決めポーズ
千秋真一×野田恵


「あっ…、んっ」

ぱしゃん、という水のはねる音にのだめの…いつもより高い声が重なる。
食後のワインのせいか、今日の千秋はいつもより執拗にのだめの身体をまさぐり、のだめの首筋や胸元には、いくつもの花びらのようなキスの痕…。

「真一くん、もう、のだめ…のぼせちゃいます…。あんっ!」

泡だらけのバスタブで向かいあい、千秋の手はお湯の中でもはっきりと分かるぬるみを行き来していた。

「ふっ…あんっ、んっ……」

ぬるみをすくいとり、膨らんだ蕾になでつけると、のだめは千秋の背中にまわした腕に力をこめ、肩に顔をうずめたまま、熱い吐息をもらす。

「んっ…、はぁああ……」

長い指が、慣れた手つきでのだめの敏感な場所を刺激する……… 。そして…

「ふっ…、あっ!?真一…くん?やっ、だめ…!」
「なんで…?」
「だって…そこ!ちがっ…。はぁ!」

のだめは慌てて千秋から逃れようとするけれど、腰にしっかりと片腕を回されていては叶わない。

「何が違う…?」
「やっ、そんな…、んっ!」

指は、のだめが蜜を溢れさせている所ではなく、いつもは決して触れない場所を…丁寧になぞり、円をえがくように動く。

(オレ、何やってるんだ…?)

千秋は、自分でもそう思う。
不意に触れてしまった瞬間の、のだめの躊躇った表情に引き寄せられたのかもしれない。
とにもかくにも…、初めての場所を愛撫されているのだめは、抵抗の声をあげつつ、少しは感じているようだ…。

(いや、少し…か?)

千秋は、手の動きをそのままに、のだめの様子を伺う。
白い肌は桜色に染まり、唇からは絶え間無い甘い吐息…「ダメ」とは言ってはいるが、微妙なところだ。
しかも、千秋の胸に時折押し付けられるのだめの胸の頂きは、驚く程に硬く尖っている…。

全身で快感を表しているのだめを見て、…千秋は思わず息を飲む。

「ここも、気持ちいいんだ…?」
「そ、そんなこと…なっ、はうぅ」

ちゅぷっ…

千秋の親指が、のだめの蜜が溢れる場所に入り込む。

「こんなに、熱くてトロトロなのに…?」

耳元でささやく千秋は、いつもよりも少し意地悪だ。

「はぅ…、そんなっ。やっ、あっ、ああっ!!!」

のだめは、くすぐったいような…でも、それだけではない疼きを感じていて、その事に戸惑いを隠せないでいた。

「あっ!ああっ!!」
「分かる…?」
「や…、ダメ…ふぁ…」

きっちりと爪を切った長い人差し指の、第一関節までがのだめのなかに埋まっている。
のだめは、千秋にもたれかかるようにしてしがみつき、自分を支えていた。

「はぅぅ…ダメ、あああっ」

千秋が、慎重に指を動かす。
十分過ぎるほど濡れたのだめの蜜で、指は意外なほどスムーズに動いた。
ゆっくりと出入りさせるたび、のだめが悲鳴のように声をあげた。

「ほんとに…イヤ?」
「やっ、だって……こん…なっ!んんっ!」

しがみつく手に力がこもる。身体が、どんどん熱くなる。

「のだめ…」

千秋が呼びかけると、潤んだ瞳でのだめが千秋を見上げる。
千秋にしか見ることのない、無防備で、たまらなく欲情と征服欲をそそるその顔を…こんな場所を責められて見せている……。
千秋は思わず、上気した首筋に吸い付き唇を貪った。
そして、そうする事が、のだめの中に埋められている千秋の指をぐいぐいと締め付ける。

(うわ………スゴイな…)

「はふ…。んっ!」

長いキスを終えて、千秋はのだめから離れると洗面台の棚からゴムを取り出し、自身に被せていく。

「のだめ…」

千秋に促され、のだめがバスタブから身を起こした。

「えっ…?あっ……」

千秋は、のだめの後ろにまわると、形のよいお尻をゆっくりと割り開く。

「せ、先輩!やだ、ダメですよ!えっ?あっ、あああ…んっ」

千秋は、のだめの蜜を溢れさせている場所に自身を宛がうと、ゆっくりと奥まで入り込んでいった。





バスタブの栓が抜かれると、ゆっくりと泡が引いていく。
千秋はシャワーヘッドを掴むと、少しぬるめのシャワーをのだめにかけていった。

「…はぅ〜。いい気持ち…」

泡が消え、あらわになる形の良い胸に、千秋が軽く口づけた。

「むきゃ、もう2回戦に突入ですか?」
「…おまえ考えすぎ。やらし〜な。さっきも…」
「や、やらしいのはどっちですか!さっきは………あんなところ!」
「……でも、気持ち良かったんだろ?」
「………」

すでに上気して赤くなっている頬がさらに赤くなる。

「次は、そっちにしてみるか?」
「ち、千秋先輩のムッツリ!!!」
「ま…首位打者だからな」
「と、とうとう認めたんですか?」
「うるせー。早く上がらないと身体冷やすぞ!」

千秋は、大きめのバスタオルでのだめをくるむと抱え上げた。






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