番外編
「はぁ? セキレイとどう接していいかわからない?」 「はぁ、はい。セキレイっていうか……みんなに対して」 何でも屋をしてるっていうが、帝都内のガテン系を回った方が見つかりやすいのは何故だろうこの人、クズの人こと瀬尾香。 今日はセキレイの光、響のふたりはいないようだ。あれほどの美貌ならガテン系以上に稼ぎ口はあるそうだ。ならなんでティッシュ配りなんてさせたのだろうか、って聞いたら。 趣味だ! とたん強烈な電撃のツッコミがはいる。 じょ、冗談や。本当は…… 面白そうだった―― 最後まで言い終える前に、ダブルの雷が落ちて、話しは中断した。 とにかく話がそれたが、今日はセキレイのことを相談するために仕事先に着ていた。 まだ休憩中でもないだろうに、鉄骨に腰を下ろして、差し入れに渡した缶コーヒーに手をつける。 「まっ、あれだけ揃ってるんだ、よろしくやればいいじゃねえか」 「よろしくって?」 まじめな反応に飲むのを止める。 「ああっ!? お前まさか」 相変わらずの様子にジロリとのぞき込む。 「はぁ、おまえさんらしいなぁ」 ため息をつきながら缶コーヒーを飲み干す。 「まっ、般若のお膝元でやろうって奴もいないか」 「はい?」 がんばって理解しようとしているが、見当はずれの様子に呆れつつ答えを教えよとする。 「しっぽりや――ってはっきりいやぁ」 ずばり言ようとした瞬間、顔を真っ赤にさせて声をあげられた。 「えええっ!」 「わかったか」 「そ、そんなこと」 わかりやすい反応をみせる皆人を見据えつつ聞かせる。 「彼女じゃねえとはいえ、おまえさんならセキレイでも同様に相手出来るだろ。愛してやればそれだけ強くなるわけだし、損はないだろ。あんだけいるんだ、楽しいだろうよ、あのお子ちゃまは……おまえ次第か」 と気まずそうな表情が一転して、鋭い瞳をおくる 「お前……童貞か」 反応は雄弁だ。 「はぁ、聞くまでもなさそうやな。なるほどねぇ、無理な話か」 シングルナンバーズをはじめ曰く付きのセキレイばかりもつ葦牙としては、この馬鹿げたゲームの覇者にも近い男がこれでは、そう考えて笑ってしまう瀬尾だった。 当の皆人はというと。確かにセキレイの純粋な思いをぶつけられることを戸惑っていたのは事実。それをどう受け止めたらいいのか悩み、相談にのってもらったわけだが、これだ。う〜ん、相談相手を間違えたのだろうか。 →このまま、瀬尾と話す。番外編ルート? →諦めて、他の人を探す。本ルート? SS一覧に戻る メインページに戻る |