魔女狩りの村
○○○×ミザリィ


時の流れに取り残された、魔女狩りの村にも四季は巡る。
冬、曇天の空の下、家々も周囲の森も、厚い雪に覆われている。
一面の銀世界を、影絵のように黒い人影が行進する。
それは、もこもこと着膨れた男たちの集団だ。
その中に一人だけ、黒い毛皮のコートを着た、若い女の姿があった。
雲の切れ目から差し込む日差しを浴びて、きらきらと輝くウエーブのかかった緑の長髪。
左目を隠す前髪には、一房紫のメッシュが入り、耳は民話に登場する妖精のように鋭く尖っている。
厚い毛皮のコート越しでも、悩ましい曲線を描く体のラインは隠せない。
そしてその両腕は、手首のところで荒縄で縛られ、前を歩く男に牽かれていた。
やがて一同は、村の外れに立てられた、酒蔵の入り口の前にやってきた。
女を引いてきた男が前に出て、酒蔵の扉に梯子をかけ、女の手に繋いだロープを、酒蔵の廂を支える、太い横木に結びつける。
両手を高く掲げ、酒蔵の扉に向かい合う格好で吊り下げられた女のコートを、男の手が荒々しく剥ぎ取った。
コートを奪われた女は、全身を緊縛する荒縄と、両足に履いたブーツ以外、何も身に纏ってはいなかった。
柔肌に食い込む縄の感触と、肌を刺す真冬の冷気に、苦悶の表情を浮かべて身を捩る女の裸身を、男たちは交互に鞭打ちはじめた。






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