いつもだったら
千秋真一×野田恵


いつもだったらほっといても収まるのに…のだめのやつ
は〜、取りあえず朝メシ喰うか。
ヨーコから荷物が届くまで、米もないとか言っていたが、さすがに
あの変態でもさっきの今では来ないだろう。今日はサラダとフルーツでいいか?


濡れた髪を拭きながら、千秋は冷蔵庫を開けた。
レタス、チーズ、おっ、胡桃もいいな。それと、リンゴ、ぶどう…
エスプレッソメーカーのスイッチを入れ一人分のコーヒーを準備し、
サラダとフルーツの盛り合わせを仕上げていると、

コンコン

「せんぱ〜い、おはようございマス!今日の朝ごはんは何デスか〜?」

えっ、のだめ!?

声に振り返ると、そこにはいつも通り能天気にヘラヘラ笑うのだめが
おなかすきました〜なんぞと腹をさすりながら、部屋に入ってきた所だった。

「あ〜、先輩!なんでコーヒー一人分なんですか!ひどい夫デス。」

のだめが一人分のコーヒーに気が付いて文句を言ってくる。

こいつなんでこんなに普段と変わらないんだ?
さっきおまえ、オレに何したんだよ!

今朝はもう来ないものと思っていたのだめの出現に、いつもの突っ込みを返す事も出来ずに突っ立っていると
のだめが「充電」とオレの腕にすがり付いてくる。
オレの腕に絡みつくのだめの白い手が目に入った瞬間、先ほどの感覚が蘇ってくる気がした。

―この手でオレの… 

「・・・って、あれ?先輩どうしたんですか?顔、赤いデスよ?」

オレの腕にすがりつく右手はそのままに、のだめは左手をオレの額に伸ばしてくる。

「熱はありませんね〜?どうしたん・・・むきゃ!」

離れていく左手をとっさに捕らえてしまったオレに、のだめは驚き奇声をあげる。

「せんぱい…?」

のだめの呼びかけにも応えられず、ただ捕まえた白い手をみつめ、そして、その指先に口付けた。
ふと腕の重みが無くなった事に気が付き、のだめを見ると真っ赤な顔をして固まっている。

さっきは嬉々として寝込みを襲ったくせに、なんでこんなんで恥ずかしがってんだ?
本当、変態の考える事はわかんね〜。

のだめをぼーっと見つめながら、変態の思考回路に思いを寄せていると
腕をつかまれたままの変態は、ますます赤くなり意味不明の奇声をあげている。
その様子が可笑しくって、可愛くって…
そっと抱き寄せ、額に口付けた。

「…しんいちくん…? あ、あの…のだめ、ガコ …」 

「まだ、時間あるだろ…?ちょっとだけ…」

身じろぎしてオレの腕の中から逃げ出そうとするのだめを両手で抱き込んで、その瞼に、頬に順に口付ける。
震える睫毛は、晩秋の朝の日差しで淡い金色に見える。

本当に、あんな事する変態なのに、なんでこんなに・・・・・・

そっと触れるだけのキスをしながら、ゆっくりと背中から腰をなでていると、
おずおずとのだめの手が背中に回ってきた。
それを合図に、のだめの口内にそっと舌を差し入れ徐々に深いキスに移行する。
繋がった唇の隙間から漏れるかすれた声、押し付けられる柔らかな胸・・・
今朝の衝撃的な出来事もあいまって、オレは夢中になってのだめの唇を貪っていた。

「ん・・・ ふぅ、 ・・・ ひゃぁ!」

腕の中、のだめが急に逃げるように体を離した。
柔らかな唇を急に奪われ、ちょっとムッとしながらのだめを見やると、体…ではなく、オレから腰を離してる・・・?

げっ!! さっき抜いたばかりなのに…!!

真っ赤な顔をして荒い呼吸を整えているのだめを見ていると、さらに存在を主張するようになってくる。
朝から興奮している自分に、我ながら呆れ返りながらも自分を止める事ができず、
無理やり抱き寄せ、もう一度口付ける。のだめの唇を喰いつくすくらいの勢いで・・・

左手で頭をしっかりと押さえつけて、のだめの舌を思いっきり吸い上げる。
立ち上がった自身を誇示するようにのだめに腰を押し付け、
右手でのだめのヒップを揉みしだく。

・・・ガクッ!

「あへ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜やらしか〜〜〜」

「!!のだめ!?」

なんでだよ!さっき、自分から触ってただろ!

腕の中、へにゃっとした変な顔で気絶しているのだめと、すっかり元気になった事を主張している自身を
見比べ、オレは深くため息をついた・・・

プップーーーー

窓の外から朝の喧騒が聞こえてくる。

あぁ、早くのだめ起こして、学校に行かせなきゃな。
メシ食う時間ないし、なんか弁当持たせてやらないとダメか?

しかし、はあ・・・・・・・・・・・・・






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