テーブルの下の攻防
千秋真一×野田恵


― 8時か… 今日も遅いな ――

コンヴァトの試験休みが終わった3月に入り、のだめの帰りはこの所8時を回る事が多くなってきた。
毎日コンヴァトの練習室で遅くまで練習しているらしく、桃ヶ丘音大の頃とは比べ物にならないくらい
真剣にピアノに向かっている。
音の深みも増してきていて、本当にのだめの成長には驚かされっぱなしだ。
対するオレは、2月のデジャンオケ以降の予定が立っていない。
まあ、新人指揮者としては、依頼は来ているほうだとは思うが・・・

ピー ピー ピー

飯が炊けた合図の機械音が聞こえてくる。
今日は大川から送られてきたひじきの煮物と鯵の干物に大根の味噌汁と
オレには珍しく純和風の献立だ。

― しかし、遅いな。8時には帰るって言ってたくせに ――
今日も疲れきって帰ってくるのかな?
この所、本当に頑張っているらしく、飯を食った後、
食器を片付けている間にソファーで寝てしまう事が続いている。
少しでも、頑張れるように、夕飯はのだめの好きなものばかりになってるあたり、
オレもすっかり甘くなったもんだな、などと考えていると、玄関のチャイムと同時に
のだめの声が聞こえてきた。

「ただいまデス〜 ほわぁー、焼き魚」 
「おかえり、手洗って来い!」

帰ってきて、そのまま食卓に着こうとするのだめに注意しながら、
夫婦茶碗に飯をよそう。

「いっただきま〜す。はぅ〜ん、やっぱり鯵の干物は最高デス。
このひじきもセレボンw
のだめのひじきとは、全然違いマス。」
「当たり前だ、だいたいお前のは、水で戻して醤油かけただけだろ!
煮てすらないじゃないか」
「むー、だって・・・あッ!」
「バカ、掴んだまま箸振り回すな!」

ひじきの煮物を掴んだまま、箸を振り回して抗議するのだめは、
もちろん、掴んでいた煮物を膝の上や床にばら撒いた。

「むきゃ〜、ごめんなさいー、布巾とって下サイ。」
「ばか、動くな!ほら、床に落とすなよ」

のだめに布巾を渡し、オレは床に散らばったひじきを片付けるべく机の下を見やると、
どうやったら、こんな散らばり方をするのか、オレの椅子付近まで飛んできている。

「まったく、本当何やってんだよ、バカ!」
「うぅぅ、しゅみましぇん・・・」

文句を言いながら、汚れた床を拭いていく。
オレの席から転々と飛び散っている汚れを拭くために、
そのまま机の下をのだめの椅子のそばまで進んで行く。

「わ、バカ! 何やってんだよ。更に床にばら撒くな!」
「もういい、そのまま動くな、お前!」
「はうぅ、ごめんなさい。」

どーゆーやり方か、スカートの上からぽろぽろ落としている。
このままでは、ますます汚れそうなので、のだめにはじっとしているように
指示をし、取りあえず床に落ちた分を片付ける。

ボカッ。

「むきゃ、どこ触ってるんデスか、ムッツリ!」
「ば、ばか。お前がばら撒いたのを片付けているだけだろが、蹴んじゃねぇ!」

机の下から、のだめのひざの上に少し残っていたひじきを雑巾に掃ってやったら、
思いっきりのだめに蹴られてしまった。


「あ、足。足、離して下さい。」
「ばか、暴れるな!蹴るな!!」

取りあえず、バタつかせているのだめの足を押さえつけて
怒鳴ると、やっとのだめは静かになった。
まだ残っていたひじきを雑巾にはらい、スカートを拭いてやる。

「たくっ、お前の後始末してやってんのに、蹴るんじゃねぇよ。」

おとなしくなったのだめの足から片手をはずし、蹴られた顎を撫でながら文句を言う。

「だって、触り方がいやらしいから・・・」
「はぁ?」

のだめは、スカートの裾を握り締め、膝頭をぎゅっとあわせている。
下から見上げると、ほんのり紅く染まった頬が見える。
その恥らう姿は、久しぶりに見るもので・・・
蹴られる前に一瞬見えた黒のタイツに隠されたスカートの奥が脳裏に浮かぶ。

思わず、まだ掴んだままの左足に添えた手でふくらはぎをそっとなで上げていた。
膝頭にそっと口付ける。

「ひゃぁ! な、何してるんデスか!」
「ん、ひじき。残ってた・・・あ、ここにも・・・」

また暴れ出しそうな、のだめの足を右手で抱え込むように押さえつけて、
膝小僧、すね、ふくらはぎ、足首と順番に口付けていく。
左手は太ももに添え、そっと撫で続ける。

「ちょ、本当に、何して・・・んッ!」

床に正座のように座り込んで、右の足首からつま先にすーっと唇を滑らせると
のだめはビックと体を大きく震わせた。
のだめは、必死にオレの腕から逃れようと身をよじり、太ももを撫で上げる
左手をどかそうと、腕をつかんでいる。

つま先から骨の上をなぞるようにすねから膝まで唇を這わせながら、
足の間に膝を割り込ませ、硬く閉じた膝を無理やり開かせる。
タイトなワンピースは太ももにたわみ、拳二つ分程度しか足を開かせる事はできなかった。
オレの腕を掴んでいた必死に抵抗するのだめの手をとり、椅子の背もたれを抱えるように
のだめの腕を後ろ手にすると、机と椅子の背もたれの間にのだめを
挟み込むように椅子ごと一気にひっぱっった。

「むきゃ〜、むきゃぁぁああ。な、何やって、んっ・・・ 変態!」
「変態はお前だ、ばか」

のだめの抗議に、一応反論するが、確かにテーブルの下から、
机と椅子でのだめの動きを無理やり拘束して、足にキスするオレは変態かもしれない。
のだめの腕をそのまま右手で拘束しながら、内股、膝、ふくらはぎ、また股・・・
いったりきたり、あちこちにキスを続ける。
片方の手は、ふくらはぎから、足先、指をゆっくり撫で続けている。
タイツに覆われた足の指を一本一本探るように、指の股をなでていく。

「・・・ッ、本当・・・何して・・・んッ、やぁ・・・」
「暴れるな、テーブルの上のもんが落ちるだろ・・・」
「誰・・・の、せっん・・・ですか」
「んっ、オレ?・・・いいから、じっとして・・・」
「むっつり、んぁ・・・カズオ・・・」
「黙れって・・・」

根負けしたのか、のだめは暴れるのを止めたので、拘束していた手を離し、
腰から足の先までをゆっくり撫で降りていく。
ふくらはぎをそっとつかんで、右足を少しだけ持ち上げて、
椅子に押し付けられていた膝裏にもキスをする。
そのままふくらはぎを辿り、足の指先にまた口付ける。
指を舐め上げてみるが、タイツのせいで上手く、指を咥えることができない。
指は諦め、アキレス腱を甘噛みし、また膝裏を通って内股に戻る。
唇にタイツをはさみ、そっとひっぱるが、厚手のタイツではのだめの白い肌は全く透けてこない。
挟んだタイツを急に離すと、パチッっと軽く肌に当たる音がした。


「あっ・・・ふぅ、もう・・・やめっ」

のだめは押し殺した声をあげている。
拘束を解かれた手は、椅子の背もたれの柱を握り締めて、白くなっている。
久しぶりに聞く、のだめの艶めいた声に興奮を抑えられなかった。

それはのだめも同じようで、切れ切れに止めてくれと懇願する声と裏腹に
先ほどから腰をくねらせるようになっている。
スカートに阻まれて、未だ太ももの先にある、のだめの秘部には到達していない。
この数ヶ月でしっかり、その感覚を身体に覚えこまされたのだめは、
タイツ越しの緩やかな刺激にも、敏感に反応するようだ。

「なあ・・・どうして欲しい・・・?」
「も、やだぁ・・・カズオ・・・」
「スカート、もっと上げて・・・? もっと上までキスしたい・・・」
「はぁ、ほんッ・・・と、ムッツリ、あッ!」

内股に触れるか触れないか、ギリギリに唇を寄せて、囁くと身体とは裏腹に
相変わらず、可愛くない事をいう。
スカートの裾、ギリギリに唇を這わせ、片手で腰から尻を撫で上げながらもう一度聞く。

「ほら、スカート・・・ 上げろ」
「・・・んッ、はぅ、も・・・」

きゅっと強く、内股に吸い付くと、のろのろと片手でスカートの裾を上げ始めた。

自分でスカートをたくし上げ始めたのに合わせて、
のだめの膝に口付け、中心に向かって唇を這わせていく。

「んぁ・・・ やっ!」

中心に辿り着く直前で唇を離し、反対の膝にキスをすると、
のだめが抗議するような声を上げた。

「何・・・?」
「・・・ぁ・・・カズオ・・・」
「カズオじゃねぇ・・・」

同じように膝から内股をゆっくり辿り、直前で唇を離す。
そこに触れて欲しいと言わせたいオレの思惑に気づいたのだめは、お約束の名でオレを呼ぶ。
可愛く無い事ばかり言う口と違って、のだめのそこは厚手のタイツでも分かるほど
はっきりと染みを作っていた。

触れないように、ふぅーーっと息を吹きかけると、
突然のだめの秘部がオレに向かって突き出される。

「ああぁぁっ!」

のだめは待ち焦がれていた刺激に大きくのけぞり、その反動で椅子が後ろに動いた。
片手で椅子にしがみつき、スカートをたくし上げていた腕でオレの頭を押さえつけ、
もっと、もっと触れろと無言で催促してくる。
のだめの痴態に満足したオレは、のだめの突起があると思われる場所を思いっきり吸ってやる。
タイツ越しの刺激では物足りないらしく、オレの肩に足をかけ、
のだめは必死にオレの頭に秘部を押し付けてくる。

「ばか、苦しぃ・・・ のだめ、タイツ下ろせ・・・」
「あぁ、やぁ・・・ もっと・・・」
「ほら、タイツ。」

無理やりのだめの間から顔を離すと、のだめからやっと可愛らしいおねだりが聞こえる。
椅子をおしやり、テーブルの下から這い出ると、
椅子にもたれ掛かったまま、タイツに手をかけているのだめがいた。
その頬は真っ赤にそまり、目は潤んで焦点が定まっていない。
そんな乱れたのだめを見るのは久しぶりで、じっとのだめを見つめていた。
オレの視線に気が付いたのだめは、一瞬我に返ったのか、タイツを下ろす手が止まる。

「早く、脱げ」

オレの視線と、オレの言葉に羞恥が戻ったのか、慌てて身体を起こそうとする
のだめの肩を押さえ、もう一度耳元で低く囁くように言い、耳に息を吹き込む。

「脱げ・・・」
「あっ・・・」

のろのろと動きを再開するが、オレに肩を抑えられているため、
股の辺りからタイツを下ろすことができない。

「早く、脱いで・・・」

もう一度、耳元で囁くと、上がった息で小さく抗議する。

「・・・届かないデス、・・・んっ、離し・・・って」
「足、椅子の上に上げれば、届くだろう?」
「・・・えっ!」

今日はまだ一度も触れていない唇を指で辿りながら言うと、のだめが息を飲み強張る。
さすがに、自ら椅子の上でM字開脚するのは恥ずかしいらしい。
当たり前か・・・自分の変態行動にあきれつつ、目的は達成すべく、のだめを手伝う。

「ほら、足、あげて。乗せる・・・
これで届くだろ・・・?脱いで」

左足を椅子の上に上げさせ、股でとまったタイツを下ろす動作を促す。
まだ、止まったままの、のだめを促すために、股を撫でながら、そっと唇にキスをする。
軽く唇を合わせて、直ぐに離れると、のだめは悔しそうにオレを見ている。

「どうした? ほら、早く脱いで・・・」
「・・・もっと、キス・・・」
「自分で脱げたら、もっとキスしてやるから・・・」

唇を触れ合わせながら囁くと、観念したのだめがタイツを脱ぎだした。
もう片方の足も椅子の上に上げさせ、その様子を眺める。
ゆっくりとした動作にオレのほうが煽られ、片足にタイツが残ったままの状態で
椅子に覆いかぶさるように、のだめに口付けた。

「ん、ふぁ・・・あふ・・・」

途切れ途切れに聞こえる声に、頭の芯がしびれる感覚がする。
背中に必死にしがみつくのだめの舌を思いっきり吸い上げる。
片手でベルトのバックルを外し、ファスナーに手をかけてる。
もうずっと、はちきれそうで痛いくらいだ。

ガタッ

「うわっ」
「むきゃぁ」

キスに夢中になって、のだめに体重を掛けすぎ、椅子がかしぐ。
このまま、ここでむさぼるのはさすがに危ないので、
のだめを肩に担ぎ上げて、ワンピースのファスナーを下ろしながらソファに向かう。

ワンピースの肩を抜き、シャツを無理やり上げながらのだめをソファーに横たえる。
オレンジのブラを無理やり上に押し上げ、今日はまだ一度も触っていない胸の頂を
口に含んだ。

「あぁぁあ・・・しんいッ・・ちくんッんん・・・、も、いいから・・・早く・・・」
「ん、まだ・・・、もう少し・・・・」
「やぁぁぁあ・・・早く、おねが・・・いっ、しんいちくん」

のだめの切羽詰った声に、胸は諦め、準備をした自身をあてがい、一気に貫いた。



―――――――――――――――――――――

「もう、信じられません! 真一クンのむっつり!!変態!!」
「な、変態はお前だろ!」
「真一クンも十分、変態です!」

後始末を終えると、さっきまでは、瞳を潤ませて、オレに懇願していた女は
すっかり、機嫌を損ねていた。

「ご飯、途中だったのに・・・むっつりのせいで」
「悪かったって・・・、温めなおしてやるから」
確かに、中途半端な所で夕食は中断したから、のだめも腹がすいているかもしれない。
(オレも空いてる)
しかし、中途半端に胸を取り上げられたオレは、もっと飢えていた。

「むきゃぁ!何してるんですか!!」
「何って、風呂?このまま飯食うのはやだろ?」
「だからって、なんで一緒に・・・」
「そのほうが、早いだろ?お詫びに洗ってやるから・・・」
「結構です!むっつりと一緒に入ると、もっと時間かかりマス」

胸と飯を秤にかけ、一瞬迷ったのち本能に従う事にする。
のだめを抱き上げ、風呂場に向かうと、すかさずのだめから抗議の声があがる。

「むっつり、むっつり連呼するな!変態」
「ど、どこ触ってんデスか!やっぱり、全然反省してませんね!のだめ明日もガコ、ッ」

五月蝿い口を無理やり塞ぐ。
そうこう言ってるうちに、風呂場に到着し、シャワーコックを捻る。
観念したのか、のだめの腕がオレの背に回ってきた。
あと、一押しだ。

「明日はちゃんと起こしてやるから」
「朝ご飯は? 納豆オケですか?」
「うっ、わかった・・・」
「本当、仕方の無い人ですね・・・んっ」

明日の納豆と引き換えに、オレはもう一度至福の時を手に入れた。






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