○○○×ミザリィ
![]() 亜宇他荘の一階で開業しているオカルトショップ「美沙里」。 店主は亜宇他荘のオーナー、ミザリィ・ストーカーその人である。 「なぜこんなことをしたの?」 鋭く問い掛けるのはノースリーブのボディコンワンピースが悩殺的なミザリィ。 想一少年は椅子に縛られたうえ、骸骨剣士の曲刀と三つ目ミュータントの鉤爪が首に当て られている。 「…お金が要るんだ」 亜宇他荘の住人である想一少年は、母親と二人暮らしである。 母親の経営する居酒屋が、悪質な金融業者の取立てを受けていることを知った想一少年は、 思い余って「美沙里」の売り上げを狙い、店番をしていた骸骨剣士と三つ目ミュータント の等身大フィギュアに取り押さえられたのだった。 「そういうことだったの…」 ミザリィは想一少年の縄を解き、少年の頭を抱えて豊満なバストに押し付ける。 「もう大丈夫よ、私は君みたいなかわいい子が苦しんでるのを放っておけないの」 その夜ドレスアップしたミザリィは想一の母の店に赴いた。 心配になって店の外で隠れていた少年の前に、ハゲ頭の金融業者に伴われたミザリィが姿 を現す。 連れ立って繁華街を歩くミザリィとハゲ親父は、こっそり後をつけてきた少年の目の前で、一軒の建物の中に姿を消した。 ![]() 数日後。 どうにも気が引けてミザリィと顔を合わせることを避けていた想一少年であったが、やは りキチンと礼を言ったほうがいいかと思い、オカルトショップ「美沙里」を訪れた。 最初は留守かと思ったのだが、寝室の方からなにやら物音がする。 「あ…」 僅かに開いたドアの隙間から艶っぽい喘ぎが漏れてくる。 想一少年はそっと中を覗き見た。 部屋の中では全裸のミザリィにハゲ中年がのしかかり、フレキシブルに腰を動かしていた。 ![]() 「やめろ!」 思わず飛び込む想一少年。 ハゲ中年はメタボ体型に似合わぬ機敏な動きで少年に向き直ると、目にも留まらぬワン・ ツーパンチを食らわせて遁走した。 全裸で。 「大丈夫?」 鼻血を出してダウンした想一少年を助け起こすミザリィ。 こちらも全裸だ。 「あの男、一度抱かせてやったら調子に乗って愛人になれってしつこいのよ。店にまで押 しかけて来てこの有様」 そう言いながら想一少年を介抱するミザリィだが、いっかな鼻血は止まらない。 「想一君にまで乱暴するなんて…許せないわね」 ミザリィの瞳が妖しく光る。 どうでもいいから早く服を着なさい。 ミザリィをナニした金融業者が、自宅の風呂場でメガネカイマンにナニを食い千切られて 死んだという新聞記事が小さく掲載されたのは、その翌日のことだった。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |