報告(ウソでもいいから 続編)
-2-
上田次郎×山田奈緒子



奈緒子はとうとう、自分が今おかれている状況から目を逸らすように、顔を背けた。
恥ずかしがるのも無理はない。
こんなに明るい部屋で、秘毛まで濡らし、尻を伝う愛液や厭らしく収縮を繰り返す秘部を、食い入るように俺に見られているのだから。
右手で秘肉を広げ、溢れ出す源泉のようなそこを満足するまで見つめた。
ゴクリと自分の喉が鳴る音を聞きながら、左手でその存在を誇張するように腫れあがったクリトリスを軽く弾いてみる。

「ああぁっ!!」

抵抗を止め再びベッドに寝転がった奈緒子の体が数回跳ねる。
その反応を見て、俺は何回もクリトリスを弾く。

「きゃっ!あぁっ…んっ!あっ!やぁあっ!!」

楽器のように反応して鳴き声をあげ、快感を訴える奈緒子。
やがてゴプリと音を立て、大量の愛液が秘穴から噴きだしてきた。
もはやヌルヌルと滑り満足に皮肉を広げることの出来なかった右手を離し、その液を掬い取る。
左の指先でクリトリスを挟みあげながら、俺は愛液の絡みついた指を高く持ち上げた。

「…YOU、見ろよ」

奈緒子の視界に入るまでその指を上げると、秘部と指を繋いでいた粘液の糸が切れ、奈緒子の腹にポタポタと落ちていく。
奈緒子はクリトリスに与えられる快感に震えながら、いやいやと首を横に振り、決して目を開けようとしない。
俺は指に絡みついたそれをネバネバと伸ばしながら、奈緒子の顔の前まで持っていった。

「すごいな、こんなに濡れ…」
「いや!いやぁ!言わないでっ!!」

激しく首を振り、自分の状態を必死に否定しようとする奈緒子に、俺の加虐心が沸き上がってくるのをふつふつと感じる。
愛液のあまりついてない親指と薬指で奈緒子の顎を掴み、顔をの動きを止める。
クリトリスを弄る手も少し休め、まだきつく目を瞑ったままの奈緒子の唇に、俺は愛液で濡れた指でそっと触れた。
突然の違和感に奈緒子の体が強張る。
俺はそのまま、口紅を塗るように奈緒子の唇を彼女の愛液で染めていった。

キラキラと光るその唇を何もせず満足気に見つめていると、奈緒子が恐る恐るその瞳を開けた。

「な、何したん…」

唇の上のそれを拭い去ろうと伸ばした手を、掴んで遮る。

「上田さっ…!」
「舐めてみろ」

俺の言葉に少し困ったような顔をしながら、奈緒子は小さく舌を出し、唇に塗られた愛液をチロリと舐めた。

「やっ!何、これ…っ」
「君の愛液だよ」

その言葉に火がついたように赤くなる奈緒子。
俺は軽く喉をならして、まだ濡れて光る奈緒子の唇に舌を這わせる。
それと同時に、休めていた左手でクリトリスを摘み上げた。

「きゃぁあっ!!」

閉じられていた奈緒子の唇が大きく開かれ、熱い吐息が俺の舌にかかる。
俺の指はヌルヌルと滑り、クリトリスの周りを蠢き回る。

──グチュウ、クチュプチュ

俺の舌から伝った唾液が奈緒子の頬や顎を流れ、奈緒子の下半身は卑猥な水音を響かせる。
上も下もぐちゃぐちゃになった奈緒子は、小刻みな痙攣を繰り返した。

「はぁんっ!あっ…だめっ、もっ、もうっ…やだぁ!あっあっあっ」
「…イキそうか?」

奈緒子は顔をくしゃくしゃに歪め、何度も頷く。
俺はそんな奈緒子に満足しながらクリトリスを音を立てて擦りあげた。

「あぁあんっ!やっ…いくぅ…上田さっ…イクっ!イッちゃ…きゃぁんっ!!」

相変わらず、奈緒子の達した時の表情は俺にとてつもない興奮と満足感を与えてくれる。
こんな顔を俺しか知らないんだと思うだけで、独占欲が満たされる気がする。
奈緒子が落ち着くのを見守りながら、その頬を伝う汗を何度も拭った。

「はぁ…はぁ、も…やだっ…はずかしっ…」

自分だけが達し、その姿を俺に見られるのが奈緒子には相当な恥辱らしい。
苦笑しつつ、悪戯心から秘部の下に添えていた手に目を遣る。

「おおう!…すごいな」

俺の手のひらには奈緒子の溢れる愛液で水たまりが出来ていた。
俺が何をしているのか、何を見ているのかを察した奈緒子の目は、恥ずかしさのあまり涙で溢れた。

「もうっ!やだっ!やだやだっ!ばか!ばか上田!!」

真っ赤な顔で睨まれても怖くも何ともないのだが。
少しからかいすぎたかと思い、その手を隠す。

「…久しぶりだったからな、溜まってたんだろ」
「……上田さんじゃあるまいし。そんな言い方しないで下さい」

奈緒子はまだ前の会話を引きずっているらしい。
俺は軽くため息を吐いて、まだ着ていたズボンを脱ぎ始める。
奈緒子は慌てて俺から顔を背けた。
何時になったら慣れてくれるのかと苦笑しつつ、俺も奈緒子と同じ姿となる。

「確かに、俺は溜まってるな」

自分のペニスを見てぼそっと呟いた。
奈緒子も俺の方を見て、驚いたように顔を強張らせる。

「な、なんか上田さんまで大きくなってませんか?」
「“まで”??」

奈緒子の言葉が引っかかり尋ね返すと奈緒子は慌てて口を塞いだ。

「何言ってんだ君は。俺はもともと大きいだろ」
「い!言い間違っただけです」

狼狽する奈緒子を不審を込めた目で見返す。
奈緒子はそんな俺の視線から逃れようと体を起こし、挙動不審な行動を繰り返す。

「し、しつこいぞ!…そ、そんなことより、えっと…その、…」

奈緒子が話題を逸らそうとキョロキョロと辺りを見回す。
と言っても、裸の俺達くらいしかそこにはいないわけで。
自然と目に留まったペニスに顔を赤らめながら、奈緒子は座ったままゆっくりとそれに近づいた。

「……触って、いいですか?」
「あ…あぁ」

少し驚いたが、もちろん肯定する。
奈緒子の熱い指が、さらに熱い俺のペニスにそっと触れた。

久々の快感に、背筋を何かが猛スピードで走り抜けていく。
奈緒子が指でペニスを包みこみ、ゆっくりと上下させながら紅潮した顔で俺を見上げてきた。

「誤解しないでくださいね…別に私は上田さんとSEXしたいわけじゃありませんから」
「YOU、言ってることとやってることが…」
「う、うるさい!」

奈緒子が俺の顔からペニスに視線を戻し、続ける。

「…上田さんはSEXできないのが寂しかったのかもしれないけど、私は、上田さんに会えなかったのがすごく…その…」

本当に、俺を喜ばせることに対して天才的だな、こいつは。

「何て言うか、上田さんが喜んでくれれば…私も嬉しいから。だ、だから…しかたなく!してるんです」

思い切り抱きしめたくなったが、それよりも奈緒子が俺のペニスに口づける方が速かった。
俺は口をつきそうになる声を抑えながら、奈緒子の頭にそっと手を添えた。

奈緒子の舌が、ゆっくりと俺のペニスを舐め上げる。
チロチロと小刻みに先端を舐めたかと思うと、焦らすように裏スジを這っていく。

「はっ…うっ!」

俺の息が荒くなるとその時舐めていた箇所を集中的に舐めてくる。

──ピチャ、クチュッ

ペニスを幾筋も唾液と溢れた粘液が這い、ゾクゾクと背筋が震えるような快感に襲われた。

「んっ…ふぅんっ…」

ペニスに舌を這わせたまま上目遣いで俺の様子を伺う奈緒子と目が合い、生き物のように、奈緒子の手の中でペニスが跳ねた。
そんな俺を見て満足げに微笑み、奈緒子は小さな口を精一杯開け、ペニスの先端を口に含む。

「うっ!…あっ」

上下に動く奈緒子の頭をつい強く押さえてしまう。
細い髪の毛を指に絡めながら、俺は自分の股間で蠢く奈緒子を見下ろす。

グポッ、グポッと口とペニスの間から洩れた空気が淫猥な音を響かせる。
シュッ、シュッと根本を指で扱きながら、先端にチュウチュウ吸い付いてくる奈緒子が可愛さ余って憎らしくさえある。

「はっ…ゆ、YOU…わざと、っ!音立ててるだろっ」

その問いに奈緒子は俺を見上げ、唇を離し淫猥に微笑んだ。

「さっきのお返しです」

短くそう言うと再びペニスに吸い付く。
奈緒子の口と指にいいように踊らされる自分の分身がなんとも情けない。
精の溢れる小さな穴を舌でクリクリと刺激したかと思えば、亀頭全体を円でも描くかのように舐め回してくる。

「はぁっ…うっ!!」

やられっぱなしは性に合わない。
何とかこっちからも更なるお返しをしたいが、休む間もなく襲ってくる快感が、俺に思考の余地を与えてくれない。

──グポッ、グチュっ、グプッ

奈緒子が髪の毛を何度も耳にかけ直しながら、口の動きを速めてくる。
ついに後ろ手で体重を支えきれなくなり、俺はベッドに倒れ込んだ。

突然寝転がった俺を、粘液で汚れた顔で、心配そうに奈緒子が伺ってくる。

「上田さんっ!大丈夫ですか?」

俺は息を落ち着かせながら、奈緒子の顔がもう少し近づいてくるのを待った。

「上田さんってば…きゃあっ!!」

頃合いまで近づいた奈緒子の脇の下に手を入れ、その肢体を軽く浮き上がらせる。

「ちょっ、何して…えっ?!」

そのまま体を反転させ、奈緒子の顔が俺の下半身に、奈緒子の下半身が俺の顔に向かい合うように、奈緒子を俺の上に乗せた。
すぐさま自分の置かれた状態に気付き、俺の上から逃れようと奈緒子が藻掻く。
が、俺がその細腰に手を回し、少しの力で押さえつけることで、奈緒子の抵抗は徒労に終わる。

「な、何でこんな格好!!上田!離せってば!」

体では抵抗を諦めようと口では決して諦めない。いつものことだ。
俺は無視して奈緒子の足に手を遣り、左右に開かせる。

「きゃっ!やだっ…そんな近くで見ないでっ!」
「はっ、今更。もうさっき十分見させて貰った」

呆れたように言う俺の方を、奈緒子が顔を赤らめ見返してくる。

「それでもやだっ!離せっ!」

恥ずかしがっても逆効果だということに奈緒子が気付くのはいつになるのか。
俺は視線を奈緒子の秘部から顔へと移し、意地悪く微笑んだ。

「じゃあYOU!勝負だ」
「しょ…はぁ?!」
「先に相手をイかせた方が勝ち」
「やっ!やですよ、そんなの」

首を激しく横に振る奈緒子から、再び秘部に視線を戻す。

「あっそ、じゃあずっとこのままだな」
「なっ…汚っ!!」
「YOUに有利な勝負だと思うぞ?俺はさっき既にイきそうだったし、YOUは……ん?何で何もされてないのにこんなに濡れ…」
「あーー!あーー!言わなくていい!」

奈緒子が大声で俺の言葉をかき消す。本当に、からかいがいのあるやつ。

「わ、私が勝ったら、こんな体勢すぐにやめてくださいよ?」
「俺が勝ったら、満足するまで続けるけどな。あ、そうそう。何本勝負がいい?」
「一本!!」

怒ったようにそう言って、奈緒子がペニスにしゃぶりついた。

「っ…!」
一瞬で達しそうな快感に襲われつつも負けじと目の前の秘部を指で広げる。
ネチョリと愛液が糸をひき、つい先程まで、いや、今も膣穴からそれが溢れ出ているのが見てとれる。
俺は丹田に力を込めながら、奈緒子の尻肉を掴み、顔の方に引き寄せる。
下の方から奈緒子があっと声をあげ、一瞬ペニスから唇を離すのが分かった。
舌が優に届く距離まで奈緒子の秘部を顔に近づける。
そうすると、ヒクヒクと蠢く膣穴や、垂れた愛液で光る尻穴まで見渡せた。

恥辱に震える奈緒子を体に乗せたまま、俺はそのクラクラするような淫猥な光景に酔いしれた。
グポッ、グポッという音と時折発せられる奈緒子の吐息を耳の奥で聞きつつ舌を出す。
奈緒子の反応に期待しながら、尖らせた舌で、クリトリスから尻穴まで一気にベロリと舐め上げた。

「んんんっ!!」

押さえつけていたにも関わらず奈緒子の尻は大きく跳ね、ペニスから慌てたように口が離される。
今のうちにと、舌のはらで何度も、何度も、クリトリスを舐め上げた。

「きゃうっ!やぁあっ…!!あっ、ふあんっ」

熱い液体が俺の顔にボタボタ落ちてくる。
息苦しさなど気にもとめず、俺は目の前の膣穴に吸い付いた、

──ジュルッズズズズズッ

わざと音を立て吸い取った愛液をゴクゴクと飲みほす。
下唇に触れるクリトリスが痙攣しているのが分かる。

「あぁああっ!!あっ!あーっ!きゃあっ!!!」

余程刺激が強いのか、狂ったように喘ぐ奈緒子。
唇を何度かペニスに戻し、奉仕を再開しようとするも、次から次に口から飛び出す喘ぎがそれを許さないらしい。
指さえまともに動いていないのだから、それも当たり前か。
このまま一気に勝負をつけてもいいが、それも勿体なく思え、一端唇を離してみる。

「…どうした?俺の圧勝か?」
「はぁ…はぁ…」
「イクときはちゃんと言えよ?」

俺の挑発にカッときたのか、俺が愛撫を休めている今を好機と見てか、奈緒子がペニスに口を戻す。
さっきの愛撫で力が抜けたのか、奈緒子の奉仕はとても拙い。
まだ自分にかなり分があると践んだ俺は、秘部への愛撫は軽く触る程度に留めた。
それだけの刺激で激しく痙攣するそこに興奮を覚えつつ、指で広げ中を覗き込む。
桃色の柔肉で蠢くそこに、一刻も早く挿入したいという欲求を高まらせ、喉をならす。

その瞬間、緩慢だったはずの奈緒子の舌が急に激しく動き出した。

「っ!!うあっ…!」

しまったと思うのもつかの間、奈緒子は喉の奥までペニスをくわえたまま、思い切りそれに吸い付いてきた。

空気と粘液が厭らしい音を立て、ペニスが奈緒子の口内で大きく痙攣する。
そのまま飲み込まれるのではと錯覚するほどの強い吸い付き。

「はっ!……っっっ!!」

──ドクンッ!!

成すすべもなく、奈緒子の口内に俺の精が満ちていく。
チカチカと光る天井を見ながら、今の奈緒子の表情を見られなかったことを、頭の片隅で残念に思った。


力の抜けた俺の体から奈緒子が離れ、ベッドに座る。
荒い息のまま奈緒子を見上げると、その喉が大きく動くのが見えた。
眉間に皺を寄せ俺の方を見た奈緒子は、その表情を満足そうなものへと一転させた。
口の端から溢れた精を手の甲で拭く奈緒子に、俺は困ったように笑ってみせる。

「…無理に飲むなよ」

俺の呟きが聞こえたかどうかは分からないが、奈緒子は嬉しそうに俺を覗き込んできた。

「えへへ!私の勝ちですね!」
「YOU、わざとだろう」
「何が?」
「わざと俺を油断させただろう」

してやったりという笑顔で奈緒子が俺を見る。

「勝手に油断する上田さんが悪いんです!すーぐ調子のるんだから」

憎らしいやつ。

「まぁ、正直…途中で油断してくれなかったら、負けてたと思うけど」
「つまりイキそうだったってことか」

奈緒子の失言に突っ込むと、その表情が固まった。
その隙にと、俺は脱いだズボンから財布を取りだす。
奈緒子が俺の方を振り返る頃には、衰えを知らないペニスに俺は避妊具を装着し終えていた。

驚く奈緒子を抱え、再び体の上に載せる。
これから何をするのかは分かってはいても、経験のない体勢に奈緒子が困惑しているのが分かる。

「う、上田さん?」

奈緒子の腰を俺の下半身の上まで持っていく。
勃起したペニスが奈緒子の秘部に触れるか触れまいかというところで、俺は奈緒子から手を離した。

どうしていいかわからず固まっている奈緒子をにやけながら見守る。

「えっと……えっ?ここからどうしろと?」
「分かってるくせにとぼけやがって」

俺が鼻で笑うと、奈緒子の顔がだんだん赤く染まっていく。

「や……分かって、る?…いや、分かってはいるんですけど。でも……あれ?」
「イキたくないのか?」
「イっ…!そりゃ…このままじゃ、辛いし…」
「イキたいだろ?」
「…………ィき、たい……です」

ゆでだこのような奈緒子に、俺は吹き出しそうになるのを必死に堪える。

「じゃあ、自分で入れろよ」
「えっ!どこに?!」
「どこって…言わせたいのか?!」
「やっ!!待った、いい!言わなくていい!ちょ、ちょっと…待って下さい」

奈緒子が落ち着くのを笑いながら待つ。

奈緒子は暫く考えた後、なぜか心配そうに俺を見てきた。

「………上田さん、仕事の疲れで動けなくなったんですか?」

寸でのところでなんとか笑いを堪えた。

「あ、あぁ…そんな所だ」

もちろん、嘘だ。ただ単に、したことのない体位をやりたいにすぎない。
奈緒子は唇を固く結び、小さく肩を震わせた後、呟いた。

「…わかり、ました」


プチュッと水音を立て、奈緒子の秘部とペニスが触れる。
奈緒子は下を覗き込み、俺のペニスに手を添えた。
長い髪がその表情を隠してしまうことを残念に思いつつ、奈緒子の一挙一動を見守る。

「んっ…んんっ…」

挿入のねらいを定めようと腰を揺らし、結果、ペニスの先端で秘部を擦られ一人喘ぐ姿に興奮する。

「えっ…と、ここ、かな?」

呟きながら腰を落とそうとするが、ヌルヌル滑るだけで上手くいかない。

「ん〜〜っ?!上田さんっ!!」

困ったように俺を見る奈緒子に、意地の悪いアドバイスを与えた。

「もっと足を広げて、指で穴を広げるんだよ」
「あ!……な……?!?」

今にも泣きそうな顔で俺を見た後、ゆっくりと足を開き、恐る恐る自分の秘部へと指を伸ばしていく。
ムニっと皮肉が細い指で開かれる様を食い入るように見つめた。
耳の近くの血管が脈打つ音を聞きながら、俺はその後の展開を待つ。

「あっ……ここ?」

尋ねてきた奈緒子に、重なった秘部とペニスの先端を見ながら頷く。

「そのまま、腰を落とすんだ」
「は、はい……んっ」

──ジュプップププッ

厭らしい音と共に、ペニスが膣穴に飲み込まれていく。

「んんんーーっ!んんっ…あぁっ!!」

吸い付く秘肉の快感に顔を歪ませながら、結合部と奈緒子の表情を交互に見る。
先端が子宮に当たる感覚と共に、奈緒子は大きく体を仰け反らせた。

「はぁんっ!あっ…あっ…あっ」

相も変わらず俺の逸物は奈緒子にはきつすぎるらしい。
小刻みに震えながら、肩で息をしている。

「奈緒子…動けるか?」

数秒息を整えた後、奈緒子は俺の質問に頷いた。

「あうっ!あぁっ…あっ!」

ゆっくりと奈緒子の腰が俺から離れ、またゆっくりと戻ってくる。
奈緒子が腰を落とす度に愛液がペニスの付け根に垂れ落ち、腰を落とす度に厭らしく濡れるペニスが垣間見られる。

「あっ…はぁんっ!やっ…これ、恥ずかしっ…!!」

俺が結合部を見つめているのに気付いたのか、奈緒子は涙を流しながら首を横に振る。
その光景に、沸き上がる衝動を押さえるのも、あと少しが限度だと思い知る。

「YOUと俺が繋がってるのがよく見えるな」

感嘆したように言うと、奈緒子は唇をふるふると震わせた。

「もうっ!はぁっ…そういうこと、言うの、あんっ!…やめてくださっ!」
「断る。こういうこと言うと、ココが締まるんだよ」

結合部に手を伸ばし、奈緒子の秘毛に触れることでココの意味するところを分からせる。

「っっ!!ばかっ!!」

奈緒子の目から溢れる涙を拭おうと頬に触れるが、返って手に付いた愛液で汚してしまい苦笑する。

「んあっ!…あうっ…あっあっ」

心なしか奈緒子の律動が速くなっている気がする。
いや、気のせいじゃない。
愛液は先程より激しく飛び散り、時折パチュンっと卑猥な音が鳴り響くようになった。
ペニスを締め付ける力も強まり、奈緒子の喘ぎ声もいっそう甲高くなってきている。
限界が、近いのか?
顔に触れていた手を、体に沿わせてゆっくり下ろしていく。
真っ赤な秘肉がめくれてはまた隠れ、濡れたペニスが覗いてはまた潜るそこへと。

「きゃあんっ!!あぁっ!」
「っ…!!」

膨れて顔を覗かせたクリトリス弾くと、驚くほど膣穴は収縮した。
俺まで、声が出そうになる。
奈緒子の快感はいったいどれほどのものか。
唇から垂れた涎や、俺の胸に置かれた汗ばんだ手、体中から弾け飛ぶ汗から伺い知る分には、苦しいほどの快感なのだろう。
肘がガクリと崩れ、俺の上へ倒れ込みそうになるのを何度も支える。

「あっ、あっ、上田さっ…もっ、私っ…!!」

膣口から子宮にかけて、柔肉が吸い付くような収縮を激しく繰り返す。
奈緒子が達する合図だ。いつも俺まで持って行かれそうになる。
だが、まだ…まだ離れたくない。
俺は汗で滲んだ手で奈緒子の腰を掴む。

「んんんっ…?上田、さっ?」

軽すぎる彼女を、腕の力だけで上下させることなど簡単なことだった。

「ひゃあっ!あああぁっ!!っはぁっ……んあぁっ!!」

今までの倍とも思える速さで与えられる快感に、奈緒子が叫ぶように喘ぐ。
俺でさえ、顔を歪ませてしまうほどの衝撃。

──グチュウ、パチュッ、パンッ!!

奈緒子を動かすだけでは飽きたらず、俺も腰を動かし彼女を突き上げる。
驚いたように奈緒子が俺を見るが、もはやその口から理解可能な言葉は発せられなかった。

「きゃあっ!う、えっ…ださんっ!!あぁあっ!やっ…激し…っ!」

結合が浅くなった時だけ薄く目を開け俺を見下ろし、深くなると同時にきつく瞑った目から涙を流す奈緒子。
もはや俺の上で快感に打ち震えることしか出来なくなったその姿に、俺の欲望は満たされていく。

「イけよ…奈緒子」

俺の声も、快感に震えていた。

「んんんっ…あっ!いく、イクっ…いくぅ!!」

訴えるように繰り返す奈緒子に微笑みながら、限界すれすれの快感に歯を食いしばる。

「あぁあっっ!!」

ゴプっと音を立て、大量の愛液がペニスを伝い俺の体を濡らした。

が、まだ俺は達さなかった。奈緒子が落ち着くのを待つ余裕も、なかった。

「ひゃうっ!やぁあっ!まっ、待っ…て!!あぁあっ!!」

奈緒子が達した快感に打ち震える最中も俺は突き続ける。
愛液が飛び、散り、跳ねる。

「きゃあぁっ!!だめっ…許、してぇ!!」

悲鳴のように、懺悔のように喘ぎながら。
俺から、快感から逃れようと奈緒子が足掻く。

「っはっ!…奈緒、子っ!」

悪いと思いつつも、快感に取り付かれた俺は動きを止めることができない。
二人の汗で滑り、奈緒子の腰さえろくに掴んでいられない。
このままでは、俺が達するより速く、奈緒子に…逃げられてしまう。

俺は勢いよく上半身を起こし、奈緒子を抱きすくめた。

子供のように俺の膝に抱えられ、子供にはできない顔で俺を見上げる奈緒子。

「あぁっ!嘘っ…つきぃ!!」

俺の頬を伝う汗が奈緒子の頬に落ちる。
その汗も次々と溢れる涙に流されていった。

「はっ…なに、が?」
「上田さっ、あぁあっ!!動ける、じゃんっ!はぁっ!!」

奈緒子の体を縦に、横に動かして。腰を浅く、深く回して。
部屋中に響く水音を耳にしながら。俺は奈緒子に微笑んでみせた。
諦めたように、気を失うように奈緒子は目を瞑る。

──パンッ!パンッ!ブチュッ、グチュウっ

一度達した奈緒子の膣内は、熱く、俺のペニスを溶かしてくる。

「ひゃぁあんっ!やぁっ…変に、なっちゃ…あうっ!!」

心の内で同意しつつ、俺は奈緒子の中を掻き回した。
尖った乳首や、クリトリスが、わざと俺の体で擦れるように動く。
後ろに倒れそうになる奈緒子の頭を片手で支えながら、その表情に見惚れる。

「はあっ、はあっ…死んじゃ、うっ!!」
「それはっ…困る、な」

奈緒子の吐息を吸い込むように、口づける。

「んんっ!んんっ!!んーーっ!」

息もつかせぬ程、激しい口づけ。
上も下も、分別できないほどの激しい繋がり。
そしてついに、俺の体が限界を迎える。

──パァンッ!!パァンッ!

「………っっっ!!」
「ふあぁああっ!あっ!……熱っ…!んんんっ!!」

奈緒子の中で、ペニスが大きく二、三度跳ねる。
同時に奈緒子も達した感覚を味わいながら、俺の視界は白くなった。

力を無くした奈緒子の肢体をベッドに横たわらせる。
かろうじて意識はあるようだが、まだ会話は出来ないらしい。俺も似たようなものだ。
奈緒子の横に俯せに横たわる。
二人の荒い息づかいだけが部屋に響いた。



初めに口を開いたのは奈緒子だった。

「……結局、誤魔化されちゃったし」

一瞬、何のことだか分からなかった。が、すぐに奈緒子の意図する所を理解する。

「……誤魔化してなんかないぞ」
「…何の話か分かってるんですか?」

不審気に俺を見る奈緒子。

「あぁ、分かってる」

そう言って体を起こし、壁に掛かっている時計を見た。

「……YOUが言うかと思ってた」
「はぁ?!」

怒ったような声をあげ、奈緒子も体を起こす。
俺は目を合わせないように続けた。

「何時だってそうだったろう?どんな事件が起きても、何時だって真相を口にしてきたのはYOUだ。
たとえ俺の方が速く真相を解き明かしていようとな」
「…そんなの、一度もありませんでしたけど!」

奈緒子の鋭い視線が横顔にささる。

「だから、矢部さんたちにもYOUが言う方が相応しいと思ってたんだよ、はっ、はははっ」
「な…に、それっ!そうやって、何でも私に言わせるつもりですか?!」

あまりに場違いな俺の笑い声に、奈緒子の声が震えているのが分かる。
俺は笑うのを止め、近くにあった奈緒子の服を彼女に投げ渡した。

「ほら、もう時間ないぞ…一緒にシャワー浴びたくないなら、さっさと入ってこい」
「……っっっ!!」

荒々しく服をかき集め、風呂場へ行く奈緒子。
が、そこは風呂場ではなかったらしく、慌てて飛び出し、別の扉を開ける。

「ばーか、何やってんだ」

その扉は正解だったらしい。けたたましくバンッと扉を閉じ、奈緒子は風呂場へ消えた。

「……ばーか」

ベッドから降り、自分の服をかき集めていると、奈緒子の忘れ物に目が留まった。
見慣れない下着。
それを手に取り、しかたなく、風呂場へと運ぶ。

「……ん?」

偶然目に入った下着のタグに、一瞬目を疑った。
次の瞬間、俺は思わず吹きだした。

「ははっ…なるほど、そういうことか」


風呂から上がった奈緒子は依然不機嫌だった。
先に帰ろうとする彼女を、ホテルの料金を言うことで無理矢理部屋に留まらせる。
俺の準備が済み、部屋を出てからも奈緒子は一言も言葉を発さなかった。
よほど怒っているのだろう。

俺がエレベーターのボタンを押した時、やっと奈緒子は口を開いた。

「……階、間違ってますよ」
「いや、これでいいんだ」
「でも、車、地下に停めて…」
「…これでいいんだよ」

怪訝そうに俺を見上げる奈緒子を余所目に、一階で降りた俺はさっさと料金を払い、入口の所で奈緒子を待った。

「上田!車、どうするんですか?」
「……だ」
「え?」
「さっきのは、嘘だよ」
「??…どういうこと?」

首を傾げる奈緒子の手を強引に掴み、外へ出た。


空はすっかり暗くなっていたが、その通りは煌びやかなネオンで明るさを保っていた。
その中に俺と奈緒子が飛び出した瞬間、聞き慣れた声が辺りに響いた。

「あーーーっ!!兄ぃ!上田先生じゃよ!!」

後ろにいた奈緒子が驚いて声の主を見るのが、背中越しにも分かる。

「センセー!待ちましたよ!…って山田?!」
「矢部!石原!」

呆然とする三人を余所に、俺は独りほくそ笑む。

「な、なんでおまえがここにおんねん!」
「や、矢部さん達こそ…」
「俺は上田センセと待ち合わせを……お、お前、すぐ帰れ!」
「あ、兄ぃ…!!」

矢部さんより早く気が付いたらしい石原さんが、矢部さんの背中を軽く揺する。

「うるさいわ!石原!!…あんなぁ、山田、これから俺達が行くところはお前みたいな…」
「あ、兄ぃってば…!」
「だから、お前は黙っとれ!!」
「!!!…ありがとうございますっ!」

いつも通りに吹き飛び、黙らせられる石原さん。

「とにかく、なんでお前と上田センセがここにお…!!…………ん?どういうこと?」
「上田さんっ!どういうことですか?!!」

背中から奈緒子の動揺した声が響く。その表情を想像することはいとも容易い。

そう、全て俺が仕組んだことだ。

『……もしもし?矢部謙三は今大っっ事な捜査中で…』
『あぁ、矢部さん…上田です』
『あ、センセー!どうでしたぁ?山田。でっかいたんこぶ作ってたんじゃないっすかぁ?』
『え、えぇ…まぁ』
『何も泣くことないと思いません?あいつ。今更かわいこぶっても無駄や!っちゅう話で…、あ、そう言えば
やっぱり来客って山田やったんでしょ…』
『あ、矢部さん!あの、お願いがあるんですけど』
『え〜?何ですかぁ?』
『…さっき矢部さんが仰っていた店に、やっぱり僕も行きたいんですが…』
『え?ほんまですか?…あ!でももう石原も誘ってしもたんですけど…』
『あー、構いません。料金は三人とも僕が持ちますから』
『うわっ!さすが大学教授だけあって上田センセは気前いいですなぁ。ありがとうございます〜!』
『あ…それでその店の前で落ち合いませんか?それで、場所を教えて頂きたくて。時間は、そうですね………』

突然車を降り、電話をかけ始めた俺を睨み付ける奈緒子。そんな奈緒子を見ながら電話を続ける俺。
その時既に、俺は頭の中に今のこの光景を思い描いていた。



「ちょ、ちょっと、待て…………今あんたら、どっから出てきた?」

矢部さんが、俺達が出てきた建物と俺達を交互に見る。

「え?えーーー?!?」

驚く矢部さんとその後ろでニヤニヤと笑い出す石原さん。

「ねぇちゃん、顔真っ赤じゃよ?」
「っっ!!うるさい!……上田!説明しろ!」

そんな三人を尻目に、俺は財布から適当な額を取り出す。

「直接ですみませんが、どうぞ、矢部さん」

呆然とする矢部さんの手にそれを握らせた。

「…やっぱり、お二人で楽しんできてください。僕はもう、満足しましたから」

そう言って視線を横にずらした。
俺から奈緒子は見えないが、二人は視線の先を辿り意味を介したのか赤面する。

俺はあまりに予想通りに事が進むのに不気味さまで覚えながら、台詞を続けた。

「あ、そうそう…矢部さんが仰っていた、山田に恋人がいるという極めつけの証拠、まだ聞いてませんでしたよね?」
「え?…あ、はい」
「な、何の話ですか?」

どうやら奈緒子は妊娠云々の所しか、話を立ち聞きしていなかったらしい。

「様子がおかしいという理由で、YOUはこの二週間尾行されてだんだよ…石原さんにね」

そう言って鋭い視線で石原さんを見ると、彼は慌てて矢部さんの後ろへ隠れた。

「な!なんだそれ!…おい!石原!」
「ち、違うんじゃよ〜、あれは兄ぃが…」
「話を戻しますけど、矢部さん。その極めつけの証拠、実は、分かっちゃったんですよ」

矢部さん達から目を逸らさず、顎を引いて奈緒子だけに聞こえるように呟いた。

「そして、これがYOUの報告したかったことだろ?」
「え…」
「大きくなったんじゃないですか?………胸が」

奈緒子が息をのむのが分かった。

「あっ!当たっちょるよ!!兄ぃ〜〜!!」

矢部さんが慌てて懐から手帳を取りだし、極めつけの証拠を読み上げ始める。

「……新しい下着を買い、それを神棚のような所へ祀って拝んでいた。次の日、古くさいよれよれのブラジャーをたくさん、
ゴミに出していた」
「石原!ゴミまで漁ったのか!!」

奈緒子の剣幕に、石原さんが完全に矢部さんの後ろに隠れる。

「だから“覚悟”しなきゃならなかったんだよな?もう貧乳ってからかえなくなるから」

俺が囁くと、奈緒子が口ごもったように押し黙る。

「え〜?でも、そんなに変わっとらんやん!!」

矢部さんの視線を受け、奈緒子が胸を手で隠すのが分かった。

「確かに、まだ全然貧乳ですね」
「う、上田!」

俺が同意すると、奈緒子が恥ずかしそうに俺の名を叫ぶ。

「まぁ、これからもっと大きくしてみせますよ」

そう言って話を切り上げた俺は後ろ手に奈緒子の手を掴み、もたつく彼女を引きながら、駐車場へと歩き出した。

数歩進んだ所で、俺は立ちすくんだままの矢部さん達を、もう一度振り返る。

「あ、そうそう…言い忘れてました!」

少ししか離れていないのだがわざと大きめの声で、はっきりと、口にした。

「山田は……奈緒子は、俺の恋人です」




異様に熱い奈緒子の手を引き、薄暗い駐車場へ入る。
無駄に声の響くその場所で、俺は本当のことを話し始めた。

「矢部さん達に、いや、誰にもYOUとのことを言わなかった本当の理由はな?」

黙って続きを待つ奈緒子。次郎号が見えてきた。

「怖かったんだよ」

小さく息を吐き、続ける。

「君はすぐ本心をはぐらかすし、今更、俺とこういう関係になったなんて周りに知れたら、恥ずかしがって、否定して、
俺から…逃げてしまうんじゃないかと思って。……君を失うのが、怖かったんだ」

次郎号の目の前で足を留める。

「それに、俺自身も、まだ信じられないくらいだったから。口にしたら夢から覚めてしまうような気がして…な」

そこで堪らず自嘲の笑みを浮かべる。

「うわっ…俺、すっげぇ、少女趣味!YOUそう思うだ……っ!!」

振り返った俺の目に留まった奈緒子の表情を、俺は一生忘れないだろう。
涙を目いっぱいに溜め、真っ赤に頬を染め、恥ずかしそうに、困ったように、嬉しそうに、俺を見上げたその笑顔を。






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