黒木泰則×ターニャ
![]() 「ごめん」 「な、何謝ってるのよ」 「いや、酔った勢いで・・・」 「べ、別にあたしも酔ってたし、こんなの良くあることよ」 「良くあること?」 心無しか黒木の声が怒りを帯びていた。 「ええそうよ。だからヤスも気にしなくていいわ」 そう言ったターニャの声は少し湿り気を帯びていた。 「・・・」 「な、なによ。こんなこと犬に噛まれたみたいなもんよ。 減るわけじゃなし。別に責任取って欲しいなんて思ってたないし! そうよ、ヤスも一回したぐらいで彼氏づらはしないでよね!」 「あっそう。別に彼氏づらする気はないけど。 僕は酔った勢いでも好きでもない子と出来ないよ。ターニャ君は違うんだ?」 「違わないわよ!誰が好きでもない男となんて!・・・あっ」 「本当素直じゃないねえ。君は」 「ヤスの意地悪」 抱き締められた黒木の腕の中でターニャは盛大に泣いた。 「ごめんね。素直じゃないのは僕の方だよ・・・ 本当は酔った振りしてたんだ・・・」 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |