瀬文焚流×当麻紗綾
![]() 「暇だなぁ・・・」 静かな未詳に当間の声が響いた 地居との戦い以降ぎこちなくも使えるようになった左手で 蜂蜜入りコーヒーを口にはこぶ。 「仕事をしろよ。」 「終わりましたもん」 野々村係長は奥さんとの結婚記念日だということで今日は有休で居ないし、 柿ぴーを食べる音もしないし話し相手もいなくてつまらない。 「おりゃっ」 勢いよく椅子の背にもたれ、ギッと椅子が大きく軋んだ。 頭を逆さにして、なんかないかなーと暇を持て余して未詳を見回してみる が、コンクリートの質素な壁だけで本当になにもない。 「せめて静かにしてろよ餃子女」 「おみゃーがうるせーんだよハゲ!」 瀬文に鋭い目つきと口調でさきほどの行動を咎められ 頭に来たから言い返してやった。 暴言をたたみかけてやろうと口を開いたとき、 「あ、!」 当間の頭によくない発想が浮かんでしまった。 そうだ、瀬文がいるじゃないか。あいつをいじってやろう! 瀬文が怪訝そうな顔でこちらを見てきたのでそれに微笑んでやる。 「気色わりぃ・・・」 そう吐くとまたすぐパソコンに目をむけ仕事を再開しだした。 いつもならそこでまた暴言を吐くのだが、 今日はそんなことせず猫撫で声をだして話しかける。 「せっぶ〜みさあん、あのぉ、瀬文さんってぇ、・・・童貞ですかぁ?」 「っ!、ゴホッ」 コーヒーを噴き出して咳き込んでる・・・くくっ、ウケる・・・ 予想通りの反応に、ドヤ顔をして瀬文を見れば 瀬文はすごい形相でこちらを睨んできた。が、何も口を開かず。 パソコンをカタカタと鳴らし始めた。 (ちっ、シカトかよつまんねえ) おもしろい反応を見れたのはほんの一瞬だけで、 少し期待外れだなと思いながら胸の内で舌をうつ。 せっかく下ネタ投下してやったのに・・・ それでも赤面とかしたら爆笑もんだったのにな。 ていうか瀬文は赤面とかするのだろうか。 しなさそうだな、女っ気のまるでない瀬文には性欲がもうないんじゃないのか なんて勝手に妄想をすれば頭の中でどんどん膨らんでいく。 瀬文は理性のタガが外れるなんてことあるのだろうか・・・ むしろ理性の塊なんじゃないのか、まさに鉄の壁。 最終的にそんな疑問が浮上してきたので検証してみることにした。 挑発してみよう。 もしも万が一なんてことがあっても逃げればいい。 「ねぇ瀬文さん」 「・・・。」 声をかけても反応は無いが、耳栓はしていないようだから聞こえてるだろうと なにかおもしろい反応があるまで話しかけることにした。 「ちょっと、シカトしないでくださいよ」 「・・・黙れ。」 「ね、ね、瀬文さん。キスしませんか。」 絶好の暇つぶしに当間のテンションはあがるばかりで、 ニヤニヤしながら口が止まらず 「せーぶーみさん。 最近溜まってたりしてないですか?出してあげましょうか」 色っぽい声でそういえば勢いよく瀬文が立ち上がり 無表情で当麻に近づき横に立った。 「あ、瀬文さん」 やっと反応してくれましたね、あんまおもしろくはないすけど。 言おうとするがいきなり瀬文に右腕を掴まれ立たされる 「っ、え?ちょ、痛」 「もちろん責任とれるよな?」 「・・・は?」 どういう意味かと考えようとするがそんな暇もなく 掴まれていた右腕をそのまま引っ張られ仮眠室へ乱暴に引き込まれた。 「せ、瀬文さん、いたい」 「知るか。」 低い声でそう言い放たれて、無表情から怒っていることだけは感じ取ることができた。 やばいと直感的に思っても当麻にはもう為す術がなく。 「!、やめ」 ジャケットのボタンを瀬文に外され、抵抗するがキスで口を塞がれ 「できもしない挑発したのか?」 「っ、ただ、からかった、だけで、」 先程のキスのせいで上がった呼吸を整えながら瀬文に弁解をする。 が、あまり意味はないようで表情は変わらない。 「ほら、謝れ。」 「え、」 「悪いことしたら謝るって習わなかったのか」 この状況はほんとにやばいかも、と余裕の無い頭で考え とりあえず瀬文を刺激しないように素直に謝っておくことにした。 「・・・ごめんなさい」 「もう遅ぇよバカ」 スーツの上着を脱ぎ、片手でネクタイを解く。 その瀬文の動作を見て当麻はようやく 自分のしてしまったことの大変さに気づいた 「ほんとうにすみませんでしたもうしません許してください」 瀬文と視線が絡み合い、瀬文の眉間にシワがよる 「だめだ。・・・俺が許すまで付き合え」 強い力で押し倒され、組み敷かれる。 互いの指が絡められ手のひらに暖かさを感じ、 瀬文に対する気持ちに気づいてしまいそうになってそれを遮るようにかたく目を閉じた 「っふ、・・んっ」 再び深いキスが落とされる 息が苦しくなって目を開けるが一向に離してくれる気配はなく。 「っは、ぁ・・・っ」 窒息死するんじゃないかというぎりぎりでようやく唇が離れ 少し目をキツくして睨むと、瀬文は当麻の首筋に噛み付いた。 「っつ、う」 痛さに涙を目に溜めれば、瀬文から生意気にも 「よく反省しろよ」 という言葉を投げかけられ 「あのせぶみさん、ほんと謝るので思い止まってください」 「さっきまでの調子はどうした」 混乱を声色に出さないように瀬文に声をかけたが 瀬文は僅かにも感じ取ってしまったようで余裕綽々挑発してくる 無論当麻の言葉に耳を貸す気はないようで、 ブラウスのボタンはどんどん開いてゆき 「ン・・・ふ、ぁ」 片手でゆるく胸を揉みながら もう片方の手でスカートのファスナーをおろし下に引き落とす 「っぁ、ん、あ!」 胸を揉まれて下が疼き、足をすり合わせれば 瀬文はそれに気づき片端の口角だけ上げて下部へと指を滑らせた。 「もうこんなになってんのか」 充分すぎるほどに濡れていたそこに瀬文の指が入り込み 少し荒っぽく出し入れされ水音が響く。 その音に羞恥して弱く逃げようとすれば 腰を掴まれ、中で指をぐるりと掻き回された 「ッあ!や、ッぁ」 「ここか」 反応があった場所を強くえぐられ、びくりと身体が跳ねる。 執念にそこばかり責められて当麻の高い声の間隔が狭まり 「はっ、ぁ!んんッ」 「もう謝罪は終わったのか?」 「、っえ?、ん、ッあ」 「俺はまだ許してない」 「あッ、ごめ、なさっ」 言われて頭の遠くでなぜこうなったのか薄く思い出し 少しの後悔と、瀬文の体の温かさに幸せを感じている事に少し笑いそうになったが もちろんそんな余裕があるはずなど無く 「も・・ゆるし、ッン!」 「まだだ」 「っ、ぁあ!あ、イ、」 当麻が一層声を高くすれば瀬文は意地悪く目を細め 「イっても良いといつ言った」 「っえ?・・・あっ、!」 いきなり当麻の膣内から、それまで中をかき回していた指が引き抜かれた。 その指を追うように当麻が腰を揺らしたのはもちろん無意識で 「や、・・・は」 「どうしてほしいか言え」 「っ・・・ふ」 言葉を催促するように当麻のももの付け根を撫で回せば 当麻から甘い吐息がもれた 「このままやめてもいいが」 「!や・・・・ほし、」 こんな状態でやめられたらたまったものではない、と 懇願するように瀬文に目を向けるが 口で言わないと分からん、と言われてしまった。 「ちゃんと言わないとやらん。」 心の中で、次は絶対主導権を握ってやると悪態をついてから 諦めて瀬文に快感を乞う 「せ、ぶみさんので、イかせてください」 はやく挿れてほしくてたまらないのに瀬文は何も言わず 当麻の腰をゆるりと撫であげて 「も、おねが、っ」 散々焦らされて涙をこぼしながら瀬文を見れば、 「あぁ!っあ、ンぅ」 一気に奥まで挿れられ激しく律動が開始された 「ぁッ!や、あ…っ、ん!んッ」 「っ、キツい、締めすぎだ」 いきなりの大きな異物感に身体はついてこれず内に力がはいるが 瀬文が当麻にキスをすればそれもいくらか和らぎ 「ン・・っ、ん!、ふ、」 「声、我慢すんな」 下唇を噛んで、大きく上がる甘い声を抑える当麻の口内に、 瀬文は指を2本差し入れた 「噛むんじゃねぇぞ」 「あっ、ッあ!、」 口が閉じないおかげで突き上げるたび篭らない声があがり、 未詳のコンクリートの壁に小さく反響し 律動に合わせあがる嬌愛を聞けば瀬文は満足そうな表情を浮かべた。 「当麻」 耳元で瀬文が甘く低くはきおとせば当麻は肩を大きく震わせ 「っ!、ッぁあ!あ…っ」 当麻は足先までぴんと張り詰めさせ頂点に達し、 荒い息のまま力が抜けてぼんやりと目を少し伏せた 「!、や、だめで」 「聞けんな。」 しかし達していない瀬文の律動は再び開始され 「ぁ、っあ!ンッ…や、また、ッ」 先程よりもハイペースで中を突かれれば イったばかりで敏感な当麻はすぐにまた限界を感じ 「っは、とうま・・・」 切なげに瀬文に名前を呼ばれ目を合わせれば その顔からは余裕が見えず 「せ、ぶ・・ッみさ、あぁッ!」 2度目の絶頂を迎え当麻の中がきつく締まり、 そのあとずるりと瀬文のものが引き抜かれる感覚を感じた。 当麻の横に瀬文が肘をつき身体を落とし 「重い」と一言言えばそのよく引き締まった身体は横にずる 「すまん。」 「なんですか、今更」 少し突っぱねたように言ってやると瀬文は申し訳なさそうな顔をして 「情事も荒っぽくて悪かったが、その、」 瀬文の言葉は珍しく歯切れが悪く 当麻には瀬文がなにを言いたいのか大体の見当がつき 「いいですよ。別に。 でも・・・もしもの時はちゃんと責任とってくださいね。」 「、!・・・あぁ、当たり前だ。」 赤面している瀬文の腕の中に抱き寄せられて 当麻は瀬文の匂いをいっぱいに吸い込んだ。 抱きすくめられた腕の中で、あと餃子も奢ってくださいと言ったら 瀬文にほんとにお前は・・・と呆れたように笑って返された。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |