千秋真一×野田恵
![]() 「せんぱ〜い!見てください!うきゅっ」 ノエルの今夜、千秋の部屋でおいしい物を食べたいというのだめのリクエストに応えて 彼女の言う「呪文料理」作りに励んでいたのだが… 「なんだ…その格好…」 「のだめサンタですヨ」 真っ赤なサンタの衣装を着たのだめは、「ふかふかでとても暖かいです〜」と言いながら キッチンの俺のところに近寄ってきた。 「帽子もなかなかかわいいでしょ?」 …かわいい…けど。 「…足、寒くないか?」 のだめが履いているのはサンタのズボンではなく、かなり短い丈のスカートで 真っ赤な衣装に白い足がよく映える。 なんとなく気恥ずかしくなり、さりげなく鍋に目を移して「ほら、おまえも手伝えよ」と声をかけると 「むむん、何を手伝えばいいですか〜?」 と帽子を左右に揺らしながら傍にやってきた。 …思い起こせば…去年のノエルは乱闘騒ぎだったんだよな。 跳び蹴りまでされて。なんで俺が…と思ったり。 「先輩、これもうそろそろいいんじゃないですか?」 ぐるぐると掻き混ぜていた鍋に、クンクンと鼻を近づけて「おいしそうデス」と嬉しそうな顔をする。 今ではすっかり、この変態のペースに巻き込まれていて… でもそんな状態が、一番自分を落ち着かせているのもわかっていて。 一緒にこうして過ごす時間が、とても大切に思えてくる。 「ところでおまえ、なんでその衣装なんだ?」 「へ?そりゃクリスマスだからですよ〜。やっぱりサンタが登場しないと!」 フーンと鼻を鳴らして胸を張る。 「で、プレゼントは?」 「もっちろんありますよ!」 「…まさか、またごろ太グッズじゃないよな?」 「ぎゃぼっ!なんでわかったんですか?」 …やっぱりな。 しかし…あらためて見ると、当たり前だが見慣れないその真っ赤な衣装を身にまとったのだめが …似合っているからか、とても…かわいい。 鍋の火を止めて、のだめがかぶっている帽子を少し乱暴にむしり取る。 「むっきゃ〜!何するんですか!?……んっ……」 突然唇を塞がれたのだめが、一瞬驚いたらしく少し体を硬くする。 やさしく抱きしめて…長いキスをする。 「…ふ…っ…せ…んぱい?」 唇を開放されたのだめが、頬をピンク色に染めて俺を見上げる。 その頬にまたひとつキスを落として…敏感な耳に唇を寄せる。 「のだめ…メシ後にしよう…」 「えっ…むきゃっ…」 急に抱き上げられたのだめが、まるで子供のように足をバタバタさせていた…のだが… 短いスカートが捲り上がることに気付いたらしく、おとなしくなってその裾を手で押さえた。 ゆっくり…ベッドに下ろすと、少しふくれっ面を見せて… 「せっかくの格好なのに…脱がされちゃうんですか?」 「ん…脱がなくていい…」 え?と言うのだめの声を聞いたのと同時に、またその口を塞ぐ。 やさしく唇を吸い上げて、ゆっくり…舌を差し込む。 徐々に激しく絡み合っていくその舌の動きと、のだめが時々漏らすかわいい吐息が 自分を昂らせていくのがわかる。 首筋を唇でなぞりながら、真っ赤な衣装の白い大きなボタンをはずして 温かな肌に指を這わせる。 「せ…ん…ぱい…電気…消して?」 「……いや」 「…な…んで…あっ…んっ」 下着のホックをはずして、豊かな膨らみを揉みしだく。 先端の小さな蕾を指で挟むと、甘い…嬌声が耳に響く。 「…んんっ…っは…あんっ…」 その蕾を口に含み、じっくりと舐り上げて執拗に味わう。 明るいからか、いつもより声を我慢しているようにも思えるのだめの反応が、またかわいくて。 舌での刺激を反対の胸にも与えながら、空いた手を短いスカートの裾からゆっ…くりと差し入れる。 「やっ…あ…だめ…」 力の入った太腿が閉じようとするけれど…すでに手はショーツの上に辿りついていて 親指が、一番…彼女の感じるところをとらえている。 少し強く押さえると、ビクっと体が跳ねて今日一番高く甘い声を上げた…。 真っ赤な衣装をはだけさせて、桃色に染まったからだを横たえているのだめは 潤んだ瞳も、濡れた唇も、ピンク色の頬も…すべてが赤によく映えていて いつも以上に興奮させるものがある。 ショーツの紐を解き、溢れる蜜を掬い筋目を往復して…すっかり膨らんだ突起に塗り込める。 またビクビクと体を震わすのだめを感じながら、そこを何度も捏ね回すと 我慢できなくなったように、甘い声を上げながら身をくねらせる。 …もう…そろそろ… 素早くいつもの準備をして、のだめに覆いかぶさるとまた激しく口づけて… 一気に自身をのだめの中に突き立てた。 「ああっ…ん…やぁ…あ…だめっ…あっ!」 足に力を込めたのだめが、体を上にずらすようにして…その動きから逃れようとする。 「…な…んで?」 浅いところで動きながら、のだめの表情を窺い見る。 「…だ…って…のだ…め…もう…すぐに…ぃ…ちゃいそ…だか…ら」 すごく恥ずかしそうに…枕に顔を埋めながら小さな声でのだめが言う。 もしかすると…明かりのついたままの部屋で、いつもと違う格好でしていることに のだめも同じように興奮しているのかもしれない。 「ん…いいよ…何度でも…」 気持ちよくさせてやるから… それぞれの脇の下から手を差し込み、はだけた襟元から見えるその白い両肩を押さえつけるようにして… また強く、激しく自身を打ち付ける。 「あっ…は…んっ!…やぁ…しんい…ち…く…んっ」 いやいやをするように頭を振りながら、快楽の波から逃れようとする姿もまた…今日は異様なほどにそそる。 …もっと、見たい… 「のだめ…」 「…はぁ…ん」 自分の体から、愛しい人の存在が抜け出してしまった瞬間…のだめはねだるような声を漏らした。 のだめを抱き起こし、体を密着させて唇を重ねる。 そして…今度は自分が仰向けに体を横たえる。 すっかり蒸気した頬で覗き込むのだめに… 「来いよ」 「えっ…せ…んぱい」 「ほら、早く…」 「…は、恥ずかしい…です」 「やったことあるだろ」 「だって!…あ、明るいから…なんか…恥ずかしい…です」 「全部脱いでないから大丈夫…」 …着たままの姿を見ていたい…とは言えない。 「…あんまり…見ないでください…ね…」 うつむき加減で膝立ちになり、おずおずと跨る。 ゆ…っくりと腰を下ろすと、はぁ…と切ないような吐息を漏らす。 「好きに…動いていいよ…」 「ん…」 ぎこちなく腰を上下に揺らしはじめたのだめの、滑らかな太腿をさすりながら その姿をじっくりと観察するように見上げる。 ぎゅっと瞑った目には涙が滲んでいて、嬌声を漏らす唇は艶めかしく開いていて… はだけた真っ赤な衣装の間から見え隠れする少し汗ばんだ豊かな膨らみは 腰の動きに合わせて上下に揺れている。 少しずつ…その動きが早く激しくなっていく… 「…あっ…あ…ん…しんい…ちくん…だめっ!」 スカートの裾を捲り上げようとすると、のだめが腕を押さえつけてくる。 それでも動きを止めることができなくなっているのだめの姿が、よりいっそう欲望を煽ることは言うまでもない。 部屋に響く卑猥な水音が、どうしようもなく耳に入ってきて…強い刺激になっている。 「のだめ…かわいい…」 「んっ…」 のだめの中がきゅうっと…締まるのがわかる。 快楽の波が押し寄せてくるのは二人とも同じで…もう動かずにはいられない。 起き上がって、のだめの腰を押さえつけると思いきり強く、強く突き上げた。 「あっ!…あん…あっ…っ…し…んい…ち…く…」 「…のだめ…っ」 激しく突き上げられ、ふるふると揺れる胸が体に強く押し当てられる。 お互いの耳元で喘ぐ声が響き、熱い吐息を感じる。 真っ赤な服はもうすっかり肩から落ちていて、桃色に染まった肌が露わになっていた。 もう、何も考えられない…。 「あっ、あ…あんっ…しんいち…くんっ…のだ…め、もう…っああっ」 「ん…俺も…っ」 強く抱きしめ合うようにして…ほとんど同時に昇りつめた。 *************** 着替えてきたのだめが椅子に腰を下ろす。 やっぱりなんとなく恥ずかしく、顔を見ずに食事の用意をすすめていく。 「のだめ、来年はサンタじゃなくてトナカイになろうかと思いマス」 「…はぁ?」 「さすがにムッツリでも、トナカイには発情しないでしょうから」 「…悪かったな」 あんまり似合ってて可愛いかったから…と正直に言えばいいんだろうけど …とても言えない… 「あっ!そうだ!先輩に着てもらえばいいんですよ。先輩のサンタ…コスプレ…あへ〜」 「俺がサンタでおまえがトナカイ?…じゃあ今度は俺がおまえの上に乗るぞ」 「乗るって…むきゃーっ!先輩やらしいですヨ!」 …もう何とでも言え。 「ほら、馬鹿言ってないで食うぞ。」 「ハイ!メリークリスマス!」 「はいはい、メリークリスマス」 …さっきうまいもの食わせてもらったから、もう腹いっぱいだけどな。 「そういえば先輩、ウィーン旅行のことなんですけど…」 嬉しそうに話す表情も、おいしそうに食べる様子も…さっきみたいな姿も すべて自分だけのものなんだと思う独占欲のようなものを感じ 少し顔が赤くなったのをのだめに気付かれないように努めながら、話に答えていく。 …それにしても… 明日の朝目覚めた時に、枕元に置いてあるであろうプレゼントの中身はなんだろうな。 ふと、カズオの顔が頭に浮かんできて…またのだめに気付かれないように 小さくため息をついた。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |