千秋真一×野田恵
![]() 最近のだめは毎晩のように俺の部屋にとまっている。 のだめが無理矢理泊まろうとした結果ではなく、俺が帰ろうとするのだめを帰さない夜が続いたのだ。 のだめにはムッツリだ何だと言われてむかつくが、 のだめの体を知ってしまった夜から俺はのだめから離れられなくなってしまった。 この俺様がこんな変態にハマるなんて…大学時代は考えもしなかったことだ。 そのため、のだめは毎朝自分の部屋へ帰り、着替えを持ってきて俺の部屋のシャワーを使うのが常だった。 俺の部屋のバスルームを使う理由は「広いから」らしいが、 「風呂あがりすぐに千秋先輩のつくった朝ごはんが食べれるからデス!」 というのが本音らしい。 事後の朝はどうしてものだめに甘くなってしまう俺は、 のだめがシャワーを浴びている間にデザートまでつけた朝食をつくってしまうのだ。 その日も俺がシャワーを浴びている間に着替えをとりにいったのだめだったが、 バスルームから出ると、のだめがうちひしがれて立っていた。 「どうしたんだ?」 「先輩……のだめ、もう着替えがありません!!」 「はぁ?」 手早く着替えて、のだめの部屋にいってみると…… 「なんだこれー?!」のだめの部屋は床が見えない程、脱ぎすてられた服で散らかっていた。 「お前は一体何をやってたんだ?!」 「だって最近先輩がのだめのこと拘束するから!洗濯する暇なんてなかったんデス!」 「う……。とにかく、いまから洗濯するぞ!」 「えー!のだめシャワー入りたいデスー!」 「お前は俺に全部やらせんのか?!」 「だって昨日も先輩がネチネチ陰湿な事するカラ…… のだめいっぱい汗かいて体がベタベタしてきもちわるいんですヨ…。 先輩の鬼!ムッツリ!粘着!カズオ!」 カズオじゃねぇ、と言い換えしたいところだったが、昨日は確かにまだ慣れてないこいつに無理をさせた自覚があった。 何も言えなくて黙っている俺に、のだめはフーン!と満足げに息をつき、 「じゃ、のだめはお風呂おかりしますね! …あ、着替えどうしよう」 といった。 「仕方ねーな、俺のTシャツとか適当にきてろ」 「むきゃぁ!先輩の服!やったぁ!ありがとうございマス♪」 喜びながら部屋を出ていく変態を見送り、 俺は山のようにつみあがったワンピースを見て溜息をついた。 ****************** やっと洗濯を終えて、大量のワンピースを干し終えると (干しているところを長田にみられてからかわれたのは言うまでもない) 既に一時間以上たっていた。 あいつ一回ものぞきに来なかったけど、もう風呂は出てるはずだし… クソっ!あいつはいったい何様なんだ、と思いながら自分の部屋に戻った。 「あ、せんぱ〜い!お疲れ様デス」 「……何だその格好は」 俺を出迎えたのだめは、なぜか黒のスーツ姿。 「俺のフォーマルじゃねーか!!」 「えへへ。一回きてみたかったんデス♪ でものだめにはおっきかったですね… 手足がブカブカですヨ…」 確かにのだめの華奢な体に、俺のフォーマルは大きすぎるようで… ブカブカの、男物の服をきているのだめは不格好なのに…みていると何故か胸がチリチリと痛む。 「ネクタイが締められなかったんデス。 先輩しめてください!」 そういって顔を近付けてきたのだめの瞳を直視できなくて… 俺、こんな格好のこいつに欲情してんのか?! ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |