千秋真一×野田恵
![]() 今朝の事を思い出して、顔がカッと熱くなった。 興味本位で手にしてしまった先輩のあれ。 そして、体に押し付けられた先輩のあれ。 朝勃ちって、生理現象なんだって聞いた事ある。 だから、あれはきっと先輩も無意識の元での変化。 だけど。 抱きしめられて、キスされて。 ……あんな息も出来ないくらいのキスは初めて。 そんな中で、感じた先輩の体の変化。 かたくて、熱かった。 手のひらにあった時はただ面白くて、男の人って不思議と思っただけなのに、 押し付けられたものはまるで先輩の気持ちそのもののような気がして……。 わかってるんです。 ひとつになりたい。 のだめも同じです。 ……もう、遠回りはイヤ。 「なっ……えっ、何泣いてんだおまえ」 お風呂を終えた先輩が、ベッドの上に座って泣いている私に声をかけた。 ゆっくり近づいて、顔を覗きこまれる。 先輩は不可解そうに「なんだよ?」と聞く。 でも、声は静かで優しく、あたたかかった。 「先輩、座って」 「?」 促されるままベッドに腰掛け、先輩は体を私に向けた。 ふわっとシャンプーの香り。 それから、いつもの先輩の香り。 胸がきゅんとなる。 それから、体の奥に熱い何かがともる。 「部屋に帰ったんじゃなかったのかよ」 帰って、さっとシャワー浴びて戻ってきたんです。 裾の長いネグリジェと、改めておろしたての下着。 女の、決意デス……。 私は姿勢を正して正座し、先輩の目を見つめた。 大好きで、たまらないほど大好きで、だから。 「今夜、のだめを先輩のものにしてください」 「……は?」 「のだめが気絶しても、やめないで……」 「それは……」 まずいだろ、と言う先輩の声に被せるように続けた。 「先輩と、ちゃんとひとつになりたいデス……」 嫌だから気絶してるんじゃないんです。 大好き、っていう気持ちが、うまく体に追いつかない。 気絶する直前の気分の高揚。 体のあちこちでぱちぱちと弾ける何か。 そして、そのあとはいつも、自分のそこは濡れていて……。 先輩に抱かれたい、って体は叫んでる。 でも、でも、気持ちだってもうずっとそう。 また気絶するかもしれないけど、それで止まるなんて、もうイヤ。 「……ほんとにいいんだな?」 先輩の長い指が涙をすくう。 こっくり頷いて、大好きな大きな手に自分の手を重ねた。 「お願いします……!」 先輩はわかった、と返事をして、唇に触れるだけのキスをしてくれた。 好き。 先輩が好き。 指が震えるけれど、恐いんじゃない。 「……もうとめらんねーからな」 「真一くん……大好きデス」 覆い被さってくる先輩の首にしがみついて、自分から唇を重ねた。 のだめがそっと舌を差し込んできた。 幼い動きで、懸命にオレにキスをしてくる。 もちろんそんな事は初めてだ。 微かに震える体と一緒にベッドへ倒れ込み、もう一度瞳を覗きこんだ。 うっとりうるんだ瞳がオレを見つめていて、そしてゆっくり瞬きをする。 まっすぐなその瞳に、もう揺るがないんだという強い意志を感じた。 もう少しゆっくり待つ自信はあった。 焦らなくても、気持ちがあればいつかはちゃんと遂げられる。 のだめの体がオレを受け止められるまで、待てばいい。 そう考えていたけど。 もうやめないからな。 今夜、何があっても、おまえをオレのものにする。 のだめが体を浮かせてくれるのに助けられながら、胸元を緩めたネグリジェをずらしていく。 真っ白な肌。 レースのついた、白地にピンクで刺繍が施された可愛らしい下着。 やはり、ショーツはサイドが紐で。 今夜はこれをといて、その中まで……。 嫌でも、ふっくらとした丘が目につく。 早く見たいと思う自分は、変態なんだろうか。 「あ……」 「ん?」 「電気……」 「消すか?」 「お願い、しマス」 一旦ベッドを離れた。 スイッチをoffし、ついでに自分が着ていた長袖シャツとスウェットを脱いだ。 「先輩……どこ?」 「いるよ、ここに」 月明かりは差し込むけど、これじゃ暗すぎる。 明るいのはもちろん嫌だろうが、真っ暗じゃ余計不安かもしれない。 「あ……いた」 「これくらいなら、灯り、いい?」 デスク脇のランプをつけると、少し離れていてもちゃんと表情がわかるくらいに明るくなった。 のだめの安心したような表情に、オレもなぜだかほっとする。 「じゃ、続けるぞ」 「……ハイ」 再びのだめに覆い被さり、抱きしめた。 華奢なラインをみせる首筋から鎖骨に唇を押し付けながら、布ごと乳房を手のひらに包む。 は、とのだめは微かに息を漏らした。 柔らかい胸。 早く直に触れたい。 今朝、抜いてる最中に何度も思い出した、この胸に、直に……。 「外すぞ」 背中に手を回し、ホックを外す。 そして。待ち望んでいたものが顔を出した。 ……思わず息を飲む。やっぱり……。 「綺麗……」 「あ……」 外したブラは床に落とし、白くまあるい二つの山の間に吸い付いた。 甘い香り、滑らかな肌、柔らかい膨らみ。 頬と唇でそれを堪能してから、ぴんと主張をしはじめた蕾を口に含んだ。 「あっ!」 のけぞる胸元にもう片手を添え、そっと揺らしながら親指で小さな乳首をなでる。 なんだっけ、これ。 ああ、マシュマロだ。あれに似てる。 甘くてふわふわ、いつまでも触れていたい、そんな感触。 「気持ちいい……」 「それ、こっちのセリフだと、思うんデス……」 「え……あ、いや……」 「おっぱい星人……」 「うるせ……のだめのくせにこんな胸しやがって」 くそ、ほんと、反則……! 「あっ、あん……せんぱ……はうぅ」 口の中でかたくしこっていく蕾を、舌で弾き、音を立てて吸う。 のだめは赤らめた顔をいやいやと左右に振るが、指先は優しくオレの髪に絡めている。 漏らす吐息は艶めいて、小さく上がる声は高い。 感じてる、よな? よかった。 のだめのそんな姿を確認しつつ、手のひらを少しずつ下へずらしていった。 そっと目開くと、先輩が胸に顔を埋めているのが見えた。 目をつむって、私の胸のてっぺんに吸い付いては離す。 ぷるん、とはじけ出た乳首は濡れて光っていた。 胸全体に沸き起こったざわざわが、だんだん体中に流れていく気がする。 熱い。 先輩の触れるところ全部。 「やっ、や……あ〜ん……」 気づけば、声はもう押さえられないくらい。 こんな声が出るんデスね……。 でも、気持ちいい。 おっぱい、触られるのってこんなに気持ちいいんデスね。 ふわふわ、ほわほわ、先っちょはじんじん。 やだ、先輩。 ちゅうちゅう吸って……赤ちゃんみたい。 あ、かわいい……。 はう〜なんだかとっても、愛しくてたまりまセン……。 「あ、や、はぅ」 お腹……くびれないから、触られるのイヤなんデスけど……。 ちょっと体をよじってみたけど、熱い先輩の手のひらが、何度も胸の縁とおへその辺りを行き来する。 ……それだけなのに、なんか。 あ、そですよね、絶対。 少しずつ先輩の指先が下がる。 何処へ、なんてわかってる。 どうしよう、のだめ……。 熱いんデス、そこが……。 触って欲……イヤン、ダメ、そんな、ハシタナイ。 はうぅ、でも……むずむずして、きゅんきゅんして。 「あ……!!」 びくん、と揺れたのは、私の体? 「やっ……!!」 足の付け根に……やっ、先輩……!? 「あっ、あ……やぁ……っ!?」 先輩の手のひらが、私の大事なところを包み込んでいた。 ショーツはそのままに、ぴったりと先輩の手のひらが……。 胸にそうしてくれたように、優しく揉みほぐされるような動きを感じる。 恥ずかしいけど嬉しいような、体中に溢れる甘い感覚。 その中に時々電流のような得体の知れない感覚。 どうしよう……。 おかしくなりそうデス、のだめ。 あ、やだ……指……が!! 「のだめ……」 「やっ、あん、ダメ……」 あう、だめ、ばれちゃう……。 ショーツの脇をこじあけて、先輩の指先がのだめの大事なところに触れてしまった。 ぴちゃ、くちゅ……。 ……微かにそんな音が聞こえた気がした。 「……濡れてる、いっぱい」 ……いやーーーーん!! 「あへ〜〜〜〜〜〜」 体がきゅっと固まって、視界と思考はぱたりととまった……。 …いつもより早く気付いたな。 「あれ…せんぱ…い?」 「ん…大丈夫か?」 「あ…また…のだめ…」 ポンポンと軽く頭を叩いて、そのまま髪を撫でる。 露出した自分の肌と、俺の肌が触れているのに少しビックリしたらしく 一瞬体を強張らせる。 落ち着かせるようにそのまま髪を撫でていると…安心したのか、笑顔で「はぅん…」と言った。 「先輩、ごめんなさい。また…その…」 「ん、もう慣れてきた」 「むきゃっ」 …正直なところ本当のことで。 今までの経験上、こんなふうにいちいち気を失う女と付き合ったことは一度もない。 ただ、こいつが今まで付き合った女とはまったくタイプが違うということもよくわかっているわけで。 なんだかんだ言って、俺ってこいつのほとんどのことに慣れてきてるよな。 慣れって恐ろしい…と思いつつ、少しふてくされたように唇をとがらせて俺を見上げているのだめを見る。 「なぁ…」 「なんデスか?」 「どこから続ければいい?」 「むっきゃ〜!」 ジタバタと動くのだめをぎゅっと抱きしめると、腕の中で体を硬くするのがわかる。 またしばらく、のだめが落ち着くのを待って…そっと唇にキスを落とした。 「んっ…」 何度聞いても、こういう時に漏らすのだめの声は甘い。 「今日は…最後まで…だろ?」 「…は…い」 少しずつ…でもいつもよりは早いペースで激しいキスへと変化する。 ただ、やはりのだめのことを考えると…この状況で体に触れるのを少し躊躇う。 いつもは、気を失った後は何もしない。 だけど今日はいつもと違う。 …やっぱりゆっくりのほうがいいよな。 「せ…んぱい」 「…ん?」 「いいですよ、つづき」 顔を離して、しっかりと目を見る。 潤んだ瞳で俺を見上げるのだめはとても色っぽくて… 「今日は、何回でも…チャレンジしてください。のだめも…がんばります…」 「ん…」 「朝が来るまでには…できますかね」 「ぶっ…」 …何回失神するつもりなんだ… 「朝に間に合わなくても、最後までするから」 「ふぉ〜たのもしいデス…」 褒められてると思っていいのかどうか… とにかく俺は、この経験上初めて本気で好きになってしまった変態で愛らしい彼女と なんとか朝までに結ばれることを祈りながら、ゆっくりとそのしなやかな体に手を這わせていった…。 手の平でもう一度体のラインをなぞる。 耳元で名前を呼び、真っ赤な耳朶をぺろりとなめると、のだめは体をびくんと揺らした。 体をよじらせるのに合わせて、また脚の付け根に手を差し入れた。 つるつるとさわり心地のいい生地に包まれているそこはしっとりと湿気がこもっている。 そっとクロッチの縫い目あたりを爪ではじくと、またのだめの体が跳ねた。 肉付きのいい、ふかふかと柔らかい、のだめの大事な部分。 さっき指先に感じた、潤みが思い出される。 すごく、濡れて熱かった。 ……どんな、なんだろう、こいつのって。 「紐、といていいよな?」 「えっ、あっ、待って……」 「……待たない」 両方の紐をささっととき、腹の方からショーツを引っ張った。 ……便利だな、紐パン。 「おい」 「うきゅーー」 「なに力入れてんだ!!」 ぎゅっと締めている脚の付け根が、ショーツを取り去るのを邪魔する。 「こっ、心の準備が……はずかしいデス!!」 「今更……!」 準備もクソもあるか。 『やりましょう』で『紐といて脱がすぞ』で、ちゃんと段階踏んでいるのに今更何ぬかしてやがる。 オレなんか朝勃ちをいきなり襲われたんだぞ!? オレの方が絶対恥ずかしいに決まってる!! くそ……絶対脱がす。 「おねが……待って、先輩!」 「待たないって言った」 「あの、のだめ、じつは……」 少し力を入れてまた引っ張った。 「む……よしっ!」 「むぎゃっ!?」 取ったショーツを放り投げ、覆い隠そうとするのだめの手を両手で遮った。 脚も膝で割ったから、のだめはもう脚を閉じることもできない。 ……。 …………は!? 「ない……?」 「……」 「毛……が、ない?」 「うう……」 ちょっ、マジか、これ。 あらわになったその部分にはすっと一本の筋があるだけだった。 ……普通なら、それを覆うように陰毛があるはずで。 けど、のだめのそこは真っ白な肌にその部分がうっすら桃色で、すうっと入っているその筋を隠すものが何もない。 あ、でも、よくよく見ると産毛のようなものがその筋の始まり部分に微かに乗っかっている……か? なんかもう、まさに桃……? のだめはオレの力が緩んだのとともに手を振り払い、顔を覆った。 覆い尽くせない顔の部分が、耳が、みるみる真っ赤になっていく。 「のだめ……」 「……(あへ〜〜〜〜……)」 ほてったようなピンク色が、首筋から胸元まで広がっていた。 肩がふるふると震えている。 なんて声をかけたらいいか……。 そんな心と裏腹に、オレの指はその丘に触れるべく延ばされていた。 俺の膝で隙間あいた、のだめの腿の間に手をかける。 ぐっと力をこめると、かくん、意外なほどたやすくのだめの股は開けた。 いつのまにかまた気を失っているらしい。 そのまま両足の膝裏に手を入れて、ゆっくり持ち上げ左右に展開した。 丸みを帯びた丘に筋一本だった造作に、変化が起こる。 筋は谷間となり、その中心に小さくて柔らかそうなひれを2枚隠していた事がすぐにわかった。 象牙色の周りの色と、明かに異なった粘膜の色。 それが、普通ならば生々しく毛に縁取られてグロテスクに性を際立たせているはずの正体なのに。 のだめのそれは、足の間に突然ぽちりと赤い花が咲いているような、奇妙なシュールさを醸し出していた。 毛が生えていないからって、子供のそれではない。 その中心はしっかり性徴見せて、しかも中が濡れて光っているのが見えた。 くったりと脚を広げたままの膝から手を離すと、ひれの間に、おそるおそる指をはわす。 さっき触ったとき感じたままの、ぬめりがそこにあった。 指先でそっとひれを開くと、無数の襞が門のよう絡みあって閉じている。 指の腹で押すと、意識の無いはずののだめの脚がびくんと跳ねた。 俺も、ドキッとして指を離す。 でも、のだめの意識が戻っていないのを見てとると、再びひれに触れにいった。 今度はひれの上部にある、女がもっとも感じ安いとされている器官。 谷間の皮に半分隠れ、三角の形の中に丸を描いたような奇妙な部分。 粘膜の赤い色に挟まれて、かすかに見える白い核。 粘液がついた指先で、ゆっくりその皮を押し上げてみた。 びっくん! 「はあうっ!!」 あ、やっぱり起きちまった。 「せ、先輩っ?」 のだめの声はかすれ、微かに震えていた。 意識がはっきりするにつれて、自分の置かれている状況が分かってくる。 恐る恐る顔を上げると、膝を割った身体の向こうに千秋がいた。 「むきゃあああ、先輩…な、何でっ」 千秋はそれには答えない。 「おまえ…今なんで目を覚ましたかわかる?」 冷静な声に、のだめは思わず意識を取り戻す瞬間を振り返る。 「わからない?」 「はぅ…それは……」 「それは?」 「なんだか痺れるみたいな感じがして、それで…」 「ふうん…」 「ふうんって、先輩…のだめ恥ずかしいです…。こんな格好だし」 「何でそうなったか教えてやるよ」 「えっ、あの…。やっ!」 千秋の長い指が、ゆっくりとその部分を開いていく。一見少女のような場所の奥は赤く色づき、すでに蜜をたたえていた。 千秋は思わず息をのむ。それを察したのだめは、両手で顔を覆った。 「や…恥ずかしいです……」 いつもの変態ぶりは姿を消し、身体を強張らせているのだめがたまらなく千秋の欲情をかきたてる。 そして、千秋は…黙ってぱっくり開かれた場所の上にある、1番敏感だろう場所を唇でとらえていた。 「ひゃ、はうっっっ」 のだめの白い身体がビクンと跳ね上がる。 「のだめ……」 「は、はい………」 「失神…するなよ?」 「は…い。はっ、はうううっ」 千秋の舌は、柔らかく花芽をとらえ小刻みに刺激していた。 「は、あ、せ、先輩……シンイチく……ん!」 敏感な蕾から伝わる痺れ。 自分の恥ずかしい部分がどんどん潤んでくるのがわかる。 その刺激を与えているのは、愛しい人の舌。 「……のだめ、指入れるぞ」 「や、はぅ……!」 「大丈夫だから……」 敏感な部分を舌先で刺激されたまま、千秋の指がのだめの蜜で溢れている場所に触れた。 やさしくあやすように撫でたあと、細くて長い指がゆっくり差し込まれた。 「あ、あ、やあぁ……!」 繊細ではあるが、のだめの指とは全然違う、男性の指。 自分の一番恥ずかしい場所が指を無意識に捕らえようとするのが分かる。 舌からの刺激が子宮を疼かせて、千秋の指を味わおうとしている。 女であることを思い知らされる。 「すげ……絡みついてくる……」 「やぁ……だって……!」 「まだ指一本なのに……気持ちいいか?」 「あ、ふ、ふぁい……!」 「お前の中……すげー柔らかくてあったかい」 この美味しくて愛しい指をもっと味わっていたいのに…… 「あ、あ、あへぇ〜!」 「は、はぎゃっ」 突然の刺激に引き戻された。 のだめの…淡く色づいきあせばんだ身体は大きく跳ねると、小刻みに震えていた。 「失神するなって…言っただろ」 低く通るその声が、快感の余韻を増幅させる。 …快感……そう。その部分が痺れたようになって、脈うつように痺れは身体に伝わっていく。 相変わらず身体を開かれたままで、ひくひくとうごめく場所が大好きな人の指に絡み付いている。 恥ずかしくてたまらないのに…痺れが身体全部に伝わって、力が入らない。 「えっ、あああああっ」 今度は、さっきよりも強烈な刺激。 相変わらずのだめの大切な恥ずかしい場所に舌を這わせ…それだけでなく、 敏感な場所を唇で包み込むと、柔らかな包皮にくるまれた場所から誘い出すように吸い上げたのだ。 失神していた時の何倍もの衝撃が全身を駆け上がる。 身体がガクガクと震えた。 思わず涙が溢れ出していた。 「おまえの…締め付けてくる」 先輩の声が、手放してしまいそうな意識を繋ぎとめる。 強烈な快感とともに。 (こんなの…初めてなのに) のだめは快感に震えながらも思っていた。 (なのに、なんでこんな風になっちゃうんでしょ) 嫌らしい自分の身体が恥ずかしくてたまらない。先輩に嫌われたらどうしよう。 『おまえみたいな変態とは付き合えないな』 そう言う先輩の声音が浮かんだ。 …新しい涙が…溢れる。 …こんなのだめを見られたくないデス………。 全身を支配する快感にのまれそうになりながら、のだめはどうしようもない絶望感を味わっていた。 そんな時… 夢中になって、腫れ上がった蕾をなぶっていたものが離れた。 (やっぱり…) 千秋の冷たい表情が目に浮かんだ。 「のだめ……」 低く、かすれた声が耳元でささやく。 のだめは閉じていた瞳にギュッと力を込めた。 …次の言葉は発せられず、かわりに唇を塞がれた。 自分の味がするキスは、気が遠くなりそうなほど激しい。それに、千秋の指は…唇の代わりにのだめのその場所をはい回る。 長い…長いキス。 密着した身体からは、千秋の汗とタバコの香りがした。 きつく舌を吸われ、蕾を細かなひだを優しくなでられ…のだめは何度も意識を手放しそうになる。 その度に、敏感な蕾を弾かれつままれ、のだめは引き戻されていた。 「はうぅ…」 やっと千秋の唇から開放された時には、流れている涙がなんのためのものかさえ、わからなくなっていた。 「のだめ…」 今日、何度目かのささやき。 「もう…トロトロ…」 「やっ…」 思わず顔をそらすのだめの耳元に、千秋が囁く。 「かわいい…」 (かわいい……………?) 低く響いた声が高まった身体に拍車をかけた。 「あへぇ…」 「あ…?えっ!?おいっ!」 千秋の腕の中で、のだめは再び意識を手放していた。 幸せそうな顔をして意識をなくしているのだめを見下ろして、溜息をついた。 ほんとに、こんな状態で最後までいけるんだろうか。 のだめのその部分から外した指を、自分の目の前で広げてみる。 間違いなくのだめが分泌したそのぬるつきが、指の間で糸を引いた。 濡れやすい、のか? そして、感じやすい? まずい。 のだめを「かわいい」と思うほど、自分の体が高まっていく。 「はあ……」 今度は自分を落ち着けるように深呼吸をした。 でも、どうにも無理だ。 のだめの無防備に投げ出されている肢体。 もう、目が離せない。 そっと乳房に手を添えると、その頂がふるっと震えた。 緊張が解けて、柔らかそうな果実。 それを唇に含むと、やはりふんわり柔らかく、どことなく甘いような。 ……かわいい。 ちゅ、と吸うと、次第に張り詰めて、舌を押し返してくる。 ……かわいい、ほんとに。 このたぷんと揺れる真っ白な乳房も。 動物奇想天外。 世界不思議発見。 峰はそんな風にこいつのことを言っていたっけ。 変態で、変人で、色気も何もなく、女を感じさせない女。 のだめはそんなヤツだから、今までこの純潔が守られてきたんだろう。 こんなにしなやかでうっとりと触り心地のいい体が、誰にもさらされず、誰にも触れられず、 誰のものにもならなかったのは、そんな「変態という鎧」をつけていたからなんだろう。 だとしたら、オレはそれにちょっと感謝しなくちゃいけないのかもしれない。 もう一度、指をのだめの大事な部分に忍ばせた。 指一本でもきつかったから、もう少し、ほぐしてやった方がいいよな……? 開いた脚の間に体を移動し、膝を立たせて再びそこを指で開いた。 くいくいと締め付けるうごめきが、まだ指に残っている。 そのうごめきをもう一度確かめたい。 鮮紅色に色づいたのだめの大事なところに、唾液をたっぷり乗せた舌を這わせた。 「んっ……」 のだめが小さくうめいた。……が、まだ覚めないようだ。 かわいらしいピンクのフリルを舌を左右に震わせながら愛撫する。 次第に厚さが増していく……体が、反応しているんだ。 そして、小さなボタンも。 もう固く自己を主張して、指を添えなくても薄いコートを脱ぎかけている。 かわいい、ピンク色のちいさな……。 なんどもなんども、その丸いボタンに小さくキスを送る。 「あふぅ……ん」 「……のだめ?」 「せんぱ……あ、いや……」 のだめの大事なその穴に舌を滑り込ませて小刻みに震わせると、高い声を出してのだめがのけぞった。 届く限りまで奥へと忍ばせて、中の襞を探る。 舌を震わせたり、固くしたり緩めたり。 あ、すごい、こいつ……こんなにひくひくして……。 「あっ、あっ、いゃあ……」 ぎゅ、と膣口が何度もすぼまり、その都度蜜は奥から溢れてきた。 柔らかく、更にとろとろに、滑りが良くなってきた。 ……これなら、指2本入るだろうか。 そっと舌を引き抜くとともに、溢れた蜜で十分に湿らせた指をあてがう。 そして、少しだけ開いた入り口に、ゆっくり差し込んでいった。 自分の中にまた愛しい人の指が入ってくるのを感じた。 待ちかまえていたように自然と締め付けるそこが、 お腹を空かせた獣のようで恥ずかしかった。 「…もう一本、ゆっくり、いれるからな。痛かったらすぐ言えよ。」 先輩の、こえ。 「ん……どんとこい…デス。」 本当はちょっと怖いけど、心配そうな先輩の目が見えたから。 先輩がのだめのことを思ってくれてるのが伝わったから。 「先輩なら…いくらでもウエルカムですヨ。」 精一杯で笑いかける。 「…バーカ。この…かわいい……変態め。」 先輩はそう言って優しくキスをしてくれた。 大切そうに、丁寧に唇を重ねてくれた。 「ん……ふ…。」 ゆっくり、もう一本の指が添えられた。 開かれた入り口がちょっとだけ痛くて一瞬顔をしかめる。 「んむ……!」 「大丈夫か?」 先輩の、目。 「だい…じょぶデス…。きてくだサイ。」 ゆっくりゆっくり、奥まで入ってくる。 さっきよりもずっと中がキツい。 自分の中を愛しい人の指が満たしている。 ちょっと痛いけど、先輩の指が優しく動くたび、 子宮が疼いて自分の口から女の声がでる。 のだめの中が先輩の指に絡んでいくのが自分でもわかる。 まだ指二本。 本当に先輩がきたら、のだめ、どうなっちゃうんだろう…。 私の中を満たしていた指が、ゆっくりと引き抜かれていく。 そしてまた、ゆっくりと潜り込んできて中を満たす。 中で指が動き、そのたびにどうしてもお腹に力が入ってしまう。 そうすると、よりもっと先輩の指を感じる事が出来た。 「ん……」 「痛い?」 「思ったより……平気です」 でも、まだ指なんだ。 たった2本……デスよね。 先輩のは、もっとずっと太くて、大きくて長い……。 朝見てしまった先輩のアレを思い出した……はう。 でも、じんわり痛いような感じはまだあるのに、入れたままでいて欲しいと思うのはどうしてなんだろう。 指が抜けようとするとき、どうしてかお腹の中心がきゅんとする。 あ、また……。 「あ、ふ……」 「きつ……」 「あっ……ん……」 先輩の指を吐き出したそこが、ヒクヒク動いてしまっているのが自分でわかる。 ぐちゅ、という音を立てるなんて……のだめは体も変態なんでしょうか……。 出入りする指が、だんだんとスムーズになってきた。 それに合わせて、音も……。 「やだ……や……音……」 「うん……だっていっぱい濡れてる」 「う、や、恥ずかしい……こんな……」 そこまで言うと、キスで唇をふさがれた。 舌をゆっくり優しく絡められ、音はまたぐちゅぐちゅと音を増す。 でも、濡れてる、って気持ちいいって事ですよね? ああ、そうか……これが気持ちいいって事。 しがみつきたいような、抱きしめたいような、ちょっと切ないような。 体の奥の中で塊のような何かがとろけていくような。 「あっ……あん……真一くん……」 「気持ちいい、のか?」 先輩が唇をといて、私の顔をのぞき込む。 額に汗の粒が見えて、私はそれを拭って首に抱きついた。 「ハイ……あ、あぁ……もう、だって……」 「……なに?」 「大好きなんデス……せんぱい、だいすき」 大丈夫です、のだめ。 「……お願い、します……」 こんなに大好きな先輩と結ばれるなら。もう、怖いものなんかありません。 のだめの腕が絡み付く。 上気して汗ばんだ肌はしっとりと吸い付くようだ。 「また…気を失うんだろ…?」 思わず憎まれ口をたたくと、潤んだ瞳がオレを見つめる。見たことのない表情が、オレの鼓動を速くさせる。 (なんて顔、するんだよ…) 体温が上がった気がした。身体が熱い。 「のだめ……大丈夫デス」 「………」 「だから…お願い……します」 「………」 「真一くんの…でいっぱいにして…」 熱に浮かされたようにのだめが囁く。 オレの指に絡み付く場所はひくひくと誘うようにうごめき、指が動く度に蜜を吐き出す。 (本当に大丈夫なのか…?) 中の狭さは指への圧迫感だけで十分分かる。 (ここに…オレの………?) のだめの苦痛と引き換えなのに、そう思っただけで自身が更に膨らんだ気がした。 鼓動も、速くなる。 (やば…) 「真一…くん?」 のだめを抱きしめたままのオレを、不安そうにのだめが見つめた。 「のだめ、ホントに大丈夫デスから。…だから」 「…ん」 いつかは通過する地点だ…。それに、やっとここまで来たとも言えるか? 気持ちを決めてゆっくりと指を引き抜くと、 「はぅう…」 のだめが名残おしそうなため息を漏らした。 浅い息を繰り返すのだめの頬を両手で包み込むようにしながら、キスをする。 これから与える苦痛を思うと、そうせずにはいられなくて………。 「ちょっと、待ってて」 はやる気持ちを抑えつつ、のだめから体を離した。 寒くないようにのだめにブランケットを掛け、自分はベッドの縁へ腰掛ける。 引き出しの奥から前もって手前に移していたゴムを手にし、封を切った。 「せんぱい……?」 「大丈夫、ちゃんとするから……」 ちいさく「はい」と返事をした後で、のだめが後ろがもそもそと動く音が聞こえた。 自身にかぶせ、引き下ろしつつ振り返ると、のだめは真っ赤な顔に両手を当てて目を閉じている。 大丈夫と言っていても、不安は不安なんだろう。 準備が完了すると、のだめに掛けたブランケットをそっとまくり、隣へ滑り込んだ。 上半身だけ絡ませ、また顔にキスを落とす。 ……初めのうちは、こんな事しただけで気絶していたんだっけ。 それを思えば、今のこの状況はたいした進歩だ。 軽く啄むようにキスをしながら、脚でのだめの膝を割った。 下半身をのだめの脚の間に移動させる。 のだめは抵抗なくそれを受け入れてくれた。 「のだめ」 「はい?」 「気絶したらやめざるを得ないと思うんだけど」 「……」 「だから、頼むから気絶すんな」 「……ど、努力します」 「気絶してるおまえに、なんかオレはやだから」 体を少し前へ。 のだめの膝は自然と開いた。 「隠さないで、胸」 「恥ずかしい……」 「見てたいから、全部」 「しんいちくん……」 「その、瞬間も、全部……」 無言で頷いたのだめの、体の中心に自身を合わせた。 切なそうな吐息が漏れ、先端が襞に包み込まれる。 「大事にする……おまえのこと」 「せん、ぱい……」 背中にのだめの腕が回るのと同時に、更に体を前進させた。 「あっ……!」 先輩が、真一くんが、はいってくる。 「あ、は……ぅ、んっ…!」 痛い。 ゆっくり、優しく気遣ってくれてるのがわかるけど、 だから我慢できるけど、でも痛くて歯を食いしばる。 メリハリって音がしそう。 目をきつく瞑っていたら、真一くんの動きが止まった。 「の…恵、大丈夫か?」 「ん…ちょっと痛いけど……だいじょぶ…です」 笑ってみせたつもりだったけど、真一くんは心配そうな顔のままだった。 「涙、でてる」 大きな指が頬を拭う。 続いて、優しいキス。 「…ふぉー、愛、デスね…」 「…今、お前の中、締まった」 「むきゃ!?」 「かわいい奴め…」 そう言って再びキスをくれる真一くんの目がすごく優しくて、 ようやく自然と笑顔が零れた。 「真一くん、のだめ、だいじょぶですから…思い切ってきて、くだサイ」 「…俺の背中に幾らでも爪立てていいし、俺に噛みついてもいいから」 「じゃあお言葉に甘えマス」 ぷっ…。 どちらともなく吹き出して、笑顔で合図しあった。 「いくぞ」 「ハイ…!」 痛っ…! のだめの奴、すげえ力で爪立てて…。 俺の腕の下で必死で痛みに耐えているかわいい変態に、 ちょっとでも気持ちを伝えたくて何度もキスを落とす。 キツく閉じられたまぶた、緊張した頬、固く結ばれた唇…。 「恵…」 繰り返し名前を囁くが、言葉が気持ちについて行けない。 思い切り抱きしめた。 「も…入りましたか…?」 動きの止まった俺に、荒い息をしながら恵が問いかける。 「ん…全部…」 「じゃあのだめの中に…いま真一くんがいる…」 「うん…お前と俺と、今は一つ…」 言ってから急に気恥ずかしくなって遠くを見つめたら、 「ふふ、真一くん、真っ赤ですヨ」 とにやけるのだめがいた。 答える代わりに抱きしめると、恵の細い腕がそれに答える。 じっと繋がっているだけでも、充分に気持ちがいい。 自分の鼓動と愛しい人の鼓動がリズムを奏でる。 身も心も、今世界で一番近くにいるのはお互いなのだ。 「……もうちょっと、このままでいようか」 「ん…おねがいシマス…」 繋がって抱き合ったまま、静かに唇を重ねた。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |