飴玉リレー第二楽章
千秋真一×野田恵


「じゃセンパイ、のだめのゆーコト聞いてくれますか?」 

なんだ?珍しく積極的じゃねーか、
嬉しくなって思わず口元が歪む

「いいよ、言ってみろよ」

どんなおねだりだろーか?
一緒に風呂か?それともコスプレ?イメージプレイもいいか…でもカズオじゃ変わんねーし…

妄想するだけで、興奮が止まらない。今か今かと待っているのに、のだめの奴もじもじして言えないでいる
あーちくしょう可愛いじゃねーか! 

「なんだ、早く言えよ」 

「でも…きっとダメって言われるに決まってマス…」

「大丈夫だから言ってみろよ」

「えっ本当にいいんデスか!後からダメって言わないでくださいよ」

「しつこいと襲うぞ!」

「じゃ約束デスよ」

とたんにのだめの表情が明るくなった

「センパイが…一人でするとこ見てみたいんです!」

えっ?一人でするとこ?もしかして、もしかして?

「男の人はみんな溜まると一人でするってターニャが言ってました。のだめもう疲れてシンイチくんの相手できません。だから、のだめがシンイチくんがイクまで見ててアゲマス!」

ちょっとまてー

「却下!」
「むきゃっ」
「ぜってーええヤダ!」

俺は胸を張って言いきった。
のだめは眠いというくせに半身を起こして抗議の表情になる。

「真一くん、ズルイですーー!いつも、いつものだめのばっかり真一くんが見てて、のだめすごいはずかしいんですよ!それを我慢して真一くんに見せてあげてるのに!なんで真一くんだけみせてくれないんですカ!」
「ガマンしてるわりには気持ち良さそうだぞいつも。」

のだめは今更なのにまっかになって怒る。

「ぎゃーーー!もう!信じられない!自分ダケ安全圏にいるつもりですね!もうイイデスもん。のだめほんとに寝ちゃいます。」

そう言って毛布を引き上げた。
こちらに背を向けて静かになる。
残された俺のほうは、ベッドの上であぐらをかいて、その足の間には身勝手にそそり立ったままの俺のイチモツ。
ナンというか…のだめの口に残ってたキャンデーの成分のせいだろうが、エッチな気分でもないのに、元気になってるというのは、ちょっと朝立ちに似ている。
ちょっぴり情けない気持ちになりながら軽く握ると、自分の手でありながら、なにやらぞくぞくと感じ易くなっている。
ふう、と溜息がでた。
のだめを見ると布団の端から茶色髪を覗かせて、微動だにしない。
どうせ狸寝入りだろう。
そっと布団をめくってのだめの背中をを抱く様にしてもぐりこんだ。

股間のモノをのだめに尻に押し付ける様にして、ぴったりと身体をくっつけた。
のだめは無反応だ。
うなじにそうっと唇をはわす。
上になっているほうの手で、俺の好きな乳房をまさぐった。
何度触っても飽きない、その感触と張りを手の中で楽しんでいると、俺の息子の方も、薬が薄れてくるどころか徐々に脈動が強くなってくる。

「のだめ。」

嘘寝と思って声を掛けてみるが、のだめはまったく返答しなかった。

「ひょっとしてマジで寝てんの?」

自分の身体を起こして、のだめの横向きになっている身体を返した。
のだめは目を開けなかった。
少し眉根をよせ、唇をわずかにゆるませて、熟睡している。

「嘘だろ、おい。」

のだめの顔を見ながら、乳首の先を少し強めにつねった。
乳首は赤くなり、そのままぷくりと勃起をはじめてぴんと立ったが、のだめはまったく無反応だった。
呼吸が静かに規則正しく聞える。
そういやこいつ、いつも俺より先に寝るんだっけ。
俺が事後の余韻に浸って、煙草をくゆらしているときも、のだめはすーかすーか寝ていることが多い。

「…………。」

ふと、寝ているところにいれるとどんな感じなんだろう、という考えが頭に浮かんだ。
でもそれってレイプとかわんないんじゃ。
えっとー、準暴行罪。
しかし思考の否定とはうらはらに、胸をいじっていた手を、もう一度のだめの股間の方へのばしていった。
さっきまでだらだらと湧きあがっていた泉は、まだ潤いを残し、熱く、柔らかく、俺の指を飲みこんだ。

「眠っていても身体って反応できるのかな…。」

俺はのだめを起こさない様に、慎重に足の間に入りこんだ。
俺の入った体の幅だけ、のだめの真っ直ぐな足が開いている。
毛の薄いその翳りが、ややほころんでのぞいているのが妙に興奮をさそった。
まるで人形を抱こうとしているような、倒錯した感じに、頭の芯がくらくらとした。
のだめの身体は熱がひき、まっしろな素肌を空気にさらし、本当にリアルな人形か、死体のようにみえなくもない。
さっきの行為の疲労が、本当はよほどこたえていたのか。
こんなシチュエーションにもかかわらす、俺はなぜか中学生のようにドキドキしていた。
周りより少し色素が強いその場所の中心に、縦に走るやわらかいピンクのひだ。
そこは未だに女の芳香を発散させていた。
俺はふたたび新しいコンドームを装着すると、そっと身体を前に進めた。
起こさないように太ももを持ち上げて、俺は前戯なしで自身をさしいれた。
肉ひだが、やわやわと俺を奥に奥にと引っ張り込んでいく。

「くふう…。」

のだめは一向に目を覚ます様子もなく、だが身体の方はやはり勝手に反応をはじめた。
停まっていた蜜がふたたびあふれだし、俺にはやく動けと促している様だ。

「あ…こいつ中が動いてやがる…。」

挿入したひだのの奥が、のだめが無意識なのにも係わらずぴくり、ぴくりとうごめいている。
それが俺の芯をやわやわと締めつけくすぐり、なにやらソフトなマッサージを受けている様だ。

こんな風に静かに挿入したのは、のだめの処女をはじめて奪ったころ以来だ。
のだめは相変わらず表情は変わらない。
ぐったりと弛緩したまま、静かに寝息をたてて、本当に人形としているみたいに思える。
背徳感が逆にぞくぞくとした興奮に変わってしまい、俺って変態なのかも。
それでものだめの身体はじょじょにピンク色に紅潮し、うっすらと発汗を始めた。
俺はゆっくり、抽挿を繰り返した。
蜜はあふれ、ぐちっぐちっと音を立て、抜き差しの度に陰唇が俺に巻き付いて、生き物の口の様によだれを出しながら俺のほうが食われているようだ。

「ふ…アア……。」

のだめの口から急に声が漏れ、俺はどきーーん!と心臓が飛びあがった。
だが、目を覚ました訳ではなく、寝言のようなものだった。
のだめは眠ったままで、だが身体は玉のように汗をかき、胸の間にきらきらとした汗の谷間を再び作っていた。

「完全に寝ていても、ここまで反応するんだ…本当に寝ているのか…でも今目が覚めたら、なんて言い訳しようか…。俺こそ変態とか言われそう…。」

内心ビクビクとしたへたれ感とはうらはらに、俺は動き続けた。
固さは未だに継続し、のだめの身体はいつまでも俺をやさしく受け入れ続けた。
眠っているはずののだめの呼吸も、無意識ながら早くなり、吐き出す度に細く声を漏らしている。

「アン…アン…アン…あ…あ…しんいちくん…。」

あ…ついに目を覚ましたか。
のだめは目を瞑ったまま、小さく何かしゃべっていた。
ね…寝言?
俺は覆い被さっていた身体を低くして、のだめの口元に耳を寄せてみる。

「せんぱい…のだめせっかく可愛く見せようと思って、ミニのワンピ着て行ったのに…せんぱい…のだめに飽きちゃったのかと思った…。」

「…!」

俺は動きをとめて耳をそばだてる。

「いやです…離れてても…忘れないで…変わらないで…他のひと好きになっちゃヤダ…ターニャのばか…せんぱい…せんぱい…いやん…そんな…あ…あ…う…」

どうやら夢を見ているらしい。
腕がいつのまにか俺にしがみついていて、足も腰に絡み付くようにしている。

「いやあん…」

のだめの中がきゅううっと収縮しはじめた。

「うっ…つっ…つ…」

あわてて腰だけあげてのだめから引き抜いた。うっかりイキそうになった。
いや、キャンディの効果だったんだから、いいかげんイッテも良かったんだけど、のだめの寝言があまりに可愛くて。

「いや…いや…行っちゃ…ウゾ…センパイ…」

夢を見ているのだめが、ぽろぽろと涙をこぼし始めた。
俺は胸の中がきゅううとせつなくなって、これは…愛しさか?情にほだされたのか?
ある言葉を言わずにおれなくなってきた。
いいか…コイツ寝てるし。

「のだめ…愛している。俺はお前を愛している…。」

のだめの涙がすうっと止まった。
言った俺のほうがドカーンと赤面してきて、胸がドキドキしてくる。

「どこにも行かない。お前こそ、勝手に俺から離れて行くな。」

泣いた顔が、たちまちしあわせそうにほころんでいく。

「あはあん…せんぱい…のだめも…しゅき…。」

俺は再びのだめの中にもぐった。
のだめは変わらずおれをやわやわと、しかし引きこむ様に俺を納めていく。

「あ…あ…せんぱいっ…。」

ぐっと強めに奥まで入れて、のだめの腰を持ち上げるようにして中をついた。

「アッ、あうん、にゃん、ああん。」

愛しさから、今度は俺のエゴではなく、のだめの感じるポイントをついて挿しこんでやる。
俺ってば、コイツのこんな本音を知っていれば、ふだんからこうしてやればいいのに。

「ああん、あっ…あああん。せんぱいっ。」

のだめは俺にすがりついて、可愛らしく鳴く。
おれの方もだんだん余裕がなくなってきた。

「ふっ、ふっ、ふっ、ふっ、ふっ…」
「あん、あん、あん、きもち、い、い、イ、アっあああっ」
「ふクっ…のだめっ…」

どくん…

今度こそ本当にイッた。

俺はのだめの上にくずれおちる。
はあはあと呼吸を整えていると、のだめがせなかをつつつとなでてきた。

「せんぱい…」
「あ…お前起きてたの…(やべ、どこから聞いてた?…)」
「はう…こわい夢見てて…でもいつのまにか先輩がしてて…なんか今のすごい気持ちよかったあー…はうん…。」

のだめはもうすっかりもとののだめで、俺と同じように呼吸を整えながら、頭をこすり付けてくる。
俺は誤魔化すことにした。

「お前寝ぼけて泣きながら抱き着いてきたんだよ。それで可愛くて、ついしちゃった。ごめん。」
「ぎゃぼ?!もしかして夢の中で聞いた「愛の告白」もホントですかっ?」

ぎくー。

「…な、何の事だ(目そらし)」
「ホントなんですか。ホントに、のだめのこと愛してます?」
「夢だろ。」
「むきゃー!ぜったいのだめだって離れません!あいしてますう!」

俺はのだめに背を向けて毛布にもぐりこんだ。
のだめは背中にすりついてくる。
今度は俺こそ狸寝入りをする番だった。

「うふふーこんな幸せな夜はありません。ターニャに感謝しよー。」

…こいつ…ほんとは最初から分かってキャンディ舐めたんじゃ…。
とにかく明日起きたら、口止めしよう。ターニャに「飴はぜんぜん効果無い」って言ったらまたデートしてやるとか、いや、それじゃ試してみたってモロバレだから、ううくそ、なんでこんなに振りまわされなきゃならんのか。

*****

結局朝になるとのだめは先に起きて学校に行ったのか、いなくなっていた。
俺に以前のようにお握りを皿に盛って残し、

「お米もらっておべんとにしました。センパイ食べてね。のだめもあいしてマス。」

と置手紙があった。

言われるなー…ぜったいターニャに伝わるな―…くそ。しばらくデプレに戻るのはよそう。クソ…。

俺は朝食にそのおにぎりをパクついた。






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