ外してくだサイ…」 こうなったら成り行きに任せるしかないのか。 背中にそっと手を伸ばしてプチンと留め金を外す。 それにしても、あぁ。 のだめの温かい口の中で、チロチロと舌で愛撫され続け、俺のそれはもうすっかり張りつめている。 「!」 のだめが、あらわになった両の乳房で俺の屹立したものをはさむように包んだ。 騒ぐほどではないかもしれないが(鈴木姉妹とかと比べれば)、普通よりは大きいのだろう。 俺が、のだめの体の中でもとりわけ気に入っている場所。 両手で乳房を寄せて俺のモノを包みながら、のだめが体をゆっくりと上下させる。 張りつめた俺のモノの周囲で、むにゅ、と変形するのだめの乳房。 そのしっとりと柔らかい感触に、背骨までぞくぞくと快感が這いのぼり、思わず身震いした。 鈴口からカリまではのだめの口にすっぽりと包まれたままで、まさに金縛り状態だ。 「お…まえ、そんなのどこで…、またエロサイト…」 「わかりまふぇん…。でも…、こうしたくてたまらなくなって…」 あ…、頼むから咥えたまま喋るのやめてくれ。妙な具合に舌が当たって… 「ん…、気持ち、いい…」 喘ぐようにつぶやくと、のだめが上目遣いにうれしそうな顔をする。 顔を紅潮させ、はぁ、はぁ、と息を乱している。 「じゃ、もっと、してあげマス」 乳房ではさみつけたまま、今度はすぼめた口をすばやく上下させ始めた。 一杯にほおばった口元から唾液がこぼれ、ぷっくりしたかわいらしいのだめの唇が、 いやらしい音を立てて俺のモノをこすり立てている。 じゅぷ…じゅる・・・じゅぽ… 刺激を受けている場所だけでなく、頭の芯まで痺れてきた。 ―このままじゃもう… 「なぁ、上は脱がせてくれないの?」 このまま昇りつめてしまいたい誘惑にも駆られるけれど、こんなに大胆でムンムンしてるのだめに 何もしないうちに果てるなんて勿体ない。 とにかくこの体勢を立て直さないと…。 「あ…、そいえば…」 愛撫のスピードをさらにアップしようとしていたのだめが、ふっと顔をあげた。 俺は、のだめの両腋に手をかけると、ぐいっと引き上げ、体を起こしてのだめを下に組み敷く格好になった。 のだめは玩具を取り上げられた子供のように、不機嫌な顔になった。 「もう……したいのに、もっと」 でも抵抗はしない。 ゆっくりさまよう視線がオレの体の中心でとまると、大きく溜息をついて腰をくねらせた。 最近はセックスに対して成長著しいのだめだけれど、これはちょっと……。 明らかに尋常じゃない。 「せんぱい、お願い……なんか、体が熱いんデス……」 考えられるのは……あの飴か。 まったく、あいつろくな事をしない──── 「やらしい気持ちが止まんないんです……あぅん」 少し耳に挟んだ事がある。 女をその気にさせ、体を火照らせるキャンディがあるって事を。 「わかった……あせるなよ、付き合うから」 そういいながらシャツのボタンをいそいで外していく。 それから、そこだけをあらわにしているのもなんだか間抜けなので、 下半身に身に着けているものもすべて取り去ってしまう。 のだめはうっとりと上気した顔で、オレを見上げながら赤い唇をぺろりとなめた。 横たわったのだめに再び覆いかぶさるように組み敷く。 息はもう既にはあはあ乱れていて、右手がそっと伸び、オレを包み込んできた。 「せんぱいの……たい」 「なに?」 「おちんちん、食べ、たい……」 一瞬甘い香りがのだめから強く香ってきて、その言葉と共に頭の芯がくらりと揺らいだ。 めまいのようなその一瞬から我に返ったとき、オレは既に体を前進させていた。 のだめが自分の唾液を指ですくう。 それをたらりと足らしたその場所……胸の間に引き寄せられるように自分の欲望を乗せた。 そして。 「あ、んむ」 「っ……う、あ」 再びのだめの唇に先端が優しく包み込まれる。 熱い舌が絡み、それだけで十分なのに、のだめは自分の胸を持ち上げて オレの竿をはさんで擦りたててきた。 普段ならこんな事しない。させない。 道具のように女を扱う事はしたくない。 でも……。 願望がなかったわけではなくて……だから、正直さっきはびっくりしたけれど嬉しかった。 ……だから、この状況に抗えない。 「のだめのおっぱい、どですか……」 「こんなこと……でも、すげー、いい」 嬉しそうなのだめが、サービスとばかりにオレの鈴口をつついて吸い上げた。 たまらずに腰が前後に揺れてしまう。 のだめをまたぐ格好で、のだめに舐められている、オレ。 豊かな白い乳房の間に挟まれて…… その視覚的な刺激と、少しの罪悪感が、オレを急速度で駆け上がらせる。 「あ、もう……ヤバイ」 「ひってくらはい……このまま」 「ちょ、待て……おい、のだ……め!」 腕がオレの腿に絡みつき、身動きできない。 「う、あ……っっ!!」 「ん……んんーー!!」 吐精した故の快楽と開放感が全身に回る。 やばい……やってしまった……。 のだめの口の中に、出してしまった……。 口の中に苦味が広がる。でも、嫌じゃない。 「ご、ごめん…」 先輩が慌てていった。でも表情は、まだ快楽に支配された余韻をのこしている。 そんな先輩が何だかすごく愛しくなった。 「きもち…よかったデスか?」 ふにゃりと笑っていう。 「うん… ごめんな、顔にもかかっちゃって」 そういいながら、先輩はのだめを見て固まった。 「お前…その顔でその表情は…」 「ふぇ?」 もしかして、口の中に先輩のものが溜まったまま、はんびらきだからですかね? それで笑ったから、あほっぽいって事ですか…!! だらしなく開いたままだった口を閉じて、 そのまま舌の上の熱いものをのみこむ。 ごくっ 「…っ…のだめ…」 先輩はそんなのだめをみている。 なんか視線がじっとりと熱いデスよ… あ、また… 体の中央から何かがわきでるような感じがした。 さっきからのだめ変なんです。 体の奥が熱くて熱くて溜まらなくて… 先輩の表情をみてるだけで… ふと目線を落とすと さっき出したばっかなのに、もう先輩は硬さをとりもどしていた。 「先輩…のだめ、もう限界…」 普段なら恥ずかしくて絶対できないのに… 先輩の腰の上にまたがって、ゆっくりと腰を沈めていく。 あ、しんいちくんが入ってくる… 身体が歓喜で震えてしまう。 これが欲しかったんデス…その証拠にのだめ… 「お前…こんなに濡らして…」 キツいみたいだけど、 充分に濡れているそこが、先輩を呑みこんでいく。 「あっ…はぅっ…」 「…っく…」 そのとき、恍惚とした表情だった先輩が急に青ざめた。 「!!っおい!だめだ…」 すぐに何の事か理解して、のだめもドキッとした。 先端までしか入ってなかったのに、抜ける瞬間が切ない。 「はぅ…」 先輩は枕の下に隠していたそれを手早く開封した。 準備してたんデスか…さすがムッツリです。 先輩は息を荒くしながら、ゴムを慌ててつけようとしている。 のだめのことちゃんとおもってくれて、すごい嬉しいです… 行為の度にその姿をみて胸が熱くなる 「先輩…のだめがつけます」 先輩の手からゴムを奪った。 こうしている間にも、体が疼いて疼いてしかたない。 早く…早く… 「…のだめ…?」 こいつ…なんでこんなに焦ってんだ? もちろん、それはつまり それだけ俺様を求めてるってことなわけで それだけ俺様のものになりたいってことなわけで それはそれで、悪くないが… 「…のだめ?む…無理してないか…?」 「はきゃ?」 「いつもはそんなことしないから…」 それに応えるように のだめはいつものように笑った 「のだめは…うれしかったんデス」 「?」 「先輩が…しんいちくんが のだめのことを大事に想ってくれてるのが」 そういってのだめはまた笑った そういうことか… のだめもそんな風に想ってくれたってことが 俺をこんなにも喜ばせているなんて、 こいつ、わかってないだろなぁ… 「先輩?何笑ってるんですかぁ??…じゃぁ続き、お願いしマス」 のだめは自身に千秋を宛てがうと、腰を沈めていく。 「はぅぅ…」 と、同時に甘い吐息が洩れる。いつもなら、例え上になっていてもぎこちなく腰を揺すっているのだめだが、今日は違っていた。 貪欲に、より自分が快感を得られる場所を探すように千秋の上で腰をくねらせている。 ぐちゅ、ずちゅ… のだめの中は驚くほど熱く、千秋に絡み付いてくる。重なった部分からはいやらしい音と蜜が溢れている。 「はっ、あん、気持ち…いい…デス」 いつもより大胆なのだめ… そんなのだめを見ていて、千秋はほんの少しだが疎外感のような物を感じていた。 (一人で楽しんでないか…?) 千秋はのだめの背中に腕をまわすと、繋がったまま、のだめを仰向けにした。大胆でいやらしいのだめもいいけれど、自分の腕の中で追い詰められていくのだめが見たくて。 「真一くん…?」 「もっと気持ち良くしてやるよ…」 のだめは潤んだ瞳で千秋を見つめている。 「ハイ…のだめ、もう…熱くて、たまらないんデス…気持ち良く…してくだサイ…」 「もっと気持ち良くしてやる」 千秋はそう言った筈なのに、のだめの中に沈められていた塊が、抜け出ようと動く。 それを逃したくなくて、のだめは自然とそこをぎゅっときつく締め上げた。 「いやっ、いやぁん……」 それでも、その塊はずるずるとのだめの中を擦りながら滑り、抜け出ていってしまった。 快楽を取り上げられ、切なさだけを残されたのだめは泣きそうな顔で抗議する。 「ひどいです、先輩……」 「ひどいのはどっちだ……」 体に溜まっていくもどかしさに腰をうねらせて、のだめは千秋のそれを握ろうとしてきた。 が。 その体を翻し、千秋はのだめをベッドにうつぶせに押し付けた。 「オレにも楽しませろよ……」 「あ、あふ……」 「足開いて、尻を高く上げて」 「あ、ああ……」 のだめは言われるままに上半身はベッドに押し付けたまま、腰をしならせてヒップを高く掲げた。 それはまるで発情期の猫のようにしなやかだ。 いつもだったら、暗い中でしかしないこの格好も、今ののだめは抵抗もしない。 言われるまま体を開き、それだけでなく誘うようにその白いヒップを左右に振る。 むっちりと肉付きのいい、それでいてきゅっと締まった柔肉の間に、赤く充血した秘裂が見え隠れしている。 むせるほどの女のにおいを振りまいて、雄である千秋を誘い込んでいる。 「おまえがどれだけいやらしくなってるか、チェックしてやる」 「あ、やだぁぁ」 一方的に射精させられて、そのまま黙っていられるわけがない。 そっちがその気なら……こっちだって十分に楽しませてもらう。 一旦達した千秋には、のだめよりも余裕があった。 千秋は柔らかな肉を左右に開き、まずはそこを視姦した。 「のだめ、すごい事になってるぞ、おまえのここ」 「言っちゃ、いやデス……」 「真っ赤になって、ぴくぴく動いてる」 「……う、うう、あん……」 普段ならぴったりと閉じているそこが花開くように襞はほころび、その間で入り口が息づいていた。 薄く小作りな襞はかわいそうなほどに赤く充血し、当然ながら肉芽は大きく膨らんでいる。 「いっぱい塗れて、光ってる。やらしい」 「やっ、やぁん」 一旦千秋のもので開かれたその口は、ぱくぱくと開いたり閉じたりして、都度奥から愛液が滲んでいる。 ふうっと息を吹き付けるとぎゅっと入り口が閉じ、またじんわりとのだめは自分を塗らす。 そして、また開いたところで息を吹きつける……繰り返し。 心の中ですごく恥ずかしい気持ちを抱えながら、のだめはどうにも身動き取れない。 見られている、自分の恥ずかしい部分を。 とてもとても恥ずかしいのに、でも……。 のだめは不思議な感覚を覚えていた。 見て、欲しい? 見られて、嬉しい? 恥ずかしいところを、感じているのを、見られたい、見て欲しい。 なぜかそんな風に思い、それを受け入れてしまうと、自分の奥がさらに熱くなるのを感じた。 「ここも、こんなに膨らませて……」 「はうっ!!あああ!!!」 頭が吹っ飛びそうな強い快感が、小さな突端から全身に電流を流す。 千秋はあくまでもソフトに指の腹を添えているだけなのに、のだめは体全体をびくんと揺らした。 「そこは……ああう!」 「ここ、いじられるの好きだよな、おまえ」 「はう、はうぅぅ、あん」 「……指?口?」 突然の質問に、のだめはぐるぐると回る頭の中で考える。 どっちでもいい。 気持ちよくなりたい……いきたい。 いかせて欲しい。 でも、どうせなら、恥ずかしい方法で……。 「お口で……して、欲しい……デス」 消え入りそうな声で、のだめが懇願する。 千秋は黙ってそこへ吸い付き、のだめのクリトリスを舌でくるんだ。 「……あ……っ!」 舌が触れた瞬間に大きく跳ねようとするのだめの体を押さえながら、 普段は密やかに隠れているその部分を、千秋は唇で挟んだ。 そして口に含んだまま刺激する。 飴玉を舐めるように執拗に舌先で追いまわし、時折唇を離しては わざと音をたてながら吸い付いてはまた離れる。舌先を固くして、 溢れ出す熱い液体の中を、掻き混ぜるように奥へ侵入させる。 それは、熟しきった果物を、汁を零さず食べ尽くそうとするような、 そんな感覚だった。 「あ!あ……っ!……や……ぁ!……っん!!」 大きな声が……出てしまう。 のだめは自分の声の大きさに驚き、あわてて手の甲を口にあてた。 でも当たり前だ、我慢なんてできっこない。だって、先輩がのだめに こんなことをしているのだから……。 快感が次々と押し寄せて、頭の中は沸騰しそうだった。 何も考えられない、それなのに、千秋の舌が生み出す水音は、 のだめの耳にとても大きな音で届いていた。 くちゅり。ぴちゃ、ぴちゃ。 そんな、自分の……を、舐めている音。 その刺激のせいでさらに濡れてきているのが自分でもわかる。 こんな、いやらしいこと。 目を閉じているけれど、自分がどんな姿なのか想像できる。 恥ずかしい、 恥ずかしいのに、もっと……もっと先輩に気持ち良くしてほしいと思う 自分がいる、それがまた恥ずかしくて……。 「のだめ……すごい、どんどん溢れてる」 「や……だ、いやデス……」 「……いやなの?」 「……やめないで、くだサイ……」 やめないで。 素直に快楽を欲するのだめの姿に千秋は内心少しだけ驚きつつ、 存分に叶えてやろうと思った。 そのときだった―― 「せ…先輩…?む…むきゃぁ!!!」 「なんだよ…お前がもっとしろっていうからやってやってんだ…」 「先輩の変態!カズオォォォ!!」 (さっきまでと明らかに様子が違う…) 「…のだめ…?」 「先輩今日は大胆デス…」 そうか… あの薬の効き目が切れたのか! 俺様がせっかく… ここでやめるか…?いや… さっきまで自分がすごく恥ずかしいことをしていたのが夢みたいだ。 なんであんなに大胆になれたんだろう? 急に恥ずかしさがこみあげてきた。 「…こんだけ俺様を煽っといて今更なにいってんだ」 「ぎゃひ…!」 後ろから急に貫かれる。 頭の中にかかっていた甘い霞みのようなものは途切れたけど 体はまだ敏感なままだった。 相変わらず体の芯が疼いてしょうがない。 普段ではありえないほど、ぐっしょり濡れているそこは、あっけなく先輩をまたのみこんだ。 そのまま体を起こされて…いれたまま体をぐるっと回転させられた。 中を擦られるような感じに甘い声がもれてしまう。 先輩と向かいあって座ったまま、抱きあっている状態になった。 「あぅ…先輩…電気消しませんか?」 「何をいまさら。さっきまであんなに乱れてたじゃねーか」 「ぎゃぼ!…」 先輩と目があう。 潤んだ瞳にすいこまれそうだ。 「さっきみたいに自分で動いてみろよ」 目をそらせない。彼のものが、ドクンと脈うつのを感じた。 恥ずかしい…いつもみたいに突いてほしい。 でも恥ずかしくて恥ずかしくて…黙っていると、 「いつもののだめに戻ったんだな」 と先輩が溜め息と共に呟いた。 「…もどらないほうがよかったデスか…?」 ふてくされて、なんか悲しくてそんなことをいってしまう。 「いや… 淫乱のだめもいいけどさ。やっぱお前は初々しいのがいいっていうか…」 「インランって…ぁっあああっ!」 酷いデス、といおうとしたのに、急な下からの衝撃に電撃のような快感がはしる。 そのままズンッズンッと何回もついてくる。 「あぁっ!やぁあっ!」 両手を拘束されていて、口を押さえられない。 ひ・・・ひど…」 「お前が悪いんだ…俺様をこんなにさせて…」 「あ・・・あ・・・・あぅっっ…!!!」 淫乱だろうがウブだろうが もうどうだっていい… とにかく俺はこいつじゃなきゃだめなんだ 「せ・・・先輩ぃぃ・・・・」 「・・・なんだ・・・?」 息があがって 途切れ途切れだが のだめは微笑んで言った 「…の・・・のだめ・・・うれ…嬉しいデス・・・ あぁん・・・あっ・・ しぇ…先輩のコト…大好きだ・・・からぁぁ・・ あっ…ああああああっっ!!!」 俺はそこまで聞いて …不覚にもあまりにも嬉しくて 一層深く突いた ビクンッとのだめの体が跳ね上がった。 きつい収縮と痙攣に達しそうになるのを堪えて、 貪欲に体をむさぼり続ける。 一瞬意識を手放したのだめも、またすぐに快感の渦にひきもどされた。 焦点の定まらない目でもはや訳がわからないようだ。 「あぁぁっ!…やぁっ!いっ、イっちゃいます!またぁ!ぁあ!まって!…はぁん!激し…」 悲鳴のような声をあげるのだめの唇を塞いだ。 口内をまさぐると、舌の先に何かがあたり、甘い果物の香りが鼻をぬけた。 …それが何かにきづかないほど夢中だった。 苦しそうなのだめの口を解放すると、 のだめはまた切ない声で鳴きはじめた。 訴えるようなその声を無視して、壊れそうなほど突きつづける。 結合部からは蜜がとびちり、卑猥な音をだしている。 パンパンっと乾いた音が室内に響く。 のだめは口をとじることもできず、だらしなく涎をこぼしていた。 狂ったように快楽によっているその表情にますます興奮が高まる… 「はぁっ…しんいちくん…のだめもう…」 耳朶を甘噛みしながら「…いけよ…」と低い声でささやいた。 何度も交わったからしっている、奥のほうにある、ひときわ高く鳴く場所を何度もついてやる。 ほどなくしてのだめは何度目かの絶頂を迎えた。のだめに続いてこんどこそ俺も絶頂を迎えた。 一瞬頭が真っ白になって… 荒い息を整えて体を起こし、意識を手放しているのだめの体から自身をひきぬく。 後始末をしていると、のだめがむくりとおきあがった。 「はぅう……激しすぎです…のだめ壊れるかとおもいました」 と疲れきった顔でいってきた。 無理をさせすぎたか? ぼんやりとした視線を俺にむけたのだめが、固まる。 「…あの、のだめもうだめです。限界です。眠いです」 急に何をいってるんだ? 「俺だってもうクタクタだよ」 といいながら、ゴムを捨てようとして、俺は絶句した。 既に俺のそこは準備万端、またガチガチになっていたのだ。 「なっ…!」 「先輩…絶倫…?」 のだめが青ざめた顔で聞いてくる。 そういえば、まだ体が熱をもったままだ… なんで…。あ…! 思い当たるふしに、俺はハッとした。 まだ口内に残る甘い果物の香り… あのキャンディか!! 「先輩?のだめもう寝ます… ひとりでがんばって下サイ♪」 ガシッとのだめの腕を掴む。 「恵…たのむよ」 のだめの顔が一瞬にして赤くなった。 我ながら卑怯な手だとはおもうが。 「先輩…鬼…カズオ…悪魔デス」 「…なんとでもいえ」 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |