侵入者鶺鴒(皆人×松×月海)
番外編


皆人とそのセキレイによる生活(主に雑魚寝)に危機を感じた出雲荘大家・美哉は、セキレイの貞操を保つためにそれぞれに「部屋割り」を行った。 皆人の毒牙にかからないためとの判断だったが、セキレイたちからは不満の声しか上がらなかった。
そんなある真夜中の出来事。

「…ふぅ、松はいい加減飽きたですよ。ここからだと松が一番近いですし、皆たん以外に誰もいない、これは実験の絶好の機会としかいえないですよ」

大量にあるパソコンのモニターが照明代わりになっているような「松部屋」では、松が一人で何やらゴソゴソと企んでいた。

くるっ パタ、スーーーッ

松部屋に繋がる隠し扉を裏返し、皆人が眠る部屋へと忍び込む。
「クフッ 誰もいないですよ。いつもはあんなに揉みくちゃですのに……」
真っ暗の部屋の中、再び入ってきた戸を閉める。皆人が眠る布団の上にはセキレイが一人も寝転がっていない、以前では考えられない落ち着いた空間になっていた。

『んん……』

「…皆たん、よく寝てるです。今日は実験の良い機会なので、松特製の薬を持ってきたですよ?」

眠っている皆人に話しかけるように、松はそう言うと薬が入ったらしい小瓶を取り出した。

「ええっとですね、これを局部に塗りたぐると、それはもうすごいことになるという薬なのですよ。 松は少し塗っただけで……だったので、殿方の反応が見たいのです。それに塗った後に皆たんがどうなるか……クフフフ」

皆人を起こさぬように足の方から、モゾモゾと布団に侵入していく。

「さて…これを皆たんの下半身…の一部に塗るわけですが、さすがにちょっと抵抗があるです。 いざ目の前にしてみると…何だか、身体が熱いですし。 んんー…」

いつもの松ならば動じずに行動に移すが、今は皆人が睡眠中なので面白い反応もなく、またその先は頭では理解していても未開の地であったため、手が止まってしまっていた。

「…さっと塗ればいいだけです。やるですよ…!」

「ん、んん…ーっっ」

「あ…っ!!? つ、月海たん…!?」

突然の咳払いに目を向けると、そこには月海が同じように布団に潜っていた。

「いや、吾はミナトの様子が心配での、その……決して契りを交わそうとこっそり忍び込んだなどではなっ、ないのじゃ!」
「ああああ、声が大きいですよ月海たん。事情は分かったですから、静かにしてください。皆たんが起きちゃうです」
「あ…ああっそうじゃな。それに万が一…大家殿にばれたのでは……」
「ふふ、美哉なら心配ないです。手は打ってあるから大丈夫ですよ」

どうやら松より前に月海が皆人の布団に侵入していたようで、松は鉢合わせた形になってしまった。普段は仲が悪い同士とはいえ、今は騒ぐとすべて台無しになってしまう。ここは一時休戦と言わんばかりの暗黙の了解を察し、お互いを咎めることはしなかった。

「お主は何をやろうとしていたのじゃ?」
「実験ですよ。皆たんの下半身に薬を塗って……遊ぶです」

ニヤリと松が笑うが、月海の顔が真っ赤になった。

「……相変わらず分からぬ奴じゃ」
「ちょうど良かったです。一人じゃ手が足りない所でしたから、月海たんも一緒に手伝ってくれると嬉しいですよ?」
「…乗りかけた舟というやつじゃ。よかろう」
「じゃあ、皆たんのズボン…というか全部下ろしてください」

月海が思わず飛び跳ねた

「なっなな汝は何を言っ…!!意味がわからぬ!」
「そんな真っ赤になって恥ずかしがらなくてもー。皆たんの下半身を出さないと、薬が塗れないのですよ」
「し、しかしミナトの…を吾が…」
「…じゃあやっぱり松がやr
「っ吾は脱がすのが得意での。任せるがよい」

皆人は何も知らずに気持ち良さそうに眠ったまま、布団の中ではとんでもないことが行われていた。

「ぬ…脱がしたぞ、松…」
「さすが月海たんは大胆ですねー。松にはとてもそんな事できないですよ」
「…なっ、汝がやれと…!」
「クフッ もう共犯者ですから、引き返せないですよ?」
「…くっ…何をやるか知らぬが、汝一人だけにするとミナトが心配じゃ。構わぬ!」

トランクスまですべて下ろされ、あられもない姿が月海と松に晒されているが、皆人は幸せそうに眠ったままである。
「では早速、この薬を皆たんのここに塗るですよ」
「う……。」
「これを塗ると皆たんのここはたちまち熱くなって、我慢できなくなるですよ」
「……はぁ…はぁ…」
「熱くなったときにどんな反応が起こるのか、松は楽しみでならないです。クフフフ…」
「はぁ…ミナト…」
「月海たん、興奮するのはこれからですよ」

ヌリヌリヌリヌリ

松は小瓶に入った液状の薬を指に付け、皆人の局部に丁寧に塗りたぐる。

「クフッ 何だかドキドキするです。これが殿方の…」
「むぅ…何やら腹立たしいのは気のせいかの? 松、吾にもその瓶を貸すのじゃ!」
「あん、月海たんっそんな乱暴にしちゃ…」

バシャ!

小瓶の中身が全部こぼれてしまった。
幸いだったのか、それはすべて本来かけるべきだった皆人の部分にこぼれていた。

「す、すまぬ……こんな事にするつもりは…」
「あ〜〜〜〜、これは大変なことになったかもしれないです。薬は少量でよかったですのにーー」
「…ど、どうなるのじゃ?」
「爆発する可能性が……」
「…!?」

松の発言からは意味が分からなかったが、それはすぐに見て理解することができた。
先ほどこぼした皆人の局部が、みるみる大きく膨張し、反り立っていく。 ギチギチと音を立て、苦しそうにも見える。

「お…大きいです…! じゃなくて、やっぱりこうなったですよ。 でもこれが殿方の……」
「なんじゃ、これは…っ!?」

二人は初めてそれを見たのもあるが、薬によっておかしな程に膨張して反りたったものだったため、驚きが大きすぎた。
ギチッギチッと二人の目の前には巨大な肉棒が蠢いている。まるで別の生き物のようで、松と月海にはあまりに刺激が強く、衝撃的だった。

『うう……。ぅ……くぅ…。』

「ちょっと試すだけでしたのにー。月海たん……これはまずいですよ」
「なっ吾のせいと申すか!?」
「だってこれ…戻りそうにないですよ? 皆たんも苦しそうですし…」
「む……ミナト…。確かに、何とかしてやらねば辛そうじゃ…」
「殿方のものは出すと楽になるようですし、やってみるといいかもしれないです」
「…話が見えないのじゃが…」

下半身に薬を塗るでキンカン思い浮かべた奴はどれぐらいいるのだろうか・・・・

ヒソヒソヒソ

「――っ!!!!」

ガッ!

松が事を説明した途端、案の定月海が驚いて暴れそうだったため、手刀にて動きを止めた。

「月海たん、皆たんが起きちゃうですよ?」
「…はぁ…はぁ…。いや、すまぬ…しかし…っ 吾はそんな…」
「では松がやりますから、月海たんは大人しくしててください」
「む…、むぅぅ……!」

眉をしかめて何ともいえぬ表情のまま、月海は何とか妥協したような複雑な返事をした。
松は新しい玩具を与えられた子供のような顔をしつつ、皆人の反り返ったモノに手を差し伸べる。

ニチャッ

「ををっ 熱いです。熱いですよ月海たん? 何かビクビク脈打ってますしこれは… 松も熱くなってきたです」
「む…むぅぅぅ……〜〜!」

更に眉をしかめる月海。

ぐちゅっぐちゅ

「熱くて、それに両手でも収まらないですよ… んん…手がぬるぬるです。何だか松も変な気分になってきました」
「わ、吾に…もっ 」

ガッ!

松の行動を見ていた月海は、それをどうすればいいものなのかを何となく感じ取り、松から奪い取るように皆人のモノを両手で握った。

「…これがミナトの…っ うぅ…っ 熱いっ…」
「月海たん、握ってるだけじゃ駄目ですよ? 早く動かして出さないと皆たんが…」
「っん…熱い… 熱いのじゃ…っ 触ってるだけで溶…溶かされる…」

チュプッチュプッ

月海はかなりぎこちない手つきで、皆人のモノを触っている。
強く握っているが、薬の水分が潤滑油のようになっているため、滑らかに指が絡みつく。 
また力加減が分からないからか、握り方もおもいきりがよく、ぎゅっと締め付けるように掴んでいる。

「熱いのじゃ…っ…はぁはぁ…ミナト…これで気持ち良いかの…?」

薬で滑りはいいが、月海の手つきはぎこちないため、思うような反応は得られなかった。

「月海たん、ぶっちゃけヘタっぴじゃないですか?」
「なっ!? 吾は…、吾は一生懸命……」
「…んんー、でも皆たんはまださっきのまま苦しそうですし、楽になったようには見えないですよ? このままだと…」
「む… 夫のためにと思ったが、吾ではミナトを満足にさせてやることもできぬのか…」

月海がかなりへこんできた。

「大丈夫です、月海たん。 手が駄目なら口でやればいいですよ!」
「く…!?(中略)


「んっ…んっジュポっジュポッ…っはぁはぁ、ミナト…早く出…んんっジュポッジュポッ」
「月海たん、音がやらしいですよ……」
「んっんっ…ジュポッはぁっ吾は…ミナトのために んっチュパップジュプッジュポッ
『…っう…んん…はぁ…はぁ』

月海が口でそれを咥えだした途端、反応がよくなる。

「んんっチュプっジュプっ…はぁっ ミナト…? んっチュッチュポッ」

月海はやる事に対して抵抗はあったが、松が自分がやると言い出しそうなことや、これ以上妻として満足させてやれないということは月海にとってあってはならないことだったので、必死だった。

「はぁっはぁ、どうじゃ松? ミナトは吾で気持ち良さそうであろ…ッ?…チュプッジュポッ」
「……松はそこまでやるとは思ってなかったです。びっくりです」

月海の顔がベトベトに汚れていく。それが皆人のものか月海の唾液からか、両方が混ざっているが月海は構わず続けた。

「んっチュッジュプジュポッ はぁッはぁ…んぶっ」

『っっ……』

その時、皆人の体がビクンと大きく動いた。

「んん〜〜〜〜…っ!!! っこほっごほ!」
「…どうやら皆たんが達したようですね。 月海たん?」
「なんじゃ…っごほっ 口の中になんぞ…絡みつくっのは…っはぁ…っっ」
「クフフッ それは吐き出せばいいと思うですよ。 殿方には飲んでもらうと喜ばれる方もいるようでs…
「コクッ…コクッ…ゴクン ん…っ、はぁ…っはぁ…」
「…月海たんは皆たんのためなら何でもやりそうです…」

『う…、んん…すー…すー』

「やりましたよ月海たん? 皆たんが気持ち良さそうに眠ってます。 作戦成功…!っ てあれ??」
「はぁ…ミナト……吾はまだ熱いままなのじゃが……」

月海の顔はベトベトのまま、口からも皆人の精液が滴る。まだ満足はしていないが、皆人に尽くせたことで月海の顔は恍惚としていた。

「何かおかしいですよ?本来の目的はこれじゃなかったよ う な

ゴガッ!!!

松が疑問を感じ始めたその時、鈍い音と共に二人の視界が暗転した。

「………。」


―翌朝

『ふぁぁ……よく寝た…。…けど何か体が重い…なんで?』
「皆人さん、おはようございますっ」
『あれ、早いね結ちゃん。おはよう……、朝から元気だね』

起きたばかりの皆人に清々しい挨拶を交わす結。特に何でもない日常。

『ん? 結ちゃん口紅でも塗った?』
「いいえー??結はそういったものは持ってませんけど……」
『そっか… 何か艶っぽい感じがしたんだけど……気のせいか』

いつもの結のはずだったが、口唇の周りが妙に光ってるように見えた皆人は、化粧によるものだと思った。 そして妙に色っぽいような何ともいえぬ感じがあったが、特に分からないし追求しても仕方ないのでそれ以上考えるのはやめた。

ただ、皆人が布団を入れようと押入れを開けた時に、押し込まれていた松と月海が落ちてきたという事実が、昨晩の出来事を物語っていたかもしれない。

「お…のれ……む…す…び……」
「…松は…結局何も…して…な…いです……のに」

結は何のことでしょうと言わんばかりに、二人に微笑みかけた。 心なしか満足そうに、背後に見える熊も笑っているように見えた。
何のことやら分からない皆人、とりあえず分かったのは、さっきから部屋の入り口にジッと佇んで震えている大家・美哉の、尋常じゃない空気だけだった。






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